ある巫女の堕落

学校からの帰宅途中。
綺堂学園中等部2年の仁科神楽(にしな かぐら)は、ちょうど人気のない横道に入ったところを、
覆面の男たちに囲まれていた。
その男たちはまるで忍者のようなみるからに怪しい装束、そして人間のものでない光る目から、
最近巷を騒がせている『妖忍軍』の下忍どもであることが一目でわかる。
「何なのよ、あなたたち!!」
しかし神楽はそのような連中に囲まれながらも、きっぱりと言い放った。
そして、まな板といってもいいくらい未発達の胸を張り、挑戦的に下忍をにらみつける。
実を言えば、神楽が妖忍軍に出くわしたのはこれが初めてではない。
制服を着ていてすら小学生と間違われる神楽。
しかし実際には、妖忍軍と戦う5人組、サムライジャーの押しかけサポート役として、
ある時は彼らの足を引っ張り、ある時は思いもかけぬ機転で彼らのピンチを救ったりと、
その戦いに深く関わってきたのだ。
そうした戦いの中で、人質にとられた経験も1回や2回ではすまない。
そしてそのたびに、彼女は難を逃れてきたというわけだ。
「やれやれ、やはりあなたは大人物のようですな」
下忍の間から、殊更に目立つ兜飾りを身につけた怪人が歩み出る。
「上忍ドートルボー!!」
「覚えていていただいて、光栄ですよ」
丁寧な口調で話しながらも、妖忍軍の幹部であるドートルボーの目は、
油断無く神楽のようすをうかがっている。
その手の爪をカチカチと鳴らして、ドートルボーは言った。
「今日はサムライジャーの皆さんには別の怪人と戦っていただいています。助けは来ませんよ」
「それで、あたしを人質にでもしようっていうの?」
神楽が鼻で笑う。
「それもいいかもしれませんねえ」
その言葉に応じて、下忍たちが神楽を囲む輪をいっそう狭める。
「やれるものなら、やってごらんなさい!!」
その言葉と同時に、下忍がいっせいに彼女に飛びかかった!!
神楽のいた場所に、山のように重なり合う下忍たち。
「何をしてるの? あたしはこっちよ」
けれど彼女はどうやって抜け出したか、下忍の包囲の外から自慢げに声を放つ。
「あたしだって、サムライジャーの仲間だもん、これくらい自分で切り抜けちゃうんだから」
「なるほど、ねえ…」
得意げな神楽の言葉に、ドートルボーはしかし不敵な笑いを浮かべた。
「申し訳ありませんが、演技はそこまでですよ、仁科神楽さん。
 いえ、<御前様>とお呼びした方がよろしいですか?」
「!!」

神楽の身体が、ひくりと反応した。
「…どうやってそのことを知った?」
神楽の声質が、がらりと変わっていた。聞くだけで圧迫感を感じるような、押し殺した声だ。
成長盛りの普通のローティーンのはずが、その気配はまるで、妖忍軍のような人智を越えた存在を思わせる。
「我々のたゆまぬ諜報活動のおかげですよ。もっとも、私ですら半信半疑でしたが」
「それを知ったからには、生かしてはおけぬな」
神楽の言葉とほぼ同時。
妖忍軍に向けて、神楽の手から数百もの光弾が放たれる。
「ギ、ギイイイイイイィ!!!」
逃げることすら許さない誘導攻撃に、下忍たちは光に貫かれ灰も残さず消滅していく。
しかし、その阿鼻叫喚の一瞬の後、ドートルボーはただ一人、涼しげな顔で立っていた。
「…少しはやるようじゃな」
「元気のいい女の子が、そんな口をきいてはいけませんな」
「口もよう回るとみえる」
言葉を交わしながらも、お互いに隙をうかがう二人。
「実はね、この事実を知っているのは妖忍軍の中でも私だけ…ですから、私をここで殺せば、
 誰にも正体を知られずにすみますよ」
「…なぜそのようなことをする?」
「手に入れたい物がありましてね…そうそう、実はね…」
言ったドートルボーの手が、ぱっ、と繰り出される。
「そのてい、ど!?」
攻撃を避けようとしたのだろう。瞬時にその場から姿を消した神楽の姿が、路地の壁に叩きつけられる。
「ぐ、ぐうぅ…」
(何故じゃ、身体がいうことを聞かぬ!!)
「驚いていただけたようですね…実は、この一帯には仕掛けを施してまして」
言ったドートルボーが手をひらりと振ると、路地に、そしてビルの壁に、奇怪な文様が浮かび上がった。
「これがあなたの力を吸収していたわけなんですが…それでも下忍を一瞬で始末ですからね
 少々冷や汗をかきました」
「くっ、不覚…」
ぎり、と噛みしめた唇に、血が滲む。
「おっと、自殺しようなんて考えてはいけませんよ。私に危害を加えるのも無し、
 サムライジャーに連絡を取ろうとするのもなしです」
ドートルボーをにらみんだ神楽は身体を動かそうとするものの、やはり身体は言うことを聞いてはくれない。
「このような術を、使えるとは…」
「この妖術は特別製でしてね…あなただけにしか効かないかわり、おもしろいことができるんですよ」
ドートルボーは言った。
「とりあえず確認から行きましょう。あなたはサムライジャーどもから、<御前様>と呼ばれる存在。
 正体を隠したまま、サムライジャーたちに変身ブレスレットを与え、我々と戦うように諭した上で、
 子どもになりすまして彼らの動向を把握し、必要があれば助け、
 また時期が来たら強化アイテムを入手できるようにする…非常に迂遠なやり方だ」
「ようも調べたものじゃ。それだけは、褒めてやろう」
敵意に満ちた目つきの神楽に、どうも、と答え、ドートルボーは続ける。
「あなたの正体は、我々妖忍軍が誕生した千年前に、我らの頭領を封じた巫女そのもの…
 そして、我らが歴史の表舞台に立とうとするたび、選ばれた若者にサムライジャーの力を与え、
 それを防いできた…さて、ここからが肝心です。
 千年もの時を生きるには、『転化の法』と呼ばれる術が必要だった。
 その術は処女から生殖能力を奪う代わり、その生を永遠に近く引き延ばすことを可能にする」
「それを知ってどうする。わしをどうにかしたところで、永久の生は手には入らぬぞ」
「ああ、それはかまいません。私が欲しいのは、別の物ですから」
言いながら、動けない神楽に近づく


「この呪印にはおもしろいことができると、先ほど言ったでしょう?
 実はですねえ、これはあなたの千年分の性欲を開放し、人間では耐えきれないほどの純度まで高めるのです」
「なっ…!!」
思いもかけない言葉に、神楽が絶句する。
「千年かけて性欲を押さえつけてきた処女が、どのような浅ましい痴態を晒すのか、
 せいぜい見物させていただきますよ」
「この下種がっ!!」
「なんとでもおっしゃってください。ほら、そろそろ体が熱くなってきたのではないですか?」
(何故だ…奴の言うとおり、体の芯が熱い…こんな妖術があろうとは…)
ドートルボーをにらみつける表情は変わらないものの、ほんの少しずつではあるが顔が赤らみ、上気していく。
(くっ…千年の時を生きて、こんな屈辱は初めてじゃ…)
必死に押さえつけようとするものの、硬くなり始めた乳首や、湿り気を帯びてきた女陰が、
どうしても意識されてしまう。
「それでは私も、あなたが素直になるために、お手伝いをしてあげますよ」
そう言うと、下穿きを脱ぎ始める。
「な、貴様、何を…」
外気に晒されたドートルボーの下半身。
それは妖忍軍の上忍らしく獣のような毛むくじゃらの脚で、そしてその上には…
(ああっ、いかん!!)
思わず目を背ける神楽。
だが、視界に入ってしまったそれが、脳裏に焼き付いて離れてくれない。
「見なさい、あなたが焦れている姿を見ていて、私も興奮してしまったのですよ」
屹立する男根。
処女であり、千年の長い生にも関わらず男性器を見たことがない神楽にとって、
それはあまりにも凶暴な器官に思えた。
だが、同時に心のどこかで、ふわふわと浮かび上がるような心地がしてもいた。
(あれが…男のモノ…あれが…)
目を背けていても、明らかに「それ」から発せられているとわかる生ぐさい臭いが漂ってくる。
(ああ…なんて臭い…これが、男の…)
「ほら、これが欲しいのでしょう? だったらそう口に出してご覧なさい
 千年生きた巫女神楽は、ドートルボー様のペニスが欲しくてたまりません、とね」
(こんな奴に、そんな、はしたない事を乞うなどと…ああ、しかし、しかし…)
伏せていた神楽の目が、屹立した男根に吸い寄せられていく。
(あの強烈な臭いを放つモノを咥えて、口の中を満たしたい、それから奴にまたがり、そして、この…)
意識すると、じゅん、と女陰から愛液が垂れ落ちるのが感じられた。
ここに、あれを受け入れたい。
その考えが、頭の中を埋め尽くす。
ずる、ずる、と、無意識のうちに体を引きずり、神楽はドートルボーのそばへ這い寄っていく。
「おや、どうしたのですか? もう降参などということは…」
「わ、私を見くびるでない!!」

そう言ってはいても、目はドートルボーのペニスから離さない。
(ああ…あの先端のふくらみの裏、カリ、というのだったか…あれが、出し入れしたときに、ゴリゴリと私の中で…)
ゴクリ。
のどを鳴らした神楽に、ドートルボーのペニスがひくり、と動いた。
(動いた…)
自制しなければ、という思いも空しく、その手が男根へと伸びる。
細い指先が、ついにドートルボーの性器をとらえる。
「あ、あつい…」
「おやおや、先ほどの威勢はどこへ行ったのでしょう?」
嘲るような口調に、手を引っ込めようとする神楽。
けれどそこで、彼女は自分の身体が思い通りに動き始めていることに気づいた。
(そうだ、これで、こやつを油断させて…)
ペニスを握った手を離さず、やんわりとそれを包むようにする。
(た、たしか、こう…するのだと…)
遠い昔、どこかで誰から聞いたものか、とうに忘れてしまった知識がふいに蘇る。
さするように、やんわりとペニスを握った手を前後させる。
しゅっ、しゅっ
屹立した男根を、おそるおそる扱きあげる。
「はあ、はあ…」
そうしてドートルボーのモノを扱きながら、いつしか神楽は息を荒くしていた。
「どうですかな、はじめての奉仕の感想は」
「う、うるさいっ、わ、私は…」
そう答えながらも、神楽の頭はかっかと燃えるような熱を持ち、ぼんやりとしていて、
自分が敵の隙を突くためにこうしているという意識すら曖昧なものになっていた。
「もっと強くしても大丈夫ですよ」
「も、もっと…?」
ドートルボーに言われるまま、動きを少しづつ早めていく。
「そう、そのくらいがいいですね。覚えが早い子は好きですよ」
言われて、頭に手を置かれる。硬い爪の生えた腕が、やんわりと頭を撫でる。
頭を撫でられるという行為に、一瞬、子供のような喜びが芽生える。
(ああ、気持ちいい…っと、何を考えているのだ私は!!)
「では、私もあなたにお礼をするとしましょうか」
「な、なに!?」

ドートルボーが体勢を変え、有無を言わせぬうちに神楽を後ろから抱え上げる。
(し、しまった、これでは身動きが…)
敵をしとめるチャンスを失い、動揺する神楽の胸へ、ドートルボーの手が伸びる。
ビリビリッ!!
その爪が、無情にも神楽の制服を引き裂き、ブラを露出させた。
「さて、我らは人間を快楽漬けにして操る方法を日々研究しています。
 ですから、その技術を使えば、あなたを快感の楽園に連れて行くことができますよ…たとえば、こんな風に」
言うが早いか、引き裂かれた制服からのぞくブラに、片手を差し入れるドートルボー。
「こ、この痴れも、あひぃん!!」
薄い胸を撫でられただけ。
それだけで、神楽の身体には電撃が走っていた。
「おやおや、呪印の効果があるとはいえ、ちょっと感じすぎではないですか?
 それとも、あなたが本質的に淫乱であるのか」
言いながら、もう片方の胸にも手を伸ばす。
「そ、そんな、こと、ひゃああん!!」
「悶えながら言っても説得力が無いですよ。ほら、このかわいい胸の先をいじってあげるだけで」
未発達な乳房の先端へ刺激を集中させる。
「や、やめ、ひぁあん、そんなところ、いじられると、こ、声が、でてしまう!!」
悶える神楽の抵抗も、呪印の力によってひ弱な娘のそれと変わらぬ程度でしかない。
「じっくりと仕込んであげたいのですが、時間の都合がありますのでね。メインイベントと行かせてもらいましょうか」
「メイ…ま、まさか!!」
スカートの下、太股に、熱く、そして硬いものが触れる感触があった。
「さあ、千年モノの処女を、頂くとしましょう」
「いや、いやじゃ、やめよ!!」
首を振りながら、必死に抵抗する彼女の下着を、それが器用な動きで横へずらしていく。
「ほう…ここはもうすっかり、準備ができているようですねえ」
「い、言うなっ!!」
言われるまでもなかった。
張り付いたような下着は、滴る愛液を吸い取った結果。
そして今も、女陰は千年を経て初めて得る本来の役割に、潤み、男を待ち望んでいる。
「苦痛はありませんよ…私のモノは、特別製ですのでね」


その言葉と同時。
「がふうぅっ!?」
身体の中心へ、異物がつき込まれる感触。
ぶつり、と何かが切れた感触を、まるで人ごとのように感じる。
一瞬遅れて、自分の中の灼熱の塊を実感する。
(う、埋まっておる、私の中が、…)
諦めとともに、重責から解放されたという開放感が彼女を包む。
(これですべて、終わってしまった…すべてが…)
破瓜の痛みは、それほどなかった。
いや、あったのかもしれない。だがそれ以上に、彼女の身体は貪欲になっていた。
「おや、自分から動くのですか?」
言われて初めて、自分が腰を動かしていることに気づく。
だが、もうどうでもいい。
「わ、悪いか…どうせ、貴様も満足するまで抜くつもりはないのじゃろう?」
言いながら、抱えられた姿勢のまま、上下に身体を動かそうとする。
「ふあ、はふぅん!!」
漏れ出る声は、外見相応の娘のもの。
今や彼女は、初めての快感に翻弄される、生娘でしかなかった。
「そういうことなら、私も楽しませてもらいますよ!!」
言葉とともに、ペニスが突き込まれる。
「ああっ、深いっ!!」
声を上げながら、ペニスを締め上げる神楽。
ドートルボーの言葉は正しかった。
突かれても痛みはほとんど無く、ただもっと貪欲にこのペニスを味わいたいという渇望だけが高まっていく。
「も、もっとじゃ、もっと深く!!」
あらゆる鎖から解放された神楽は、ただ己の欲望のまま、要求する。
それに応え、ドートルボーの動きも激しさを増す。
「ん、あうんっ!!」
突然、神楽の身体が反転した。
向かい合わせたドートルボーの顔に、自然に自らの顔を寄せる。
「はむ、んちゅうっ!!」
それが、彼女にとって初めての接吻だった。
だというのに、荒々しく舌を突き出し、相手にも同じく腔内を蹂躙することを求める。
腕はドートルボーの背中にしっかりと回され、きつく抱き寄せる。
ブラが外れ、露わになった乳首が、怪人の厚い胸板と擦れ、快感を与える。
「良い、はぁ、良いぞっ!! 今少し…いま、すこしでっ!!」
膣の締め付けを強め、快感を求める。
彼女の中からは蜜が止めどなくあふれ、そこに突き込まれるペニスが、淫靡な音を路地に響かせる。
「そろそろ、ですかねえ…ではあなたの中に、たっぷりと精液を注ぎ込んであげましょう」
絶望的な宣告も、今の神楽には快楽への扉としか感じられない。


「そうじゃ、汚してしまえ、私の奥まで、そなたの肉棒で!!」
腰を振りたくり、さらなる快感を求める神楽。
その間にも、呪印による快楽への欲求は高まっていく。
はあはあと荒い息をつきながら、力の限り快感を求める。
やがて、彼女の性欲が頂点へと達する時がきた。
「ああっ、い、イクッ、イクゥーーッ!!」
背中を反らせ、絶頂の叫びをほとばしらせる神楽。それと同時に、膣が収縮する。
「では、私も!!」
一際大きく突き入れたドートルボーのペニスが、絶頂の痙攣を続ける膣内で膨張したかと思うと、
精を放つ。
「ああっ、奥、一番おくに、入ってきておる…」
絶頂の余韻もさめやらぬまま、射精される快感にもはや魂の抜けたようになった神楽の身体に、
どく、どくと精子が注ぎ込まれていく。
「い、いっぱいに、なってしまう…」
呆けたようにつぶやく神楽。
「これだけ注いだら、孕んでしまうかもしれませんね」
「はら、む…構わぬ、もう、どうなっても構わぬ…」
すべてを諦める言葉を口にして、神楽はドートルボーの胸に身を預ける。
ゴポリ。
神楽の身体から、ペニスが引き抜かれる。と同時に、僅かに赤い色の混じった精液が流れ出す。
「あ、ああ…もったい、ない…」
こぼれ落ちそうな精液をすくうと、そのまま、うっとりとした目つきで手のひらの粘りけを帯びた液を眺め、
そして一気にすすりあげた。
「おかしな味じゃ…じゃが、心地よい…」
自分はもはや、この快楽なしでは生きていけない。
そんな考えが心に浮かぶ。
神楽を抱き留めたままのドートルボーは、そんな彼女の様子を満足げに見下ろし、言った。
「さて、あなたを犯したもうひとつの目的を教えてあげましょう」
「もう、ひとつ…?」
ぼんやりと問い返す神楽に、ドートルボーは説明好き特有の得意げな表情でうなずいた。
「今まで耐えてきた千年分の快楽、それを埋めるには今の分だけでは足りませんよね?」
「せんねん、ぶん…ああ、そうじゃ」
どんよりと曇った神楽の目が、暗い輝きを持つ。
「フフフ…この呪印の最後の役割、それは、あなたの渇望を力に変え、その存在を妖忍へと変化させることですよ…」
ドートルボーの言葉も聞こえぬように、神楽はつぶやき続ける。
「そう、これからはいくらでも男を喰らい、この快楽を味わうのじゃ…ああ…欲しい…男が…女も…
 私を心地よくしてくれるものは、我が下僕としてやろう…
 私の主人は、私の目を覚まして下さったドートルボー様ただ一人…」
路地に溢れる文様が、殊更に輝きを増す。
それと同時に、神楽の身体にも同じような文様が浮かびあがった。
「さあ、妖忍カグラよ、その姿を示しなさい!!」


ドートルボーの言葉をきっかけとして、神楽の身体が闇に包まれ、変容していく。
それと同時に、睫毛は長く、髪が腰の下まで伸びていく。唇には紅が引かれ、アイシャドウが瞳を彩る。
そして、制服に替わってその身体を包むのは、蝶のあしらわれた黒い着物。
着崩し、肩を露わにしたその肌には呪印が刻まれ、その姿は外見の幼さとのギャップで彼女をより妖艶さに見せる。
そして、その身に纏う妖力は、黒いオーラとなって目に見えるほどだった。
「ドートルボー様…妖忍、カグラにございます…」
ドートルボーの腕の中で、しなを作るカグラ。
「素晴らしいですよ、我が下僕カグラ…あなたの力があれば、妖忍軍を率いる立場になることも夢ではない」
ドートルボーの言葉に、カグラは歓喜の表情をうかべ、その胸元に頬を寄せた。
「お望みとあらば、この世界のすべてをあるじ様に献上いたしましょうぞ…」
「そのためにはまず、サムライジャーをあなたの下僕として妖忍軍に引きずり込むのです」
「はい、何もかも、あるじ様のご随意に…」
カグラの身体を一陣の風が包むと、元の制服姿へと一瞬で戻る。
「この姿で彼らをじわじわと洗脳し、あるじ様への恭順を刻みつけてご覧に入れましょう…」
「期待していますよ、わが下僕」
「お時間はかけませぬ…吉報を、お待ち下され」
その姿に似つかわしくない艶やかな笑みを浮かべて、カグラは作戦の成功を誓うのだった。





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