DQシリーズSS

01
商売で成功したトルネコだが、彼が実は死の商人であると知っている者は極僅かだ。
人の良さそうな顔と、安心感のある恰幅、
饒舌な口からは想像出来ないが、裏の商売を知った時、それがその人の最期になるのだ。

彼は、仲間の姫や姉妹、自称勇者の女をも商品としていた。
戦士や僧侶、魔法使い達が彼女達を捜しているが、二度と元の彼女達には会えないだろう。
トルネコの商売道具な白い粉と、オヤジならではのねちっこい指導により
長い旅の間に作り替えられた彼女達は、トルネコ出す命令のまま
彼のお得意様である魔族の前に引き出され、倒すベキ相手だった魔族に
自分を買って頂けるよう、各々が自分をアピールしていく。
姉妹奉仕や踊りで鍛えた腰つきを言う者
鍛えた肉体だからこそ可能な、激しいプレイを言う者
占いの力で相手がどうすれば気持ち良くなってくれるかが分かるので奉仕させて下さいと言う者
自らの使命を塗り替えられ、その力を魔族の為に使うと犬の『チンチン』ポーズで宣言する者

勇者一行の瓦解を見届け、トルネコは世界を巡る。

02
そんな彼が世界を回っていると、ある町で結婚相手を決めるという場所に居合わせた。
青年は町の美しいお嬢さんと、幼なじみの二人から選ぶのだと言う。
そして、選ばれたのは町のお嬢さんだった。
選ばれなかった女性は二人を祝福するが、選ばれなかった心の隙を突き
トルネコは言葉たくみに彼女を売り飛ばす事を実行に移しだした。
「貴女の傷付いた心も、ある教団なら癒されるのではありませんか?
ココロのスキマ、お埋めします。貴女は、その教団に心を預けておしまいなさい。
自分で考えるから傷付くのです、さぁ心も身体も……ドーーン!」

また、もう一方の女性にもトルネコの魔手は迫っていた。
あの時の青年が王だった為に妃となったのだが、妃としての重圧に耐える彼女に
商人として城に出入りしているトルネコは、白い粉を精神が楽になる薬だと渡し
城を、国を蝕んでいく。
ある教団が国の宗教に迎い受けられ、その教団が説く教えの元
徐々に、密に、退廃と堕落の都へと変えられていく国。
禁忌は快楽の糧と推奨され、行方知れずとなった国王の居ない中、妃は二人の子供を身篭る。
そんな国のゆく末に満足しつつ、トルネコは世界を巡る。

03
ある国で商人の情報網を持つ彼は「弟を捜している」と言う女性に知り合う。
「なら、付いて来ますか?私は世界を回る者、貴女がお捜しの人も見付かるでしょう」と。
そんな事から一年。彼はまた、ある国で一人の男に会う。
なんでも生き別れた姉を捜しているらしい。これはイイ!彼は男に同行を申し出た。
替わりに、毎晩が愉しくなるモノを貴方に提供しましょう…と。
その晩、トルネコは男の前にマスクを付けられた女と共に来た。
マスクで眼や耳が覆われ、それ以外はローブしか着けていない女…ソレを自由にして良いと言う。

口の部分は開いているが、女性はマトモに喋る事が出来ない程の扱いを受けていたと
トルネコ言う。
「わたしが助けなければ、この女は死んでいたでしょうなぁ。
人間て奴は、魔族よりも酷い事をするもんですわ。
この女、使ってみて貴方が気に入ったなら、お売りしますよ」…と。
その後、その男は人間に絶望し、魔族として人を滅ぼす決意をしたという。

彼の名はトルネコ。彼が一声、呼び声をあげれば闇の商人軍団シンジケートが動き
彼の前では、人の不幸や失敗が、トルネコの儲けになるのだ。

トルネコ「稼ぎ方がどうやろうと、銭は銭。銭の価値に変わりは無いでっしゃろ?
あくどい事でもせな、銭なんて残りまへん。正義の味方とか居ますやろ?
あーゆー甘ったれ共に世界の仕組みっちゅーもんを教えとるだけですわ。
つい先日も、城の中に在る公営酒場を買収しましてな。
何や女主人が『ここは世界を救う者達が…』だの寝言を抜かしてましたけど
その女主人に、今は誰が主人かキッチリ教え込んだりましたわw
で、今じゃ情婦気取りで儂の言いなり。新人の女戦士に薬を盛って、商品作りに協力させてます。

ま、商人はニッチを見逃さずに、隙間で儲けなあきません。
相手が抱えるココロのスキマを埋めて差し上げるのが、私の喜び…

ドーーーン!とナニを突き付ければ、大概は解決ですよ。オーーホッホッホッ……」