【モテモテ】ハーレムな小説を書くスレ【エロエロ】7P
754 :名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 21:06:29 ID:qMnL6gmF
死が近づくと美少女が集まってくる
これをFX症候群という

764 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 18:57:06 ID:gtvp4qfr
>>754
『俺の所ではまだ現役で動いていますが、何か?』


最初に言っておく。

「ゲームのおもしろさ体感度には個人差があり、特定のゲームを面白く思う人もいれば、そうでない人も、それでも好きな人も、様々です。
 あともちろん、実際の会社、商品、キャラクターとは一切関係ないからな!」




「う、うおっ、これはっ!!」

俺が出張先でたまたま立ち寄った玩具屋。いわゆるホビーショップなどという、小綺麗な店ではなく、商店街の
片隅で婆さんが営業する、昔ながらの玩具屋。
棚の奥にあるわりに埃のあまり被っていないプラモの箱などを漁ると、出るわ出るわ、絶版の超絶レアプラモ。
転売屋が見つけたら、速攻で高値取引に出されちまうところだ。本当に欲しいヤツの手に渡ると考えれば、それ
はそれで良い話なのだろうが、あいだに存在する、楽して儲けるヤツがいただけない。
俺は、ひとまずは懐の現金と折り合いをつけ、涙をのんで今回見逃す箱を戻し、貴重な宝の山を抱えてレジの
婆さんに声をかけた。
今時そろばんで、ぱちぱちとのんびり計算しているあいだ、俺は改めて店内を見渡した。薄暗く、狭い店内に、
玩具の箱がぎっしりと詰まっている。やべ、ちょっと見渡しただけで、いくつも欲しいものがみつかっちまう。ああっ、
あれ、ゴッドシグマの超合金じゃねーか!! うう、次に来るまで、残ってればいいのだが・・・。

「おきゃくさん、たくさんこうてくれたねぇ・・・」

婆さんが嬉しそうに、俺に金額を告げた。もちろん俺はそれを承知で購入しているので、それが今月の食費全
額に相当するものであっても、覚悟完了済みだ。タイガー戦車や、可変型ムゲンランドキャリバーを組み立て
ながら、それをオカズにして飯を食うくらい、全然平気、むしろ嬉しいくらいだ。

「これ、おまけにあげるけぇ、家でお子さんとあそんでちょうな」

そういって、レジ下から埃と共に取り出したのが、なにやらCDケースのようなもの。おまけにくれるらしい。

「となりのプリンセス・ロルフィー」

ぶっ!
俺は思わず吹き出した。

これはゲームソフトだ。しかもギャルゲ、しかもハードは、いまや死滅したハード、PC−FX。
まぁ、婆さんにはこれがどういうソフトかもわからんから、子供と遊べ、などといってきたのだろう。
にしても、ただでくれて、良いのか?

「どうもねぇ、そういうピコピコあそぶおもちゃ、ようわからんのでなぁ」

そういって、ついでとばかりにもう一枚。

「スパークリング・フェザー」

これまたギャルゲ、これまたPC−FX。
ここはFX専門店だったのか、それともFXだけが売れ残ってしまったのか。

まぁ、よくはわからんが、ここは店主の心遣い、ありがたく戴いて帰ろう。



765 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 18:58:16 ID:gtvp4qfr


それから半年後。
ようやく仕事の方も忙しさの波を越え、落ち着き始めた。人並みの就業時間で退社し、のんびりと夜の時間をく
つろぐ毎日。
ここ何日か、俺は、ようやくあのときにもらったソフトを遊んでみるか、ということになった。
押入の中に眠っていた、PC−FX本体を引っ張り出した。よくも捨てずにおいてあったな、と感心しきり。まぁそ
ういう、捨てられない性分のせいで、部屋が魔窟になっているのは事実なのだが。

とりあえず俺は、「となりのプリンセス・ロルフィー」を遊んでいる。
当時人気のあったアニメのキャラデザを起用した、ゲームハードの看板キャラクターがロルフィー。
魔法の国の王女である彼女が、修行に来た人間界で住人達とふれあい、成長する、アドベンチャーゲーム。

はっきりいって、だるい。
間違いなく、ゲームとしての出来はよくない。

しかし俺は、そういう、だるいゲームのたぐいが好きだ。

なんというか、根性を試されているような、そういう逆境も好きだし、それをクリアしてエンディングを見たときの
爽快感も良い。そのエンディングがしょんぼりな出来だったときの脱力感もまた、癒される。
このハードを購入したとき、俺はまだ若かった。ある意味、今の俺のゲームスタイルにマッチしたソフトがごろ
ごろしているハードに、昔の俺は我慢できなかったようだ。他のゲームハードの魅力に惑わされたせいもある。
いまとなっては、なんともったいないことをしたのだろうと後悔してるわけだ。

そうして本日、ゲームクリア。
テレビの前で、素で『 orz 』ポーズになって、エンディングの脱力感に打ちひしがれる。

ああ、俺は、なんと無為な時間を過ごしたんだろう・・・。

この、無駄な作業に時間と労力を費やしたときの、何とも言えないやるせなさ。それが俺の、ゲームの楽しみ
方だ。
なまじ実際の仕事は、ミスが絶対許されず、非効率的な業務は告発され、気を抜けない時間だ。だからこそ
こういったプライベートで消費する『ムダ』が、俺の心を癒す。

「いやぁ、よかった・・・良いゲームだ」

俺は、しみじみとそう呟いた。
すると。

「う、嬉しいです・・・、『私』でそんなに喜んでもらえて・・・」

そんな声が聞こえた。
は? と辺りを見回すように『 ゚rz 』顔を上げると、そこにロルフィーがいた。

「もう、『私』を遊んでくれる人なんて、いないと思ってました。それだけでも嬉しいのに、こんなに感動してくれ
 るなんて・・・」

俺の目の前のロルフィーは、ほろりと涙をこぼし、手の甲で瞼をこすりながらすすり泣いた。



(((ここで少しの時間経過。その間に、ロルフィーを知らない人は検索してみよう!!)))




766 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 18:59:52 ID:gtvp4qfr



事情は聞いた。

文章で表すと、こうなる。

『この世のあらゆるゲームソフトには、固有の精霊が存在する。
 ドラクエやファイナルファンタジーのような大作ソフトには、強力な力を持つ精霊が百人くらい担当していて、
 そのソフトが正常な動きをするように管理しているのだ。
 しかし、発売されて時間が経ってしまったソフトや、人気がないソフトなどには、担当する精霊の数も少なく、
 この『となりのプリンセスロルフィー』にいたっては、彼女一人なのだという。』

そして、彼女の言葉によると、こうなる。

「ここのところ、こんなに熱中して遊んでくれてる人もほとんど居なくて。
 おまけに、こんなに感動してもらえるなんて・・・。
 嬉しくなってつい、ゲームキャラクターの姿を借りて、出てきてしまいました」

これらを、俺の言葉に直すと、こうなる。

「アホか」

俺は説明した。俺のすばらしいゲームスタイルを。
彼女は愕然とした。俺の屈折したゲームスタイルに。

「いや、でも、ストーリーはよかったよ。王道だけど」

あまりにもしょんぼりとしているので、俺はさすがに気が引けてしまった。とってつけたようなフォローだが、嘘
は言っていない。他にも、サブキャラクターのサイドストーリーや、裏モードの恋愛ゲーム、アニメの出来など、
慰めるように誉めていくと、ようやく彼女も元気を取り戻した。

「ありがとうございます・・・。とにかく、『私』で楽しんでくれて、ありがとうございました。
 よかったら、他の仲間、FXのゲームで遊んであげてください。
 それではまた、たまには、思い出したときに、遊んでくださいね?」

そういって、ロルフィーの姿をした「となりのプリンセスロルフィー」の精霊は、ぺこりとお辞儀をした。どうやら帰
るらしい。
どうやって帰るのか、興味津々で眺めていると、困った顔で『・・・えっち』などといわれた。仕方がないので別室
に避難、彼女を一人にしてやった。10分もあれば、帰ってしまうだろう。

風呂場で、こしこしとプラモのヤスリがけをしていると、時間を忘れて熱中してしまった。かれこれ1時間は続け
てしまったろうか。一段落つけて部屋に戻ろうとすると、中からなにやらすすり泣く女の声。
俺が部屋に入ると、そこには。
PC−FXのCDカバー内に頭をつっこもうとして泣いている、ロルフィーが。

「うぇえええぇぇえぇぇえええん・・・・・・帰れない・・・」

なんだかなぁ・・・。
『どうして帰れないんでしょうか、私』、などと、俺に聞かれても、困る。
来たときの原理もさっぱり、な俺に、帰れない理由がわかるわけがない。
まぁ、しかたがないか、と腹をくくって、家に置いておくことにした。
死滅したハードとはいえ、一時はPC−FXの看板を背負ったイメージキャラクター。追い出して路頭に迷わせる
のは忍びない。どれだけ飯を食うのかはわからんが、13才の女の子程度なら養えるだろ、学校にも行かないし。



767 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 19:00:46 ID:gtvp4qfr


そしてさらに一月の時間が経った。

「嬉しい・・・『私』で遊んでくれて、あまつさえエンディングでこんなに感動してもらえるなんて・・・」

スパークリングフェザー、クリア。


さらにもひとつ、一月の時間が経過。

「スゴイ、これってホント、奇跡みたい! 一度もコントローラー投げずに『私』をコンプするなんて!!」

ブルーブレイカー、クリア。


もひとつおまけに、一月の時間が過ぎちまった。

「ああ、まさか私に、またこんな日がこようとは・・・。『私』をクリアしてくれて、ありがとうございます」

超神兵器ゼロイガー(つーか、サクライガー)、クリア。


おまけついでに、一月の時間が流れて。

「・・・嬉しくなって、つい、出てきてみたんですけど・・・なんかすごいですね、ここ」

女神天国Uをクリアした俺の所に、なんか毎月恒例になってしまったイベントが。
登場キャラクターの一人、ルルベルが、ずいぶん賑やかになった俺の部屋を見ていった。
例によって、ゲームクリアと同時に、ゲームキャラが現実に姿を現す、という珍イベント。
こうも毎月続けば風物詩だが。

そんなに広くない俺の部屋に、毎月住人が増えていくのは、なんとかならんものか。
こっちにはこれて、向こうには帰れない、いい加減気付けよ、向こう側の、ゲームソフトの精霊達も。




768 :名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 19:02:05 ID:gtvp4qfr
つうか、そんなにPC−FXソフト担当の精霊は、ヒマをもてあましてるのか?
いくら何でも、全国で言えば、俺以外に遊んでいるヤツも何人かは、いるだろ絶対。
現に、遊んだソフトすべてがすべて、どうしようもないダメゲーというわけでなく、好きな人は好きな人で今もこつ
こつ遊んでいてもおかしくはない。少なくとも俺なんかよりもまっとうな楽しみ方をしている人もいるはずなのだが。

「・・・どうかしたんですか?」

俺が眠る隣で、情事のけだるさをまとった素っ裸のロルフィー、・・・の姿をしたゲームソフトの精霊が言った。
ここに来た、ロルフィー・・・の姿をしたゲームソフトの精霊をはじめ、各ソフトのヒロイン・・・の姿を借りたゲーム
ソフトの精霊達が俺の部屋で暮らさざるを得なくなってしばらく経つわけだが。
その彼女らも、俺にタダ飯喰わせてもらうのも何だからということで、部屋の掃除や食事の支度、家事のたぐい
をいろいろとやってくれている。
しかし俺も、それなりに肉欲をもてあます独身男性。うら若き女の子と一緒に住んでたら当然ムラムラもしてくる
わけで、なし崩しに肉体関係に進展。向こうも嫌がるわけでもなく、今となってはゲームヒロイン・・・の姿をした精
霊達全員と男女の仲に。

俺に声をかけてきたロルフィー(以下略)は、俺が物思いに耽っていたようなので心配になったようだ。
俺は彼女の頭を撫でて安心させてやると、同じように身を寄せてこちらを見ているヒロイン(以下略)達にもおなじ
ようにしてやった。

んで、考え事の続き。
実は俺、理由は何となく見当がついている。なぜ俺の前に、こうして精霊達が集まってくるのか、という理由。
理由と言うより、要員の一つなんだと思うんだが。

これらのゲーム、実はあの婆さんの店で買ったもの&貰ったものなのだ。

あの店で買って俺が組み立てたプラモデルにもどうやら精霊がついていたらしく、戦車は動くしランドキャリバー
は可変する。冥王星の危機にもめげず、ゴッドシグマの超合金は、生意気に黄色いビリビリをまといながら空中
で合体変形している。
婆さんが魔法使いなのか、あの店に何か呪いがかかっているのか、そこまではわからないが、間違いなく、あの
店が重要なのだ。

俺が思うに、あの店の、『古いものでも大事に扱う』という空気が重要なんじゃないか、と。
棚の奥にある箱、その上に埃が積もらないように、丁寧に掃除もしているのだろうな、あの婆さんは。
それだけ丁寧に扱われながら長い年月を経れば、付喪神の一つだって憑くだろうし、猫のしっぽも分かれよう。

ま、こうなってしまっては、原因なんて、後付だ。
温故知新、昔のソフトも結構楽しい。
新作ソフトの出ない、数の限られたお宝達だけど、これからも楽しませて貰うとするか。


・・・あ、それでもあれだ、「実写版『卒業』」のイタさだけは勘弁だけどな。


END OF TEXT


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