皇女ナナリーの鍵

(私がお兄様を止めなければ…!)
フレイヤ弾頭の制御スイッチ『ダモクレスの鍵』を震える手で握り締め、車椅子から崩れそうな身を懸命に支えながら盲目の皇女ナナリーは決意を新たにする。
人の尊厳を踏みにじるギアスを行使する兄ルルーシュを許すことは決して出来ない、最愛の兄であるからこそそれは尚更。
ならばせめて自分の手で、たとえ自身の手を汚してでも兄を葬り去らなければ。
それこそが兄が犯した大罪により犠牲になった人々に対して、妹である自分ができる唯一の贖罪だった。

「フレイヤの発射準備ができたよ、ナナリー」
シュナイゼルの冷ややかな声が空中要塞ダモクレスの中枢フロアに独り佇むナナリーの耳に響く。
敬愛するもう一人の兄シュナイゼルではあったが、自分が彼に利用されているのではないかという疑念が頭をよぎらなかった訳ではない。
だがこうして『鍵』が委ねられてしまった以上、もはや逃げることは許されなかった。
そして何よりも兄ルルーシュの一番傍にいた自分こそが兄に対峙する義務があると思えてならなかった。
フレイヤを使えば多くの命が失われる、その罪も兄の大罪も背負っていく覚悟を決めなければならない。
張り裂けんばかりの胸の内を必死でこらえ、ナナリーは『鍵』を固く握り直した。

カチッ。制御スイッチの乾いた音が、指先に掛かる重い感触が暗闇に閉ざされたナナリーの神経を貫く。
数刻の間を置いて戦況が伝えられた。それは想像を超える凄惨なものだった。
一瞬にして戦場から多くの命が奪われていく。それを自分の手で行った。
溢れる涙が止まらなかった。千切れんばかりに震える身を掻き抱き、彼女は自身が引き起こした恐怖に耐え続けた。
だが一度決意を固めた以上、この重責から逃げるつもりはなかった。フレイヤの再装填完了が告げられ、彼女は再び虐殺のスイッチを押した。

一体何回スイッチを押し、無慈悲にどれだけの命を奪っただろうか。
いつしか身体の震えは止まっていた。もはやフレイヤの行使に躊躇いはなくなっていた。
こんな無感動に命を奪うことが許されるはずもない。頭では分かっている。なのに恐れを感じる心が冷え切っている。
こんなにも冷徹に命を奪う自分自身が信じられなかった。最愛の兄もギアスを使っていく内にこうなったのだろうか。
こうして迷いなくフレイヤを撃ち続けている今の自分は断罪すべき兄と何が違うというのだろうか。
彼女の頭の中でまとまらぬ考えが濁流のようにうねっていた。

「ハァ、ハァ、ハァ……」
先程からまぶたが熱い。まるで見えぬ目が外界で繰り広げられている虐殺の光景を直に手繰り寄せようともがいているかのようだった。
熱を帯びたまぶたに伴うように、身体も熱くなり息が上がっていく。
意識がおぼろげになる中で唯一はっきりと実感できるものは、手中に固く握られた『鍵』だけだった。
自分は今この『鍵』で多くの命を握っている。この実感こそが今の自分そのものに思えてならなかった。
そう自覚すると身体が更に熱くなるように感じられた。
(わたし…興奮している……!)
その時、彼女は自らの秘裂がしとどに濡れそぼっていることに気付いてしまった。
(ああ、なんてことなの…)
自らの手を虐殺の血に染めることに興奮するばかりか、その事に対して性的興奮まで覚えてしまっている。
あまりの罪深さに倒れそうになる身を起こしつつも、無意識の内に僅かばかりドレスの裾をたくし上げる。
そして震える右手をショーツに差し入れ、淫蜜に溢れた秘裂を指先で確かめるかのように撫で擦った。
「ああっ!」
その瞬間、身体中に稲妻が走ったかのようにビクビクと全身を震わせ、彼女は声を上げて高みに昇り詰めた。
「こんなことが、こんなことがこんなに気持ち良いなんて…」
しばらく肩で大きく息をして放心していた彼女は、指先にまとわりついた淫蜜の感触に思わずそう呟いた。
ゆっくりとショーツから手を引き出し顔前に導いていく。見えぬまぶたの奥で淫蜜に濡れた指を思い描きつつ、そのまま彼女は指をその小さな唇に咥え込み自らの蜜を舐めしゃぶった。

「ハァハァ、ハァハァ……」
空中要塞ダモクレスの中枢フロアに、ナナリーの色付いた吐息が密やかに響いていた。
絶頂の余韻冷めやらぬまま、彼女はショーツに右手を差し入れ再び秘裂を撫で擦っていく。
その内浅い快感では物足りなさを覚えるようになり、彼女は大きく息を弾ませながらゆっくりと秘唇を開き秘裂の中に指を押し進めていった。
たっぷりと塗り付けられた唾液と溢れ続ける淫蜜のおかげで、彼女の指は徐々に奥へと飲み込まれていく。
「…んっ。うんん、ああ…!」
込み上げる性的快感を抑え切れず、そのまま指を動かしていく。
始めは襞を撫でるように浅く、しかし程なくして秘裂からグチュグチュと水音が聴こえる程に激しく掻き回していった。
更なる快楽を求め『鍵』を握ったままの左手を僅かに膨らむ胸に押し当て、ドレスの上から皺になるのも構わず揉みしだく。
そしてそのまま『鍵』を乳首に擦り付けるように強く胸をまさぐり、湧き上がる快楽を貪り続けた。暗闇に包まれた意識がどんどん高揚していく。
痛みを感じる程に胸を揉みしだき秘裂の奥の襞を掻き撫で肉芽を爪で擦り上げた瞬間、彼女は大きく身体を反らし秘裂から淫蜜を撒き散らしながら絶頂に達した。
「あ、あああっ! お兄様ぁっ!」
無意識に最愛の兄を夢想したことに自覚のないまま、彼女は快楽のぬるま湯の中に浸り切っていた。

「ナナリー、ルルーシュがこちらに向かって来ている。フレイヤ発射のタイミングは後程伝える。これでおしまいだ、できるね?」
絶頂の余韻に顔をとろかせていたナナリーはシュナイゼルの声に意識を覚醒させた。
(お兄様が来る…。私を殺しに、お兄様が…)
一瞬、愛しい兄の手で葬られるのも悪くないという考えが頭をよぎる。
だが…自分の手で兄を殺すことができるとしたら…? それを可能にする『鍵』は手中に握られている。
多くの命を自らの手で奪うことで禁断の快楽に目覚めてしまった。
しかし最愛の兄ルルーシュの命をこの手で奪うことができたなら、きっとこれまでとは比べ物にならない悦楽で満たされるに違いない! 
彼女はそう確信していた。そしてシュナイゼルの問い掛けに『鍵』を両手で握り締め静かに、だが身体の奥底の興奮を滲ませて答えた。
「……はい」

身体の震えが止まらない。だがこれは恐怖からくる震えではない。
今のナナリーは最愛の兄ルルーシュをその手にかける瞬間を待ち侘び、歓喜に打ち震えていた。
息が上がり身体が熱い。顔が上気し焼けるような熱さをまぶたに感じる。
高まる興奮の中でショーツは既に淫蜜でぐっしょりと濡れそぼり、滴り落ちて床に染みを広げていた。
火の付いた情欲を堪え切れず、ドレスの裾を大きくたくし上げ再び指で秘裂を掻き回す。
ドレスの上から胸を揉むだけでは飽き足りず、更に快楽を貪らんと胸元をはだけブラジャーをずらし、直接胸を掴み乳首をつねり捏ねくり回していく。
「ああっ! あっ、あっ、んんんっ! いい、気持ちいい! …でもまだ、まだ足りない…。もっと、もっとぉっ!」
暗く淀んだ底なし沼のように、彼女は黒く歪んだ淫欲を飲み込んでいく。
だがこれだけでは彼女の爛れた欲望を満たすことはできなかった。
朦朧とする意識の中で、胸を揉みしだく左手に支えられた『鍵』を握り締め直すとそのまま下へともっていく。
同時に秘裂を掻き回していた右手を抜き取ると、淫蜜をたっぷりと吸い込んだショーツの股布を指でよじった。
そこには淫蜜でてらてらと濡れ光る秘裂が全ての淫欲を貪ろうとするかのように秘唇を蠢かせている様が見える。
彼女は棒状の『鍵』の制御スイッチ部分をおもむろに秘裂にあてがうと、そのままゆっくりと膣内に押し込んだ。
ジュブッ、という音を立てて徐々に『鍵』は彼女の膣内に飲み込まれていく。
「くうっ! んああっ! あ、あああ! お兄様、お兄様っ!」
彼女の中ではもはや『鍵』は最愛の兄ルルーシュの肉棒と等しい存在となっていた。
兄に抱かれる自分の姿を夢想しつつ、更に『鍵』を押し込んでいく。奥へ奥へと。
そして処女膜に行き着いた時、彼女は大きく息を吸い込むと躊躇わず一息で『鍵』を押し込んだ。
ブチッ。肉襞が裂ける確かな感触が『鍵』を通して伝わってくる。
「痛っ! くうう…!」
額に汗が浮かび唇をぎゅっと噛み締める。程なくして秘裂から一筋の鮮血が滴り落ちた。
破瓜の痛みに身体が強張るが、彼女にとってこの痛みは兄によってもたらされた神聖な悦楽であった。
『鍵』の制御スイッチ部分を全て膣内に収め切ると大きく息を吐く。
だんだんと痛みが引いていくのと引き換えに、むず痒く甘い感覚が沸き上がってくる。
その感覚に導かれるように彼女は『鍵』をを抜き差しし始めた。
最初こそ控えめな動きだったが、徐々にストロークが長くなり激しさが増していく。
『鍵』の動きに伴うように湧き上がる快楽も大きくなり、気色ばんだ顔からは愉悦の色が溢れていた。
まぶたに更に激しい燃えるような熱を感じながら、口元からは涎をこぼし髪を振り乱し身体を弓なりに反らせて行為に没頭する。
薄桃色だった秘裂は今や真っ赤に充血し、ジュボジュボという音を立てて淫蜜を撒き散らせていた。
あまりの激しさに特別にあつらえた車椅子がギシギシと音を立てて揺れる。
にも拘らず、そんな事など気にも留めず快楽を貪り続ける様には、もはや昨日までのか弱い少女の面影は見られなかった。
「お兄様! もっと強く! もっと激しく! んん、あああっ!」

「ナナリー、今だ。これで終わらせてあげなさい」
シュナイゼルからフレイヤ発射の指示が告げられる。
(ああ、これでお兄様を、お兄様の命を…!)
ナナリーは力を込めると『鍵』を最奥に思い切り突き込んだ。身体の中心に一際大きな悦楽がほとばしる。
そして子宮口によって『鍵』のスイッチが押されたその時、彼女は絶叫して身体をわななかせ、意識が弾け跳ぶ程の絶頂に達した。
「お兄様、お兄様、お兄様ぁぁぁっっ!!」
その瞬間、決して開くことのないはずのまぶたが開いた。見開かれた瞳に光が差し込む。
外界のあまりの眩しさに、文字通り『白』が目に焼きついたかのような錯覚を覚えた。
そしてその光の中に彼女は見えるはずのない光景が、フレイヤによって消滅する兄ルルーシュの姿がはっきりと見えた。
「ふふふ、お兄様、あははは、あははははは……」
歪んだ恍惚の笑みを浮かべる彼女の瞳の奥には、赤い光がゆらめいていた。



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