2007年、新春ハーレム双六

趣旨
 今年のハーレム運を占うための、双六風ミニゲーム。
 あなたは何人の女の子をハーレムに加えられるか?!

用意するもの
 六面体サイコロ 6〜8個(推奨) 無ければ1個でも可。
 紙と鉛筆。

ルール概要
 普通の双六と違うところは、下記の点です。
 ☆一人用です。
 ☆マスを進むために振るサイコロの回数は決まっている。
  『Hard』なら5回、『Normal』なら6回、『Easy』なら7回。
  全ての女の子を手に入れるためには7回分の賽の目が必要。
 ☆マスを進むために振るサイコロは、あらかじめ最初にまとめて振っておかなくてはならない。
 ☆出たサイコロの目は、好きな順番に並べ変えてマス目を進むことが出来る。
   (例。5個まとめて振ったら、1・2・2・5・6が出た。これを使って、2・6・1・5・2と進んだ。)
   (サイコロが1個しかない場合は、最初に連続で振って、出た目をメモしておきましょう。)
 ☆ゴールインすることが絶対目的ではありません。

・ゲームの進め方
 『新春ハーレム双六』は大きくわけて<<<双六マップ>>>と<<<イベント説明>>>と<<<エピローグ>>>に別れます。

 <<<双六マップ>>>を使って、ゴール目指して進みます。途中、セリフの書いてあるマスに止まったら、イベント発生です。
 分岐無しの一本道です。逆走は出来ません。
 止まったマスに何も書かれていなければハズレです。もちろん、通過するだけではイベントは起こりません。

例:5個まとめて振って1・2・2・5・6が出たので、2・6・1・5・2の順に進むことに決めた。
  スタートからはじまって、2マス目《B》に止まるが特に何もナシ。
  次にそこから6マス進んで《H》、次に1マス進んで《I》、5マス進んで《N》、2マス進んで《P》にとまり、それぞれのマスのメッセージに従った。
  ゴールインは出来なかった。



 <<<イベント説明>>>の、該当するアルファベットのシナリオを読み、【   】の指示に従って、それぞれ◎【  】に分岐します。
 分岐したシナリオは(((イベント終了)))が区切りとなります。
 ここの指示に従ってサイコロを振る場合、マス目を進む他の5個のサイコロと違って、最初に振っておくわけではありません。
 指示があったとき、その場で振ってください。
例:【サイコロを振ってください】
  ◎【出た目が1・2】 何も起こらない。
  ◎【出た目が3・4・5・6】 女の子が仲間になった。

 うまくいけば、女の子をゲットできます。ゲットした『女の子の名前』をメモしておいてください。
 また、『女の子』ではなく{アイテム}をゲットする場合があります。この場合も、それをメモしておいてください。

 5回分のサイコロの目を進んだ結果、ゴールインしてもしなくてもゲーム終了です。
 また、ゴールに上がるのに、ちょうどの数である必要はありません。
 獲得した女の子の人数や、ゴールインしたか否か、または特定の組み合わせの女の子がいるかいないかを<<<エピローグ>>>で判定して、その部分のシナリオを読んでください。

ここまでがゲームの流れです。


・ヒント
 ディスプレイ上のマス目ではなにかと分かりにくいので、あらかじめA4くらいのメモに《スタート》《A》〜《U》《ゴール》を並べて記入し、セリフ(イベント)のあるマスに○を付けておくと良いでしょう。振ったサイコロの出目をどの順番に使えばより効果的に女の子をゲットできるのか、検討するのに適した方法です。
 (とくめーが収録に際してHTML版の“双六マップ”を作ったので、それを参考にするといいと思います)
 このゲームは、より多くの女の子をゲットするのが目的ですが、獲得難易度の高い女の子もいますので、そちらを狙ってみるのも良いでしょう。



 では、プロローグを読んでください。
 読んだあとは、<<<双六マップ>>>を使ってゲーム開始です。
 がんばってください!!

双六マップ
スタート (プロローグ)  女の子チェック
『まゆり』
『みちる』『かおる』
『るり』
『あずさ』
『ゆりあ』
『じょせふぃーぬ』

『みく』『みさお』『みき』
『しふぉん』『えくれあ』『かすたーど』
『すふれ』

アイテムチェック
『キーホルダー』
「ん?あれは・・・」「ヤバイのに関わっちまった・・・」
  
「なんだ? 何か光ったような・・・」「おっす、久しぶり・・・」
  
  
「俺だって貧乏なんだよ!」
ゴール
 
エピローグ
ゴールしてない
 ・女の子が1人
 ・女の子が2人以上
 ・女の子が0人

ゴールしている
 ・まず、これを読む(ゴールしているなら必ず)
 ・「るり」「あずさ」がいる
 ・「キーホルダー」がある
 ・「ゆりあ」がいる
 ・「みちる」がいる
 ・「みちる」「まゆり」がいる
 ・「しふぉん」「まゆり」がいる
 ・「えくれあ」「あずさ」がいる
 ・「ゆりあ」「じょせふぃーぬ」がいる

ゲーム終了
 
 
 
「俺は信じねーからなッ!!」
 
 
 
「悪りィ、俺、そーいった手合いのは・・・」
右上、Pへ

プロローグ

「うう、寒いぜ・・・」

その青年、藤堂武史(とうどう たけし)は、冬の寒さに身を縮めた。
もちろん、冬だから、寒い。
しかし、彼の感じる寒さは、それだけが原因ではない。

懐が寂しい。それもあるだろう。なにしろ、財布の中にある数千円が現在の所持金であり、全財産。安手の風俗に行けばそれで終わり。
あとはゆっくりと餓死するのを待つだけだ。だからもちろん、そんなことは出来ない。

家がない。これも大変なことだ。父親からの束縛に煩わしさを覚え、思いつくまま家を飛び出した。そしてそのまま数年間、同郷の友人の
部屋にずっと世話になっていたのだ。ろくに生活費も出さず、まるで寄生するかのごとく住み着いた武史を、その友人は笑顔で受け入れ
てくれていたのだが。
その友人が、近所のコンビニでバイトする可愛い女の子のハートをようやく射止めた。数日前のクリスマスから、その友人に気を遣って、
その部屋を出ることにしたのだ。
しかし、なかなか部屋は見つからず、金もない。勤務先の社長の厚意に甘えて宿直室を借りたりもしたが、今日から数日間は部屋に空き
もなく、頼るわけにもいかなかった。

そのような、寒さの理由はあるだろう。
そして何より。

彼女がいない。

「うう、寒いぜぇ・・・」

繰り返す。

青年の感じる寒さは、独り身特有の寂しさから来る、寒さだ。

この街にきて就職した武史は、務める警備会社の社長に出会って、衝撃を受けた。
その社長は、少し前に体調を崩した先代社長のあとを継いだ若社長ではあったが、なかなかのやり手であった。
面倒見も良く、親しみのあるひととなりに加え、画期的な会社経営の手腕や、社員に対する待遇などもあり、社員からの信用も高かった。
武史も素直にその若社長を尊敬した。
それほど優れた人物であったが、何よりも武史の心を強く掴んだのは、その若社長の生き様だった。

若社長は、12人の女を独占する、ハーレムの主だったのだ。
酔いつぶれた武史が若社長の慎ましい自宅で介抱されたとき、その家に住まう12人の女達を見た。
小学生や中学生、高校生、そして二十代前半の美しく年若き女達を自分の家に住まわせ、愛のある生活をしていた。
後日、若社長と二人で酒を飲む機会があり、そのときにハーレムの素晴らしさを教わったのである。
それ以来武史はハーレムに憧れ、自分だけのハーレムを夢見てきたのだ。


街を見下ろす高台の公園で、若社長から教わったハーレムの心得を大声で叫ぶのが武史の日課だ。
だが、武史にはいまだハーレムどころか、一人の彼女もいない。
その虚しさが、冬の寒さと相まって、武史の体と心を凍てつかせているのだ。
「・・・しかたねぇ、実家に帰るか・・・」

すでに、ずいぶんと陽も傾いてきた。寒さはこれからいよいよ増すだろう。
たまには家族に会うのも、悪い事じゃない。
武史は、財布の中の紙幣を心細く眺めながら、帰郷の途に付いたのであった。

(((プロローグ終了)))


<<<イベント説明>>>

ここより先は、イベントの説明です。止まったマスのイベントのみ読むようにしてください。
ゴールに到着した方は、<<<エピローグ>>>に進んでください。




%%%%%%%%%% 《A》イベント%%%%%%%%%%

「ん?あれは・・・」
武史は、高台の公園から去る際、公園の木々に何か動くものを見たような気がした。

【女の子ゲットのチャンス!サイコロを振ってください】

◎【出た目が1・2だった】
「・・・・・・なんだ、カラスかよ・・・」
彼はそれ以上気に留めることなく、公園をあとにした。
(((イベント終了)))

◎【出た目が3・4・5・6だった】
「髪の長い・・・女?」
彼が感じた違和感。
先程の黒髪が消えた公園の奥。
遊歩道から逸れ、林の奥に向かっていった。
違和感はいつしか得体の知れない不安感となり、じりじりとした焦燥を募らせていった。
(思い出せ、あの林の向こうに何があった?!)
そして、その場所のビジュアルが頭を掠めた瞬間、武史は駆け出した。
自殺名所の、隠れ滝。
まにあえ!!とだけ念じ、林の奥に消えた黒髪の影を追いかけた。

間の悪いことに、侵入防止の柵が誰かのいたずらで壊されたまま放置されていた。
間違いなく、あの影はこの向こうに進んだ。
武史が追い縋るその先に、はたしてそいつはいた。
冬の凍てついた滝壷を前に、この世で最後になるはずの言葉を呟いていた。

「おとーさんおかーさんおじーちゃんおばーちゃんいちろうじろうさぶろう、
 じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつ
くうねるところにすむところやぶらこうじのぶらこうじぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅー
りんがんのぐーりんだいぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょーきゅーめーのちょーすけ、
 ごろうにろくろうにしちろう、あと、シロにクロにピーコにポコ太にサメ之助。
 まゆりは一足先に、天国にいくね」
「まちゃーがれッ!!」

間一髪、今まさに身を投じようとする少女に、飛び付き、引き止めた。


「早まるんじゃねーよ!!」

武史は、暴れる少女を押さえ付け、落ち着かせるために、根気よく説得した。
少しは寒さを凌げる公園の管理小屋に場所を移し、運良く電気の通ったヒーターの傍で。
体も少しずつ温まり、武史の言葉に少しずつほだされ始めた少女は、ようやく自殺の理由を話した。

彼女の名前は『まゆり』、近くの女子校に通う17歳の乙女である。
黒の長髪に黒縁眼鏡、黒のスカート黒のセーター黒のジャンパーと、徹底した黒ずくめ。その黒の合間に見える肌は真逆の白さで、
まるで闇夜に浮いているように見えた。

「わたし、疫病神なんです」
「は?」

彼女の話をかいつまむと、こういうことになる。
もともと裕福であった家庭だが、まゆりが生まれてから傾きだした。そして、まゆりと親しくなろうとする友人達は、皆何某かの重大な
不幸があって、彼女から離れていく。
そしてとうとう、父の経営する会社が潰れた。常々、みんなの不幸は自分が原因だと思い始めていたまゆりは、この出来事で確信し、
周りに迷惑をかけないように命を絶とうとしたのだ。

「バカじゃねーかッ?!」

武史はまゆりを押し倒し、怒鳴った。大切な自分の命を絶ってしまう理由としては、あまりにも身勝手だ。例えそれが周りの不幸を嘆き、
自分を責めての結果であっても、死んでしまってはただの逃避でしかない。
そして、武史はまゆりの唇を奪った。
まゆりは、初めての口づけを不意に奪われ、抵抗する。しかしそれは武史の力によって押さえつけられてしまった。
やがて抵抗をやめたまゆりは、青年の荒々しさの中に、暖かな何かを見つけたような気がした。

「まゆり、俺の女になれ」

唇の離れる瞬間、小さな寂しさを感じてしまっていた少女。今度は、青年の真剣な瞳と強い言葉に、小さな胸の鼓動を早めた。

「なんていうか、俺はもともと不幸が多いし、ちょっと増えたくらい、気になんねーよ。
 それに、俺は、お前が傍にいて起こった不幸を、絶対に、お前一人のせいにしたりしない。
 俺に何かマズイことがあったら、いっしょに解決しようぜ。
 そしたら俺も不幸じゃなくなるし、俺が不幸じゃないなら、まゆり、おまえも不幸じゃないだろ?」

青年と少女がともにいることで、青年に不幸が襲いかかることを少女が恐れるならば。
青年は、その不幸を不幸と感じることが無くなれば、少女が気にする必要もない、という。
それは、青年と少女が常に一緒にいることが条件であり。
だからこそ、青年は言うのだ。
俺の女になれ、と。


ずいぶんと勝手な理由だ、とは、まゆりも思う。だが、勝手さで言えば、自殺をしようと早まった自分の方が遙かに罪は重い。
そんな過ちを犯すところを救ってくれたのだ。まゆりは、この男だったら、自分を変えるきっかけになってくれるかもしれない、と感じた。

「うん。私、あなたの女になるよ。命だって助けてもらったし、ね」

良し、上等だ、と応じた武史は、その約束を確認し合うようなキスを再開した。そして、お互いの体を温め、新しいつながりを深めるように、
身体を重ねていった。

(まぁしかし、こいつを助けた一番の殊勲賞は、名前の長い弟、四男坊くんだな)
彼の名前が、ただの「しろう」君だったら、きっと自分は間に合わなかった。
まわりはどうであれ、間違いなくまゆり本人に、幸運が付いているのだ。
もし彼女が言うとおり、武史が不幸になるとしても、ふたり一緒にいれば相殺されるに違いない。
それならそれで、不幸も幸運もまとめてやってくる賑やかな毎日も、きっと楽しいだろう。
武史はまゆりの無垢な身体を抱きながら、そんなことを考えていたのだ。
【女の子『まゆり』があなたのハーレムに入った!】
(((イベント終了)))



%%%%%%%%%% 《C》イベント %%%%%%%%%%

「なんだ? 何か光ったような・・・」

武史の目が、地面にきらりと光る金属片を捉えた。

普段から、落ちている硬貨を見つけるのに長けている彼は、例え数歩先に進んでいようとも、それを拾うために引き返す労力を
惜しんだりはしなかった。

「ち、カネじゃねーのかよ、」

落ちていたのは、何かキーホルダーのようなもの。肝心のカギ自身がついていない、ただの飾り。革布に、なにやらメダル状の
プレートが取り付けてある。そのプレートには、見たことのないエンブレム。

「しゃーねーな、交番にでも届けるか」

武史は、割と律儀な男だ。
特に金目のものともしれないが、落とした人間がいる以上、そいつはこれを探しているかもしれない。
もしそいつがこのあたりの交番に頼るほど探すのならば、そいつにとっても大事なものなのだろう。
どうせヒマなのだ、それくらいならしてやっても良いだろう。
【アイテム{キーホルダー}を手に入れた】
(((イベント終了)))


%%%%%%%%%% 《F》イベント %%%%%%%%%%


「俺だって貧乏なんだよ!」
武史は思わず怒鳴ってしまった。
相手は目の前の、二人の少女。
彼女たち姉と妹は、お金のために、行きずりの男である青年に、その清らかな身を委ねようとしていたのだ。
【女の子ゲットのチャンス!サイコロを振ってください!】

◎【出た目が5・6だった】
喰うに困った貧しい姉妹が日銭のために体を売る。そんなことが許せない武史は、彼女らを懸命に説得した。
そして、その説得の甲斐あって、姉妹は清く貧しく生きることを決意し、立ち去った。
よし! いいことしたぜ!!
(((イベント終了)))


◎【出た目が1・2・3・4だった】
例え相手がいたいけな少女であっても、出された据え膳は喰らわねばなるまい。
例え代金を払う当てがあろうが無かろうが、そんな些事はコトが終わってから考えればいい。
実に欲望に忠実な青年、藤堂武史。
しかし。
そんな武史にも、やはり限度というものがあって。

事情を理解してもらうためには、この二人の少女と武史が出会うところまで話を戻さねばなるまい。

実家に帰省するべく駅に向かう達也だったが、そこに呼び止めの声がした。
武史が声のする方、薄暗い路地裏に繋がる細い道に目をやると、そこに声の主らしき少女の姿。
このあたりにある高校の、見覚えのある制服を着た、少し背の高い少女。
そしてその後ろに、これまた見覚えのある、中学の制服を着た背の低い少女。
二人とも髪は短く、こざっぱりとしたショートカットにしてある。顔立ちもよく似ており、見分けのポイントは身長、というか
年齢だろう。さすがに寒いので、制服の上から厚手のジャンパーを羽織っている。
こんな夜遅く、男に声をかけてくる見知らぬ少女。これが世に聞く援助交際というやつか? とは思うものの、その二人の
少女はそんな、遊び慣れた風ではない。しかし、立ち止まった武史に対して、背の高い少女が、表情を不安で曇らせ、
どもり、震えながらも言葉を紡いだ。

「おにいさん、よ、良かったら、私たちと遊びませんか?」「お、お姉ちゃんといっしょに、私もお相手しますから!」

うお、やはり援交だったか! しかも、姉妹丼!? なおかつ、あまり慣れてなさっぽい!?
しかし、武史には先立つものがない。
「俺だって貧乏なんだよ!」
とりあえず怒鳴ってみた。しかし相手も引かず、お安くしておきますよ、歳末大売り出しですよ、と誘ってくる。
どうする!どうするの、おれ?と武史は手持ちのカードを広げてみたが、どれも『ヤる』としか書いていない。
webに続くまでもなく、買うしかないだろう、目の前の少女を。

ま、なんとかなるだろ。所詮援助交際なんだから、うまく言いくるめればタダにもなるさ。
武史は浮かれ、彼女らの肩を抱きながら、そのまま暗い路地裏へと向かった。



そして。

「ちくしょー、また俺がババひいちまった!」

本当に遊んでしまった。ババヌキで。
そしてようやく、少女らとのババヌキも5回戦に突入しようかという頃合いに、我に返った。

「ちがーーーーーーーうっっ!!」

「ふぇ!」「ひぁ!」
突然叫び出す青年に、少女達は咄嗟抱き合って驚いた。

「違う、こーゆーあそびじゃなくて、オトナの遊び!!」
「それじゃあ、」「麻雀ですか?」
「だァホッ!! お約束のボケかますんやないっちゅうに!!」
やすし師匠が一瞬、ご降臨なされた。
「おまえら、援助交際やってるんじゃないのか?!」
「ひゃいっ!」「ひにゃ!」
「もしかして、援助交際の意味、分かってないんじゃねーか?」
「男の人と楽しく遊んで、」「お金をもらえるアルバイト」
「間違ってねーけど間違ってるっ!!」

青年は、この会話の不毛さに、脱力した。

「はいはい、いいですかー、お兄さんが今から説明するから、良く聞いてねー」
「はいっ」「はいっ」
「援助交際ってのは、女学生がオトナと交際し、オトナは交際してくれる女学生にお小遣いを渡す。もちろんセックス込みの
お付き合いだけど、一応、恋愛の上での行為だから、けっして売春じゃありませんのことよー? はいここ重要ッ!!」
「!!」「!!」
二人はようやく、顔を真っ赤にして慌てだした。

「セックス、」「するんですか?」
「モチのロン、あたりきしゃりきのこんこんちきです。するよしますよ、やらいでかーーーーーーっっ!!」
「でも私たち、まだ」「キン肉ドライバーとか、使えませんけど」
「それは親に騙されてるッつーの!深夜に親の寝室覗いたらギシアンやってて、これがオトナのセックスなんだ、っておもったら
いきなり親父がお袋にキン肉ドライバーをかけて、やったッ!これでミート君の胴体は奪回したぞっ!って叫びだして、ってマジで
プロレスやってたんかいっ!!!」

青年は、姉妹があまりに非常識すぎて、ツッコミに忙しい。忙しすぎて、キン肉マンのあれはすでにプロレスではないというところまで、
ツッコミが及ばない。というかすでに、ツッコミですらない。



「はいはいはいーーっ、これから特別授業始めますよーーーーっ、試験に出るからちゃんと聞いてくださいねーーーーっ!!」
青年のヤケもどんどんとヒートアップ。
「はいっ!」「がんばります、先生!」
そこで小一時間、保健体育の授業からおさらい。
習ってるはずでしょ、普通?
しかし姉妹の知識は、雄しべと雌しべ止まりだった。
あげくキャベツ畑人形とかコウノトリとかコワトリクエとか言い出すお約束。
そんな姉妹に、きちんとした性教育を施す武史。
生徒も熱心に授業も受け、教師も的確に教えを進めていった。

「・・・・・・というわけで、男女の交わりから射精にいたり、その精子が女性の胎内で・・・はい、どうなる?」
「卵子と結びついて」「受精します」
「そうだ、良くできた!」
「せんせい!」「ありがとうございます!」
姉妹が飛び付いてくるのを、武史は抱擁で迎えた。ここで武田鉄矢の定番「贈る言葉」が流れてちょっぴりホロリ。

「よし、じゃあ、セックスしようか」
音楽も止まり、青年はいそいそと服を脱ぎだした。場所は相変わらずの路地裏で、恐ろしく寒いのだが青年、そんなことは気に
ならないくらいせっぱ詰まっているようだった。

しかし。

「いてぇっ!!か、噛むな、そこ!!」
「ぎにゃああああっ!! タマを掴むなっ!!」

二人の少女は、男を喜ばせるには、まだまだ未熟だった。

いや、いーかげんエロシーンに行ってくださいよ、読んでる方も迷惑なんですから。

とりあえず服を着た青年、こんどは黙って、二人の手を引いて、裏路地から風俗通りへ。
いきつけの個室ビデオ視聴店にずかずかと入り込む。兄ちゃん、うちは同伴お断りだよ!と押し止める店長を、本番やらねぇよ、
ただの勉強会だ、と薙ぎ払った。本来はアダルトビデオを男が一人で見て自慰するのが目的なので、個室は狭い。青年が椅子の
上に腰掛け、開いた両膝左右それぞれに少女を座らせる。右に姉の『みちる』、左に妹の『かおる』。ようやくヒロインの名前が出てきた。

「はい、これが最後の授業です。といってもフランス語のポルノを見るわけではありません。これから見るビデオで、男女のセックスを
学んでください。女の子が男を気持ちよくしたら、男も女の子を気持ちよくします。ギブアンドテイク、これぞ資本主義。オケ?」
「はい!」「アメル先生!」
そしてビデオの視聴開始。二人の少女を抱き寄せて、顔を並べて画面を見つめる。都度起こる少女達の質問に青年が適切に答え、
ここぞというポイントを見計らって青年が適宜解説を行う。途中、店のおばさんが手扱きサービスに来たのを追い返した。代わりに姉妹の
掌を自分のペニスにあてがい、ゆっくりと優しく撫でさせて、二人のペニス慣れを促した。
そして授業は、早朝まで続いた。



店を出た3人を、朝日が出迎える。
「どう?これで大丈夫?」
「はい先生、」「バッチリです!」
「よし、それなら安心だ」
「こうやって、3Dアートを見る要領で」「薄目がちに見ると、モザイクが消えて見えるんですね!」
「そうだ、わざわざ裏ビデオ買わなくても良いから、経済的なんだ」
すでに突っ込むこともしない青年。いや、徹夜明けのハイな頭では、この受け答えがナチュラルなのか。
「よし、いよいよ次は実技試験だ、覚悟は良いな!?」
「がんばります!」「よろしくおねがいします!」


早朝のバス待合室。
さすがに早朝、屋外でのプレイなど、寒さで少女達が体をこわす。
せめて風を凌げる場所を、と探した結果、路線バスの停留所、待合室が小部屋になっている場所を見つけた。施錠はされていたが、
幸い小さな南京錠だけだったので、近くに落ちていた合い鍵(金属バット)をつかって開けることが出来た。始発が来るまであと2時間弱、
それまでが3人に与えられた時間となる。

「はぁ・・・・ん、」「ごしゅじんさまぁ・・・」
待合室に並べられた座席の上に立ち、少し広げた足を伸ばして、前屈するようにして青年に股間をさらす、姉のみちる。尻を高々と上げた
姿勢で、スカートはみっともなく逆さまに捲れてしまい、今時の高校生にしては質素で可愛い白のショーツが露わになっている。
その姉の足下、座席の足下にぺたりと座り込んだ妹のかおるは、体育座りの膝を抱え込むようにして、回した指先でショーツごと性器を
弄っている。くちゅくちゅ、と湿った音が早くも漏れだし、彼女の吐く息を短く白く染める。セリフの中にご主人様とか混じってるのは、おそらく
先程まで見ていたビデオの影響だろう。
「ンは、・・・もう、おとうさァん、」「わたし、我慢できないよぅ・・・」
近親相姦ものも見たようだ。

今こうやって武史の目の前に淫らな姿をさらす姉妹、とても数時間前ババヌキだのプロレスだのいっていた無垢な乙女達とは思えない。
しかも、まだ彼女たちは正真正銘の処女である。その乙女が、数時間の教育でここまで変わってしまったのは、素質があるのかはたまた
教え方が良いのか。

「ふむ、いいスケベっぷりだ。それでこそ、男をその気にさせる女学生のプロ、援交職人!! たとえ実戦経験はなくとも、そこいらの
新兵よりも格段に優れた人材、いわばセックスの士官学校出身者!! しかもそこを首席でスピード卒業した士官候補生、
ま さ に 援 交 の エ リ ー ト だ っ!!」

武史のセリフも、なんだか古舘伊知郎じみている。3人とも夜通しぶっ続けでアダルトビデオを見たもので、かなりイかれている模様。
武史は、腰をかがめ、膝立ちする姿勢で姉妹と相対した。低い座席に立っているみちるの尻は、ちょうど武史の眼前に位置し、その武史の
ペニスは座席の足下に座るかおるの眼前に来る。



「早く、みちるのオマンコ食べてぇ、」「早くオチンポ、食べさせてぇ・・・」
そういって、みちるはショーツの両脇に親指を引っかけ、つるりと滑らせた。高校生にしてはまだ幼い風貌の、まっさらな性器が露わになる。
同時に、武史のペニスに少女の指が絡まった。中学生の小さくて細い指先が、男のグロテスクな肉棒の表面を触れるか触れないかの
かすかなタッチで撫で回す。それは、乙女の繊細さと、おんなの貪欲さが織りなす、今この時期の少女でしか為し得ない天上のテクニック
であった。
そうして武史は、ぱん、と柏手を打つように合掌、いただきます、と宣言したあと、みちるの割れ目にむしゃぶりついた。

「ひゃううううう!!!」「んんんんんんんんっ!!!」
同時にかおるが、小さな口を精一杯開けて、武史のペニスをぱくりと含んだ。じゅるるる、と唾液をぬめらせて口内粘膜とペニスが摩擦する。
まるで火花が散るような快感の閃光が青年の脳を焼く。かおるは、ペニスを呑み込んだかと思えば、可愛らしく首を傾げるような仕草を
したあと、口からペニスを引き抜きながら首を傾げ直す。ペニスをこする動きが直線ではなく、螺旋の軌道を描くのだ。
「うおおっ!」
武史はたまらず、強く呻いた。自分が教えたテクニックとはいえ、いきなりここまで使いこなすとは、少女の淫靡な素質に深く感嘆する。
先程のビデオ学習の際、掌に握らせたペニスをWiiリモコンのようにつかって、AV女優のフェラテクをトレースしながらイメージトレーニング
させた。かおる、そしてみちるの上達具合は、半端なものではない。
負けじと、みちるの性器への攻めを強める青年。指で菱形に広げた割れ目の粘膜を、舌の腹全体でぞろりと舐めあげる。吸い付くように
唇を突き出して、ぬるぬるのそこにキスを繰り返す。そのたびにみちるの身体はびくびくと痙攣し、尻をうねらせるようにして身悶えた。
小さな待合室に響くように、彼女が嬌声をあげる。
そして、舌先でみちるのクリトリスを責め、皮をむきあげたとき、武史は自分のペニスが限界に近付いてきたと悟った。
「ヤベ、なんかもう、出そうだ!」
青年を早漏と責めないでやって欲しい。かおるの行使する天使のフェラの威力もさることながら、先程までのビデオ学習において、無垢な
少女の手遊びにとペニスを与え、さんざん弄られまくった快感の名残が残っているのだ。
そして青年は、みちるのクリトリスに吸い付きながら、享楽の堰を切った。

「やああああああああああああああああああああああっっっ!!!」「んんんんんんんんんんんんんんんんんっっ!!!」
一段と高い声を上げてのたうつみちる、その少女らしからぬ嬌声を聞きながら、その妹の口の中にビュクビュクと白濁を放出した。
ふらり、と脱力して座席から倒れ落ちそうになるみちるを支えてやった武史は、彼女の華奢な身体をそのまま横たえさせると、妹の唇から
ペニスを抜き解放した。口の中に溜められたドロドロのザーメンは引き抜かれたペニスの後を追って太い糸を繋ぐのだが、やがて途切れ、
かおるの唇から顎、胸元に滴った。

「姉妹丼の心得、その3!」
口の中にたまった精液を、嚥下しようか吐き出そうか迷っていたかおるは、青年のその言葉で我に返る。そして、リスの様に頬を精液で
満たしたまま、んーんんーんーんんんー、などと唸った。先程の学習の際に教わった「姉妹丼の心得5箇条」の三つ目、「口に出された
精液は、姉妹仲良く分けあうべし」を復唱したのだ。
人生で初めての絶頂に、息を荒げて脱力する姉、みちる。その唇に、精液でぬるぬるになった唇を寄せる妹のかおる。重ねられた唇、
かおるは姉の唇へと精液を流し込もうとするが、朦朧としているみちるは上手く受け取れず、唇の端からとろとろとこぼしてしまう。武史は、
自分の精液を介在した姉妹の百合キスをしばらく楽しげに見ていたのだが、そろそろ次に移りたくなってきた。みちる、こぼれてるぞ、
と急かすように青年が声をかけると、我に返ったみちるが5箇条その3を思い出し、妹の唇から自分の取り分を吸い出していった。
二人とも、実によい生徒である。
そして青年は立ち上がり、次の行為に移った。
・・・と、その前に、窓の外から覗き見していた郵便配達アルバイト、ゆうメイトに向かって合い鍵(金属バット)を投げつけ、追っ払っておいた。



「あああ・・・、こんな」「格好、恥ずかしいです・・・」
座席に腰掛け、自分でM字開脚の太股を抱えるように引き寄せるかおる。その股根に顔を埋め、顔と両足の三点立ちで尻を掲げる
みちるの背後から、武史がニヤニヤとその姿勢を眺めている。妹の性器を姉がむしゃぶりつく姿勢、そしてその姉をバックから貫こうと
しているのだ。すでに二人とも、先程までの淫行に湿ったショーツは脱ぎ捨てられ、姉妹のショーツを並べてヒーターの傍で乾かしている。
それ以外は中学、高校の制服のままであるのが、また青年の背徳感を刺激する。

「それじゃあ、みちるのバージン、俺がもらっちゃうよ?」
「は、はい、どうぞ、」「優しく、お願いします・・・」
先程の愛撫ですでに十分ふやけた少女の性器。武史はその腰を抱えるようにして支え、狙いを定めると、ひと思いに貫いたのだった。

「ひぐっ!!!!」「ッッッ!!!」
青年のペニスが、みちるの処女膜を裂いた。純潔を失った当のみちるが痛みに顔をしかめるのは当然しかるべきとしても、妹の
かおるまでが痛そうにしているのは不思議なものだ。それなりに年が離れた姉妹なのだ、たまに聞く双子のシンパシーというわけ
でもあるまい。
それでもかおるは、姉の痛みを気遣い、その痛みに同調したのだ。だから青年も、あえて二人に声を掛けた。

「だいじょうぶ、優しくするから」
じわじわと痛みを与えるのではなく、一気に貫くことを選んだ武史は、根本まで怒張を埋め込んだまま、しばし馴染むのを待った。
しかし、青年が動くよりも早く、みちるが腰をくねらせてきた。
「私たちは大丈夫ですから、」「せんせいが気持ちよくなってください・・・」
そういってみちるがうねうねと尻を動かすと、青年のペニスを絡め取る膣襞が怪しくうねりだし、彼を喜ばそうと迎え入れていった。
その動きに青年も応え、ペニスの出し入れを開始した。

「く、みちるの膣内(なか)、スゲエ気持ち良いっ!」
「ああん、嬉しいです」「もっと、いっぱい頑張ります・・・」
みちるは、妹の股間に顔を埋めたまま、こんどはその秘所に愛撫を加え始めた。少し短めの舌を懸命に突きだして、妹の割れ目を
舐めあげていく。そしてその間にも、青年のペニスを迎える膣の動きを凝らすことを忘れない。

「んん・・・ちゅ、ぴちゅ」「んはぁっ、だめえぇ、そこ舐めちゃダメぇっ!!」
いつしか青年の腰の動きも、相手を労る動きから、相手を喜ばせる動きに変わっていった。力強く腰を打ち付けるものの、ペニスが
膣奥でいきどまり、ブレーキがかかってしまうため、先程姉妹が見たAVのようなパンパンという肉打つ響きはない。
しかし、ドスンドスンと突き上げるたびに内蔵ごと押し込まれる衝撃は、確実に少女の性感を高めていった。
「やべぇ、気持ちよすぎて、俺もあんまり持たないっ!!」
青年が音を上げる。それほど処女の膣は極上の快楽を生み出していた。まだ充分にこなれていない、未成熟の硬さが生み出す強烈な
刺激に、青年の射精も間近に迫った。

「んんんんあああっ、あはあああんっ、だめ、せん、せい、わたしもっ!!」「わたしも、きもちいいっ!!」
「く、くそっ、ここまでかーーーーーーーっ!!」
青年は叫び、歯がみしつつも、思い切り引き寄せた少女の腰、そのまっさらな子宮めがけて、特濃の精液を吐き出した。

「んはあああっ、でてる、いっぱいでてる・・・」「すごい、これがほんとうの、せっくす・・・」
最後の一滴まで搾り取ろうとするみちるの膣に、武史は遠慮なく全てを出し切った。強烈な目眩を伴う射精に酔いしれた彼は、このあとに
抱く妹の膣の味を想像して、ペニスに力をみなぎらせるのだった。


@@@@@@@@@@



「おまたせ」「しました〜」
「いや、待ってなんかねぇって、俺もさっき上がったところ」
武史はちょいちょい、と姉妹を手招きした。素直にとっとこと近寄ってきた二人を抱き寄せ、彼は順番にキスをする。
3人は身体の汚れを落とし、24時間営業の風呂屋の出口にて、さっぱりした表情で落ち合った。ちゃんと新しい下着にも履き替えてある。
すでに陽は昇り、あたりの店も開店準備を始める頃合い。
風呂に入ってる間に気温はさらに下がったようで、ちらほらと雪が混ざり始めた。
これで自分の肩に雪が積もってたら、逆神田川だな、などとつまらないことを考え、武史は苦笑した。
そしてふと、さっきまでの出来事を思い返す。

早朝、待合室にバスの始発が来るより早く、職員が近付いて来た。待合室を暖め、掃除やらなにやらの準備をするのだろう。
幸い、そのころにはみちるに続いてかおるのロストバージンも終えて、疲れ果てた姉妹がうとうととしているところだった。その職員が
来る前に、青年が慌てて二人を起こし、待合室から逃げ出した。しかも、慌てていたものだから、姉妹ともショーツを乾かしたままで、
ノーパンのまま逃げてきてしまったのだ。

充分に逃げおおせた頃合い、姉妹がそのことを武史に打ち明けた。ぴったりとスカートを抑え恥じらう姉妹を見て武史はスケベな
楽しみを得ていたのだが、少しずつ、姉妹の様子がおかしいことに気が付いた。
そこにコンビニあるから、パンツ買ってこいよ、と武史が勧めても、姉妹は動こうとしない。
いぶかしんだ武史が理由を聞いて初めて、姉妹は告白した。
自分たちは、一円たりともお金を持っていない、と。

彼女たちの家族は、1年前に交通事故で父親を失った。それから、母親と姉妹の3人で暮らしてきたのだが、ある時期から母親の
様子が変わった。それまでは、それなりに仲良くやってきた家族であったのだが、どうやら母親に新しい男が出来たらしく、娘のことが
邪魔になったようだ。

そして数ヶ月前、姉妹を置いて姿を消した。

姉妹は、わずかに残された金と姉のアルバイトで何とか食いつないでいたのだがそれも底をつき、数日前にとうとう家賃を払うことも
出来なくなった。そして、この寒空の中、放り出されてしまったのだ。
「それで、これからは二人いっしょに頑張ろうと」「援助交際しようとおもったんです」
二人は手を繋ぎ、笑ってそういった。

青年は思った。
こいつら、バカだ。
お人好しすぎる。世の中を知らなさすぎる。
体を売るにしたって、こんな甘ちゃんなんだから、うまくいくはずはない。
きっと誰かに騙されて、ヤクザあたりに捕まって、タダ同然で働かされて、ボロボロになっちまうに決まってる。

ああそうさ、俺だって、ヤリ逃げするつもりだったさ。

こんなバカな子供を騙すのは、俺みたいな大バカヤロウなんだよ!



青年は財布を取りだし、中から紙幣を抜き出そうとした。
なけなしでも、出せるだけは出しておかないと、自分が許せなくなりそうだったからだ。
しかしその手は、揃って重ねられた姉妹の手によって押しとどめられた。

「先生からお金はいただけません」「だって、私たちの先生なんですから」
姉妹は無垢な笑みを浮かべて、青年の逃げ道を断った。その純真さが、今の青年にとっては、果てしなく残酷に思えた。

しばしの葛藤。
少女達は、急に俯いてしまった青年の様子に戸惑った。
今は、青年のその葛藤すら、無意味だ。少女達に戸惑いを与えるだけでも罪を重ねる。

ええい、こうなりゃ、ヤケだ!!
こんな時にどうすればいいのか、昔、恩人である若社長から受けたアドバイスがある。

(開き直れ!)

「よし! みちる、かおる、お前達、援交はやめろ!!」

(俺たちハーレム好きは、『二者択一』を迫られることが、ままある。A子、B子、どっちが好きか、なんて迫られることがある。でも、
どっちも捨てたくないんだ。両方好きだから手を出したんだ。そんなときは開き直れ)

「二人とも、俺が面倒見てやる!」

(二者択一のどちらを選んでも後悔が残ると思ったら、両方選べ! 自分がしたくない選択をするな! 自分がやりたいようにやれ!)

「俺はお前達が欲しくなった。これからもずっと抱いていたい」

(な、ずいぶん無責任なことを言うだろ? でも、当たり前だ。責任なんて、実行する前に発生するもんじゃない)

「でも、それじゃあ先生に」「ご迷惑をおかけしちゃいます・・・」

(自分が選んだ選択を、最善のものにすることが、本当の責任なんだ!)



「先生、」「どうしたんですか?」
姉妹の問いかけに、青年は我に返った。
「ん、いやなに、なんでもねェ。とりあえず、朝メシでも喰うか?!」

青年は、少女達を欲した。少女達も、青年に応えた。
その始まりが、たとえ性欲だろうと、無知だろうと、罪悪感だろうと、純真だろうと。
最後に笑って、幸せだと思えれば、それで良いはずだ。

「ゼニの無いヤツぁ、俺ンとこに来い!俺もないけど、心配すんな!」

【女の子二人姉妹『みちる』『かおる』がハーレムに加わった!!】
(((イベント終了)))


%%%%%%%%%% 《K》イベント %%%%%%%%%%


「俺は信じねーからなッ!!」
そんな武史の言葉に、老いた占い師はただ白い顎髭を撫でるばかり。

「もしそれが本当だとしたら、いままで気が付かなかった24年と6ヶ月と17日、俺はそのチャンスを棒に振ったということじゃねぇかっ!!」
「まぁ、生まれてからすぐにこの呪文を唱えられるわけはないからのう、棒に振ったとしても、せいぜいおぬしが初めて精を漏らした
小学5年生の3月3日からといったとこじゃろう」
「うわっ!道ばたの占い師に、人生初オナニー記念日を当てられたッ!!」


少し話を遡る。
駅に続く商店街。大方の店がシャッターを下ろした寂しげな通りにいた、露店の占い師。
武史はその老人に呼び止められた。

「おぬし、憑いておるのう」

神仏はもとより、幽霊妖怪狐狸狢、天使悪魔に冥土ロボ、そんな怪しげな類のものをいっさいを信じていなかった武史からすれば、
この老人の言葉はただの客寄せでしかなく。ポン引きの言う「可愛い娘いるよ!」と同じだ。

「しかも、たいそうめんこい娘っこじゃあ」

ほらね、まるで同じじゃねーか、ポン引きと、などと武史は思ってから、老人の言葉をもう一度整理して、反芻してみた。
自分には、可愛い幽霊の女の子が憑いている。
ふ、と思わず失笑してしまった武史。どれほどの可愛い女の子かは知らないが、相手は幽霊だ。どうすることも出来ない。
いわば、絵に描いた餅だ。
この場合、「絵」とは武史のお友達であるアダルトビデオのことであり、「餅」とは登場する女優さんの餅肌のことである。いくら可愛い
女の子であっても相手が幽霊で手が出せないならば、せいぜい眺めてオナニーするくらいしかできないわけで、その点で言えば
アダルトビデオを見てるのと何ら変わりがない、という例えだ。

「出せるぞ、手」
「は?」

その占い師は、青年の表情から色々と邪な思考の流れを読みとっていた。

「いまここで、ワシの目の前で、ちゃんとした儀式と呪文の詠唱をすれば、その娘っこは実体となるはずじゃ」
「うっそだァ〜?」
「いやいやマジじゃて」
「俺は信じねーからなッ!!」



そして冒頭に戻る。
誰にも知られていないはずの秘密を言い当てられたことで、武史はすっかり占い師を信じてしまった。

「呪文はこうじゃ。驚天動地是楽園也・・・・・・」
「じーさんスマン。俺、第2外国語全然駄目なんだわ。ついでに第1外国語も、現代国語も」
「別に中国語とか言うわけでもないんじゃがのう。しかたがない、わかりやすく訳してやるか」
「サンキューじーさん」
「『びっくりするほどユートピア』じゃ」
「・・・えらくテキトーだな」
「まずは素っ裸になるのじゃ。そのあと、白目をむいて尻をバンバンと叩き、そこのゴミ箱の上に登ったり降りたりを繰り返しながら、
この呪文を叫ぶのじゃ。もちろん、ハイトーンでな」
「ちょ! 俺を変質者に仕立て上げるつもりか!? まだ人通りのある商店街で、そんなことしたらすぐにあそこの交番から
お巡りさんが来る!!」
「できんというなら仕方がない、諦めよ」
「くっ!足元みやがって・・・」
「どうした? おぬしの、おなごに対する気持ちはそんなもんか?」


【女の子ゲットのチャンス!まず服を脱ぎ、全裸になってから白目をむいて、尻をバンバン叩いてください。ハイトーンで
呪文を叫びながら、ベットもしくは椅子の上に登ったり降りたりを繰り返してください。これを10分間続けられれば合格です】



◎【ンなこと出来るかーーーーーッ!!】
「じーさん、ありがとう。アンタのお陰で、まだ俺はマトモなんだって、思い知ることが出来たよ・・・」
「そうか・・・娘っこは随分残念そうにしておるがのう・・・」
「いいんだ、じゃあな、じーさん!」
武史は老人と固い握手を交わしたあと、その場を去った。
(((イベント終了)))


◎【・・・正月早々、こんなことさせやがって・・・】
武史の名誉のために、その10分間の詳細は伏せておくことにしよう。
いま、彼は、女の子を連れて走っている。逃げている。なにから? もちろん警官から。
「ここまで来れば大丈夫だろう・・・」
何とか警官達を煙に巻き、人通りのない路地裏に逃げ込んだ武史。
息を荒げ、とにかく服を着た武史は、夢中で引っ張ってきた女の子を見る。
濡れたように艶やかな黒髪は、脹ら脛まで届こうかという長さとボリュームがあり、小柄な少女をより小さく見せてしまうほどだった。
おまけに前髪も長く、愛らしい表情の右半分は隠れてしまっている。黒目がちの瞳は意外とぱっちりと開き、ただ単純な幽霊らしい
陰鬱さをうち消していた。
そして、その装束。
この寒い中、薄手のまっしろな着物。さらに衿は左前の死装束。
定番というか、すでに固有の記号と化した三角の天冠を頭に結わえている。
これは誰がどう見ても、女の子の幽霊か、幽霊のコスプレをした女の子だ。少し捻ったところでは、突然心臓が止まった少女が
今まさに火葬されようとしていたところで突然蘇り、棺桶から抜け出してきた、という線もあるかもしれない。ごく少数のケースだから
この線は省くことが出来るだろうが。
「ありがとうございます、私、あなたの守護霊なのに、逆に助けられちゃって・・・」
そういった少女、『瑠璃(るり)』は、自分で名乗ったとおり、武史の守護霊である。
しかし、武史に憑いていた悪霊たちの呪いが強く、彼女は思うような働きが出来ないまま、ただ見ているだけしかできなかった。
そして武史の、人間として大切な何かを捨てた儀式の成功により呪いが晴れ、ついに実体化を果たしたのだ。


「というわけで、さっそくエッチなこと、しましょう♪」
唐突に瑠璃は、武史の手を自分の胸にあてがった。

「え! いきなりだなおい、いやむしろ俺は大歓迎なんだが、そんなんで良いのか?」
武史は、瑠璃の唐突な申し出に驚きながらも、空いた手でズボンのベルトを外し、さっき履いたばかりのズボンを再び脱ぎだした。
自分で彼女に理由を問うておきながら、例えどんな返事が返ってこようともエッチをやめるつもりはないようだ。
そんな武史の固い意志の現れが、脱ぎ捨てたパンツの下から現れた。

「もちろんです!私、あなたが生まれたときからずっと見ていました。本当ならば実っていたはずの恋もあったのに、私が悪霊の呪いに
打ち勝つことが出来なかったせいで、あなたにはずいぶんと寂しい思いをさせちゃったんです。だから、その分も、あなたに幸せになって
欲しいんです!」
瑠璃は、長い間秘めた想いを打ち明けた。話しながらも瑠璃の身体は武史の身体に密着し、頬をこするようにしゃがんでいった。
セリフの最後あたりは、武史に言ってるんだかその息子に言ってるんだか分からない。

「でもなぁ、なんか慌ただしいのって、どうもなぁ・・・やっぱり、こう、愛を育みながらのセックス?ってのが理想だよ」
そういいながらも武史は、待ち受けるような瑠璃の唇に、長大なペニスを押し込んだ。ぬるぬるとぬめる少女の喉奥は、普通の人間ならば
えづいてしまうような反応すら見せず、武史の肉柱を素直に深く呑み込んでいった。
「んんんーんんんんーーーんんーんーーーんん」
口いっぱいに男の得物を含み、喋ったとしても喉しか震えない。端から聞いていても、彼女がいったい何を言っているのやら分からないの
だが、不思議と武史にはその言葉を理解することが出来た。どうやら喉奥に差し込んだペニスの先端が声の振動を武史自身に伝えている
ようだ。これがいわゆる『お肌の触れ合い通信』、もしくは『骨伝導』というやつだろうか。とにかく彼女は、「もう少しで消えちゃいますから、私」
と言った。



「そんな、やっと逢えたのに!?」
武史は少女の言葉に衝撃を受け、喉を突く腰の動きを強めた。瑠璃はその動きを受け入れ、両手を青年の腰に回してしがみついてくる。
そして、相変わらず言葉を発することが出来ないが、先程と同じように喉を震わせ、青年に言葉を伝えるのだ。そして、その喉の震えが、
青年のペニスに引導を渡すことになった。どっくどっくと脈打ち、大量の精液を少女の喉に流し込む。

「くっ!!・・・・・・そ、そうか、そうなんだ、よかった、安心したよ・・・」
射精の開放感と先程の少女の返答に、表情を和らげ、安堵した。彼女の実体化にはそれなりのエネルギーを使うらしく、常にそのままで
いられるわけではない、らしい。だからしばらくすれば消えてしまうが、またエネルギーが溜まれば実体化出来るそうだ。

「じゃあ、やるか!?」
「うん、しよう♪」
ペニスを抜き去られ、口の中を埋め尽くしていた栓が無くなった少女。こんどは武史の言葉に、ちゃんとした言葉で明るく応じた。
「見て、私、もうこんなに濡れちゃってるから、すぐにでも大丈夫だよ?」
青年の射精からしばしの間も置かず、それでいて少しも勢い萎えることもなく、いそいそとせわしなく、二人は繋がろうとしていた。瑠璃は
白い死装束の裾を大きく開き、初々しい割れ目を武史に見せつける。確かに彼女の言うとおり、そこは蜜に溢れ、だらだらと太股を濡らしていた。

「24年と6ヶ月と17日、ずっと我慢してた、私の我慢汁なんだからっ!」
「ようし、その我慢も、24年と6ヶ月と17日で記録更新終了じゃあ〜〜ッ!!」
武史は、怒張の先端を少女のクレヴァスにあてがい、一気に腰を押しつけた。

すかっ!

むなしく空を切る武史のペニス。

「あれ・・・?」

・・・さっきまでの勢いが止まった、っていうか。

瑠璃が、消えた。

(ごめ〜〜ん、エネルギー、保たなかったみたい・・・)

頭の中に、瑠璃の、間の抜けた声が伝わってくる。
武史は、商店街の路地裏で、たった一人で、下半身丸出しで、固まっていた。

「いたぞ! あそこだーっ!!」

そんな武史に、ようやく警官達が追いついた。
すぐそこまで迫る警官達に、武史は脱ぎ捨てていたズボンを拾い上げると、脱兎のごとく駆けだす。

「どちくしょーーーーーーーーーーーーっっ!! あんな恥ずかしい真似させておいて、お預けかよーーーーーーーーっっ!!」

武史は、夜の街を、まるでケムール人のような走り方で逃げ出した。
ズボンは持ったがパンツは忘れてきただろ、とか、そんな些細なツッコミは、彼が逃げ延びたあとにしてやって欲しい。

【ハーレムに、『るり』が加わった! 人間として、何か大切なものを失った!】
(((イベント終了)))


%%%%%%%%%% 《O》イベント %%%%%%%%%%


「悪りィ、俺、そーいった手合いのは・・・」
丁寧に、丁寧に、武史にしては至極丁寧に、お断りしたのだが。
「なに、遠慮するでない。困っている者を助けるのは、拙者のつとめじゃ」
いや、そういうアンタにつきまとわれるのが、一番困ることなんだが。
武史は、何とか目の前の、巫女装束なのになぜか帯刀した、奇天烈な和風コスプレ少女から逃げ出そうと考えていた。

【女の子ゲットチャンス!サイコロを振ってください!!】


◎【出た目が1・2・3だった】
「・・・・・・ふぅ、何とか捲いたか」
武史は、スパイもびっくりの逃走経路をつかって、何とか少女から逃げ出すことに成功した。
(((イベント終了)))



◎【出た目が4・5・6だった】
「これ、こうみえても拙者、いたいけな乙女なのだぞ? その乙女に、やむなしとはいえ殿方の厠へ入らせるような所為に及ぶのは、
いかがなものかのう?」
男子便所に逃げ込めば、逃げられると思ったのが甘かった。武史が閉じこもった個室の扉の上から、ひょっこりと頭半分を出して、
覗いてきた。学校の怪談なんかで、深夜看護婦の幽霊にやられると失禁してしまいそうなシチュエーション。だがある意味、
幽霊よりも質が悪いかもしれない。
観念して個室から出た武史は、彼女を伴って、早々に男子便所から退散した。
そして、列車の出発時刻になった。色々なことをうやむやにしたまま、二人はその車両へと駆け込んだ。

少しばかり時を戻す。



青年は、商店街を抜けて駅に着き、電車に乗ってこの街を立った。
目的地、実家のある駅はかなりの田舎町で、そこにたどり着くためには、電車を2本、乗り継がなくてはならない。最初に乗った電車は、
都会を巡る網の目を走り、次に乗り継いだ電車は青年を遠くの街へとにかく早く運び出し、最後の電車はゆっくりゆっくりとその土地の駅を
一つ一つ丹念に訪ねる。
武史はこの2本目から3本目に乗り継ぐ駅で、しばし体を休めていた。特に疲れている、というわけではないのだが、とにかく乗り継ぎには
時間が余ってしまうのだ。
冬の陽はすぐに暮れて、あたりはもう真っ暗だ。

「のう、おぬし、少し良いか?」
そんな声が聞こえてきて、武史は目が覚めた。ヤバイ、ねむっちまった、と慌てて時計を見たあと、安堵する。眠っていたのはほんの
数分といったところのようだ。
ふう、と大きな溜息を吐いたところで、自分に声を掛けてきた相手に気が付いた。
その姿を見て、寝起きの頭が、これは夢なのではないか、などと混乱した信号を発生させる。
声の主は、巫女装束を着た高校生くらいの少女だった。
冷然とした表情、流れるような黒い長髪、白と朱の目にも鮮やかな巫女装束、そしてなぜか、腰に下げた大小の刀。
「こすぷれ?」
青年は、ついと口からその言葉が出てしまうのを止められなかった。
その言葉に、ほんのわずか眉根を動かし、少女が言う。
「ちょうど良い機会なので尋ねたいのだが、その『こすぷれ』とやらはどういう意味なのじゃ? 拙者を見た者が、時折口に出す言葉なの
じゃが。意の知れぬ言葉で指さされると、なにやら陰口をたたかれているようで良い気分ではないのじゃ」
コスプレ娘に、コスプレの意味を教えるというのも、普通は無い経験だよなぁ、と感慨に耽りつつ、武史はかいつまんで説明してやった。
「ふむ、拙者の装束と同じものを身につけて、童のように合戦遊びをしておるのじゃな、そのこすぷれとかいう輩は」
どれほど正確に伝わったのかは不明だが、面倒なので、うんうん、と頷いておいた。
それで、本題である。
青年に声を掛けたのは、是々という駅までの切符を買って欲しい、という内容の依頼だった。その程度、さほどの労力もないので、武史は
応じてやったわけだが。なんでそれくらい自分で出来ないのか、という問いは、何かしらよろしくない方向へ会話が進みそうなので
やめておいた。

金は?と聞く武史に、金子(きんす)じゃな、と懐をまさぐり、無造作に一万円札を5、6枚掴み出してきた。
「いや、こんなにかかんねーよ。せいぜい1枚くらいで充分だ」
そういって一万円札を一枚受け取り、切符を購入して、お釣りを渡してやった。しかし、その数枚の千円札と硬貨を、いらぬ、おぬしが
取っておけ、と突き返した。

「いや、そーゆーわけにはいかんて。俺は別に、お前から金をもらうようなことを、何もやっちゃいない」

ふむ、なかなか律儀な男じゃな、少女はそういって、釣り銭を掌で握りしめた。
「じゃが、この細かい方の銭は、今ひとつ使い手が分からぬ。ものが買えたり買えなんだり、色々ややこしくての、好かんのじゃ」

と、ここまでのやり取りで、武史は思った。

これは、本格的にヤバイ人なのでは。



そんな風に考え、彼女から早々に離脱すべく、タイミングを見計らっていた武史なのだが。

「よし、特別に、拙者がおぬしに憑いておる物の怪を、落としてやろう」

得意げにそういった少女を見て、武史はますます話がヤバイ方向へ向かいだしたことを理解した。

「悪りィ、俺、そーいった手合いのは・・・」
丁寧に、丁寧に、武史にしては至極丁寧に、お断りしたのだが。
「なに、遠慮するでない。困っている者を助けるのは、拙者のつとめじゃ」
そういって、腰の刀を按ずる。

そして、武史は逃げ出した。冒頭に戻る。


それからどしたの。


列車に揺られる二人。
その車両には、その少女、名前を梓(あずさ)というのだが、彼女と青年、武史だけしか乗っていなかった。

「おぬしには、よほど業の深い物の怪が憑いておるようじゃのう。よくもそれで何事もなく過ごしておれたもんじゃ」
「・・・あんまり不便を感じたことが無いなぁ。別にこのままでも良いんじゃないか?」
武史は出来るだけ穏便に、何もしないで良いだろう、という結論に持っていこうと努力しているのだが、なかなか梓がうんと言わない。
他に誰もいない車両なので、会話に気を遣う必要がないのは幸いだった。
で、結局、武史が折れた。
まぁ、ほんのちょっと、おまじないのようなものをされて終わりだろう、とタカをくくったのだが、それは認識が甘かった。


「・・・ええと、それ、おもちゃだよね?」
「たわけ。この霊刀『地獄極楽丸』が、なまくらのわけ無かろう」

車内の出入り口付近、少しだけ広さを確保できる場所で、扉に背を預けた武史を前に、梓が抜刀した。
刀身はそれほど長くないのが、この狭く天井の低い車内で振り回すのに幸い(?)したようだ。
その刀を右手で持ち、左肩に担ぐように構えてから、空いた手で印を結ぶ。そしてそれに合わせて、呪文のようなものを唱えている。
あれって、ナルトとかがガマ呼び出したりするのに似てるなぁ、そういえばあのガマとか、もう出番なさそうだなぁ・・・。なんか呪文みたいな
もの唱えてるけど、こうやって聞いてると、まるでお経か、そろばんの読み上げ算みたいだ、とか、武史は現実逃避している様だった。
そしてひときわその声が高くなったと思うと、気合いのかけ声と共にその呪文は終わった。続けて、先程まで印を切っていた手を刀に回すと、
そのまま肩掛けから振り下ろすように、刀を振るった。
「きえい!」
一閃、武史の鼻先を掠めて振り下ろされた刀。
「ひ!」
刀の軌跡に、思わず短い悲鳴を上げる武史。間違いなく、寿命の一年や二年は縮まったろう。

すると、武史の周りで異変が起こった。
何もない空中から、無数の真っ黒なヘビが現れて、電車の床にぼとぼとと落ちていく。



「な、なんじゃこりゃ!」
「ふむ、情欲を司るヘビの化身じゃろう。これでもまだまだ、いくらも払い切れておらぬ。さ、続けるぞ?」

冗談じゃねぇ、と思った武史。しかし彼の身体に、突然の変化が現れた。
「ぐはぁっ!!」
「む! どうした!!」

身体に電流のようなものが走ったかと思うと、動悸が限界を超えて激しくなり、苦しい。がくがくと全身が震え、だらだらと脂汗が吹き出す。
呼吸が出来なくなるほどの苦しさの中、自分の身体、ある一カ所だけに力が集まっているのがわかった。股間だ。
性器が痛いほどみなぎり、それに合わせて、武史を強力な興奮が襲った。そして彼の思考が、『犯せ』という言葉で満たされていく。
目の前の女を犯せ、脳の奥、心の奥、魂の奥、そんな深淵の何かが、武史を揺り動かす。目の前の女、梓を犯せ、と。

「まずい、邪の大元に、いらぬ刺激を与えてしまったようじゃ、不覚!!」
武史を介抱しながら梓は思索を巡らす。しかし、それが隙となった。

「ひぐっ!!」
一匹の黒いヘビが、梓の額に、溶け込むように進入した。
どさり、と力の抜けた身体を崩す梓。そして彼女の身体も、そのヘビの力によって発情した。
「ンあああああッッ!!!」
彼女は、これまであげたことのない、性の喜びに震える声を上げた。何者かに弄ばれるように身を悶えさせ、細かく、そして大きく震えさせる。
「く、こ、このままでは・・・よがり狂ってしまう・・・」

必死に抗う理性、そのせめぎ合いの中、梓は、股間の逸物を限界まで膨らませ苦しむ武史を見た。
「やむを、えまい、このままでは、二人とも気が触れてしまう・・・」
一度お互いの情欲を果たせば、ひとまずは落ち着く。その為には自分も、男と交わらなければいけない。

覚悟を決めた梓が、自分と同じように床を這いずる男に言う。
「おぬし、我慢せずとも、良い、拙者を、抱け・・・」
「ぎ、く、、・・・し、しかし、・・・」
「このままでは、おぬし、心の根が焼き切れてしまうぞ・・・」
「だ、だめだ、だめだ・・・・ちくしょう」
青年は、必死に抗った。その抵抗が自分の首を絞める、そのことを伝えたい梓であったが、彼女とて余裕があるわけではない。

「かまわぬ、拙者、まだ未通じゃが、かまわぬ・・・おぬしに、抱いて欲しいのじゃ」
梓のその言葉に、武史の心が強く惹き付けられた。

「抱いて、良いのか、俺が・・・」
「かまわぬ、おぬしに、抱かれたい・・・」
武史の身体が梓の身体を押さえつけた。はしたなく広げられた彼女の腿に、男の身体が重ねられる。
いよいよ、いよいよか、いよいよなのかというその時、武史は叫んだ。

「やっぱりダメだーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」
「なにっ?!」

この期に及んで武史は抗った。いや、なぜ抗えるのか?!

「せっかくバージンの女の子とエチー出来るッつーのに、こんな訳のわからん状況で、誰かに操られるみたいに、流されるままにヤるのは、
 勿体ないじゃないかーーーーーーーっ!!」

「はぁっ!?」
梓の、身体を支配する情欲すらひととき忘れるほどの、絶句。

「ヤるんだったら、じっくりヤる、自分の意志でヤる、楽しんでヤる、相手も満足させてやらなきゃ、男じゃねぇっ!!」

「ま、まて、今のおぬしは、すぐにでもおなごの胎(はら)にぶちまけねば、収まり付かぬはず、無理をするなっ!!」
梓の制止を振り切って、武史は立ち上がった。

「ひとまず落ち着け、俺!!」

そして彼は、力一杯目をつむり精神を集中、限界を迎えようとするペニスのコントロールを試みる。

「88歳のおばあちゃん、米寿の祝いのヘアヌード写真集!!!」

「老人会の慰安旅行、業者が間違えてヌーディストビーチへ!!!」

「○○○×××△△△!!!」(←さすがにこんなのばかり書いてると、皆さんにおしかりを受けそうなので自粛)


青年はそうやって、無理矢理自分の性欲を御した。諸刃の剣の危険な手段だが、何とかその方法で自分のペニスを萎えさせていった。
そうしていくつかの危険ワードを叫ぶことで、青年のペニスは完全に萎え、収まった。
同時に、梓の身体を内部から縛っていたヘビも姿を消した。
まさにこの時こそ、業深き神魔の戒めを、青年の意志の力が制した瞬間だった。
・・・手段はどうあれ。


「・・・だいじょうぶか、梓」
床に倒れている彼女を起こしてやりながら、青年が声を掛ける。
「ああ、なんとかな・・・それにしても、」
巫女装束をあられもなく乱して、全身をべっとりと汗で湿らせ、荒い息を吐く。
「それにしても、凄いな、おぬしは・・・」
彼女は、魔にたいしてここまで抗える人間を知らない。だから素直に、すごい、としか思えない。



「少しは落ち着いたか?」
武史が、梓の息の具合を見る。まだまだ荒いが、幾分かは落ち着いてきたようだ。

「よし、それじゃあ、やろうか」

「・・・・・・は?」
一瞬、呼吸が止まった梓。

「抱かせてくれるんだろ?」
「や、ちょ、あ、あれは、その、」
「処女、俺にくれるんだろ?」
「えええ、な、そ、そんな・・・」

矢継ぎ早に、先程の淫蕩の言葉を使って同意を求めてくるのだが、梓はそんなに気持ちの切り替えが出来る少女ではない。

「・・・ダメなのか?」
答えあぐねる梓に、こんどは武史の搦め手。一転して、寂しげな表情で。
そうするともう、梓は武史の掌の上で。

「い、いや、ダメじゃ・・・ない・・・」
顔を真っ赤にして照れながら、そんなおもねる答えを返してしまう。

「だったらしよう、いますぐしよう!」
「そ、そんなぁぁぁ〜っ、」
「これから、本当のコスプレHってのを教えてやろうじゃないかッ!!」
「せ、拙者はこすぷれではのうて、ああっ、やめい、やめんか、そんなところに手を、ひっ、舐めるな、か噛むなぁあっ!!」



・・・とまぁこんな感じでその夜は、少女の嬌声を乗せて列車は進むのだった。

【女の子『あずさ』がハーレムに加わった!】
(((イベント終了)))


%%%%%%%%%% 《Q》イベント %%%%%%%%%%


「ヤバイのに関わっちまった・・・」
駅から続く地元の商店街を、少しの感傷と共に歩いていた武史は、不意に声を掛けられた。
武史のつぶやきを聞いているのかいないのか。その金髪碧眼女は、こう言った。

「ワタシワ、ワクセイU40カラヤッテキタ、ウチュウジンデス。コノタビワ、マタイトコノメビウスガ、ズイブントオセワニナッテオリマス」

わざわざ、自分の喉を小刻みにチョップしながら、声を震わせて喋っている。
マズイ、真性の、電波女だ・・・。

【女の子ゲットチャンス!サイコロを振ってください!!】



◎【出た目が2・3・4・5だった】
「ああ、メビウス君なら、この先の交番を曲がったところにあるコンビニでバイトしてますよ。それじゃ!」
青年は、逃げるようにその場を立ち去った。つか、本気で逃げた。
(((イベント終了)))



◎【出た目が1・6だった】
「ああ、メビウス君なら、この先の交番を曲がったところにある酒屋でバイトしてますよ。それじゃ!」
青年は逃げだそうとしたのだが、がっしと腕を捕まえられた。

「ソノサカヤナラ、モウツブレタ。イマワコンビニニナッテシマッテイル」
武史の腕を掴みながら、空いた腕で喉をチョップするのはやめない。

「っておい、何で宇宙人のくせに、こんなド田舎の商店街情報に詳しいんだよ!」
あまりにも当たり前すぎて、これホントに突っ込んで良いところ?と疑いたくなる気持ちをねじ伏せて、とりあえず突っ込んでやる。
その意見に、ようやく喉チョップをやめた金髪女は、小さな溜息を吐いた。



「そりゃーもつろん、なげぇこつここさすんどうからにきまっちょうよ、あいかーらず、あたまさかてぇの、藤堂さーは」

自称金髪宇宙人は、思いっきりこの土地訛りの日本語で話し出した。しかも、青年の名前を知っている。


「って、おめ、ユリアじゃねーか!」
「やーっとおもいだすたんけ、おそかー」

青年は思いだした。高校の頃、転校してきた外国人。ユリアとは、所属する陸上部の部員仲間だった。武史は長距離、ユリアは棒高跳び。
バーをロールして飛び越えるときに見えた、彼女のたわわな胸は、当時の青少年の目にしっかり焼き付いていた。

そしてそれ以上に、二人は一時期、つき合っていたことがある。

昔の恋人で、しかも印象の強いはずの外国人である彼女。そんな重要な人物を忘れていた武史を薄情と責めるのも、少し可哀想な部分が
ある。当時短かった髪はずいぶんと様変わりし、今は緩やかなウェーブのかかった長髪になっている。髪型から来る印象と、いきなりの
悪戯が、記憶の中の彼女を曇らせたのだろう。



そして二人は、商店街の中にある八百屋の店先で、長椅子に腰掛けながら、思い出話に花を咲かせた。
その八百屋は、ユリアの自宅である。
二人は昔、ユリアの告白から始まった恋仲であった。しかし、高校卒業前の冬、武史が別れを切り出し、破局となった。
そのころの武史は、内に秘めたハーレム好きの性分に苦しめられていた。つまり、あまりにも多情で、ユリアとつき合っていながら同時に
他の女性にも好意を寄せてしまう自分が許せなかったのだ。

「なぁ、タケシはいまも、浮気性なんけ?」
「あー、悪化したかもしれん」
苦笑して答えるタケシに、ユリアもつられてくすくすと笑いだした。

「そんならあたすも、悪化しちょうよ」
笑いを抑え、それでも笑みを残したまま、ユリアが言った。
「あたすの、タケシに一途なとこ、あんころよりも、ずーっと、悪化しちょうよ」
区切るように、そういったユリアの笑みは、確かにあのころの笑みと、何一つ変わっていなかった。

【女の子『ゆりあ』がハーレムに加わった!】
(((イベント終了)))


%%%%%%%%%% 《S》イベント %%%%%%%%%%


「おっす、久しぶり・・・」

向こうもそう思っていたらしく、青年の挨拶に、よう、久しぶりじゃあな、としわがれた声で返してきた。

彼女は、青年の実家近くにある地蔵堂の守をしている老婆で、昔は子供相手の駄菓子屋も営んでいた。だから、青年も、小さい頃
ずいぶんとこの老婆の世話になった記憶がある。

「帰るんじゃろ、乗ってくけぇ?」
そういって勧められた、荷牛車。よ、ジョセフィーヌ、お前も元気そうだな、と青年は雌牛の頭を撫でてやる。彼女も久しぶりの青年を
覚えていたのか、心なしか嬉しそうにも見えた。
そうして青年は、勧められた荷台に乗り、わらのクッションに身を預けた。


【女の子『じょせふぃーぬ』をハーレムに加えないでください! そして、3マス進みます。つまりゴールいっとけ、と。】
(((イベント終了)))



%%%%%%%%%% イベント説明終了 %%%%%%%%%%


<<<エピローグ>>>




お疲れさまです。これ以降は、%%%%%【   】%%%%%内の条件を満たしているイベントのみ、お読みください。
(((イベント終わり)))で区切りですが、他の条件を満たしている%%%%%【   】%%%%%があれば、そこもお読みください。
END OF TEXTが記載されているイベントは、他と複合できないエピローグなので、そこで終わりです。






%%%%%【ゴールしないで、女の子が1人しかいない】%%%%%

武史は、短い休みを実家に帰ることもなく、ぶらぶらと過ごしたあとで仕事に戻った。
以前居候させてもらっていた友人は、彼女との交際も順調である。結婚の噂を聞いたときには、さすがにもう彼の部屋におじゃまするには
忍びなく思うわけだ。
さらに、会社の宿直室を借り続けるのも申し訳ないので、新しい部屋を借りることにした。敷金や費用は、若社長に頭を下げてボーナスを
前借りしたのだが。

「ふぅ、なんとかサマになったな・・・」

ワンルームのアパート。狭い部屋だ。家具もほとんどなく、同僚に譲ってもらったお古や、やむなく購入した安手のものがほとんどだ。
何とか一人で、片付けも終わった。
そんな質素な部屋に、自分一人で過ごす、というこれからの生活を思い、ほんの少し寂しさを感じる。

「そういや、一人で暮らすのって、本当は初めてなんだよな・・・」

実家から出てすぐに、友人宅に転がり込んだ。会社の宿直室には、勤務する他の同僚が絶対いる。
こうして、自分の部屋に、自分一人で住むのは、武史にとって初めてのことだ。

だが、そんな生活、すぐ慣れる。順応性には自信がある、と武史は弱気な心を振り捨てた。
ようし、それじゃあまずは、俺様特製の引っ越しそばでも打つか、と袖をまくり上げたとき。

ぴんぽん、とドアベルが来客を告げた。


END OF TEXT





%%%%%【ゴールしないで、女の子は二人以上いる】%%%%%




「♪一つ積んではアイツのため〜、二つ積んではあの娘のため〜」

武史の鼻歌が、明かりの消えたビルのフロアにこだまする。
ずいぶんと陽気に歌い、順調に見回り業務をこなしていく。

その鼻歌の元はといえば、あの世にある賽の河原で、積んで持つんでも鬼に崩される、無為な労働を指す。

武史は、何人かの女とつきあい、彼女らを養っている。もちろん、全ての金銭的な面倒を見ているわけではないが、それでも
ハーレムの主たるもの、女達だけに苦労させるわけにはいかない。
だから、武史は仕事を頑張った。プライベートを減らしすぎて女達に寂しい思いをさせるのは本末転倒なので、そこはそれ、
資格を取ったりして仕事のステップをあげ、社内での責任を十分に果たして主任にもなった。

「どーでもいいが、その歌、何とかならんのか?」

そんな努力をしている武史だが、さすがにその歌はないだろう、と、差し入れにやってきた若社長は思うのだ。
武史は、すっかり若社長に気に入られた。仕事ももちろんだが、ハーレム同好者として、共に語り合う仲となった。

「ま、いーじゃないッスか。秀樹さんだって、似たようなもんなんだし」

ビル管理室に戻ってきた武史が差し入れの缶コーヒーのプルタブをあける。ビデオモニタを眺めながら、そのコーヒーを流し込んだ。

「そういや、今度、次郎君が遊びに来るんでしたっけ?」

武史が社長に雑談を仕掛ける。次郎、というのは、社長が昔世話した少年で、現在中学生の弟分だ。当然、ハーレム持ちである。
若社長は、その少年のことを思いだしては、いつも優しい笑顔をうかべている。そんな社長のひととなりに武史は改めて満足し、
さらに好感を高めた。
ハーレムが好きな同好の士が増えることは、良いことだ。女を取り合いしたり、他を羨んだりするような真似はタブーだが、こうやって
お互いを刺激し会える仲間が増えるのは、良いことなんじゃないかと思う。
だから武史も、これからの生活に、新たな『活』を入れるのだ。
みんなが楽しく暮らせる、極上のハーレムを作るために。

「ようし、俺も次郎君に負けないように、ハーレムを大きくするか!」

青年は缶コーヒーを飲み干し、大きく背伸びをした。


END OF TEXT



%%%%%【ゴールもせず、女の子を一人もゲットできなかった。】%%%%%



古き良き時代の特撮ヒーロー番組、「アイアンキング」のエンディング、『ひとり旅』が聞こえてきた。
軽妙なメロディのくせに、子門真人の伸びのある歌声と侘びしげな歌詞のお陰で独特の印象を残す。何ともすがすがしく、
そして切ない名曲だ。

音源は、武史の持つ携帯電話。この着うたは、数日前まで部屋に居候させてくれていた同郷の友人からの電話だ。

もしもし、いま、どうしてるんだ? そう尋ねてくる友人。どうもしねーよ、実家にも帰りにくくて、その辺ぶらぶらしてる、武史はそう答えた。

「部屋に、戻ってこいよ」

友人は、そう切り出した。
バカ、彼女とよろしくやってるところに、邪魔なんかできねーよ、と武史はぶっきらぼうに答えるのだが、友人はその言葉に。

「振られたんだ、さっき」

カラ元気で答える友人に、武史は、そっか、とだけ。そして懐をまさぐる。あと少しの金ならば残っている。

「じゃ、ナベの材料でも買って帰るか」

帰る先には友がいる。

そんな、気の置けない友人とナベをつつく正月だって、良いじゃないか。
青年は、残った金を握りしめて、来た道を引き返していった。


END OF TEXT




%%%%%【ゴールした(他のイベントと重複可。まずはここを読んでください)】%%%%%


「お帰りなさい、武史ちゃん・・・」

ここを飛び出して、いったい何年になるだろうか。

「しばらく見ないうちに、ずいぶんとヤサグレちまったなぁ、武史」

彼は、逃げ出していたのだ、この家から。

「武史兄ちゃん、お帰り。待ってたよ、ずっと・・・」

そして、この家族から。


青年は、数年ぶりに実家の敷居を跨いだ。
出迎えたのは、二人の姉と、妹一人。
もう一人、いるはずの父は、もちろん出迎えなかった。
彼は病の床にふせっていたからだ。

「もう、良い。お前の好きなようにしなさい」

幼い頃の武史を縛り、暴君のように振る舞ってきた男は、その病の床で、信じられないくらい弱々しい声を出した。
病とは、その命を削り、気力を削っていく。
富と名声、野望に心を売った男の末期、それがこの病とは、なんとむごいことか。

数日後、武史と姉妹、数人の使用人だけしかいないこの屋敷で、この男は息を引き取った。やせ衰えながらも命長らえ、一人の息子を
待っていた父。帰ってきた息子にかけた言葉は、息子の呪縛を説くためのものか、それとも、自分の心に赦しを与えるためなのか。
武史は、父を見送ったあと、ぼんやりと考えていた。
地方の名士であった彼が、『金』という力を得て、『権力』を得るためにその『金』を使い、そして新たな『金』を得るために『権力』を使う。
そのループの中に、政治や、暴力、女、いくつもの後ろ暗い世の中の仕組みを巻き込んでいった。
その挙げ句が、病による死なのであれば、おそらくこれほど馬鹿馬鹿しいことはない。
だが、武史は、今の自分が彼を嗤うことは出来ない、と考えていた。



「喪主、お疲れさまでした」

屋敷の縁側に腰掛け、遠くの山を眺めていた青年の傍に、長女の藤堂美紅(とうどう みく)が並んで腰掛けた。
幼い頃から武史にとって優しい姉だった彼女は、もう28に手をかけた、大人の女性だ。今は黒の着物、喪服に身を包み、いつもの
穏やかな笑みを、少しだけ奥に押し込めている。肩に届く髪を指先で弄る癖は、武史が知る昔の姉と何ら変わらない。
彼女は、武史と血が繋がっているわけではない。そのことに関しては、他の姉妹も同じだ。彼を含む4人の子供は、みな別の母を持つ
異母兄弟である。たまたま男の子を産んだ武史の母が正妻となり、他のものは妾になった。

「武史ちゃん、これから、どうするの?」

美紅がそういって、熱い茶を入れてくれた。受け取った湯飲みを傾け、茶を啜りながら武史は、さてねェ・・・と曖昧に流すだけ。正直、
まだ考えはまとまっていない。
長男だから、という理由だけで、父の遺産を受け継ぎはした。だがそれも、一時期の隆盛に比べれば、無いに等しいものだ。屋敷と、
それを含む幾ばくかの土地、それだけ。

「美紅姉さんは、どーすんの?」

質問に質問で返す、そんな弟のはぐらかしに、姉は生真面目に考え込んだ。指先を顎に当て、んー、と小さく唸るように考える仕草は、
まるで童女のようだ。普段の上品な大人の仕草の中に含まれるこんなあどけなさが、たまらない魅力となって武史を惹き付ける。

「私は、この家にいるわ」

そっか、と、まるで安堵するかのように武史は呟いた。彼女ほどの器量があれば、いくらでもこの家を出ていく道はある。だが彼女は
あっさりとその道を捨て、この家にいることを選んだ。理由は、あえて今は考えない。武史は、この美しい姉が離れていってしまわない
ことに、素直に安堵したのだ。
何とも自分勝手なものだ、と武史は自分自身に呆れてしまう。美紅だけではない、自分より二つ年上の姉である美青(みさお)、そして
今年で高校生になったはずの妹、美黄(みき)。そんな大事な姉妹のことを、肉親以上の感情で執着しながらも、自分のほうから距離を
取ってしまった。そして今、彼女らが自分から離れていってしまうことを恐れている。
大事な肉親だから、例え彼女たちを女として愛してしまっても、それを叶えることは出来ない。父への反発と、姉妹への葛藤に苦しみ、
逃げ出した自分は、果たして何を得てここに戻ってきたのか。
なぁ、美紅姉さん、と声をかけた武史は、わずかの間迷い、言葉を選び、そして心を決めて、言った。



「俺、美紅姉さんを抱きたい。ずっと、自分の女にしたい」

そんな武史の、意を決していった言葉を聞いて、この美しい姉はわずかに眉をひそめた。

「んー、」

少しの間、そんな風に可愛らしく唸ったあと。

「それは別に良いんだけど・・・」

と、事も無げに、答える。自分が言葉にした常識はずれの不謹慎な言葉、それに対するこの姉の反応。武史は瞬間的に我を忘れてしまった。

しかし、彼女が眉をひそめた理由はそのことではないらしく。

「武史ちゃんが抱きたいのは、私だけなの?」

核心を突いてくる姉。うぐ、と唸る武史。
なんて事を言ってくるんだ、この姉は、などと考える。
昔の自分が悩み、苦しんだこと。しかし、目の前の姉を求めた今の自分ならばどうなのか?
その決断は、苦しむべき迷いなのか?
自分がこの屋敷をはなれ、とある会社に勤め、そこで出会った人物から学んだこと。離れていても、そんな武史の変化など
見通しているかのような、姉の言葉。
武史は、敵わないなァ、姉さんには、と大きく息を吐き、そして答えた。

「・・・まさか。みんな抱きたいに決まってるじゃないか」

家族として以上に、女として恋い焦がれた3人。
今の武史は、そのころ感じたタブーを枷に思うこともない。

「あいつらが俺を求めてくれるか?って問題はあるけどね」

そんなこと、と美紅は笑い、ちらりと後ろを振り向く。
柱の影から、先程まで聞き耳を立てていた二人が、ばつの悪そうな表情で出てきた。

「・・・まぁ、なんだ、その、武史がそうしたいっていうんなら、・・・いいぜ、私は」

ごにょごにょと、言葉を呑み込むような歯切れの悪さで、次女の美青。

「ずいぶん待たされましたけど、やっと決めてくれたんですね、武史兄さん」

ほっ、と一安心、おだやかな表情で、三女の美黄。



堅苦しい喪服をさっさと脱ぎ去り、いつものラフなジーンズ系の姿に戻った美青は、長い髪を無造作に束ね、乱暴なポニーテールにしている。
普段は勝ち気な表情も、今は照れて真っ赤に染まっている。意外なうぶなところも昔のままだ。
喪服代わりの制服に身を包んだ美黄。彼女は、しばらくみなうちにずいぶんと美しく成長した。もちろんまだ十代の少女なのだが、
すでに落ち着きさえ見せる大人の表情だ。幼い頃自分が与えたバレッタで髪を留めている彼女を見て、なんだかくすぐったい気分になる武史。

「おまえらな・・・」

立ち聞きなんて行儀の悪い、とは思うものの、そのことを責めるつもりもない。
武史は、呆れるような溜息を吐きながらも、こうして自分を受け入れた姉妹のことを愛おしく思う。
そして、ふ、と笑みがこぼれた。

「俺はやっぱり、親父の息子だ」

たった一人の女に絞ることが出来ない、多情な自分。
何人も妾を作り、彼女らに子を産ませた自分の父。

「でもまぁ、俺は親父じゃねぇからな」

そう呟いた武史に、美紅が、先程と同じ問いをもう一度口にした。

「武史ちゃんは、これからどうするの?」

父の生き方を否定したりしない。もちろん倣うつもりもない。
自分が何をするべきなのか、を考える前に、自分が何をしたいのか、それを思い出そう。
でもそのまえに。

「・・・みんなを抱きたい。答えを出すのは、そのあとだ」



@@@@@@@@@@@@



夜。
3人の姉妹とのセックスのあと、身を寄せてくる彼女らを布団のように抱きしめながら、青年はまどろみの中にいた。

「武史よ・・・」
「カーンデジファー様、・・・じゃなくて、オヤジかよ」

まどろみが見せる、虚ろな世界、そこで武史は、父親と向かい合っていた。
「美紅たちの具合は、どうだった?」
にやり、と笑って聞いてくる父。その風貌は、死に臨んだやつれた顔ではなく、武史の知る、厳しく、威厳のあった頃の父。
しかし、そんな笑い顔など、この夢にいたって初めて見た。
「最高に決まってる。あんな最高の女達に初めてを捧げられたら、これからもずっと手放したくなるに決まってるじゃないか」
その答えに父は、わはは、そうか、と満足げに笑った。

じゃあ、手放すな、と父。
たりめーだ、手放すもんか、と息子。

そして二人は、生前に出来なかったことをこの夢の場で果たすかのように、たくさん語り合った。

やがて時が過ぎ、父は終始笑みのまま、くるり、と踵を返す。
「最後の心残りは美紅たち3人のことだったんだが、それもお前に任せて大丈夫だろう。せいぜい楽しく暮らせ」

そして武史は、目を覚ました。



@@@@@@@@@@@



その後、武史は会社を辞めた。
世話をしてくれた社長には申し訳ないことをしたが、彼は何も言わず送り出してくれた。
そして、武史は3人の家族、そして何人かの同居者と一緒に、この屋敷で暮らすことにした。
夢の中で父に言われたこと。

「これからのことは、ようく考えろ。その間何をして良いのか分からないんだったら、とりあえず裏の畑でも耕しておけ」

その言葉に甘えて、今は農業三昧だ。
これからどうなるのか、どうしたいのか、今はまだ分からない武史であったが。

それでも楽しい毎日を送っているようだ


【『みく』『みさお』『みき』がハーレムに加わりました!!】

(((イベント終了)))




%%%%%【ゴールして、ハーレムに『るり』『あずさ』がいる(他のイベントと重複可)】%%%%%


それから、武史の守護霊、瑠璃は、あのときの言葉通りたびたび彼の前に姿を現し、そして愛し合った。

エネルギーの溜め方、使い方などの問題も随分効率よくこなせるようになっていて、三日休んで四日現れる、くらいの頻度にまで向上
しているようだ。そして彼女は、漠然とではあるが未来予知を使うことが出来るため、畑の状態維持や、作物栽培量の目安など、色々と
アドバイスをしてもらうことにした。

そして、梓がこの家にやってきた。
いまだ色々と謎の多い彼女だったが、とりあえず青年の誘いに応じて、屋敷で暮らすつもりにはなったらしい。
それでも本職、自称『退魔士』はやめるわけではないらしく、世に妖の動きあらばそこに赴き、仇なす物の怪を成敗する、といった、
武史が言うところのボランティア活動を続けていた。そして普段は畑仕事を手伝うのだった。


ところで、梓には少し気にしている点があった。
あの、列車の中での一件、武史にまとわる魔を払うことが出来なかったことが、いまだに悔しいらしい。

しかも、なぜか彼女には、姿を消した瑠璃は見えない。
もちろん実体化したときは別で、梓だけでなく他の人間にも瑠璃を見ることが出来るし、触れることも出来る。
だが瑠璃が霊体に戻って身を隠したとき、確かにそこにいるのは分かっているのだが、梓には姿を見ることが出来ないらしいのだ。
こと心霊のプロを自称している人間が、人間に憑いた霊を見る事が出来ないとあっては沽券に関わるというもの。
さすがにこれは彼女のプライドを傷つけるらしい。


「じゃあ特別に、あいつを見ることが出来る呪文と儀式を教えてやろう。霊感ゼロの俺でも大丈夫だったんだ、安心しろ」
「うむ、かたじけない」

「呪文だが、『びっくりするほどユートピア』という」
「・・・えらくぞんざいだな」

「次は儀式な。まずは素っ裸になる。そのあと、白目をむいて尻をバンバンと叩き、ベッドの上に登ったり降りたりを繰り返しながら、
 さっきの呪文を叫ぶんだよ。もちろん、ハイトーンでね」

「な! 拙者を変質者に仕立て上げるつもりか!? いくら身体を許しあった仲とは言え、お、・・・おぬしの前で、そのような姿は
 見せられぬ!!」

「出来ないなら仕方がないね、諦めたら?」
「くっ!足元みおって・・・」
「どうする? おまえの、退魔士の誇りなんて、そんなもんか?」

このあとの10分間の出来事は、梓の沽券に関わる問題なので、あえて伏せさせていただく。

(((イベント終了)))


%%%%%【ゴールして、アイテム{キーホルダー}を持っている(他のイベントと重複可)】%%%%%



首実検。
「本当に、この人なんだな?」
「はい、まちがいありません」
武史の目の前で、若い警官が念の入った確認作業をさせられていた。
何度も何度も真剣に、正面から、横から、はたまた斜めから、武史の顔を何度も見つめた上で、先ほどの答えを出した。
それが終わると彼は用済みだったようで、結構な額の協力手当てをもらった後、部屋を出て行った。
彼は、あの街の交番に勤務する警官で、あの日、落とし物を届けた武史の対応をしてくれた男だった。


ここは、屋敷の一室。
武史がここに戻ってきてから、数週間がたったある日のこと。

身なりのいい老人が、武史の元を尋ねてきた。
そして、いくつかの確認を終えたあと、その身なりの良い老人は、武史に事情を話し始めた。

曰く。
武史があの日、道ばたで拾い、交番に届けたキーホルダー、たいそう重要なものだったらしい。

どれくらい重要かというと。
それがないと、とある国の王様が、その身分を剥奪されかねないほどのものらしい。

いきなりスケールの大きい、突飛な話は、平和な日本に住む青年、藤堂武史にとっては冗談のような、フィクションの世界の
お話にしか聞こえないらしく。

へぇー、そうなんだ、たいへんなんだね。

・・・などと呑気に構えていたのだが。

話の矛先が武史本人に向かい始めると、・・・しかしそれでも突飛な話なので。

へぇー、そうなんだ、たいへんなんだね。

・・・としか思えない。

「あの、王の証の紛失を防いだもの、つまりあなた様には、国の宝、つまり『姫』が与えられる決まりなのです」

そして、その老人が招き、部屋に入ってきた人物。
白を基調とした高価なドレス。それを身に纏った少女は、そのドレスに負けない気品を持った美しさ。
銀の髪をたなびかせた14歳の姫は、武史の前に現れると、『姫』としての礼儀作法に則った、ひどく回りくどい礼をしたあと。

「藤堂、武史様・・・そのような由故、これよりわたくしはあなたのものになる。よろしく頼みます」

そういって、ふわりと頭を下げた。



彼女の後ろから、姫と同い年の、お付きの従者と警護役の少女もそれに倣って礼をする。

「我ら、姫を守り、姫に傅くもの」

赤毛のポニーテール、きりりとした身なりの警護役の少女と、

「姫があなた様のものとなられたならば、我らもそれに従い、共に仕える所存にございます」

こざっぱりしたメイド服に身を包んだ、ブラウンの髪の少女。

最後に老人が締めくくり、
「姫とその従者、警護の者、この3人が、あなたのものになります」
深々と礼をした。

へぇー、そうなんだ、たいへんなんだね。
武史は、やはりそうとしか思えなかった。



そして、姫が屋敷に住むことになってから、1週間。

「んで、姫はここに、何しに来たわけ?」

武史が、そんな惚けたセリフを口にするものだから。

「た、武史殿・・・まさか、いまだにそれを理解してらっしゃらなかったとか・・・?」

仰向けになった武史の腰の上に跨り、野太い肉棒をまだ幼い性器でくわえ込み、この1週間で覚えた悩ましげな腰の動きで
男に奉仕していた尊き姫、シフォンは、思わず呆れてその動きを止めた。

「ちょ、お待ちください、武史様!」

男に奉仕する姫の、露わになった裸身を包むように抱きしめて、その未成熟な胸に愛撫を施していた警護役の少女、エクレアが
慌てて言う。そして、武史の顔の上に跨り、彼の舌によってあられもなく身悶えていた世話係の従者、カスタードが言う。

「それでも私たちに手をおつけになるあたり、大したお方ですわ、武史様は♪」

姫の身の上を聞き、いまだに「へぇー、そうなんだ、たいへんなんだね」とかのセリフで返していた武史だったが。

「ええと、よく分からないんだけど、まずかったのか?」

動きを止めてしまった姫に代わり、下から突き上げ始めた武史。それらの事情は事情として、今こうやって3人の少女と身を重ねて
いること自体は、まったく別の問題であるようだ。
そして、子宮ごと突き上げてくる男の力強い動きに、姫は甲高い嬌声をあげて身をくねらせた。

「あああああ・・・・・・・、ま、まずくなどありません、あなたのこれ、たいへんよろしいです・・・」

恍惚として男におもねる白の姫。
それに気をよくした武史は、より腰使いを荒く、容赦なく突き上げ、絶頂に至る姫の子宮に熱いザーメンを流し込んだ。


【女の子ゲット!ハーレムに『しふぉん』『えくれあ』『かすたーど』を加える!】
(((イベント終了)))



%%%%%【ゴールして、ハーレムに『ゆりあ』がいる(他のイベントと重複可)】%%%%%



ユリアはあのとき言った。
「私が武史に一途なところ、あの頃よりずっと、悪化しちゃってるよ」
その言葉の通り、ユリアは本当に一途だった。
屋敷に帰った武史は、自分が昔悩んでいた浮気性を受け入れることにした、と打ち明けた。すでに、何人かの女を同時に愛していることも。

ユリアは、そんな武史に対して、特に驚くでもなく、怒るでもなく、軽蔑するでもなく。
割とあっさり受け入れてしまった。

彼女は二人がつき合っていた頃から、武史が自分の姉や妹に対して家族ではなく異性に向ける愛情を抱いていたことを、薄々感じていた。
タブーである肉親への愛情や、たった一人を愛することが出来ない多情さから目を背けるために、手近な自分とつき合っていた、
とユリアは思っていたのだ。

当時はそれでも良いと思っていた。その行為が本当に矯正され、自分一人を愛してくれるようになれば嬉しい、と考えていた。
しかし、その想いも、武史の葛藤によって、打ち切られた。
代替え品となることも、叶わなくなってしまった。


しかし、今の武史が打ち明けた言葉を聞いて、ユリアはむしろ安堵した。
今の武史ならば、一人の女だけを愛することはなくなったとしても、昔のような、誰かの代わりとして他人とつき合うことも、しなくなったのだろう。
ユリアは、もし彼が本当に自分のことを見てくれるならば、たとえたった一人の存在になれなくても十分幸せになれる、と思えた。



それからしばらく、武史とユリアは交際を再開した。
まるで高校時代のやり直しをしているかのような交際の末に、ようやく二人は結ばれた。
ユリアは、それまで一途に守っていた純潔を、ようやく青年に差し出すことが出来たのだ。

そして彼女は、他の女達といっしょになって武史と性の戯れを楽しみながら、こういう関係も悪くない、と思うのだった。
(((イベント終了)))


%%%%%【ゴールして、ハーレムに『みちる』がいる(他のイベントと重複可)】%%%%%


「任務終了しました」「隊長!」

大きい姉と小さい妹が、揃って敬礼をする。
ジャージに軍手、いつのも農作業スタイルで、田畑を駆け回る二人。良く動き、仕事もマメだ。
さすがに力仕事には不向きだが、真面目に働く勤勉さは、農業人としては優れた素質だった。
いつも二人で行動し、仲の良い様子を見ていると、自然と笑みがこぼれる。

彼女らはこの屋敷に移り住み、学校に通う傍らこうやって農作業の手伝いに励んでいた。
武史は、まだまだ頑張って、この二人がいつまでも笑顔でいられるようにしてやろう、と改めて誓うのだった。
もちろん、『夜の士官学校』は、まだ続いている。

(((イベント終了)))




%%%%%【ゴールして、ハーレムに『みちる』『まゆり』がいる(他のイベントと重複可)】%%%%%




「お師匠様!なんだか」「不審なものを発見したです!」

みちるとかおるが姉妹仲良くこちらにやってきた。そして彼女らに手を引かれ、敷地の奥、先祖代々の墓に向かう青年。
するとそこには先客が。

「武史さん、ごめんなさい、またやっちゃった・・・」

まゆりが、申し訳なさそうに頭を下げた。

そこは墓地とは言ってもきちんとした墓石が並ぶような質のものではなく、土着信仰に基づいた霊所である。
野ざらしの地面に、不規則に置かれた自然石。その一つ一つが故人の選んだ墓石であり、供養の対象であった。墓石である岩
の大きさは様々で、人の背丈くらいある岩もあれば、漬け物石程度のものもある。ここいらの風習で、成人と共に自分の墓石と
なる岩を自分で選び、家に保管しておくのだ。そして死んだとき、葬儀のあとでこういう霊地に運ばれる。もちろん武史も選ばされた。



その、無作為に置かれた岩のうち、一つが大きく横倒しになっている。

まゆりが言うには、みちる達と3人でここの掃除に来た際、急に倒れたのだという。たまたま傍にいたみちるとかおるは、間一髪
巻き込まれるのを免れた。

まゆりは、これも自分が起こした『不幸』なのだ、という。

しかし、危機にあった当の姉妹は、そのことをまるで気にした風はない。それよりも、何か別のことで興奮している。

「それよりも見てください」「こんな所に何か埋めてあります」

姉妹が発見したそれは、ビニール袋で包まれた、A4サイズ程度のスチール缶であった。周りの土の色を見るに、ここ数日のうちに
埋められたもののようだ。岩が倒れた原因も、大方このせいだろう。青年が掘り出してみると、なにやら中はごそごそと音がする。

開けてみると、厳重な布に包まれた、いくつかの大きな宝石が出てきた。

このあとのことを、顛末のみ語る。
隣の市にある博物館から盗まれたこの宝石の、隠し場所を変えようとやってきた犯人は、肝心のものがなくなっていることに慌てた。
そして、この霊地に仕掛けられた監視カメラに映され、すぐに捕まった。宝石を発見した武史らがすぐに警察へ届け、急遽カメラが
仕掛けられたのだ。

その宝石は、宝石自身の価値もさることながら、国外の名士より借り受けた品で、奪われたとなれば最悪外交問題まで発展する
恐れもあったとか。そして、捜査協力した武史達に、情報懸賞金として用意されていた500万が与えられたのだ。武史は、発見した
みちる達が受け取るように勧めたが、姉妹はこれを辞退した。何となくそうなるであろう事を感じていた武史は、その金を姉妹名義で
銀行に預けておくことにした。



一段落したあと、元に戻された墓石を掃除する姉妹とまゆりを眺めながら、武史は考えた。

まゆりのもつ、『他人を不幸にする力』。これ、実は考え方がそもそも違うんじゃなかろうか、と。

他人に対して、絶対的な不幸を与えるのではなく、他人の幸運を不幸に変換する、のでは?
つまり、数学で言うところの、マイナスの性質を掛ける、という考え方。

だから、他人が持つ幸運(+)は、プラスにマイナスをかけてマイナスに。
もともと幸薄い(−)みちるとかおるは、マイナスにマイナスをかけて、プラス、つまり幸運に。



だけど、そんな仮説がどうだろうと関係ない。
例えどんな幸運、不幸があろうとも、武史はこの少女達を手放さない、その意志だけは変わらないからだ。
(((イベント終了)))




%%%%%【ゴールして、ハーレムに『しふぉん』『まゆり』がいる(他のイベントと重複可)】%%%%%




高貴な姫、シフォンとその家来2人が屋敷に住み着いて数ヶ月後。

「ああ、姫様、そのほこらはまだレベルが高すぎます。こちら、右手の『いけにえの塔』にてレベルをお上げになった方がよろしいかと」
「そうでしょうか、もうそろそろ問題ないと思ったのですが・・・」
「いえ、姫、例えゲームといえども、姫を危険な目に遭わせるわけにはまいりませぬ」

コントローラーを握って画面上の勇者を動かす姫に、攻略本片手にエクレアが警護を務める。

「少しお休みになられてはいかがですか?いくら、魔王の復活を阻止する大役とはいえ、こう何時間も根を詰められては、姫のお体が・・・」

姫の背後から、肩を揉みマッサージに務める世話係のカスタード。


季節はもう夏。太陽の光が燦々と、熱い日差しを投げかけている。
クーラーの効いた室内で、RPGゲームに励んでいた姫達。
「ひめさま〜、スイカ、食べます?」
そこに、まゆりがやってきて、切り分けたスイカを勧める。

縁側のガラス戸を開け、そこに武史達も集まって、冷えたスイカにかぶりついた。

「姫、こちら、種を取り除いております」
エクレアが、袂から取り出したナイフを使って、スイカの切り身から器用に種だけを取り除いていく。

そんな光景を見ながら、いやいや、スイカの醍醐味は『タネ飛ばし』だろ、などと思いながら、口の中に含んだタネを庭先にばらまく武史。
すっかり農作業になれ、まごうことなき農家の若旦那と化している。

そして、エクレアが使い終わったナイフを袂に戻したとき、はずみで同じく袂に入れてあった携帯電話がこぼれ落ちた。

「あ、落ちましたよ?」

そういって、傍にいたまゆりがそれを拾い上げ、エクレアに渡そうとした瞬間、その携帯電話が鳴り始めた。
受け取ったエクレアがそれに応じ、話し出す。

「は、・・・え? そ、そんな!」

なんだか緊迫している。
周りの者は、スイカを堪能しながらその様子を窺っていたのだが。
沈痛な面もちで、電話を終えたエクレアが、事情を説明し始める。


「本国に、クーデターが起こりました」


そして現在、クーデターを起こした軍部が、新しい政権を立てたそうな。
今、こうしてここにいる姫は、すでに国のしきたりによって王族ではなくなってしまったらしいので、この事件には直接の関係はない
らしいのだが。だが、亡命した国王が、資産の全てを軍部に抑えられてしまったために、今まで姫に送られてきた資金援助も全て
ストップしてしまうのだ。

「ですので、もう本国からの援助はなくなるかと・・・」

くら、と貧血を起こしたように倒れるシフォンをカスタードが支えた。

みーんみーん、と蝉の鳴く声。

「まぁ、そうなったら仕方ないよなぁ・・・」

武史は、ゆっくりと立ち上がり、姫に近付いた。
そして、シフォン、エクレア、カスタードの3人に向かって、にこやかに声を掛けた。


「それじゃあ、庭の草刈りから始めようか」


そういってにこにこと、3人の手に草刈り鎌を与えた。

「働かざる者、喰うべからず、ってな」





大変ですねぇ、と、このころは割と他人の不幸にも無頓着になりだしていたまゆりが、呟いた。



@@@@@@@@@






「あ、あと、大変申し上げにくいのですが・・・」
と、庭の草を刈っていたエクレアが、同じく庭先でトラクターの整備をしていた武史に声を掛けた。

「姫の妹君、スフレ様が亡命されておいでになって、もうすぐこちらに到着するとのことなのですが・・・」

後ろ盾の無くなった身としては、色々と迷惑がかかりそうなことを頼むのに少々気が引けるらしく、いつもは毅然としたエクレアも
なんだか言葉尻が怪しい。

対して、武史はというと、別に気にした風もなく、

「いいよ、べつに」

とだけ、呑気に答えた。

「ありがとうございます・・・」

同じく草刈り鎌を不慣れな手つきで扱っていたシフォンが、武史に深く頭を下げた。
【女の子『すふれ』をゲット!ハーレムに・・・


「って、お待ちください、武史様!!」


トラクターの燃料を継ぎ足していた武史に、カスタードが声を上げた。

「スフレ様はまだ、9歳になられたばかりの幼きお方、さ、さすがに私どものようには・・・」

「は? いや、俺、別に何もいってないじゃんか。どうしたの?」
「え? あ、・・・そ、そうですわね・・・武史様、申し訳ありませでした・・・」
「?」


首を傾げる武史に、ほっと一息安堵したカスタードは、再び草刈り作業に戻った。



一同に麦茶の差し入れにやってきた藤堂家長女、美紅は、そのやり取りを眺めてひとりごちた。

「うちの武史ちゃんをナメないでほしいわね♪」

出す気になったら、例え9歳でも手を出す、そういう男だ、と美紅は、最愛の弟のことを無駄に誇るのだった。


【女の子『すふれ』をハーレムに加えるか否かは、お任せします。】
(((イベント終了)))




%%%%%【ゴールして、ハーレムに『えくれあ』『あずさ』がいる】%%%%%


「エクレアって、いつも姫様と一緒だよねぇ」
「当然です。それが私の務めですから」

そんな会話が行われたのは、とある春の夜。
もっとも、これと同じやり取りは、この日に限らず、今まで幾度と無く行われてきた。
聞いた方も、それほどきっぱりと答えられてはそれ以上話を続けるにも白けてしまうし、聞かれた方も、それ以上の追求がないのならばそれで
会話は終わり、とばかりに口をつぐむ。
だが、この日のやり取りは、このあとの流れが少し違った。

最初に聞いたのは、藤堂家次女の、美青(みさお)。長身の、すらりとした体躯の女だ。長い黒髪を乱暴なポニーテールに束ね、活動的な体育
会系の印象だが、ポニーといえどもばらけて流れる黒髪や、睨むようなツリ目など、粗雑で乱暴な気性を隠すことも出来ない。
その美青が夕食の団らんの中で発した問いに、エクレアという少女が答えた。
エクレアは、シフォン姫の警護役だ。同じく姫のお世話係であるカスタードといっしょに、今はこの屋敷に住んでいる。
彼女らがこの屋敷に住むことになった顛末、それは、武史にとって、いまだに小首を傾げる成り行きだ。
とある国のバカな国王が、海外で、大事なものを失った。
まがりなりにも一国の王に対して、『バカな』を付けるのも恐れ多い話だが、実際バカなのだから仕方がない。
公務の合間、大勢の従者達の目をかいくぐり、お忍びでその国の観光を楽しんだ。そしてその迂闊さから、荷物の一部を盗まれてしまう。さらに
運の悪いことに、その荷物の中には、『国王の証』が紛れ込んでいたのだ。
何とも間抜けな話である。
幸い、その証は数日で発見されたものの、王は別のものを失う羽目になった。その王の迂闊さのツケは、周りの者達が色々と支払わなければ
ならない類のものであり、今回は彼の娘、第2王女であるシフォンが被る形となった。
「国を守りしものには、国の宝(姫)が与えられる」という、王室代々密かに伝わるしきたりにより、国王の証を発見し、届け出た日本の青年の元
にシフォンは送り出された。この時すでに王族から市井にくだり、わざわざご丁寧に日本に帰化までしている。
当のシフォンは、自分の父ながら愚かな国王は、遅かれ早かれこういった過失を犯すだろうと考えていたので、それほど動揺はしなかった。
どのみちいつかは政略的に、好きでもない男の元に嫁ぐ身なのだから、それが少し早まっただけのこと、くらいの割り切りを持っていた。
そして、武史の元にきて3ヶ月。国からの援助も充分にある彼女は、本人が望めば武史の元を去り、日本人としてのんびり生活することも可能
なのだが、今のところそれをする気配はない。夜の伽も含めて、ここでの生活がすっかり気に入った様子だ。
そして、シフォンに付き添う形でやってきた二人、エクレアとカスタード。この二人こそ、本来のしきたりにおいても、武史の元に来なければいけ
ない決まりなど無いのだが、シフォンに従う形で離れようとしない。
彼女ら曰く、自分たちは姫様の影、いかなる時も姫の傍にある、とのことで。半ばモノ扱いで国から離れた姫と共に、武史のハーレムに加わった。
姫が身体を差し出すのに、自分たちが清いままでいるわけにはいかない、のだそうだ。武史の伽に姫が加わる際は、必ずエクレアとカスタードも
加わる。常に3人で1セットなのだ。

さて、話が逸れた。
冒頭のやり取りに戻るついでに、少しだけ時間を遡る。

その日の夕食の団欒。
大きめのちゃぶ台に武史が着き、彼の女達も同じように卓を囲む。
男一人の武史に対して女が多い食卓、かしましいと言うほどではないにしろ、おしゃべりの多い賑やかさである。
その日のメニューはスパゲティー。作ったのは藤堂家長女の美紅だ。

「またスパゲティーかよ・・・」

武史が溜息とともに呟く。
ちゃぶ台の真ん中に、でんと居座った大皿には、どっさりと大山となって盛られたスパゲティー。大量に茹でてバターを絡めただけのパスタを
各自が好きなだけ皿に取り、ミートソースやらタラコなど、出来合いのソースをかけて食べるというシステムだ。

「だって、他のお料理は難しいんだもの・・・」



だからといって、食事当番のたびに毎回毎回毎回毎回スパゲティーというのはいかがなものか。ちなみに食事は当番制、女達だけでなく武史
にも当番が回ってくる。スパゲッティしか作れない美紅、料理はそれなりに上手いが高級な材料を惜しみなく使う美青、貧乏レシピ大好きの美黄と、
なかなかの強者揃いだ。母親の味を受け継ぎ、家を出た後も友人宅で台所を任されていた武史が、藤堂家の中では一番まともな料理を作れる、
というのが何とも。

さてそんな農家の夕食。大きな卓袱台の上で武史と彼の女達が思い思いにパスタを取り分けていると、一人の女が思いだしたかのように、あの、
武史様、と彼の名を呼び発言した。

「私、今夜の伽、参加できなくなりました・・・」

一人の女、とは言ったが彼女、まだ十四の乙女であり、とある国のお姫様でもあった。主に過去形で。
そのお姫様、シフォンの残念そうな申し出に武史が理由を聞くと、彼女は、始まってしまいましたので、と恥ずかしそうに答える。何が始まったのか
などと問い返すのも無粋というものだ。
そのハーレムの主役、藤堂家長男の藤堂武史は、一人が抜けた今夜の伽、残りの参加者を、卓袱台を見渡しながら確認した。
両手に持ったフォークで、卓袱台中央の大皿からどっさりパスタを取り分けている藤堂家次女・美青。で、まず一人目。
取り分けたスパゲティーをスープに浸し、箸を使って蕎麦のように手繰る侍巫女娘、梓。で、二人目。
予定していたシフォンはお休み、そしてその従者、世話係のカスタードは、ここ数日外出中である。なんでも、姫様の夏の衣服を買い揃えるために、
一時帰国しているのだとか。
というわけで、いつも3人組の姫様御一行だが、今夜の伽にはエクレアだけが参加、ということになるようだ。彼女は皿に取ったパスタの上にミート
ソースをかけ、その上からこんもりと粉チーズを振りかけている。そんな姫様警護の少女、エクレアで3人目。
美紅を始め他の女達は、シフォンと同じような理由でお休みだ。
というわけで今夜は3人がお相手、となる。
・・・と思ったのだが。

「姫がお休みになられるので、私も伽は休みます」

と、エクレアが言った。

・・・まぁ、仕方ないか、と武史は了承することにした。

エクレアはあくまでもシフォンに仕える従者である。そのシフォン自身は、最初のいきさつはどうあれ、今ではぞっこん武史に惚れ込み、セックスにも
積極的であるのだが、そのことを従者にまで求めるのはさすがに気が引ける。あくまでも彼女ら従者は、姫のために武史に抱かれているわけである。
もちろんそのあたり、実のところ少しおもしろくない武史であった。

さて、武史がそんなことを考えているとき、美青が冒頭の問いを発した。

「エクレアって、いつも姫様と一緒だよねぇ」
「当然です。それが私の務めですから」

あっさりと答えるエクレア。
確かにこのやり取りはよく見る流れなのだが、今夜はそこに、梓が続いた。

「気に喰わぬな」

ずぞぞ、とパスタを啜っていた梓。丼に箸を置き、一息ついてから、そういった。

「確かに自分の仕える主君が第一なのは分かる。じゃがのう、その主人が世話になっておる者に対してのぞんざいな仕打ち、
 あまりに礼を欠くのではないか?」

まるで椀子蕎麦のように、パスタの無くなった丼に美紅が新たな麺を投入する。かたじけない、と礼を言ったあと、その表情を変え、やや半目がちに
エクレアを眺めながら、その言葉を続けた。
明らかな挑発に、エクレアの眉根も強く寄る。

「・・・何が言いたいのですか?」



ぐ、と脇に置いた細剣の鞘を掴むエクレア。かちゃり、と鍔の音が鳴り、一気に険悪なムードへ突入する農家の卓袱台。
おいおい、らしくないぞ、そんな挑発なんかして。武史は言葉に出さず、表情と目配せで梓にそう伝えたのだが、対する梓はそれをどう受け取った
のかは知らないが、ばちーん!と大きなウィンクをして見せた。大丈夫かね、おい。

「いやなに、おぬしがあまりにも普段から姫様姫様と姫様が過ぎるのでな、つい。
 主君が果たせぬ事を引き継いで成すのも、家臣の勤めじゃろ。
 それを捨て置いても姫様姫様か」

なるほど、梓はエクレアを挑発して、伽の場に引っ張り出そうとしているようだ。武史は何とかその意図を読みとり、少し安堵した。別に、ケンカをする
とかそういった荒事が目的でないのだったら安心だ。そして同席したシフォンも、梓の意図に気が付いたようで、エクレアの隣から梓の援護をする。

「そうですね。私は大丈夫ですから、武史様にたっぷり可愛がってもらいなさい♪」

すっかり日本食を食べることに慣れたシフォンは、箸を持った右手をオーケストラの指揮者のようにゆったりと大きく振りながら、自分の従者に話しかけた。
しかし、それでもその従者は頑なだった。

「いえ、やはり私が姫様のお側を離れる訳にはいきません」

へろへろと力をなくして指揮棒をおろした指揮者。険悪なムードを明るくしようと陽気に振る舞ったのが徒となり、返って気まずくなってしまった。
意気を落とす姫の傍で、従者が決意を新たに息を吐いた。
絶望的に落ち込んだ食卓で、その家長である武史が、見るに見かねてようやく言葉を紡いだ。

「まぁ、無理しないでい―――」

・・・のだが、その言葉を梓が遮った。まぁ、任せておれ、といった意味を込めたウィンクを盛大にばちこーん!とかましながら。

「ふむ。では、拙者と立ち合い、勝ったほうの意を通すというのはどうかのう?」

ぎょ、と肝を跳ね上げる武史。
そんな彼を目端にも止めず、エクレアが答えた。

「くだらないな」

一言で切り捨てたエクレアだが、梓もそれしきでは引かない。

「ほう、姫様大事を傘に、立ち合いにも応じぬか」

梓は、ふふんと鼻で笑った後、

「なるほどそうまで、負けるのが怖いのか?」

言葉単純、直球ストレートに挑発した。それも、時速160km級の剛腕で。

「なんだとッ!!」
「わーわー、ケンカやめーい!
 おめーらがケンカするとただじゃ済まなそうだから、やめーいっ!」

憤ったエクレアが剣の鞘に手を掛け立ち上がるのと同時に、武史が二人の間を割って制した。
しかし、当の梓は涼しげな顔で。

「案ずるな。拙者とこやつの力量であれば、お互い怪我もあるまい」

剛腕も剛腕、それも、ジャイロボールのような、タチの悪い球だ。


「これほど差があれば、拙者も念入りに手加減できよう」

そして、そこまで言われてはエクレアも引くわけがない。

「貴様! いいだろう、受けてやる!」

激昂するエクレアを見て武史、やれやれと溜息を吐く。
怪我さえしないのであれば、たまにはケンカも悪くない。いざとなれば、根性キメて仲裁するか、と覚悟を決めた。



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%



「つーわけで、ケンカにはこれを使うこと!!
 それ以外の私闘は認めません!!」

そういって武史が用意したもの、二振りの竹刀である。高校の頃に彼が学校の授業で使ったものが物置に残っていた。それなりに年月は過ぎて
いるのだが、当時あまり身を入れて使っていなかったためか、傷みもさほど目立たない。
二人は居間からそのまま縁側を抜け、庭に出た。武史が竹刀を二人に渡したあとその縁側に腰掛け、他の女達も横に並んで見学と相成った。
外の畑とは柵で仕切られてはいるものの、そこそこに広い庭で、テニスコートよりも少し小さめ、くらいの大きさはある。
そこに梓とエクレア、二人が5〜6mくらい開けて向かい合った。

「ふむ、この竹でこしらえた竹刀とやら、なかなか良くできておる」

ひゅんひゅんと振り回し、獲物の具合を見ていた梓がそういう。
ふと、武史はその言葉に違和感を抱く。いくら世間に疎くとも、おおよそ日本で剣に携わって生きてきた人間が竹刀を知らないとは、妙な話である
ように思えた。

「拙者の『くに』ではな、剣の修練といえば樫を削った固い棒を使っておったからの、当たり所が悪うて死ぬ者もおった」

しみじみと、物騒な内容を懐かしそうに語る梓。あいかわらず未だ得体の知れないところが多い。出身地を聞いても、なにやら聞き慣れぬ土地の
名を言うだけだし、年齢や学年を聞いても要領を得ない。風貌もだいたい高校生くらいで、抱いた武史だから分かる身体の発達具合から判断して
も、まぁそのあたりで間違いないとは思えるのだが。
あとは、妖怪退治を生業にしているらしいのだが、これまたさらに得体の知れない素性なので、あえて深く聞かないことにしている。

「おい、こっちはもう用意できた。さっさと始めろ」

痺れを切らしたエクレアに急かされ、武史も物思いをやめた。まだまだ謎の多い梓だが、あまり詮索しても仕方のないことだ、と頭を切り換えた。
そのエクレアはといえば、愛用の細剣を竹刀に持ち替え、やる気満々である。竹刀を振るうにしては違和感のある、フェンシングに似た半身の
構え。竹刀を持った右手右肩側を前に、足はバネを溜めて瞬発の力に変える、そういった姿勢。

「先程の傲慢な言葉の数々、後悔させてやる」

先程の怒りを、程良いパワーに変えて臨戦の態勢を取る。視線の先はもちろん梓。
さてそのエクレアの、錐で突き刺すような視線を受けても梓は、飄々とした表情を崩さない。竹刀をだらりと構え、両足を緩く開き、半身どころか
前身を全て相手にさらしている。

「こちらも支障なし。武史どの、始めても良いぞ?」

え、おい、構えないの? と尋ねる武史に曖昧に答える梓。さっさと始めろ、ということらしい。



「あー、じゃあ、いくぞ? ・・・・・・始め―――」

―――との、武史の掛けた声、その息の吐き終わらぬうちに、エクレアが動いた。ど、と爆発的な勢いで地を蹴って、梓との間合いを詰める。
そして、

ばばばばばばばばちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!

爆発音。
その音に驚いた武史は、先程吐きかけた残りの息を詰まらせて仰天する。

そして、その音がなんの音かを理解するよりも先に、すでに闘いは終わっていた。

どざぁっ、と地面を擦りながら何かが落ちる音。武史の視界、その端っこに映るその影。エクレアが開始位置よりも随分後退した位置に倒れ
ている。そしてそのエクレアの開始位置には、先程とさほど姿勢の変わらぬ梓が立っていた。

「まぁ、こんなもんじゃろ。怪我もしてはおるまい」

きょろきょろと、梓エクレアそれぞれを慌ただしく目で交互に追った武史だが、いったい何が起こったのかさっぱり分からない。エクレアが倒れ、
梓が立っている、つまり梓が勝った、ということは何とか呑み込めたものの、それ以外はさっぱりだ。動揺して、立ち会いの終了を宣言すること
すら忘れている。
そんな武史に、彼の傍に座っていた美青がフォローしてやった。

「エクレアが突っ込んだまでは分かるよな? あとはエクレアが、多分、10段突きくらいを仕掛けたんだろうけど、梓が竹刀の鍔で受け、
 剣先で払い、エクレアの鍔を打ち、8連続までで攻撃を無理矢理止められた。その残りのパワーを持てあまし、バランスを崩したところに梓が
 1発の突きを仕掛け、受けきれなかったエクレアが吹っ飛んだ、ってかんじかな?」

さっぱりわからん。
爆発音のように聞こえたあの音が、竹刀の激しく打ち合う音なんだということくらいは辛うじて理解できた。

「ふむ、義姉上どのは、なかなか良い目をもっておられる。あえて申すなら、受けきれずに吹き飛んだのではのうて、吹き飛ぶように加減して
 受けさせた、といったところかのう」

事も無げにそういう梓。なんだかトンデモ武術論に発展しそうだったので、武史はこれまた曖昧に分かった振りをした。そして、よろよろと
起きあがったエクレアの傍に近づき、声を掛けた。

「まぁ、その様子じゃあ、今晩は無理だろ、休んだ方がいい」

確かに梓の言うとおり、怪我をした様子は見られない。吹き飛ばされて地面に落ちた際に出来た、小さな擦り傷くらいだ。しかし武史はそれよりも、
敗北の屈辱感に満ちたエクレアに無理はさせられないな、と判断したのだ。
しかし、今の彼女にとっては、武史のその言葉こそ逆効果だったようだ。

「・・・いや、約束は約束だ。私が負けたのだから、伽には出る」



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%





もちろん武史に他意はなく、ただエクレアを気遣っただけの言葉なのだが。


「ここまで来て、約束を反故にするつもりか?」

といった梓の挑発の言葉に、

「いや、無理しないで良いから」

という武史の言葉を繋げられては、

「・・・く、無理なんかしていない!」

となって、エクレアを追いつめ、意固地にさせてしまう。
にやにやと生笑いをうかべる梓にしてみればしめたものだが、本来は武史の顔を立てようと思って打った狂言。別にここまでエクレアを苛める
つもりはなかったというのが実のところ。しかし、いざエクレアをつついてみると、その跳ね返りっぷりが楽しく、ついついやりすぎたと反省してもいた。

さてそんなやり取りを何回も繰り返した。
寝所に来ないつもりか? 無理しなくても、行くに決まってるだろ、でエクレアは武史の部屋に入り、
服は脱がないのか? 無理しなくても、脱ぐさ! でエクレアは服を脱ぎ、
やはり裸には成れぬか、無理しなくても、恥ずかしくなんかないっ!! で素っ裸になった。

そうして半ばヤケになったエクレア、そして彼女をからかう梓、そんな二人をニタニタと笑いながら眺めている美青、と本日のフルメンバーが
武史の寝室に集まった。



「ふふ、おぬしと会うのも、しばらくぶりじゃの。元気そうで何より、息災息災」
「あいかわらず、素敵なヤツだ♪ 今日も私を、可愛がってくれよ?」

「あのー、オマエラ誰と話してますか?」

武史が呆れて言う。
なんというか、すでに服を脱ぎ去り全裸となった彼の足下に二人の女がしゃがみ込み、彼の股間の主に話しかけている、という光景。なんだか
置いてきぼりにされたような孤独感もあって、武史はそんなことを言って抗議してみるのだ。

「いつも拙者を狂わすこの愛おしい肉棒にも、ちゃんと挨拶してやらぬとな」
「だって、可愛いんだからな、武史のペニス」

梓と美青は二人して武史の勃起したペニスに顔を寄せ、甘く語りかけ、どちらからともなくキス、そして徐々に濃厚なフェラチオへと移行していった。
武史は、部屋の隅でそっぽを向いているエクレアを気に掛けてはいたのだが、次第にそんな余裕は奪われていった。常日頃は粗野で乱暴な姉と
普段は清廉で色事には興味を向けない侍が二人して自分の男性の象徴に傅いている様を見ていると、その征服感についつい気を引き寄せられ
てしまう。

「不思議なものじゃ、おぬしのコレをしゃぶっておるだけで、拙者の子宮(はら)がじんわりと熱く疼いてくる・・・」

侍言葉だけ聞いていると妙に年寄りじみた印象を受けるのだが、こうしていつもの装束を脱いでしまえば、高校生くらいの美少女である。長い黒髪を
サラサラと揺らせながら、武史のペニス、そのサオの右側に舌を這わせ続ける。

「それは間違いなく、私たちが武史の『オンナ』だっていう証拠さ。梓もずいぶんといやらしくなったねぇ」

梓の反対側から同じように、サオの左側を舐めあげる美青。フェラチオの空いた手で髪を結わえていたリボンを解く。艶のある髪がバラバラとほどけ、
彼女の背中を隠すほどに拡がった。
武史は、自分のペニスをしゃぶる二人の女、その首筋に手を伸ばし、さらなる愛撫に移るよう促すと、二人は武史を見上げ、そして二人で見つめ合い、
クスリ、と笑った。

二人は同時に、亀頭の左右から、チュ、とキスをした。それを開始の合図として、二人の唇で亀頭を挟み込むように吸い付いていく。



ちゅ、ぶちゅ・・・ちゅば・・・

唾棄で滑らせた亀頭を、二人して吸い、ちゅぱちゅぱと浅ましい音を立てる。二人の唇は、間にペニスを挟んではいるものの、時に唇同士が
触れ合い、女同士の怪しいキスにもなってしまうの。それでももちろん、その唇は亀頭から離れることはない。
そうして唇同士が繋がったまま、その隙間から割り込むようにペニスが進入する。亀頭の先端が梓の内頬の粘膜を擦りあげ、美青の舌が
亀頭のカリに絡まる。そして今度は美青の口の中へ。

「んぼっ、ん、じゅ、ちゅう・・・」
「はぁ・・・ぴちゃ、ちゅ、ちゅむ・・・」

二人の女が交互に、奪い合い、譲り合うようにして亀頭に吸い付いていく。美青は亀頭をしゃぶりながらサオを指で扱き、裏筋を軽く爪で
ひっかくような愛撫を続ける。梓も亀頭をしゃぶりながら、武史の陰嚢をゆっくりと揉み続ける。そんな二人の熱のこもったフェラチオに、
武史の射精欲もどんどん高まり、とうとう限界が訪れた。

「梓、実青、出るぞッ!」

武史は低く呻き、二人に射精を告げるが、当の女達にしてみれば、愛する男のペニスの様子からその瞬間が近いことなどとうにお見通し。
二人して頬をくっつけ合い、口を大きく開けて亀頭から飛び出してくる精液を嬉々として待ち受けた。

「はよう、はよう射精(だ)せっ! 拙者のクチに、たっぷりとぶち撒けてくれっ!」
「私の舌に、武史の熱いザーメン、思いっきり射精(だ)してぇっ!!」

「うおおおっ!!」

びゅ、ぶびゅうううーっ! びゅううううううううっっっ!!

武史は、堪えていた精を解放し、勢いよく射精した。その勢いを美青は舌で受け止め、梓も舌で、口内に招き入れていく。何度も脈打つ
武史のペニスはそうやって二人の口の中めがけて精液を飛ばし続ける。時折勢いがよすぎて口からそれ、二人の顔に飛び散っていく
ザーメン。武史は射精を続けながら、そうやって二人の勇ましい女達を白濁駅で汚していくことに、極上の征服感を味わっていた。

「ん、ぐちゅ、・・・はぁん、武史どのの精、もっと欲しい・・・」
「ぺちゃ、くちゅ、私にも、もっと武史のザーメン、飲ませてぇ・・・」

射精の勢いも弱まりだした頃、二人して亀頭に吸い付き、最後の一滴まで二人で分け合った。そしてお互いの顔にかかった汁を、お互いの
唇と舌で舐め合い、すべての精液を二人の唇の中に納めていく。
武史はそうやって、普段は気の強い女をペニスとザーメンによって屈伏させると、満足げに大きく息を吐いた。




「・・・・・・ひめ、さまぁ・・・」

武史はその声に、ぎょっと、快感の気怠さから引き戻された。
梓と美青、二人のフェラチオに夢中になっていたが、この寝室にはもう一人の少女、エクレアが居たのだ。半ばそのことを忘れかけていた武史は
慌ててフォローしようとしたのだが、よくよく彼女を見てみると、何か様子が違う。

「・・・ひめさまぁ・・・どこぉ・・・?」

なにやら目も虚ろ、あらぬ方向を見つめながら、まるで幼い子供のように、姫を呼んでいる。

「・・・・・・ひめさま、ひめさまぁーーーーーーっっ!!!」

そうしてエクレアは、普段の気の強さを全く忘れたかのように、泣き始めた。





それからしばらく、武史と、梓、美青は何度も彼女に呼びかけ、泣き止むようなあやしてみたのだが、一向に効果がない。まるで迷子の
子供のように、姫さま、姫さまはどこ? と泣きわめき続ける。

「武史、こりゃ、シフォンを連れてきた方がいいんじゃないか?」

美青が武史に提案し、梓もそれには同意した。
確かに、こうなってしまったのには、自分たちの知らない某かの理由があるのだろう、と武史も思う。そうなれば、その事情を知っているのは、
彼女の主であるシフォン姫くらいだろう、と見当もつく。




『あー、やっぱりそうなってしまいましたか』

すでに床に入っていたところを無遠慮な電話におこされて、シフォン姫は眠たげに答えた。一応この屋敷の各部屋には、内線電話が
付けられている。

「『やっぱり』って、どういうことだ?」

武史は、電話越しの姫に、やや呆れ気味に問いただした。彼女、こうなることを知っていたのか?

『あの子、孤独恐怖症なんです』

シフォン姫によると、エクレアは幼い頃にとある惨劇に巻き込まれ、両親を亡くしてしまったようだ。そしてそのときのトラウマで、一人に
なることを極端に恐れるのだという。

「じゃあ、エクレアを入れないでエッチを始めたから、ってのが原因なのか?」

一人になるのが怖い、と言いながらも、室内には武史を始め何人かの人間が居たはずだ。それでも孤独を感じた、というのだとしたら、
武史は、彼女を放置してしまったことが原因なのかと考えた。しかしその言葉にシフォン姫は、違います、と否定した。

『今のあの子は、なんというか、私、『シフォン姫依存症』、ってかんじになっているんですよ』

孤独恐怖症のエクレアは、シフォン姫が側にいることでその恐怖を感じずにいることが出来る。しかし、そのことに依存しすぎて、今度は、
シフォン姫がそばにいないと恐怖を感じる、と言うふうにまで悪化してしまったのだ。
姫を護るために絶えず側にいる、というエクレアであったが、実のところそうしないと自分を保てないという、困った女の子なのであった。



なんとか事情を理解した武史は、さすがにこれ以上彼女を都議に付き合わせることも出来ないだろう、と判断した。

「悪いけど、エクレアを休ませてくれないか?」

今もまだ幼子のように泣き続けるエクレアをこのままにしてはおけない、と言うことで、シフォンにそう訊ねた武史であるが、彼女はそれを
やんわりと断り、こういった。

『今がチャンスですよ、武史様』

そして彼女が言うことには。
過去、そういった状況にエクレアが陥ったときに、シフォンが彼女を優しく抱きしめ、あやしたことで懐いた、という。だから今、シフォンが
いない状況で、武史がエクレアを抱きしめて優しくあやしてやればよい、と。

『あの子を、ギュッ、とハグしてあげてください、武史様。そして優しく宥めてあげれば、あの子はたぶん、今度は武史様に依存しますから』





電話を切り、その顛末を梓と美青に説明すると、二人して意見は同じだった。

「よくは分からぬが、そうすることでこやつが大人しゅうなるのじゃったら、それでよいのではないか? さっさと手懐けてしまえ」
「そうだなぁ。それで懐いたら、もっとエッチも積極的になって、楽しくなるかもなぁ」

さぁ早く、と二人に急かされ、武史はエクレアに向かい合う。

「ひめざまぁ、あたしをひとりにしないでぇ・・・」

泣きじゃくり、ただただ姫を呼び続けるエクレア。
彼女を前にして、武史はしばし考える。

(コイツがこんな風になった原因は、シフォンの話によると、両親を亡くした過去の出来事だ。それを癒してやれるんだったら、
 『依存』という状況も悪くない、か)

武史は、エクレアを抱きしめた。

(こうすることで彼女は俺を求め、俺やシフォンの側にいることで『いつものエクレア』でいられる・・・)

あとはじっくりと、優しく宥めるだけ。



だがしかし、武史には何か、引っかかるものがある。

(ほんとうに、それでいいのか!?)



武史は考える。



シフォン姫は、自分の国のしきたりに従ってこの屋敷に来た。そこに彼女の意志は存在しない。
だが、身体を重ね、共に暮らしていく内に、彼女は心を開いた。当初、いつここを出ていっても良い、と言われているにもかかわらず、
彼女はここに残ることを望み、武史のそばを離れようとしない。もちろん、武史も、もう彼女を放すつもりはない。
そこには、お互いがお互いを求めた、という過程がある。
特に大きな事件があったわけではなくとも、時間をかけて、お互いの心を触れ合わせて、お互いが引かれ合う関係になった。

だが、このエクレアはどうか。

ここに来ることになった顛末は、姫と同じだ。従者という役割に従って、さらに言うならば、自分の依存する相手から離れないように、
いっしょに付いてきた。
しかし、彼女は姫のように、武史に心を開いていない。あくまでも、姫と一緒にいるために、やむなく抱かれている。

そんな彼女の心を、いまから、武史のものにする。


(ほんとうにそれで、いいのか!?)






す、と武史は、エクレアから身を放した。

そして。

「こンの、アホたれっ!!!」

ぐりぐりぐりぐり!

「!! いたいいたいいたいいたいいたいたいたいたいた!!!!」

武史は、エクレアのこめかみに拳を当て、左右両方からぐりぐりと力任せに押しつけた。痛みに大声を上げ、泣きじゃくりながら逃げようとするエクレア。
そんな彼女を武史は逃がすまいと捕らえたまま、こめかみを圧しながら彼女に言葉を投げつける。

「オマエはこれからずっと、誰かが側にいないとダメなのか?
 今のオマエといつものオマエ、どっちが本当のオマエなんだ?」

「いたいいたいいたいたいたいたいたいたいた!!!!」

「いつものオマエと今のオマエ、本当はどっちになりたいんだ?」

「いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいたいたいたいたいたいた!!!!」

そして最後に思いっきり拳でこめかみを擦りあげ、ようやく彼女を解放した。

「・・・・・・俺はなぁ、棚ボタで抱ける身体は大好物だが、棚ボタで手に入る『心(ハート)』には興味ねぇっ!!」

武史はそういって、彼女に背を向けた。
そしてそれまでの武史を、呆気にとられて見つめていた梓、美青に向かって、今夜は中止だ、と宣言した。



「・・・・・・ま、まて」

内線電話を取り、シフォンを呼び出してエクレアを任せようとしていた武史だったが、小さく聞こえた声に動きを止めた。

「今夜は、約束通り私も伽をする・・・情けを掛けるな!」

先ほどまで泣きじゃくっていたエクレアには、いつもの瞳の力が宿っていた。



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%





ちょうど先ほど、武史と梓、エクレアの3人で行っていた会話のやりとりは、今ここに至って奇妙にその配役を変えていた。

「別に無理しなくても良いぞ?」

と武史が言えば。

「無理なんかしていないっ!」

とエクレアが反発する。

先ほどまでは、武史は梓の挑発を宥める役に徹していたのだが、今は違う。武史のそれは、言葉面は同じでも、明らかにエクレアを挑発していた。

武史は仰向けになり、両手を頭の上で組んだまま、自分の腰の上に跨ったエクレアを眺めている。騎乗位で、ペニスを割れ目にあてがったまま、
挿入に手こずっているエクレアを眺め、だがそれでも手を貸そうとはしない。
梓と美青は武史の両側に添い寝する形で、彼女らもまたエクレアに手を貸したりはしない。そのように、武史に言いつけられた。

「くっ・・・」

エクレアが、ゆっくりと腰の角度を合わせる。彼女自身の体重で、割れ目が開き、亀頭を膣口に導いていく。
彼女は今まで、こんな風に自分で武史を迎えたことがない。いつもは受動的に、それなりの快感を受けながら、武史に貫かれるまま応じていただけだ。
そして心では、彼を拒絶していた。
しかし、今の彼女は、何かが変わろうとしていた。

「んああっ、」

くにゅ、とエクレアの膣口が拡げられた。彼女の膣の向きが腰の角度によって調節され、受け入れを始めたのだ。

「ひ、う、ああああっ、ああん」

そして彼女は、腰を悩ましくうねらせた。すると自然に、男を迎える最適の角度が導かれ、あとは体重の降下によって彼を飲み込んでいく。

ずぬぬぬぬぬ・・・、

「ああうううううううううん、んはぁっ!」

ずん、とすべての体重がかけられ、彼女の膣は楚辺手男のペニスで埋まった。そのまま、続けて腰をまわすように動かすと、亀頭先端が彼女自身の
子宮口をこじ開けるような動きで深く食い込んでいく。

「ひにゃああっ!」

「おっ、これがエクレアの子宮かぁ・・・」

武史にしても、彼女の子宮を味わうのは、実のところ初めてであった。あまりセックスに馴染まなかった彼女は、回数も少なかった上に、身体を固く
して最奥までの進入を許さなかったからだ。
だがこうして今は、武史に彼女自身の一番深い部分を許した。

「く、ばかっ、あんまり恥ずかしいこと、言うなっ!」

生まれて初めて子宮を突き上げられた感覚に、エクレアは震えて動けなくなってしまった。膣の襞は悩ましくうごめき、武史のペニスを怪しく刺激し
続ける。彼にしてもこのじれったい快感は堪えるのに苦労する。しかし、彼はあくまでも、安易に快楽を貪ったりはしない。

「で、これからどうする? 俺が動いてやろうか?」



気を抜けばそのまま激しく貪ってしまいそうになる彼女の身体に、武史はそんな弱みを見せることなく、エクレアを挑発する。

「くっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ん、んはああぁっ!」

歯を食いしばって息を詰め、男のペニスから与えられる快楽を必死委に堪えているエクレアは、溜まらずに大きく息を吐いた。

「う、うごく、わたしがうごくっ!!」

それでも意地を張るエクレア。ならば武史も、彼女の慕いようにさせるまで。その動きを待った。
彼女は両手を武史の原に着き、そこに体重を傾けて、自分の腰を浮かせようと力を込めた。

「ふ、う、ん、あああぁあぁぁああぁあぁぁぁぁぁあああっっ!!」

ずぬぬ、と、彼女の腰が持ち上げられ、膣からペニスが引き抜かれていく。亀頭を残してサオが空気にさらされたとき、カリによって掻き出された
彼女の愛液が、どろりとこぼれた。
そしてそのまま、しばらくふるふると震え、我慢できなくなった彼女はゆっくりと、勢いを殺して再び腰を沈めていく。

「ああううぅぅうううううぅぅぅうううぅぅぅううぅぅうぅぅううううっっっ!!」

最後まで、再び最後まで腰を沈めたとき、彼女の両手は彼女の身体を支えることが出来なくなって、前のめりに倒れ込んでしまった。

「は、はぁっ、はああっ、はっ、はあんっ・・・」

ぺたりと胸を武史の胸に押しつけ、身体を重ねながら、それでも懸命に彼女は再び腰を持ち上げようとする。
ちゅにゅ、にゅちゃ、と粘つく液の湿った音をさせて、腰だけをゆっくりと持ち上げ、そして下ろす。すでに、勢いを殺すことも出来ない。

「ん! あはあぁ、んあああっ、ひん! ふあっ、あああっ・・・」

そして、彼女はとうとう動くことも出来ないくらいに、身体を快楽で震わせてしまった。

「ん? もう降参か?」

そんな、意地悪な笑みを浮かべた武史の挑発に、

「く、う、ううう、うううううううううっっ、んんんんんんんんんっっ!!」

懸命に腰を持ち上げようとして、ようやく彼女は、

「だ、だめぇ・・・・・もうだめぇ!武史さん、武史さんも動いてぇっ!!!」

彼に懇願した。






彼女の言葉に、待ってましたとは武史の心の叫び。彼女の膣が与える刺激もさることながら、懸命にがんばる彼女を、思いっきり貫いてやりたい、
という衝動に抗うのは、なかなか大した苦行であった。
それから解放を許されたのだ、もはや何も我慢することはない。

「んにゃあああああああっっっ!!!」

彼女の腰を掴んだ武史は、思いっきり自分の腰を突き上げた。掴んだ彼女の腰を回すように動かしながら、自分の腰だけは強く上下にピストンする。

「ひいっ、ひにいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃいっっっ!!!」

何度も何度も、彼女の腰を突きまくる。その度にこつこつと、彼女の子宮口が亀頭とぶつかる。身体を縦にして子宮を突いた姿勢よりも、ペニスは
深く入らないはずだが、それでも今は、彼女の子宮自身が降りて、男を迎えようとしている。

「ひっ、ひっ、ひああっ、く、くあん、あはああああっつっ!」

首を振り回して、快感にのたうっていた彼女だが、次第にその首を持ち上げる力すら奪われてしまったようだ。武史の胸に頬を擦りつけるようにして、
それでも男の責めに狂い、よがり声をあげた。
そして、その男の鎖骨に唇を当て、ちゅ、ちゅうと強く吸い付いた。

「ん、ちゅ、ちゅう、ちゅう、は、はあ、はんああん・・・」

彼女は男の身体に唇を当て、何かを求めていた。武史は、そんな彼女の求めていることを悟り、頭の上で組んでいた手を使って半身をおこした。

「これが、欲しいか?」

そういって、彼女の顔、その正面まで自分の顔を持っていき、その可愛らしい鼻の頭に、武史は小さくキスをした。

「あう、あ、ああうううぅ、し、しい、ほしい、ほしいですっ」

武史は彼女のその答え、ずいぶん素直になったそれを満足げに聞いてから、彼女の唇にキスをした。

「ん! んんんんーーーーーっっ!!」

そしてエクレアは、武史のキスを受けながら、幸せそうに身体を震わせ、生まれて初めての絶頂を迎えた。
そして武史は、その彼女の子宮に、どくどくと何度も精液を流し込んだ。



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%






「こ、これで、伽の義務は、はたした、ぞ・・・・・・」

絶頂の並を味わったあと、しばらくしてようやく意識を取り戻したあと、エクレアはそういった。頬を彼の胸に当て、すべてを彼に預けるように
抱きついている。
義務、などと言っている割に、ずいぶんと幸せそうに甘えてくるんだな、などと思った武史は、行為のあとの甘い息を聞きながら、また最後に
意地悪なことを言ってみる。

「じゃあ、もうオレとはセックスしない?」

するとエクレア、びく、と身体を硬直させたかと思うと、

「こ、この家でずっと世話になるからには、これからたびたびは義務も発生するっ!」

何とも可愛らしい言い訳をした。
そしてそのあと、僅かに間をおいてから、小さな声で。

「お、おまえが、したくない、というのなら、もうやらない・・・」

そんな、不安を含んだ声で、彼女は言った。
これは、さっきのようなトラウマにより幼くなっての言葉ではない。
いつもの彼女が、いつもの彼女のままで言った言葉だ。

これは、エクレアにとっての変化になるかも知れないな、と武史は思う。
別段、今日一日の触合いで自分を好きになってくれるとは思わない。だが、こういう触合いの繰り返しがあって初めて、お互いのことを大事に
思えてくるのだろう。
自分の周りにいる他の女達がそうであったように、いつかはエクレアも、自分に心を許してくれるだろう。そんな日が来るような気がする。
だから、先ほどの彼女の不安な問いには、はっきりと答えてやらねばならないのだ。

「俺は、したいよ、エクレアと、セックス。これからずっと、な」





「あのさぁ、二人でいい雰囲気作ってるけどさぁ、私たちのこと忘れてない?」
「武史殿、それはあまりにも寂しいぞ・・・・・・」

そのあとはもちろん、盛大に3人の女とのセックスを楽しんだ武史であった。



%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%





とある初夏の夜。

「武史さん、これから私は、あなたを護ることにしました」

と、伽の最中、エクレアが言った。

その日のメンバーが一巡した頃の、甘い吐息の中の言葉だ。だがエクレアの言葉には、しっかりとした意志が込められていた。
どうして?と理由を聞く武史に、彼女は一瞬戸惑ってから。

「あなたは、我が姫の思い人です。その身に何かあったとき、姫が悲しむからです」

そして、そういう彼女に、武史は物足りなそうに、それだけ?と問えば。

「あ、あなたは、わ、私の思い人でもあるからです・・・」

と、顔を真っ赤にして、そう答えた。



「待て待て待て」

と、そういって武史とエクレアの空気に割り込んできたのは、同じく今夜の伽に参加していた梓である。

「おぬしはあの姫だけを護っておればよい。いろいろと因縁や深い業を背負っておる武史殿を護るには、おぬしでは荷がかちすぎる。
 武史殿を護るのは、背者を置いて他になかろうよ」

と、なにやら少々彼女らしからぬ焦りを感じる声で、言った。
相変わらずこの二人、エクレアと梓の関係はこんな感じで、その梓の言葉にエクレアは、

「なにを。貴様など、ゲゲゲポストの守でもしていればいいのだ。化け物相手に励んでいろ」

などとすでに喧嘩腰。

「意味をこそ良くは分からぬが、さしずめ拙者を愚弄しておるのだろう? よかろ。相手になってやる」

もちろん梓も、その喧嘩を買わない道理はない。

「ふん、望むところだ。腕の2、3本は覚悟しておけ」







「あーもう、ケンカはやめろっつーの!」

そんな二人を、武史は溜め息と共に制止する。
喧嘩においては、やはり梓はエクレアの常に上位にいて、エクレアはその度に地に伏せることになる。しかし、だからといって刃向かうことを
止めるわけではない。まぁ武史にしても、それが一つのスキンシップであるとも思えているので、言葉以上に彼女らを止めることはしない。
武器は竹刀、という約束事も守らせている。
そうして睨み合った梓とエクレアであるが、そんな彼女らを武史と同じように溜め息で眺めたもう一人の女が居た。
武史の胸の上に身体を預けながら、そのもう一人の参加shな、シフォン姫が言った。

「まぁまぁ武史様、あんな二人は放っておいて、早く楽しみましょう♪」

そういって、未だ力を失わない武史のペニスに指を這わせる尊き白の姫。

「そうだな、そうするか」

そしてキス。さっそく行為開始し始めた二人に、

「ま、まて、早まるな!」
「姫、そんな、ズルイです!」

と、梓エクレアも慌てて喧嘩を中断した。


そうやってその夜も、その農家の寝室からは、仲のよい女達の嬌声があがるのだった、

(((イベント終了)))


%%%%%【ゴールして、ハーレムに『ゆりあ』がいて、『じょせふぃーぬ』フラグを立てた】%%%%%


(注:土地の訛りは標準語っぽく変換しております。)

ユリアが武史(たけし)と交際を再開し、彼のハーレムに入ってから数ヶ月。季節は夏真っ盛り。

実家の八百屋を手伝うのは午前中だけで、昼以降は彼女の両親が店に出るので、ユリア自身は割とヒマだった。その空いた時間は
武史の家に行き、畑仕事を手伝ったりしていたのだが、最近は駄菓子屋の店番もするようになった。
もちろん駄菓子屋とは、武史の店でもユリアの家の経営でもなく、町のとある老婆の店のこと。地蔵尊を祭る地蔵堂があり、そこを
管理している老女が、町の子供達のために開いた店である。だが最近老婆は体調を崩し、しばらく入院することになったため、その
あいだにユリアと藤堂家の三女、美黄(みき)が店番をするようになった。武史は子供の頃、老婆に親切にしてもらった経緯があり、
店を閉めたくないと言う彼女の相談に応じて、ユリア達に手伝いを依頼したのだ。

そしてこの日は、ユリアと美黄、二人が揃って店の奥の椅子に腰掛けていた。もちろん、駄菓子屋の店番など一人で十分、普段は
交代にしているのだが、この日は少し事情がある。
老婆の孫娘が見舞いにやってくる予定なのだが、入院先の病院が分からないため、案内することになっているのだ。病院名さえ
伝えておけば、普通ならば一人でたどり着けそうなものだが、その孫娘さんとやらは都会育ち、昔この老婆の家に数度遊びに来た
だけらしい。病院は隣町にあり、一人で行かせるには不案内だろう、ということでユリアが付き添ってやることにしたのだ。
というわけで二人はいつものように、ユリアは『少女ジャンプ』『少女マガジン』『少女サンデー』『少女チャンピオン』といった
少女漫画誌を読みながら、美黄は家計簿のやりくりにそろばんをはじきながら、店番をしていた。

「あの、少々おたずねしたいのですが・・・」

そういって、店先から声がする。

「○×病院の場所を教えて欲しいのですが・・・」

その声の主は、ユリアと同じ金髪の、外国人だった。年の頃は20歳前後といったところだろうか。
夏らしい、薄手のタンクトップにミニスカート、健康的に焼けた小麦色の肌。なんともボリュームある、肉感的なプロポーション。この
夏の暑さで汗をかき、白のタンクトップはべっとりと肌に張り付いている。幸いブラジャーはシンプルなデザインで、見ようによっては
水着に見えなくもない。男にとっては、非常に目の毒な姿だ。成熟した身体に相反した童顔と、つぶらな瞳がアンバランスな魅力と
なっている。

「ああ、いらっしゃい」

ユリアが出迎える。彼女も、武史のハーレムの中では一番のバストの持ち主で、長身の欧州系グラマー美女である。日に焼けにくい
体質なのか、それなりに屋外で働いているわりには色白である。シャツの上に薄手のジャケット、膝下でカットしたジーンズと、その
豪華なスタイルの割には露出度の低いファッション。日焼けは肌を傷めるから、という理由にしてはいるが、実のところは武史以外の
男にジロジロ身体を見られるのがイヤ、という、何ともいじらしい理由。

こんなド田舎の、時代遅れの駄菓子屋の店先に並べておくのには、あまりにも非現実的な二人。

ユリアはB95、そしてその客人はおそらくB100は優に超える見事なお宝の持ち主。二人ともそれほど大柄ではないのに、胸の
膨らみは明らかに標準を超えている。
店の奥でその光景を眺める美黄は、ついつい自分の胸を押さえ、敗北感に打ちのめされた。美黄も、けして貧しい胸ではない
ものの、駄菓子屋の店先にそぐわぬ二人の外人さんの特大バストを見てしまうと、これが民族の差かッ!と歯がみせざるを
えない。普段からユリアの豊かな胸に羨望を抱いていたところ、それがダブルで襲ってきたものだから悔しさも倍増するのだろう。

あなたがお孫さんね?とユリアが訪ねると、客人はほんの少しだけ間を空けて、はい、と答えた。

そして、店の奥でなにやら巨乳退散、巨乳退散と怖い目をして呟く美黄を店番に残し、客人を乗せたユリアの小型車は病院へ向かった。



病院の傍、駐車場に止めた車の中、窓を開け放したままユリアが待機していた。客人は今、老婆と面会中。その待ち時間の間、
持参した少女漫画を読んでいた。ユリアのお気に入り、『グラップラーばきこちゃん』がイイトコロなのである。

そんなユリアの持つ携帯電話が、呑気なメロディを流し始めた。美黄からの着信だ。店に何かあったのか?と思いつつ電話に
出ると、なにやら要領を得ない美黄の声。

「あのね・・・、おばあちゃんのお孫さんが、いまこっちに来たんだけど・・・」

は? その人ならいまここに、とユリアが言うのを遮って、美黄が。

「案内する約束したの、こっちの人みたいなのよ」

ということは、いま連れてきてる人は、約束のお孫さんではなかったわけだ。
まぁその事自体は、大した問題ではない。いま駄菓子屋に来ている人には少し待ってもらうことになるが、ユリアがもう一往復
すればいいだけのこと。寂しい老婆の見舞いに来る人間が、多くて困る道理はない。

「でね、おばあちゃんの孫に、外人さんなんていないって・・・」

その美黄の言葉に驚き、じゃああの人は?と混乱し始めた頃、問題の外人さんが戻ってきた。そして、動揺して上手く喋れない
ユリアに、彼女は言った。

「次は、武史さんに会わせてくださいませんか?」



帰りの車中、客人から聞いた話は、何から何まで突飛な話だったのだが、ユリアはとりあえず判断を保留した。その、謎の客人が
武史に用があるといい、それは大事な話だ、というものだから、とにかく彼の判断を仰ぐことにしたのだ。
ひとまず駄菓子屋に戻り、本当の孫娘を乗せて病院を往復したあと、その客人を連れて武史の屋敷に向かった。



そしてその屋敷で、面会となった。

時刻はもうすぐ陽も暮れようという頃合い。その部屋には、武史と、ユリアと、麦茶を運んできたまま座り込んだ美黄と、そして
問題の客人である。



「ええと、君は?」

要領を得ないユリアと美黄の話に混乱を伝染させられた武史が、その美女に尋ねる。しかし、返ってきたのは、ユリアから聞いた
内容と何ら変わりのないものだった。

「私、ジョセフィーヌです。武史さんに可愛がってもらった、雌牛のジョセフィーヌです」

それは、先程ユリアから聞いた。冗談としか思えないからもう一度、本当の名前を聞いたのだが、返ってきた答えは全く同じだった。

ちなみにその雌牛、品種こそは海外種であるものの、生まれも育ちもこのド田舎である。『ジョセフィーヌ』などという名前はもちろん、
別にあの雌牛がフランス生まれだから、というような理由で付けられたわけではないのだ。

目の前の女は、どう見ても外人ではあるが、喋っている言葉はバリバリの方言である。ユリアと同じように、土地の言葉に十分
馴染んでいる。だから微妙に、その曖昧さが混乱を招く。(初対面、都会育ちという触れ込みの孫娘が、自分たちの土地訛りに
馴染んでいる時点で不審に思うべきだった、とはユリアの後悔)

混乱は招くものの、何となく説得力も、無くはない。・・・ような気がする。

「信じてもらえないのは、何となく分かっています。でも、私にもあまり時間がないので、そこを何とか、お願いできませんか?」

真剣に言う彼女、その瞳に見つめられ、武史は腕を組む。

「肩の、その痣は?」

武史が指摘した、その客人の右肩。ノースリーブで露出した肩に、コイン大の痣がある。


「あのときの傷よ、武史さん。あの牛泥棒どもから助けてくれたときの、傷」


信用するしかない、と武史は観念した。
確かに二人しか知らない過去である。だが、絶対捏造できない、とは言い切れないだろう。神や仏、幽霊妖怪狐狸狢、天使悪魔に
冥土ロボ、そんな怪しげな類のものをいっさい否定してきた半年前の武史ならば、どんな理由を付けてでも信用しなかっただろう。
だが、武史は観念した。

「えーい! 今の俺は、どんな非科学的なことでも、3秒で信じることが出来る!!!
 宇宙人リトルグレイは、プロテッサー、デリンガー、ガービンと分身合体して、闘士ゴーディアンになる、1、2、3、ハイ! 信じた!」

とりあえずもの照れ隠しとはいえ、なんとも意味不明の言葉を叫んで、大きく息を吐いてから、言った。



「わかった、信じるよ、ジョセフィーヌ」

痣よりも、過去よりも、何よりも、その瞳を見てしまっては信用するしかない、と武史は観念した。



「で、ジョセフィーヌは、なんでここに?」
「おばあちゃんのお見舞いのついでとか?」

武史が信じたのなら、自分も信じることにしよう、と腹をくくったユリアが尋ねた。
どうやって牛が人間に、などと考え始めたら際限がないので、もう投げやりに信じることにした美黄も理由を聞く。

「私、あとちょっとで死んじゃいます」

少し、寂しそうにジョセフィーヌが言った。

「だから、大事にしてもらったウメさんにお礼を言いたかったんだけど、退院されるまで私の方が持ちそうじゃなかったんで、
 ちょっと無理しちゃいました」

そして、武史に会いに来た、理由。

「で、私も武史さんのハーレムに入れて欲しいんです」

一日、今晩だけでも。そういって彼女はぺこりと頭を下げた。
老婆の元で生まれてすぐに、母牛も兄妹牛も死んでしまった。もう老婆も自分がそれほど長く生きないだろうと考え、あえて新しい
仔牛を作ることもしなかった。それから、老婆はジョセフィーヌ一頭と暮らしてきたのだ。

「それで、ずっと武史さんのことが好きだったんですけど、さすがに牛の姿じゃ、抱いてもらえないですし」

あたりまえだ。

「人間の女の子になりたいっ、て願い続けてたら、こうなりました」

武史は腕を組んだまま、うーん、と唸った。
こうなりました、って、簡単に言ってくれる。
それで済むなら、自分に好意を持つ犬でも猫でも文化包丁でも、可愛い女の子になってくるだろ。
まぁ、経緯はどうあれ、目の前にいるのは、一人の可愛い金髪の女の子である。
だが、牛でもある。

だがまぁ、この際、気にしないようにしよう。


武史は開き直った。

「よし、ウダウダやっててもしょーがねーな」

開き直った武史は、強(したた)かだ。
強かで、エロい。

「んじゃあさっそく、始めようか」

やった、と嬉しげに飛び跳ねた、ジョセフィーヌの豊満な胸がぼよん、と揺れた。




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「はい! やって参りました第186回藤堂家乱交大会! 参加者は俺! もちろん俺! 当然俺無くしては始まりません!!」

威張る武史。ひゅーひゅー、っという歓声とぱちぱちぱちの拍手。

「そして、我らが巨乳っ娘、ヨーロッパから来た刺客、ユリア選手ーっ!!」

いえーっ、と立ち上がり両手をあげてアピールするのはユリア。服を脱ぎブラを外し、ショーツ一枚になった彼女、体を動かす
たびにぶるんぶるんと揺れる真っ白な乳房は、絶対のボリュームでその存在感をアピールしている。

「迎え撃つは純・国産、これからの可能性を秘めた発育途上の美乳娘、藤堂家三女、美黄選手ーっ!!」

兄さん、あとで覚えてなさいよーっ!と小声で怒鳴り、立ち上がる美黄。同じくショーツ一枚の姿で、手を腰に当て、
その発育途上の美乳を誇るような立ち姿。

「そして本日のスペシャルゲスト! その言葉に偽りナシ、これが本当の牛乳娘(うしちちむすめ)・ジョセフィーヌ選手ーっ!!」

やーやーやー、と拍手声援に感謝しつつ立ち上がるのはジョセフィーヌ。タンクトップや短いカットジーンズに隠れていたところは白、
露出していたところは小麦色、と、まるでマーブルな牛模様を連想させる肌。そしてなんと言っても圧巻なのはその大質量を誇る
バスト。もう、壮絶としか言いようのないその乳房、彼女がくるりと一回りすれば、遠心力で人が殺せそうな大迫力だ。


藤堂家の寝室は広い。そこに敷かれた布団の上に、武史と3人の女の子が集まった。普段ならこの家には他の女もいるのだが、
残念ながら本日は所用で留守にしていた。故にこれが今夜のフルメンバー。

彼らは毎晩毎晩、こんなハイテンションな、滑り気味のMCをやってるわけではない。寿命とか、今夜が最後とか、少し湿っぽい
話題が出たあとだけに、バカでもやらなければ割り切って楽しめないと考えたからだ。

転じて言えば、湿っぽいセックスではなく、バカっぽくても、楽しいセックスにしようと彼らは考えた。
たった一晩でお別れする仲間だからこそ、これからの睦み合いを、『楽しい』と思える時間にしたいのだ。

それから3人の女達は、順番に武史とのキスを楽しんだあと、いよいよ本格的にお互いの身体を絡ませ合った。


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もう、『ばふ!』ってな具合に。
武史のペニスを、二つの巨大な乳房が包み込んだ。仰向けに横たわった彼の、すでにいきり立ったペニスに、ユリアの巨乳が
襲いかかったのだ。ペニスが挟み込まれる際、ばふ!と風圧が発生したのを、武史は腰のあたりに感じた。同時に、のしかかる
双球の重量感。

「おおう!」
「ふふふ、タケシ、どう? 気持ち良い?」

思わず武史は呻いた。風圧が発生するほどの勢いで空気が外に逃げたのなら、ペニスを挟む乳との隙間はぴったりと密着する。
ユリアの胸は大きいだけではなく、みずみずしい張りを持っているので、ペニスをむにゅむにゅと弾き返すような弾力で圧迫する。
武史のペニスはしばらくユリアの胸に挟まれ、むにゅむにゅとした圧力を楽しんでいたのだが、それも中断された。



さらに、『ぼふ!』ってな具合に。
今度は、ジョセフィーヌの巨大な乳房が、武史のペニスを挟み込んだ。彼女のバストは、ふっくらとしたモチを思わせる柔らかさで、
もにゅもにゅと吸い付くような心地よさ。ちょうど胸は、日に焼けていない白地の部分、まさにモチそのもの。

「うおお!」
「武史さん、私のオッパイ、どうですか?」

その柔らかな感触はペニスをくすぐるような圧迫を加えてくる。もにゅもにゅとジョセフィーヌが乳房を揺らすだけで、これまた至福の
振動がふるふるとペニスに伝わってくる。その振動に刺激され、タケシのペニスにますます力がみなぎってくる。しばらくの間、
もにゅもにゅふるふるを続けたあと、ジョセフィーヌもそれを一時中断し、武史のペニスを巨乳の拘束から解放した。



ついで、『ぷにゅ。』ってな具合に。
武史のペニスを美黄がパイズリしようと胸を押しつけたのだが、ボリュームが足りずに挟めなかった。

「えーと・・・」
「兄さん、今のは見なかったことに・・・」

無念そうに言って、胸での奉仕を中断した美黄。無駄だとは分かっていたのだろうが、何となく、やらねばならないような流れだったので。
その代わりというか、照れを隠すように美黄はフェラチオを開始した。兄の長大なペニスを、たっぷりの唾液で潤すような奉仕。
そして美黄の目配せに応じて、ユリアとジョセフィーヌの二人も武史のペニスに群がった。三方から囲むように顔をつきあわせ、
三枚の舌でドロドロと唾を塗りたくった。
その刺激に、青年のペニスは早くも埒(らち)の解放へと駆け上るのだが、ユリアがペニスの根っこを掴んで抑えた。

「タケシ、まだまだ、お楽しみはこれからだよ?」




そういって、武史の左右から、ユリアとジョセフィーヌのダブルパイズリが始まった。
彼の右からはぴちぴちオッパイのユリアが、左からはふわふわオッパイのジョセフィーヌが。一本のペニスに左右から二人の女が
豊満な乳房を押しつける。さらに、先程たっぷりと塗り込めた唾液がローションのようにぬめりを与えている。二人が両側から乳房を
抑えて揉み込むように動かし、にゅるにゅるとペニスを滑るように擦りたてていく。ある時はペニスを四つの柔肉に埋め、ある時は
弾みをつけてペニスを浮上させる。その光景はまるで、四つの乳房の海にペニスが溺れるかのようだった。

「くうっ! それ、むちゃくちゃ気持ちいーってば!!」

もう、青年はその刺激を前に、堪えるとかなんとかという状態ではなく、為す術もなく高められていく。ペニスに与えられる刺激だけ
でなく、その光景の淫靡さがますます射精へ向けての火をくべていく。

「兄さん、私の『発育途上』の胸、責任を持って大きくしてくださいね!?」

そういって、青年の頭上から覆い被さる美黄。ちょうど青年の口の上に差し出された妹の乳を、兄が責任を持ってしゃぶりついた。

「ん! んああああっ!」

小さくとも敏感な胸、その乳首を甘噛みするように引っ張られ、甲高い嬌声をあげる美黄。武史はしゃぶるだけでなく、空いた両手を
美黄の胸にあてがい、こね始めた。

「あうん、んん、兄さん、もっと、もっといっぱい弄ってください、兄さんの手で私の胸を、もっと大きく育ててください・・・」

言われなくても、とばかりに動く青年の手は、しっかりと少女の胸を揉み、刺激していく。指の間で乳首を挟み、わし、と掴んだ
乳房全体を強く捏ね、震わせていく。

「ああっ、おっぱい、おっぱいが捏ねられてるっ!! 兄さんに滅茶苦茶にされてるっ! 育てられてるぅっ!!」

そんな風に声を上げ、嬉しそうに泣く美黄。

そしてそのころ、青年のペニスでも。

びきびきと、今にも破裂しそうなくらいの硬直を見せる青年のペニス。その硬さとは対照的なぐらいに柔らかく、弾むような二人の
乳房。二人は時折、ペニス先端を唾液たっぷりの舌で舐め、ぬめりを補充しつつ奉仕を続けた。ぎゅうぎゅうと圧迫を続ける乳肉で、
ペニスを包み込んでは、扱くようにして亀頭を飛び出させる。包んで、押し出す、包んで、押し出す、その動きを、ユリアの右乳が、
ジョセフィーヌの左乳が、ユリアの左乳が、ジョセフィーヌの右乳が、まさしく波を作るがごとくの波状攻撃で、青年のペニスに休む
暇のない快感を与え続ける。
しかしそれで快楽を得ているのは、青年だけではない。



「あん! それ、キモチイイ・・・」
「私も、ユリアさんの乳首、キモチイイです!」

二人が一本の肉棒を挟んで、溶け合うように乳房を密着させている。ペニスを扱くために乳房を擦りつけるうち、固く尖ったお互いの
乳首が擦れ合い、女同士の情交が行われた。二人は、その乳首による気持ちよさを、愛する男にも味わってもらおうと企み、先程
から続けられる乳肉奉仕の海にそれを投じた。

「アアアッッ!!」「あああああっっ!!!」

二人の女が揃って嬌声をあげた。青年の固いペニスに押しつけられた乳首は、その自らの乳房の圧力で潰され、肉棒に絡み、
ぬるぬるとした唾液でこすられる。その刺激といったら、二人の女をして同時にのけぞらせるほど、強烈だった。
そしてその刺激は、初めは怯むものの、続ければ続けるほどますます度合いを強めていく、たちの悪い快感だった。

「アアアアアアッ! すごい、スゴイィッ! 私の乳首が、タケシのオチンチンに絡んで、すごいのッ!!!」
「んんんんんんんんッッ!! 武史さんの固いオチンチンに、たくさん擦られて、だめぇっ!!!」
「もう、兄さん、もっと、もっと、もっと私のおっぱいおおきくしてぇっ!!!」

三人の女達が、自分の乳への刺激に狂った。そして、その高ぶる嬌声の中、武史の限界が訪れた。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」
ブシュウ! ブビュゥーーーーーーーーーッッ!!!!

乳の圧力と自身の強張りのために、限界まで細くなっていた武史の尿道から、すさまじい勢いでザーメンが噴きだした。
噴水のように高く飛び出したその粘液は、雨のように二人の顔に降りかかる。何度も何度も何度も何度も脈打ちザーメンを
吐き出すペニスがようやく大人しくなり出した頃、二人の金髪美人、ユリアとジョセフィーヌの美しい顔はベトベトの精液で
汚されていた。そして、勢いの大人しくなった射精によって二人の乳房の海はドロリとした粘液溜まりと化した。


「・・・っ、ぷは、・・・あーーーーー、気持ちよかった・・・」

青年が精を出しきり、脱力する。

「・・・もー、いっぱいこぼれてる。もったいない」

快感の名残で息も絶え絶えに、美黄がそういった。青年の頭の上に逆向きで覆い被さっていた彼女は、そのまま手を付いてユリア
たちの元へ近付いた。そして、いただきまーす、とお行儀良く礼をしたあと、二人の四つの乳房の上に溜まる精液を舐めとりだした。
乳肉の中から顔を出す亀頭に舌を這わせる様を横から見ると、まるで公園の水飲み場で喉を潤す少女のようだ。
ユリアとジョセフィーヌは、自分たちの乳房の上に這い回る舌をくすぐったく感じながら、その掃除が済むと今度は二人顔を寄せ、
お互いの顔を彩るザーメンを舐め撮り始める。

そんな、女達が淫らにじゃれ合う様を眺めているだけで早くもペニスへ次弾が装填されたことに、武史は苦笑した。





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そうして武史は、ジョセフィーヌを始め、ユリアと美黄、3人の女を抱いた。
それはもう、全身全霊、己の精力をこの女達に全て注ぎ込むつもりで、抱いた。
何度も何度も、女達を狂わせ、そのわななく女体の奥深く、子宮の中をなみなみと満たすように、精を注ぎ込んだ。

ジョセフィーヌは、処女だった。

まぁ、人間の女の子の姿になったのが初めてならば、人間男女の性交も初めてなのだろう。けれど彼女がいうのは。

武史はそれを打ち明けられたとき、確かに複雑な気分だった。彼女が雌牛として、仔を産むことを強いられたり、乳牛としての役割を
求められたりしなかったため、飼い主の老婆は他の雄牛とつがわせなかったようだ。近くに手頃な雄牛がいなかったことも理由ではある。
武史は、あえて意識しまいとしていた彼女の正体のことを生々しく思い出し、すこし気後れしつつも、ジョセフィーヌを人間の女の子
として抱いた。
武史にとっても若干混乱を招く告白だったが、彼にとっても、どこぞの雄牛と穴兄弟になってた、などという事態は避けられたの
だから、良しとするべきか。



夜も更け、性の宴の灯も消えた。
武史は、先にダウンして熟睡してしまったユリアと美黄を傍らに抱き、ジョセフィーヌの豊満な身体を掛け布団のようにして胸の上に
乗せながら、女三人の肉布団で横になっていた。

「・・・武史さん、今日は、わがまま聞いてくれて、ありがとうございます。・・・嬉しかったです」

男の肌に頬を寄せ、まどろむような声で、彼女は言った。
しかし、武史は、少し表情を曇らせた。

「俺、やっぱりジョセフィーヌは、ウメ婆さんの所にいる雌牛のジョセフィーヌとして、好きなんだ。人間の女の子と同じに、
 ってわけにはいかないよ。・・・ごめんな?」

それは仕方のないことだ。そもそもは、彼女が種族の違いを超えて抱いた、青年への恋慕から始まった奇跡だ。
だから、そのことを真剣に考え、正直に気持ちを打ち明けてくれた真摯な青年を、どうして非難できようか。

むしろ、それを踏まえた上で、彼女のわがままに応えてくれた青年には感謝しているし、ますます青年に向ける気持ちは強くなった。
いま、青年と肉の喜びを交わした姿は、いわば偽りの姿。そんな人間の姿に惑わされず、それでも本当の彼女を、好きだ、といって
くれたのだ。仮の姿ではなく本当の自分に向けてくれた感情は、彼女にとって最高に嬉しいものだった。

だから彼女は、嬉しさにこみ上げる涙を堪え、いいんですよ、そんなこと、と答えた。


「・・・というわけで、私、ちょっとお出かけしてきますね」

別れの言葉、のわりに、彼女はむしろより身を寄せてきた。

「次に生まれ変わるのが人間だったらいいんですけど、そうそううまくいかないだろうし。
 でも、犬でも、猫でも、文化包丁でも、・・・まぁ、出来るだけ、武史さんに嫌われないようなものに生まれ変わって、また会いに来ます。
 その時はまた、抱いてもらえますか?」

そんな風に言われて、イヤだなんて答えられるほど、武史は情の薄い男ではない。

「まぁ、お手柔らかになー。とりあえず、出来るだけ、お前だって分かる目印付けといてくれよ。お前が来るたびに、こんなに混乱
 してたんじゃ、俺の寿命がへっちまう」

そういって、苦笑と共に、彼女を受け入れた。ジョセフィーヌも笑って、努力しますね、と答えた。

真夏の夜更け、そうして二人は、まどろみに包まれた。


朝、武史が目覚めたときに、彼女の姿はなかった。


@@@@@@@@@@@


その朝、老婆の家にある小さな牛小屋に行くと、『彼女』は草わらの上に身体を横たえ、動かなくなっていた。
武史達はそのことを老婆に電話で伝え、許可を取ってから、庭の隅に埋葬した。
老婆は昨日、訪ねてきた雌牛自身からこの死期のことを聞いており、武史の報告にも、そうかい、と静かに呟いたのみだった。


そして、月日が流れる。


翌年の初夏、ユリアが出産した。
生まれたのは女の子。
肌の色、そして産毛の色を見ても、母親であるユリアに似た金髪巨乳美人に育つことは間違いないだろう。

そして肩には、ちいさな痣。

あの、奇跡みたいな、なんとも不思議な一日。
その夜の交わりで授かった子供だ、これくらい、奇跡のオマケが付いてても不思議じゃない。

「おかえり、ジョセフィーヌ。これからもよろしくな」

武史は、その保育器の中の赤ちゃんに、そういって笑いかけた。

(((イベント終了)))





%%%%%%%%%%ゲーム終了%%%%%%%%%%

さて、皆さんのハーレムには、いったい何人の女の子が集まったでしょうか。
今年もまた皆さんと、このスレで楽しいハーレムの夢が見られますように。

END OF TEXT


以上です。
お疲れさまでした。
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