【エロより】ハーレムな小説を書くスレ【幸せ】 8P

209 :アカ・ソ・ノモノ ◆TU/TSQeOhE :2007/04/01(日) 21:23:13 ID:hMX2EseD
 カーテンを締め切られ薄暗い室内に、十数名の人影が座っている。顔はやっぱり見える――いや、見えないということに
しておく。見えないのだ。な。
 上座に座った――いわゆる議長席――、メガネをかけた少女が口を開く。顔はやはり見えない。あくまで見えない。見え
ないのだ。な。
「これより、第三回『ボクネン』対策委員会を開催します」
 厳粛な空気の漂う室内に、少女の声が響く。
「では、前回議決された作戦の進捗状況および結果を報告してもらいます。まずは『イモウト』班、どうぞ」
 指名された三つ編みの少女は、どもりながら答えた。
「は、は、はいっ。わ、私の班では、おに――あ、いえ、ぼ、『ボクネン』の就寝中にベッドに潜入、む、胸や脚をせ、接触さ
せ、『ボクネン』のせ、せ、性欲をっ、し、刺激するという作戦を実行いたしまひたっ――あう」
 三つ編みの少女は最後の最後で噛んだことを悔やんだが、周りはそんな事を気にしてはいなかった。ちっ、といった舌打
ちの音や、う、羨ましいなどと言った声が、室内のそこかしこから聞こえてくる。
「静粛に」
 メガネの少女の決して大きくはないその言葉一つで、室内が静まり返る。
「どうぞ、続けてください」
「は、はいっ。それで、その、け、結果としては、し、失敗したと、思います」
「何故そう思うのですか?」
「は、はいっ。ベッドには、その、潜り込めたんですけど、その、あの、色々できたんですけど、おにいちゃ――い、いえ、
『ボクネン』が起きてから、その、お、お説教されて――」
「お説教?」
「はいっ。お、お前ももう子供じゃないんだからとか、いい歳した女の子がまったくとか、最近はお風呂入ろうって言わなくな
ったからちょっと寂しかったとか、まったくお前は甘えん坊だなとか、まあそこが可愛いんだけどなとか――」
「あー。いいです、もういいです。おなか一杯です」
 途中から顔を赤くして身体をくねらせ始めた三つ編みの少女に、うんざりとした顔でそう言うメガネの少女。他の面々も惚
気話を聞かされた独身女性のような顔をしている。あ、いや、顔は見えない。あくまでも見えないのだ。
「まったく、相変わらずの天然ですか。『ボクネン』は」
 室内のあちらこちらでため息。気を取り直して、議長役の少女は問いを発する。
「それで、具体的にどのようなことを?」
「へ? あ、あ、はいっ。あの、その、お、ぼ、『ボクネン』は、その、寝相が良くて、いつも仰向けで寝ています。その、その
時もそうで、それで、その、まず手始めに腕に抱きついて、む、胸を押し付けたりとか、あの、その、て、手を股に挟んだり
とかしました。それで、次は――」
「待て」
 銀縁メガネをきゅぴーんと光らせながら、どこか冷たい感じのする美貌の少女が声をあげる。
「は、はい、何でしょうか、『スナオクール』さん」
「手を股に挟んだ――だけではないだろう? 挟んで、どうした?」
『スナオクール』と呼ばれた少女だけでは無く室内の人間全員が、「誤魔化そうとしてんじゃねえぞ、きりきり吐けやごるぁ」
とでも言いそうな眼をしていた。もちろん、議長役のメガネの少女も同じだ。
「それだけでは、ないですよねぇ? 『イモウト』さん?」

210 :アカ・ソ・ノモノ ◆TU/TSQeOhE :2007/04/01(日) 21:24:17 ID:hMX2EseD
「あ、あうう。はいぃ」
「では、そこら辺も詳しくお願いします。もし今度誤魔化そうとしたら――」
「ひぃぃぃ。話します話しますぅ。てっ、手を股に挟んで、そしたらおにいちゃんの手がふとももの内側に触れて、それが凄く気持ち良くって、それで、その、がっ、我慢できなくなって、その――」
「その手を使ってオナニーした、と?」
『スナオクール』と呼ばれた銀縁メガネの少女が後を続ける。その言葉に真っ赤になる三つ編みの少女。
「直にか?」
『スナオクール』はいつでも直球である。
「は、はい……。も、もう我慢できなくて、それで、じ、直にあ、あ、アソコに擦り付けて、な、中に入れたりも――」
「気持ち良かったか?」
 やはり直球である。
「は、はい。とっても――」
「なるほど。うん。良く分かった。参考になる」
 何の参考だ、と突っ込む人間はいない。皆先ほどの三つ編み少女の話を聞いて顔を赤らめ、脚をもじもじさせている。それどころでは無いようだ。
「で、でー、その、それが一段落して、声は抑えてたけど結構動いて……だからおにいちゃん起きたと思ったんですけど、起きてなくて……だから、その、今度は上にこう、覆いかぶさるようにこう……」
 マウントポジションをとった、と言いたいらしい。室内の熱気は更に上がる。だが、誰も一言も喋らない。ごくり、と唾を飲み込む音が聞こえた。
「そ、その、あ、朝だったんで、そのなんていうか、あの、アレが――」
「勃っていたわけか」
 最早言うまでもないだろうが、『スナオクール』はいつでも直球である。
「は、はい……。その、それで、あの、それに気づいて、そして――」
 室内はまさに固唾を飲むよう。自らの痴態を説明する少女は、顔どころか全身真っ赤になっている。目尻に涙を溜め、今にも泣き出しそうだった。
 固形化してしまいそうな室内の空気に耐えられなくなったのか、手帳を片手に持ったショートカットの少女が立ち上がった。

211 :アカ・ソ・ノモノ ◆TU/TSQeOhE :2007/04/01(日) 21:27:03 ID:hMX2EseD
「さ、さささ最後まで逝っちゃいやがりましたかコノヤロー!」
「黙れ『ブンヤ』。今いいところなんだ」
「がふっ……カラ……テカ……」
 叫んだ次の瞬間、隣に座ったポニーテイルの少女に鳩尾を強打されて床に沈む『ブンヤ』。ポニーテイルの少女は『イモ
ウト』に先を促す。
「ひんっ……そ、それで、あの、た、たた、勃ったアレにあ、あ、あ、アソコを擦り付けてっ、あと、おにいちゃんの手を胸に
押し付けてお、おっぱい揉んだりっ! しましたっ!」
 勢いをつけて一気に吐き出す少女。その眦には表面張力の限界に挑戦するかのように涙が溜まっている。室内の熱気
は最高潮に達した。
「それでっ、おにいちゃんが起きたときはその途中でっ。手だっておっぱいに押し付けてたしアレだって擦り付けててっ。どう
見たってアレなのに、それなのにおにいちゃん、年上をからかうなとか年頃の娘がとかお説教し始めてっ。わたし、わたし
そんなに魅力ありませんかっ! 結局妹でしかありませんかっ!」
 とうとう泣き出してしまった少女。室内のあちらこちらから大丈夫、元気出して等といった声が聞こえてくる。
 メガネの少女が、優しい口調で問いかける。
「お説教をする時の『ボクネン』の表情は、どうでした?」
「うっぐ……えぐっ、ひんっ、か、変わってませんでしたぁ、全然、ぜんぜうあぅぅぅ……」
 傷を抉ったらしい。更に激しくなる嗚咽。
 先ほどの熱気とは逆に、しんみりとしてしまった室内。そんな雰囲気を吹き飛ばすように、メガネの少女の凛とした声が
響く。
「ありがとうございます、『イモウト』さん。今回は失敗に終わりましたが、何事も継続が大切です。きっと、きっといつか報わ
れる日が来ます」
 どこか自分に言い聞かせているかのような口調。そう、きっといつかは――。
 泣きながらも、しっかりと頷く三つ編みの少女。それに頷き返すメガネの少女。
「皆さんも、そうです。敵は強大です。ですが、必ず、必ず私達はこれを打ち破れることができると信じています。そう、必ず
あの『ボクネン』に、愛していると言わせてやるのです!」
 おおっ、と歓声。
「そして、言ってやるのです。私も、と! 皆さん、その時まで頑張りましょう!」
 室内に歓声が響く。戦いは、まだ、始まったばかり。




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