【モテモテ】ハーレムな小説を書くスレ【エロエロ】7P
800 :星に願いを 1/17:2007/03/12(月) 13:40:16 ID:AJUSdmxP
その時、海を見ていた。
ちょうど、島から漁へ出ていた両親が、帰ってくるのを待つために。
港が見下ろせる岬に行くと、空から数えきれないほど光と星が降っていた。
それが全く見えなくなるまで、ずっと海を見ながら何度も願い事をしていた。
ほとんど勉強なんかを見てくれない父から唯一教えてもらった、星のことが好きだったから。
「いつか宇宙へいけますように」と、無心に願い続けた。
両親はその日、帰らなかった。


ピピピッ……、目覚ましの音で、浅い眠りからの目覚め特有の不快感を振り払い、僕――アイギス=ダグラス――は仮眠室でもある船室から出て、船上へ出た。
もう一人の乗組員に、強引に夜通し沖へ出る事を強制されたため、睡眠時間が足りなかった。
漁船としては標準的な甲板から、未だ朝と言うには早すぎて薄暗い水平線を見渡していると、船の先端から声が掛かる。
「アイギス、おはよう。周りの声を聞いてみたけど、なかなかお魚たくさん居そうだよ?」
傍から聞くと危ないヒトの台詞のようだが、慣れたもので彼は違和感を感じなかった。

彼女は高倉つぐみ、僕と同じ島に生まれた幼馴染だ。
いわゆる天才とか神童とか言われるカテゴリーに属する人間である。
既に世界最高峰たる学園都市で、工学分野のプログラミングや情報処理で右に出るものは居ない才媛だ。
しかも、念動力とか読心術とかいわゆる、超能力と呼ばれるもののほとんどを使える。
もっとも、スプーンを曲げたり札の図柄を当てるような、ちゃちな代物じゃない。
ほんの数年前に確立した超能力理論によると、超能力とは常人の使わない脳の領域を利用した、高度演算による事象改変なのだそうだ。
まあ、それが定説となる前からつぐみの力に振り回されたアイギスとしては、果てしなくどうでもいい。
彼女は島外の学校、それも日本で一番有名な総合学園都市へ編入したが、長期休暇で帰ってきていた。

801 :星に願いを 2/17:2007/03/12(月) 13:41:03 ID:AJUSdmxP
最後に会ったのがしばらく前だったから、久しぶりにあって驚いた。
長いと暑いとか言っていつも短かった髪は、腰を過ぎるほどに長くなって、肌もかつてより大分白い。
率直に言って、最後に会ったときよりずっと綺麗になったと思う。
もっとも、少しは内面も変わったのかとも思ったが、再会してからも何かにつけて抱きついて来るあたり、スキンシップが過剰なのは変わらない。
まあ年頃の男子としていろいろ大変であり、しかもそれをサイコメトリーで読まれているのではないかという、疑念も沸かないではないが。

「ほらほら、何時までも眠そうにしてないで。ねえ、朝ごはんの準備をする前に聞いておきたい事があるの。いい?」
唐突に問われて、やっと納得がいった。
最近、僕がどうしてたか知りたいといって沖へ出たのもそれなのだろう。

「アイギス、学園都市へ、国立総合宇宙アカデミーへ戻って来ない?最近ようやくごたごたが収まって、各分野の優秀者を集めたクラスが編成されるんだけど」
何でもないように言われた言葉に、アイギスはそこに関わる事を思い出す。
そこは、十数年前正式にファーストコンタクトをした、異星人たちの優れた技術や知識を地球上で学べる数少ない場所。
あらゆる世代の人が行くことを望み、あまりに高く多くのハードルにそれを阻まれる場所。
おそらくは、地上でもっとも宇宙に近い場所。

「いいや、僕は行かないよ」
そして、僕が戻らないと決めた場所。

802 :星に願いを 3/17:2007/03/12(月) 13:41:45 ID:AJUSdmxP
「理由、聞いてもいい?」
断ったのに、つぐみは尋ねる表情を崩さない。
「僕の望みは宇宙を自由に飛び回る事だったからね。いくら宇宙にいける確率が高くても、今のところそれは無理そうだし」

現在、地球文明は衛星軌道上の駐留異星人から管理下にあり、太陽系から外に出る事が許されていない。
それは駐留する異星人の組織である、幾つもの知的生命体が所属する銀河連合においてそれに所属するための条件、『未加盟の生命体が加盟の意思を持って、本部のある銀河中心格星系に辿り着く事』を満たしていないからだ。
連合において被管理文明は植民地化されているに等しく、知的種族として認められていないとさえ言える。
加盟をするため船を送る計画も、異星人技術のあまりの高度さや機密保持のために学園都市などのみという研究、製造場所の少なさ、そして宇宙へ行こうとする者への地球上のありとあらゆる組織からの取り込み工作などで、遅々として進んでいない。

でも、彼にとってそれは表の理由でしかない。
本当の理由は、もっと個人的で情けない事だ。

「アイギスの腕なら、最近出来た特別クラスに一緒に入れるのに……」
「興味ないって言ってるだろ!!」
それまで無理やり感情を押し殺したような表情をしていたアイギスが、声を荒げた。
「……ごめんなさい」
「あ、その…こっちこそ……ごめん」

こんな風に声を荒げるのは、アイギスにとって久しぶりだった。
そうしてしまうのは、未練があるということなのだろう。
その考えに至り、彼は自己嫌悪に陥る。

803 :星に願いを 4/17:2007/03/12(月) 13:42:43 ID:AJUSdmxP
あの日、父さんと母さんは珍しくも二人して漁へ出ていた。
そして起きたのが、異星人排斥団体による一斉蜂起。
世界各地で起きたそれの流れ弾が近くに落ちたらしく、二人は帰らなかった。

それ以来、宇宙を目指す事に対して、まっすぐ向き合えなくなってしまった。
両親が帰ってこなくなったのが、宇宙に関わる諍いのせいだと思うと。
でも、こうも思うのだ。
両親たちのことは言い訳で、ただ自分の根っこの部分が宇宙の広大さや深さに恐れをなしただけなのだと。
宇宙を自由に飛びたいという想いが、その途中にあるハードルに負けているのだと。

「あーあ、振られちゃった。せっかく学園も、前みたいに戻ったのに」
つぐみは頬を膨らませてむくれ、強引に話を終わらせる。
サイコメトリーのせいか、それとも長年の付き合いのせいか、それ以上言って来ないのが正直ありがたかった。

「さて、暗い話はここまで!豪華な朝ごはんために、釣るわよー!!」
確か学園で耳に入るつぐみの噂といえば、優等生とか万能の秀才とか美辞麗句ばっかりだった気がするが、やはりいろいろ溜まってるんだろうな、と感じた。怒りとか、ストレスとか、殺意とか。

「見える!そこっ!甘いな!出てこなければやられなかったのに!」
戦い合う定めの宇宙移民人類のような叫びを上げながら、己の異能を最大限に利用して片っ端から魚を引っ掛けていく彼女を華麗にスルーして、こちらも釣りを始めようとしたときの事だった。
夜が開け、少しずつ青みを帯び始めていた空に、一筋の流星が流れた。

804 :星に願いを 5/17:2007/03/12(月) 13:43:19 ID:AJUSdmxP
「あれ?あの星なんだか……」「どうかした?っ……!?」
先程流れた流星を追うようにいくつもの流星が流れ、最初の流星が突如方向を変えた。
それどころか、追随する星もが最初の流星に襲い掛かるように向かっていく。

「星…じゃない!異星人の船!?」
「それよりあれを追ってるのは、地球に駐留している異星人の無人艇よ!」
降りてきた最初の流星、否、白銀の航空艦がこちらの視界を横切るように、海面ギリギリで方向を変え、伴った衝撃波が海面を大きく波立てる。その津波にも近い大波で、幾つかの無人艇が呑み込まれ、海の藻屑と消える。
なおも追随する残りの無人艇も、航空力学を無視した機動で翻弄され、同士討ちすらする始末であった。

そして、そんな事を近くでされれば、当然ながら彼らの船は揺れる。さらには、同士討ちになった機体やその破片が、引っ切り無しに飛んでくる。もっとも、それを揺れで済ますこの二人も、驚異的であった。

「取り舵三十度半速!さらに二十七秒後に面舵四十五度全速!」
「了解!でもこれじゃ、そのうち……。つぐみ、どうする!?」
焦った発言にもかかわらず、操船の正確さは失われてはおらず、しかも最悪でもつぐみだけは助かる手段を模索する。
その辺が、人の内面にすら触れる事の出来るつぐみをして、彼を気に入っている理由であった。
「……それならっ!」
つぐみがそう叫んで勢いよく抱きついてきたのを最後に、足の裏の感覚が消失した。

「っと、ここは?」
アイギスはそう言って周囲を見渡した。
色とりどりの光を放つコンソールパネル、幾つか並んだシートとそこに備えられた操作機器。
そして、正面に映し出された空と海、そして分割されたモニターに映る、追いすがる無人艇。

「ここって、もしかしてあの艦の中!?」
「ええ。あの大海原でテレポートで逃げ込める場所は、此処しかないわ。それよりもアイギス、操縦は問題ないわね?」
早くもナビゲーターシートらしきところに就いたつぐみが、残像を生み出すほどの速度で手を動かしながら尋ねる。
システムの不備らしきところを、苛立ちや舌打ちを発しながらも瞬く間に無くしていくのは、まさしく遺伝子調整を受けてうまれた最高の調停者のようだ。

「見た感じは、学園のシミュレータと同じみたいだからたぶん。……でも、どうするの?」
「戦うのよ、きまってるわ。さっきのを見たでしょ?この艦は狙われてる。そして、まだわたしにはやりたい事がたくさんあるの。こんなとこで死にたく無い!」

そう告げられ、アイギスも覚悟を決めて席に着く。
「……わかった、やってみる!」
学園を去って以来目標をなくした彼であっても、彼女を生かす役には立ちたいと思ったから。

805 :星に願いを 6/17:2007/03/12(月) 13:46:31 ID:AJUSdmxP
十数分後、正面スクリーンに映る無人艇は、一つも無かった。
「ハァ、ハァ……、どうにかなった……」
荒い息を整えながら、完全に身体を背もたれに投げ出して、アイギスがそんな言葉を搾り出す。

「あれだけの数に押されながら、直撃無しに抑えておいてよくもまあ……。途中からほとんど射撃兵装を使わなかったのに」
あきれたように言うつぐみの声は、少し投げやりだ。

「一番威力が低い武装でも、音速を数倍超過してるじゃないか。危なくて大気圏内じゃ、使えないものばっかり。特に途中で使用可能になったミサイル系は、どう考えても宇宙以外での使用は、考えてないと思うけど」

つぐみがやっていたのは、アイギスの操縦ナビゲートだけではなく、この艦の能力把握や最適化も含まれていた。
艦のシステムを解析し、使えるようになった機能を順次、彼が使える形にしてそちらに渡す。
普通、片手間に出来る事では無いが、彼女は使用可能となった武装の効果範囲や特性も付していた。

それを流し読んだだけで、アイギスは使わない事に決め、その制限があってさえ生き延びた。
大体、一発で地形を変えたり、周囲の生態系を崩壊させるような代物を如何しろと言うのだろう。

「それで可変モードが使えるようになった途端、格闘戦?せめて、一言くらい掛けて欲しかったわね。『三次元八艘跳び』だの、ノリノリだったし。機体強度が足りなかったり、推進系が力場制御じゃなかったら、どうなってた事か……」
「それは、その……ごめん。途中からどんどん反応性が良くなっていったから、つい……。まあそれはそれとして、つぐみはこの艦の事知ってたんじゃないの?」

「ええ。これは全領域特装艦『アルテリオン』。学園で異星人技術を導入して造られた機体。と言っても正確には、とある機体のデットコピーね。
武装が過剰なのは、元の機体が単独で恒星間航行を可能とする、既知銀河においてもかなり高性能な機体だから。
わたしが知っているのは、操縦及び管制システムの構築や最適化を担当したからよ」
つぐみの言葉に、アイギスは目を瞠った。

「……このサイズで、凄いな……。それじゃ、つぐみが呼んだの?」
艦に対して呼ぶ、という表現もどうかと思ったが、アイギスはそう尋ねた。
たった一度操っただけではあっても、それで命を助けられたのだからそれ相応の心持ちで向かいたいと感じたから。

「呼んではいないけど、来たのはわたしのせいでしょうね。……いい加減に聞き耳を立てるのはやめたら?ルーシェ」
つぐみの言葉に疑問ばかりが浮かんでいたアイギスだが、彼女の声を書けた方向に眼を向けると、いつの間にか見知らぬ少女が居た。

806 :星に願いを 7/17:2007/03/12(月) 13:48:19 ID:AJUSdmxP
少女の外見で、まず目を引くのは、染めたのでは決して出せないような腰まで届く、銀色に輝く髪。
顔の造詣は測ったように整い、華奢ながら女性らしいスタイルと相まって、芸術品と表現する他無い。
服装は、星と何かをディフォルメしたらしい徽章が入った、材質不明の軍服の様なものを纏い、しかもそれを身に着けることに違和感が無い、凛とした雰囲気を漂わせている。
その雰囲気にアイギスは圧倒されそうになるが―――、

「銀の翼に願いを掛けて、照らせ宇宙(そら)へと至る路(みち)。銀の流星『アルテリオン』、光の速さでただいま到着!」
いきなり始まった前口上と決めポーズ、さらには最後の背後で爆発の映像で、そんな雰囲気は因果地平より遥か彼方に吹っ飛び、後に残ったのは満足そうにニコニコ笑う少女だけだった。

「あ、え……と、その……」
どういう反応を示したら良いものかと、ひたすら途方にくれるアイギスを尻目に、つぐみが声を掛けた。

「うん、第一印象は完璧よ、ルーシェ。これでアイギスのハートは鷲掴みね。ただ問題点を敢えて挙げるなら、それは戦う相手に名乗る台詞というところかしら」
知り合いらしく、親しげに先程の登場について話の花を咲かせる二人に、アイギスは代わる代わる目をやる。
その視線に気付いたのか、こちらを向いて話しかけてくる。

「はじめまして、わたしはルーシェ=フォン=アルタイル。以後、末永くよろしくお願いしますね、マスター」
「マスターは言い換えるならご主人様。ふふ……やるわね、アイギス。」

会話の流れ的に天然らしいルーシェと、その彼女にいろいろ吹き込んだであろうつぐみ。
この状況では、何も聞かずにさっさと去るがアイギスのとるべき正解であったが、残念ながら彼はその選択肢が取れるような人間ではない。
「あー……その、ええと……って、ご主人様ー!?そういうのはもう少し分かり合ってから……じゃなく、そんな業の深い趣味は無……でもなくて!からかってないで、説明してよ!わけが分からないんだから。」
本音っぽい事が漏れたりしたが、アイギスは尋ねた。

「まあ簡単に言えば、銀河規模の婿探しね。
皇国では、進化をし尽くした感があるらしくて、種の多様性確保のため、婿または嫁探しが義務になってるらしいの。
銀河列強種族かつ有数の技術体系を保持していても、いろいろ大変らしいわ」

「種族特有の感覚で、マスターが居るって事は分かるんですけど、この星に居るって事しか分からなくて。
この星に降りて探したくても、探せるのは学園だけでしたから、困っていて、この艦の完成への協力と交換で、探す手伝いをして貰ってたんです。
でも、軌道上に現れた所属不明機、――おそらく未開惑星への海賊でしょうけど――が無人艇を降ろした場所が、つぐみさんが向かった所だったので……」

「それで学園からここまで来た、か……。それは分かったけど、マスターなんて無理だよ。僕みたいな奴じゃない、もっとしっかりした人を選ばないと」
出来る限り、感情を出さないように注意をして、言った。言い終えたとき、どこかが痛む気がしたけれども。

807 :星に願いを 8/17:2007/03/12(月) 13:49:25 ID:AJUSdmxP
「いいえ、あなたが良いんです。この艦に融合して、あなたの操船をわたしも受けていましたから、分かりますよ。
さっき、自由に飛んでいたあなたは、とても楽しそうでした。
わたしたちの種族は、同じ想いを持つ者に惹かれますから、一緒に行きませんか?」

懇願するように問うルーシェに、アイギスは迷いを見せていた。
確かに、先程艦を操っているとき、学園を去ってから久しく無かった、充足があった。
やはり、自分の居るべき場所は、空か宇宙なのだと思わせるような。

「……いい加減に首を縦に振らないと、地球に置いてくわよ?もう暫くテストしたら、最終試験を兼ねて遠出する予定だし。
ルーシェが融合した操艦状態なら大体の状況には対応できるし、地球で言う外交官権限に近いものも持ってるから、太陽系の出入りも自由だもの。
ふふふ、すると地球人で初めて太陽系を出るのは、わたしに決まりね?」

「……分かった。一緒に行くよ。」
アイギスの心境を慮ってわざわざ挑発するような言い方だったが、そのほうが彼が頷きやすいと言う事を知り尽くしての説得。しかも、その意図に彼が気付き、醜態をさらすと言う事を予想した上で。

こちらの少し恥ずかしげな心情を見透かして、ニヤニヤしているつぐみから顔を背けて言うと、感極まったのか抱きつくルーシェ。
見た目以上に豊かだった彼女の胸の感触の感想を、全力で顔に出さない努力をする。

「それでこれからは?このまま学園に直接行くつもり?」

できれば一度家に帰っておきたいなあ、と思いながらアイギスは訪ねたが、それへの返答は彼の想像の斜め上空、三千メートル当たりを行った。

「いいえ。正式な伴侶となるために先ずは初夜から…」


808 :星に願いを 9/17:2007/03/12(月) 13:50:59 ID:AJUSdmxP
はにかむ様な笑顔でのたまうルーシェに固まるアイギスだったが、突如生じた足元の穴に問答無用で落ち、ボスンと音をたてる。

慌てて見回す彼の目に飛び込んでくるのは、二人で寝るにしても広すぎるであろうベッド、三つも用意された枕、その他大人の宿泊施設で眼にするような物の数々。それらを目にするや、一目散に出口らしき扉へ向かおうとして――、

「どこへいくの?」
いつの間にか背後に居た、つぐみの手が肩に置かれ、もう少しで叫び声を上げる所だった。
振り返ってみれば、ベッドの上にはルーシェが居て、こちらを見ている。しかも、下着姿と言うオマケ付き。

「何が不満なの?あんな可愛い子とするのに」
いきなり婚前交渉というあたり、『それなんてエロゲー!?』とか本気で叫びたかった。しかし、この場合のツッコミ所はそこではない。
敢えて見ないようにしていたが、つぐみまで服を脱いでいる。
いきなり3Pは無いんじゃないでしょうかと、現実逃避的に考える。

「いえーす、ざっつらいと!まあ、わたしとアイギスの愛の遍歴を全部惚気済みの上で、アイギスをマスターにしたいって言うんだから大丈夫!!」
心を読まれた!っていうか、何を何処まで語ったんだ!?
恐る恐るルーシェに目をやると、目が合った瞬間に頬が染めて目を背けられる。
それだけで大体分かった。頼むから、もう少し物言いに歯に衣着せてください。

「ほらほら黄昏て無いで、一名様御案なーい!って言うか、あれだけわたしの身体を、ケダモノの様に貪っていながら何を今更……」
もう何も言わないでください、と土下座したい気分だ。

つぐみと二人して学園に編入したその日の夜に、密かに摩り替えられたアルコールによる異常なテンションにかまけて、十八禁な展開にもつれ込んだり、
昼間の優等生然とした態度と寮の個室に押し掛けてくる態度のギャップにクラッときて、十八禁な展開にもつれ込んだりと、こっちの内心を読んだ上で彼女は行動できると言う事に、慣れきっていたせいでもある。って言うか、耐え切れるか!!!

「うんうん。内心を読む必要が無いくらい分かり易くて、逆切れしてもわたしの事が大好きで言葉に出せないアイギスのことが、わたしも大好きよ?だからあんまり長く拗ねてるつもりなら、強制的に剥くわよ?」
「わ、わかったからっ!?服を脱がすのにまで能力を使うなぁ!!」
町娘の帯をクルクル引っ張ってほどく、悪代官のような顔のつぐみの猛攻(着衣のテレポート)を勘でかわしながらベッドに近づくとき、顔を赤く染めながらも期待に満ちた目でこちらを見るルーシェの無垢な瞳がやけに心に痛かった。

809 :星に願いを 10/17:2007/03/12(月) 13:51:53 ID:AJUSdmxP
「ふっふっふ、なんだかんだ言ってもこっちは正直よ?相変わらずおっきいし」
結局脱がされたアイギスのそれに手を這わせながら、つぐみは四肢を絡ませていった。
密着して伝わる女性特有の柔らかさや芳しい薫りの感覚に、だんだん理性が麻痺していくのがわかる。
ただ撫で回しているだけに見えて、つぐみのやっている事はかなり凶悪である。
サイコメトリーでこちらの感覚が直接わかるから、何処までも正確にアイギスの性感帯を突いてくる。

「ほら、ルーシェ。わたしはこっちを攻めるから、反対は頼むわね」
そう言って、アイギスの胸板とその先端に舌を這わせる。
最初は焦らすように周囲を刺激して、ようやく先端を甘噛みする。

一応心構えしていたアイギスだが、思わず情けない声を出してしまい、それに釣られるように言われても見ているだけだったルーシェも、おずおずと舌を這わせる。
つ、ぺろ、ぴちゃ、ちゅっ、そんな音をたてて、だんだんと大胆になっていくルーシェを見ながら、つぐみが意地悪そうな顔で口を開く。

「アイギスは、生まれてくる性別間違えたんじゃない?ってくらいに、感度がいいのよねー。だからもう、弄りがいがあるっていうか、いじめがいがあるって言うか!」
「う、うるさい!これ以上言ったら、強制的に黙らす!」
「ほほほ、出来もしない事言っても無駄無駄ぁ!ルーシェ、次は首筋と鎖骨の辺りを攻めるのよ!」

つぐみの言うままに、蕩けた眼差しで舌を這わせ、赤い印を刻んでいくルーシェ。
「んちゅぷ、気持ちいいですか、マスター?」
「はあ、はあ、そりゃ気持ちいいけどこんな……」

どうにかルーシェを止めようと口を開こうとするが、つぐみに先読みされたように、キスで口を塞がれた。
押し戻そうとする彼の舌を逆に絡め取り、口内を所構わず蹂躙するつぐみのそれによって呆けた頭に、ルーシェの言葉が届く。

810 :星に願いを 11/17:2007/03/12(月) 13:53:06 ID:AJUSdmxP
「わたし、アイギスがマスターで良かった……種族特有の感覚でこの人がマスターだってわかっても、それが本当に共にありたい人とは限らない……、でもあなたとなら……」

彼女の銀の髪がアイギスの身体にもかかり、愛撫を受けた場所に張り付いてくすぐったい。
白磁のような肌は、興奮のためかほのかに桜色に色づき、今にもむしゃぶりつきたいほど綺麗だった。
薄らと涙の滲んだ瞳でこちらを見つめられるだけでこちらの理性は蕩けそうになるのに、その上心地よく耳に届く正直な内面の吐露に、ああもうだめかなと思う。
小さい頃から一緒に育って、成り行きではあったけど最後まで行き着いて、しかも歪な形かもしれないけど愛してると言っていい女の子の居る前で、別の女の子に欲情するなんて。

正直、自分の感覚とか理性に絶望を抱き、いっそのことつぐみが激情に駆られて吹っ飛ばしてくれればいいのに、とまで思ってしまう。
「悪いけど、ご期待には応えられないわ。
大体、アイギスが好意を寄せてくる人の中から、唯一を選べるほど器用なわけ無いって、初めて引き合わされた時からわかってるんだから。
女性の好みのタイプは全方位に死角無しみたいだから、個々へのアイギスの想いが変わるわけじゃないし」

そんなアイギスにとっては、コロニー落としに等しい言葉を、彼の耳たぶを甘噛みしながら叩き込む。
自分も知らなかった性質と言うか性癖を小さい頃から知られいて、しかもそれをあっさり認められるってのは、どれだけ節操無しと思われているのか。

はあ、と深く溜息をひとつ。
顔を上げたときには、もう迷い無い男の目。

よっという軽い掛け声と共に、思った以上に軽いルーシェを持ち上げて、股間に顔を埋めるような体勢になる。
「ひあぁっ!?み、見ないでっ!!」
息がかかるほど近くで、まだ下着に包まれているとはいえ自らの秘部を見られて、彼女は悲鳴に近い声を上げた。

それに構わず、染み出す蜜で染みを作り始めていたそこに、ゆっくりと舌を這わせた。
初めは、周囲のまだ湿っていない部分を布地の上からなぞり、次により濡れそぼった場所を唇で軽くはむ。
外側への刺激で溢れ、布地に吸収できなくなった蜜を、わざと音をたてるように舐め取る。

「や、やあっ、そんな音たてないでぇ……」
そう言いつつ、彼の首に両足を回して、己の秘部を押し付けるルーシェ。
羞恥の極みにあって、少なくとも見られないようにとの事だったのだろうが、そうした態度や密着した事でより強く薫ってくる女性特有のにおいが、アイギスを余計に興奮させた。
密着したためある程度動きは制限されたが、舌先を器用に張り付く布地に滑り込ませて、陰唇に直接触れる。

811 :星に願いを 12/17:2007/03/12(月) 13:53:46 ID:AJUSdmxP
「ひゃあ!ふぁあん!ひぃん!くひぃいいん!!!」
綺麗に閉じた秘裂を舐め上げ、湧き出てくる蜜を啜り、きつく締め付ける秘裂に割り入り、ザラつく肉壁に舌を擦り付ける。
最後に陰核を舌で捏ね回すと、一際甲高い声と共に身体をビクビクと痙攣させた。

脱力して押し付ける力の無くなった秘部から顔を上げ、荒く呼吸を繰り返すルーシェの口を唇で塞いだ。
慣れていないのか、どうにか口で呼吸しようと逃れようとするが、そこは経験の差で彼女の舌を絡め取り、甘くさえ感じる唾液を啜る。
途中から鼻で息をするようになったのだが、彼女の呼吸は荒いままで、それが恥ずかしいのか眉を寄せ、泣きそうにも見える表情をしていて、堪らなく愛しく感じた。

「下、脱がすよ?」
既に確認の意味しか持たない声かけでしかなかったが、返事こそ無いものの赤く紅潮した顔で、こっくりと頷かれた。
本人照合じゃなきゃ脱げない、異星人技術満載の下着だったらお手上げだったかもしれないが、幸いな事に普通の腰の左右で結ぶタイプだった。
上着が異星のものだったのを見ると、これはつぐみが用意したのだろうか。ここまで見越した上で。

「パーフェクトだ」「感謝の極み」
ルーシェにも聞こえないほど小さく呟いただけだったのに、ごく自然に返事を返してくる。
その遣り取りを敢えて華麗にスルーし、露わになった秘部に肉茎を押し当て、ゆっくりと押し込む。

「ひ!ぎ!ぐうぅ!ひああああぁ!」
ゆっくりとした速さとはいえ、それでも上げられる叫びに何度も進むのを止められそうになるが、その度に強くアイギスの首の後ろに回された両手で、ぎゅっと抱き締められる。
それを継続の意思と受け取り、細心の注意を持って進むと、程なく最深部に達した。
「ぐぅ、はあ、はあ。キツ……ルーシェ大丈夫?痛いなら止めても……」
最後まで言えずに、泣き腫らした目で睨み付けられた。

812 :星に願いを 13/17:2007/03/12(月) 13:54:27 ID:AJUSdmxP
「それ以上言ったら、っつ!艦を最大加速で地表に落とした挙句、自爆しますよ。くあっ!これはわたしがマスターのものになるのに必要な痛みなんですから、絶対に止めません!!」
血を吐かんばかりの強張った表情、その涙の滲む目にアイギスは顔を近づけ、涙を舐め採る。

そして、出来るだけ結合部が動かないように注意しながら、ルーシェの身体のいたる所を愛撫していく。
耳たぶを、首筋を、胸を、脇腹を、大腿を、指を。
彼女本人も知らなかった性感帯を暴かれ、羞恥の悲鳴と嬌声を上げる。

「ひゃあ!ふぁああん!なんでぇ!?そんなところぉ!!!」
険しくつくろっていた表情は見る間に崩れ、快楽とそれに耽溺する恥ずかしさからほとんど我を忘れかけているルーシェに、彼女の指を一本ずつ丁寧にしゃぶっていたつぐみが、目に嗜虐の色を浮かべ囁く。
「ふふ、ルーシェもアイギスと同じで敏感な身体してるみたいだけど、特に恥ずかしいと堪らなく感じちゃうみたいね。エッチな身体してるわ。ほら、ここはどう?」
「ひぃやぁあ!おへそなんて、舐めないでぇ」

彼女の気が逸れたのを確認し、少しずつ腰を動かした。
「ひぎいぃ!ひゃあん!!ふぐぅ!んああぁぁん!!!」
ルーシェの反応を見ながら少しずつ動いていくと、つぐみのサポートのおかげか、上がる声がだんだん嬌声に取って代わられ、悲鳴も艶混じりのものになる。

「あぁっ、あああ!痛いのに、痛いのにぃ!!!」
痛みこそあるものの、それ以上の快楽を感じ始めた様子を見て、肉棒が抜けるほど腰を引いて、一息に最奥まで打ち込む。
柔らかながら狭い肉ヒダを掻き分ける度に上がる嬌声から、膣内の性感帯を目ざとく見つけ、突き、擦り、抉る。

「んあああぁん!ひああっ!あぐぅうう!ふああああぁ!!!」
「あはぁ、初めてなのに、凄い大洪水。こんなにエッチな音たてて……」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音をたてる結合部に舌を這わせ、カウパーと愛液のカクテルを啜りながら、つぐみが揶揄の声をかける。
抗議の声を上げようとしても、声を付いて出てくるのは喘ぎ声ばかりの様子に、仕上げとばかりに荒々しく腰を打ち付ける。

813 :星に願いを 14/17:2007/03/12(月) 13:55:26 ID:AJUSdmxP
「んふああっ!深すぎてぇ壊れるぅ!ひぐぅううう!!!」
「はっ、はっ、ルーシェの中、気持ち良くて止まらない!もっと、すひぐぁっ!?」
既に目には理性の光がなくなり、ケダモノのように快楽を貪っていた二人だったが、つぐみによってそれを強制的に止められた。
ルーシェは真っ赤に充血した肉突起にかなり強めに歯を立てられ、アイギスのほうはあろう事か、かなりの藍液や唾液がまぶされていたとはいえ、指を直接菊座にぶち込まれてかき回された。
その不意打ち的な刺激で、二人とも達したものの、ルーシェは気を失った。

「あのままだと、変なスイッチ入ったアイギスに、ヤリ殺されちゃいそうだったから強制終了させたけど、それじゃあやっぱり色々不満があるだろうし……」

自分のしでかした事に対して一欠けらの罪悪感も感じていない、軽ーく喧嘩の仲裁をしたような口調で、とろとろとルーシェの秘部から溢れてきていた白濁を舐め取りながら言う。
よいしょっという軽めの掛け声と共に、気を失っている彼女を意外と軽々のけて、アイギスの上に覆い被さってきて、

「らうんどつー、ふぁいと!」

その後、第二ラウンドは引き分けに終わり、途中から起きて見ていたルーシェを巻き込んだ、三つ巴の場外乱闘へ移行。
男であり体力的に有利と思われたアイギスだが、天賦の才を自らの欲望のために使う事にいささかためらいを持たないつぐみと、異星人という生まれた星の違いか洒落にならない体力と回復力を持つルーシェのタッグに苦戦。
しかし裏切りが横行した結果、全員ほぼ同時にベッドに沈む事となった。

814 :星に願いを 15/17:2007/03/12(月) 13:56:07 ID:AJUSdmxP

「ふあああぁ、太陽が黄色く見えるなんて、久しぶりだ……」
世の中の人の大半が目をむくような事を言いつつ、アイギスを欠伸をした。
これまでと違い、規則正しい時間に起きざる得なくなったせいもあるが、どちらかというと昨夜の騒ぎが大きな要因であった。

といっても艶っぽいだけ話ではなく、引越しではなく戻ってきたというべきか、ともかく寮の部屋の整理が終わった事でのテンション上昇から酒に手を出し、悪夢のような一夜となったためだ。
二日酔いとは違う頭痛をも我慢しながら、アイギスは一人誓う。
もう二度と、ルーシェに酒を飲ますまいと。

そう、アイギスはあの後学園に復学した。
ルーシェのマスターとなった彼としては、成り行きだろうがなんだろうが、真摯にありたい。
ゆえに、無駄かもしれないが可能な限り必要なものを、知識でも仲間でも揃えたいと思ったから。
何の憂いもなく、宇宙を翔ける事ができるように。

怪訝な顔をしていた目前の教師に軽く謝り、姿勢を正す。
「……?、えっと、それじゃあ教室に案内するけど……、アイギス君は以前にここに在籍していたのよね?」
眼鏡をかけた、理知的ながら柔らかな雰囲気の女性で、学園の教師にしては低姿勢というか、丁寧な物腰だ。
教える教師側も、異星人の技術を学びそれを教える上で選りすぐられた者しか居ないため、選ばれた自負からまともな日地のほうが少なかったはずなので、不思議に思いながらも頷く。

「そっか、じゃあ学園都市での生活ではあなたのほうが先輩という事ね。わたし、新任なのにいきなり特別クラスの担任だなんて……」
新任の先生らしい態度でいる彼女を尻目に、アイギスは周囲にきょろきょろ目をやり、何かに警戒している様子だ。

「アイギス君?どうかした?」
「いえ……、こういうお約束なシチュエーションが大好きなのが、よく何も仕掛けて来ないなあと」
それこそ、計ったようなタイミングで職員室に乱入して『愛の翼に誓いを乗せて(以下略)』な台詞をブチかまされるんじゃないかと、戦々恐々としていたのだが。

815 :星に願いを 16/17:2007/03/12(月) 13:57:36 ID:AJUSdmxP
彼の言った言葉の意味がわからなかったのか、それには触れず付いてくるように言われて、連れ立って職員室を出る。
教室に向かう途中にもアイギスは警戒していたが、何も起きないまま教室の前に到着し、促されるままに入ると、

「おはよう、アイギス」「おはようございます、マスター」
入っていった勢いのまま、クロスプレーでホームベースに突っ込むランナーのようにこけた。

「はっはっはー、転入生とかを委員長が迎えに来るとか言う、お約束な状況をみすみす見送ったと思ったら、これかっ!!何で、一クラスにこんなに人が居ないんだ!?」
渾身の想いをこめた魂の叫びだったが、彼女たちには届かない。

そう、クラスに居たのはつぐみとルーシェの二人のみ。
それなりに広さのある教室なのに、並べられた生徒用の机と椅子も三つだけ。

「えっと、裏取ひ……じゃない、このクラスに所属する小型高速艦『アルテリオン』による恒星間航行計画の参加者のみ。今のところ、三人しか正式なメンバーが居ないんだから、当たり前じゃない」
かなり聞き捨てならない事を、つぐみはあっさりと言い放つ。

「ちょっ!?それって隔離して監視っていうんじゃ……」
「ちっちっちっ、甘いわね。そんなのにわたしが甘んじてると思ってるの?一定の技術供与と引き換えに、ほぼ無制限の資金と機材、さらに人材の供給を理事会から勝ち取ってあるわ。もっとも、人材については本人と要交渉だけど。何なら、ハーレムも条件付で可ね」
あっはっはーと高笑いするつぐみだが、どんな交渉があったのか、少しは想像出来てしまうだけに恐ろしく、彼は理事会の方々の冥福を祈ろうかとしたが、最後の一言だけは聞き捨てならない。

「ハーレムって……、というか、条件って何?」
強制的に自分の性質を自覚させられた彼としては、もう傍から見ていてそう見えるならと開き直りも出来るが、モラル?何それ生きてく上で必要なの?を地で行ってそうなつぐみの出す条件。果てしなく不安だ。

「そうねぇ、敢えて言うなら両者の合意を持ってのみ認める、かな。ああ、事後承諾も可ね。つまり、強引にシちゃってもフォローが完璧でラブラブになるならオッケーで。
ギスギスしてると無意識にサイコメトリーしちゃった時、気分悪いし。
あ、そうそう、基本的にこのクラスは全部自習だから、見たい講義行ってもいいわよ。
まあ、ルーシェに教わったほうが早いかもしれないけど」
なんというアバウトさ。前々からモラルが無いと思っていたがここまでとは、と頭を抱えそうになった。

816 :星に願いを 17/17:2007/03/12(月) 13:58:14 ID:AJUSdmxP
つぐみの言葉を受けて、席を立ったルーシェが彼の前に立ち、くるっと一回転した。
彼女のはいているスカートが翻り、視線がそちらに引き寄せられる。

「あの、マスター、似合いますか?授業に参加するとの事でしたので、わたしも着てみたのですけど……」
彼女の着ているのは、一応学園の制服だ。もっとも、クラスによってはそれに即したものをまとう必要もあるから、誰もが着ると言う物ではないのだが。

「ああ、うん、その……すごく似合ってると思う」
照れくさくてじっくり見たわけではないが、よく似合っていると思った。といっても、所々につぐみの手が入っていそうな部分があったが。具体的にいうと、見えそうで見えないギリギリまで調整されたスカート丈とか。

「えっと、でも……その……いいの?マスターにほかにも好きな人が居るのって」
今更のように聞くアイギスだが、にっこりと微笑まれて、言葉を返される。

「ええ、マスターと共に在る事こそが重要なんですから。それに、マスターに選んだ人の周りに人が集まるのは、当たり前といえば当たり前ですから」
迷い無い瞳で言い切る彼女は、とても綺麗で思わず抱き締めると、甘い香りと体温が伝わってきて心地よい。

「コラそこー、朝っぱらからラブ時空を作ってんじゃないわよー」
こっちの内心を読んだのかそれともただのカマ掛けか、どちらにしろからかうつぐみと、抱きついて幸せそうなルーシェ。
たった三人しか居ないのに、普通のクラスと同等かそれ以上に騒がしい彼らを、あらあらと言いたげな表情で見ているだけの先生も、意外と常人ではないのかもしれないと、他人事のように思った。

ふと、視界の端にあった窓の外に広がる青空に、星が流れた気がした。
でも、今度は何も願わなかった。
もう、自分で願いを叶える為に、飛んで行くことができるから。



First Stage 『銀の流星』 Clear
Next Stage 『彗星の来襲』に続く?


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