【スキスキ】ハーレムな小説を書くスレ【独占】
130 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:45:13 ID:OyoZvJQA
 ――これ、なんてエロゲ?
 朝。早朝の人通りの少ない道で、一人の女性がうつ伏せに倒れている様を見て、県下のオタク間でエロゲマスターの名をほしいままにする僕、井草翔の汚染された脳みそはすぐさまその単語をはじき出した。
 いや、確かにエロゲは好きだが、いくらなんでも現実でそんな馬鹿な事を考えてしまうほど、僕の思考回路は終わっちゃいない。しかし、目の前に倒れる女性の容姿が、僕の思考回路を現実から非現実に押しやっていた。
 真紅の髪は、朝日を反射してきらきらと輝き、神々しささえ感じる。倒れている体勢はうつ伏せであるにもかかわらず、彼女が絶世の美女であることを何故か僕は確信していた。
 そして――その背から飛び出しているのは、一対の純白の翼。
 何処からどうみても――天使だった。

「……うぅ」

 目の前の天使(?)がもぞりと動く。しばらく見ていると、またもぞりと動いた。そしてまたしばらく見ていると、またもぞりと動く。それを数回繰り返した後、本格的に天使(?)が体を起こした。きょろきょろと辺りを見回し――そして盛大に、おなかを鳴らした。


131 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:46:03 ID:OyoZvJQA
「……」

「……」

 なんだろうこの展開。え、マジベタなんですけど。え〜……待て待て、よく考えろ。エロゲならここでどんな選択肢が出る?

・襲っちゃう。
・お持ち帰り。
・首輪をプレゼント。

 ……いやいやいやいやいや!
 なんだこの選択肢!? 特に最後! 首輪ってなんだ首輪って。僕にそっちの趣味はないし! 
 よし。よく考えろ。もう一度だ。
 
・声をかけてみる。
・ご飯をおごってあげる。
・とりあえずデコピンをかましてみる。

 ……やっとまともな選択肢が出てきた。まあ約一個違うのあるけど。
 いやだが待て。明らかにおかしな選択肢。だが、エロゲで鍛えられた僕の直感は、これこそ正しいものだと神託を告げていた。

「……」

 結果。

・声をかけてみる。
・ご飯をおごってあげる。
→・とりあえずデコピンをかましてみる。



132 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:46:45 ID:OyoZvJQA
「てい」

「わきゃっ!?」

 以外にも抵抗も無くデコピンは執行された。僕は別に力が強いわけではないのでデコピンにはさほど威力は無い。だけど、天使(?)にはそれなりに効いたようで、涙目になって額を押さえている。
 そして数秒、やっと自分の身に何が起こったのかを理解したらしく、天使(?)の女性は顔を真っ赤にして立ち上がった。

「き、貴様! 人間の分際で、このっ……この吾に何をする!?」

 あちゃー、選択肢ミスったぽい。天使(?)さんは怒りをあらわにして、僕を見下ろしている。そう、見下ろしているのだ。175センチある僕よりも背が高いということになるんだよなー……確実に180は超えておりますこの天使(?)。
 ぶっちゃけ怖いです。こうしている間にも、何かすごい威圧感がひしひしと僕を包んで、何かまあ齢18にしてBAD END?みたいな雰囲気というかフラグを立ててしまったような感じがもう。
 ……というかいやに冷静な自分にまず驚く。
 ……ああ、そうか。すでに僕はテンパっているんだ。じゃなきゃ、いくら羽生やしているっていっても女の人にいきなりデコピンなんてかますわけがない。



133 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:47:15 ID:OyoZvJQA
「聞いておるのか貴様! このっ……大天使である吾に向かってデコっ……デコピンなどっ!」

 はい、暴露しました大天使。えぇと……たまたま昨日までやってたエロゲがカトリック系をイメージしていたため知識はある。人外萌え。
 ぶっちゃけキリスト教の天使の位ほどあいまいなものはないのだけど、大天使って言うぐらいだからそんじゃそこらの天使よりかはえらいんだろう。……あー……まじめにBAD ENDっぽいっす。
 むぅ。しかし僕はあきらめない。
 さあ、選択肢かもん!

・「ふははは。ばれてはしょうがない!」
・「わ、悪気はなかったんです」
・「好きです! 付き合ってください!」

……今度はまともなの一個しかねぇよ。
 さっきは突飛なの選んで失敗しているし、今度は安全牌を選んでおくか……

「いや、ええと……わ、悪気はなかったんです」

「な、なに、そうなのか!?」

 ……信じたよこの大天使。
 何か狼狽した大天使はむぅと悩むようにあごに手を当てると、何かを思い出したようにハッとした。

「そ、そうじゃ! 貴様、吾が見えるのかの!?」

「……え? えぇ、見えますけど……」

「な、なんと言うことじゃ……」



134 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:49:02 ID:OyoZvJQA
がっくりとうなだれる大天使。なんだ、見えちゃ悪いのか。特殊能力開眼か。現実と非現実の境界線って何よ的な展開なのか。
 まあ、前にも言っていると思うんだけど目の前の大天使は絶世の美女。うむ。紳士としては声をかけておかなくてはなるまいて。

「あ、あのー……元気出してください。ね? ほら、ご飯作ってあげますから」

「う、うむ……すまぬ」

 ……あれ?


 これ、なんてエロゲ?
 いち!



 何かそういうわけで大天使さんをうちに連れてきた僕。僕には両親がいない――なんて不幸的な状況を抱えているわけではないのだけど、一応僕は一人暮らしだ。
 うちの両親、株で大成功したかわりに会社を首になって、その足で『宇宙に行くんだ』とか言ってロシアにいったんだよなぁ。……うん、わが両親ながら馬鹿だ。


135 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:49:35 ID:OyoZvJQA
 だがまあそのおかげでローンが払い終わっている一軒家には僕一人。生活費は僕名義になっている株だけで十分すぎるほどあるので、生活に困っていることもない。
 とはいえ僕も18歳だ。もうすぐ卒業とはいえ、少しさびしいものもある。
 というわけで広い一軒家のダイニングで、僕が料理したご飯を静かに行儀良く、されど山のように食べる大天使の様を見て、気持ちいいと感じてしまったのは秘密だ。 
 
「ふむ、ご馳走様じゃ」
 
 食べた量、実に僕の二日分。昨日買い込んできた食料の大半が、一食で消えてしまった。
 しかもあれだけ食べたにもかかわらず、大天使のスタイルには何ら変化はない。あれか。美人補正というやつか。



136 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:51:48 ID:OyoZvJQA
「うむ、その通りじゃ」

「……なんですと?」

 僕の心を呼んだかのような返答に、大天使は鷹揚にうなずいた。……もしかして、声に出ていたんだろうか。

「吾は全ての天使の頂点に位置する大天使の一柱じゃ。人の心を読むことなど、造作もないこと。……まあ、貴様の場合はほんのさわりしか読めんのじゃがな」

 目の前の大天使がやれやれと息をつく様子を、僕は食器を洗いながら眺める。どの道もう学校は間に合わない。だったら少しは話に付き合ってやろう。

「……で、君は一体何?」

「大天使じゃといっておろうに。……本来なら、吾の名前なぞ人間などにもったいないのじゃがな、貴様は特別なのじゃ。ありがたく思い、心して聞くが良い」

 そこで大天使は立ち上がり、たたずまいを直す。瞬間、平凡なリビングに光が満ち、神々しさがあふれ出した。

「――吾は大天使が一柱、火の元素を司る役目を主よりおおせつかった存在。名はミカエル。天使が頂点の存在じゃぞ、ほれ、敬え」

「……マジ?」

「まだ疑うのか貴様」



137 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:53:08 ID:OyoZvJQA
 そんなことは無い。
 溢れんばかりの存在感になんとも心地よい感覚を抱きつつも、僕は彼女が言っていることが本当だと確信していた。

「吾はの……主の命によってここに現界しておる。何百年かに一度、人間は救世主とやらを生み出す。例外はあるがの。これはの、一つの機能じゃ。
生き延びようとする人間の意思、その集合体が持つ自己防衛機能。しかしの、それは人間の無意識下の集合体じゃから、誰にも察知できぬのじゃ。
下手をすれば、生み出された本人にも、な」

「……え〜と……」

 突然始まった難しい話に、僕はほとんどついていけていなかった。え、何? もしかして僕、何か主人公っぽいことになってるの?
 そんな僕の混乱を無視して、彼女――火を司る大天使、ミカエルはさらに続けていく。

「そのものは、強大な強運に守られ、必然的に強大な力を手にする。しかし、それは悪魔にもなりうる可能性もあるのじゃ。そのために、吾らがおる。
吾らはそのものを導き、正しい方向にその力を使わせねばならん。わかるか? 貴様は今より、神に等しい権力を持つのじゃ。こと、神の眷属に対してはの」

 そこで僕は耳を疑った。神に等しい権力? 神の眷属に対してって……ええ!?

「ちょ、ちょっと待って……!」



138 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:54:12 ID:OyoZvJQA

「ふん、ようやく事の重大さを理解したか。見た目どおり愚図じゃの。ま、まあ、料理の味だけは評価してやってもよいがの」

「あ、ありがとう……って、そうじゃなくて! ことの大きさは理解……しているのかどうかわからないけどさ、どうしてそれが僕だってわかるのさ!
 言っちゃ悪いが、僕には強運なんて存在しないぞ!? 女の子にだってもてたことないし、
この前だって好きになった女の子が親友と教室でHしているとこ、見ちゃったんだぞ!?」

 少しそっぽを向いて、何故かほほが赤くなっているミカエル。そんな彼女に、僕は思わず突っかかった。
 その剣幕に押されたか、ミカエルは少したじろいだように、汗を一筋たらす。

「む、神聖な学び舎で淫猥な行為をするとは……良かったではないか。そんなおなごと情を通じておったら、間違いなくそなたは悪魔になっていたところだ」

「そんな問題じゃないよ! だからどうして僕なのさ! リレーすればモグラが穴掘りまくって周りの競争者足をとられるし、財布を拾ったと思えばカラスの大群が突っ込んでくる! そんな僕が幸運に守られてる? 冗談はほどほどにしてよね!」

「……何か勘違いしているようじゃから言うが、そなたは『強運』に守られているのじゃ。まあ、強大な幸運でもあり、不幸でもあるということじゃな。それと、なぜ吾が貴様が救世主だとわかったのかは……」

 そこでミカエルはずいっと僕の目を覗き込むようにして顔を接近させた。その距離に、僕の頬が熱くなる。うわ、絶対赤面してるよ、僕。

「……これ、ほほを赤らめるでない。吾まで恥ずかしくなるだろう……。まあ良い。貴様、吾が見えているのじゃろう?」

「……え?」


139 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:54:51 ID:OyoZvJQA
 少しほほを赤らめたミカエルが言った言葉が理解できず、僕は反射的に聞き返した。

「だから見えているのじゃろう? もともと天使は超次元的な存在じゃ。普通の人間なぞに、見えてたまるか。おぬしが吾を見ることが出来る、ということは、貴様は救世主だということじゃ」

「……えぇと……」

「貴様、経験があるはずじゃ。次元のひずみを、空間のほころびを、世界がないておる瞬間を見たことが。超次元的な感覚を持つこともまた、救世主にとっては必要な技能じゃからな」

 うむ、とうなずいてミカエルは僕の額に手を触れる。その感触が何か、その、ええと、なんて言っていいのかわからないけど、その、暖かくて、僕はびくりと体をはねさせた。

「これ、動くでない。今から、貴様の中の救世主の力を一時的に解放させる。いいか、この感覚を忘れるでないぞ? 極力、吾らが救世主に力を貸すことは禁じられておるのじゃからな。
今回だけの特別大さぁびすというやつじゃ。べ、別に先ほどの食事の礼というわけではないからな! か、勘違いするでないぞ!?」

 ミカエルがまたほほを赤らめながらそういうと、ぼうっと彼女の掌に光がともる。
 ――瞬間。

「――ぇ? ぅうぅぅうわぁっ!」


140 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:55:22 ID:OyoZvJQA
 体の中から、溢れんばかりの“ナニカ”があふれ出す。えぇと、あれだ。体中の毛穴という毛穴から、汗が噴出する感覚。そんな感じ。……違うか。
 しかし、何故か脳は混乱していない。ただ、情報の渦が、僕の脳に刻まれていく、そんな感じ。だから、こうして妙に冷静に思考できる。
 だからだろう。

 ――僕の様子に満足げにうなずいていたミカエルが何気に足をもじもじとすり合わせていたのに気付いたのは。

「……む、ぅ、あ……」

 発情している。ぼうっとした頭で、そう考えた。なぜだかはわからない。そう考える思考力すら、今の僕には無い。
 ただわかるのは――

 ――潤んだ目でこちらを見つめる絶世の美女。

『どうしますか?』

 そんな言葉が、脳内に響いた。


・押し倒してみる
・エッチは悪いことではないと説き伏してみる
・キスしてみる



141 :偽きゅーせーしゅ :2006/10/26(木) 08:55:56 ID:OyoZvJQA
『てんしどーじょー』
翔「はい、始まりました『これ、なんてエロゲ?』」
ミカエル「『このこーなーでは、せんたくしがたえろしょーせつ、『これ、なんてえろげ?』のひんとをしょーかいします』。……これはなんじゃ、カケル。舌足らずな声でいけ、という指令が書いてあるのじゃが、これでよいのかの?」
翔「ん、カンペ。ぐっどぐっど。僕の浪漫回路はスーパーフル起動だから。まあとにかくとりあえず、エロ小説なのにエロがないという暴挙に出た作者、おこらないから出てこーい」
ミカエル「待てい」
翔「なに、ミカエル?」
ミカエル「……“えろしょうせつ”とななんじゃ?」
翔「……(無言で美少女文庫を渡す翔)」
ミカエル「……(無言で美少女文庫を読みふけるミカエル)」
ミカエル「……(徐々に顔が赤くなっていくミカエル)」
ミカエル「……(体がプルプルと震えてきたミカエル)」
翔「……ミカエル?」
ミカエル「ふ、」
翔「『ふ?』」
ミカエル「ふざけるなーー!!」
翔「うわっ!?(天使ビームで吹き飛ばされる翔)」
ミカエル「なぜ、なぜこの吾が人間などと、え、えっちをしなくてはならん!? え、えっちなのはいけないとおもうのじゃ!?」
翔「ミカエル、キャラかぶってる」
ミカエル「む、そうか、気をつけよう……って、そうではない! なぜ、吾が、そのっ、か、カケルとえっちをしなくてはならんのだ!? い、いや、その、貴様とえっちをするのがいやだというわけではなくてだな、その、もっと“むーど”なるものを大切にだな……!」
翔「はい、ミカエルさんが言ったとおり、えっちにはムードが大切です。ミカエルさんは恥ずかしがりやなので、襲い掛かったり、理路整然と話したりすると吹き飛ばされたり正気に戻ったりするので気をつけましょう」
ミカエル「……カケル、誰と話しておるのじゃ?」
翔「ん、ある意味神様」



290 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:23:53 ID:Y1anOvWP

・押し倒してみる
・エッチは悪いことではないと説き伏してみる
→・キスしてみる

「……ぁ」

 ミカエルの唇から小さく声が漏れる。
 わけがわからない。救世主の力を解放してみれば、いきなり自分の体が熱くなっていた。かろうじてわかるのは、何故か自分は目の前の男を求めているということだ。
 ふざけるな、と思う。
 自分は大天使だ。神にすら迫る力を持つ、全ての天使の中でも頂点に位置する位の存在。そんな自分が、人間ごときに体を任せるだと?
 いや、確かに目の前の人間は好ましく思っていた部分はある。決して、料理がおいしかったとか、料理を作ってくれたとか、温かみを感じてしまったとかそんなことからではない。
 しかし、それでもこんないきなりは嫌だった。
 こういうのはもっと段階を踏んで、夕焼けに染まる海沿いなんかの公園で静かにキスなんかをした後“ろまんちっく”に済ませるのだと、同僚のラファエルがよく言っていたのを思い出す。


291 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:25:03 ID:Y1anOvWP

 ――そうじゃ、こういうのは“ろまんちっく”に済まさなければいけないのじゃ。

 かろうじて、そう思えた。そして、迫ってくる少年を吹き飛ばそうと、力をこめる。

「――な」

 だが、いくら力をこめようと、力が発動しない。いや、自分が自分でそれを阻止しているのだ。
 もう一人の自分が、目の前の人間に体を任せるという甘美なささやきをもって、自分を侵食している。
 いくら抗おうとも、それは次第に、確実に大きくなり、そして――


 ――二人の唇が、重なった。


 これ、なんてエロゲ
 に!




292 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:26:29 ID:Y1anOvWP


 ちゅぱ、とみずみずしい音が、リビングに静かに響く。
 ついばむようなキス。それを繰り返しながら、翔はゆっくりとミカエルを押し倒そうと力をこめる。

「や、やめよ……」

 制止の言葉に力は無い。翔の腕を掴むミカエルの手は、求める女のそれだった。

「……ぅぁ……」

 静かに、カーペットの上へと横たえる。真紅の髪が、純白のカーペットの上に広がった。
 もう一度、キス。顔を真っ赤に染め上げたミカエルの美貌が、目の前にある。
 
「ミカエル……」

 もう何がなんだかわからなくなった。頭がぼうっと熱を持ち、思考回路を保てなくなる。
 いまだ、体の中からは何かが噴出しているのを感じる。しかし、不快感はない。それどころか、それは“この先”の知識を与えてくれていた。
 
「……ぁっ」

 ビクン、とミカエルの体が反応した。翔の掌が、ミカエルの豊満な胸に置かれたからだ。

「……止めよ……止めよ……」


293 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:27:02 ID:Y1anOvWP

 制止の声を聞かず、翔の手は動く。豊満な胸をもみしだき、ついばむようなキスを繰り返す。
 ミカエルの手が翔を押し戻そうとするが、もはやそれに力は無かった。
 まるでゴムのような弾力を持つミカエルの胸は、翔が掌をうごめかすたびそれを押し戻そうとする。その感触を楽しみながら、翔はさらに掌をうごめかした。
 すでに翔の息は荒く、目は血走っている。いかなミカエルと雖も、この先、何がおこるかはわかっていた。そして、もうとまらないことも。


 ――自分が、それを望んでいることも。


「ミカエル……」

「……んっ」

 耳元でささやかれた言葉が、まるで麻薬のように体中に快楽を流し込む。
 
「呼んで……」

 すでに翔の手は、ミカエルの服の中に入り込み、直接胸をいじっていた。その先端をはじくたび、ミカエルの体がビクン、とはずむ。



294 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:28:56 ID:Y1anOvWP

「……僕の……」

「あっ……んっ……」

 翔の手が、優しく、愛でるように、されどいやらしくミカエルの体を這い回る。そのたび、ミカエルの体にえもいわれぬ快感がはしり――

「……名前を……」

「……カケルぅ――」

 ――すでに、ミカエルからは抵抗が消えうせていた。

「あっ……、あぁっ……」

 ついに翔の手が、ミカエルのぴっちりと閉じられている内股に差し込まれた。撫で付けるように、ゆっくりと手が這い回る。

「足……開いて……」

「……くっ……」

 その声に反応し反射的に開きそうになる足に力を入れ、なお閉じる。しかし、それは長く続かなかった。



295 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:29:40 ID:Y1anOvWP

「……あっ……やっ……」

 ミカエルの耳筋を、何か生暖かいもの――翔の舌がなめあげ、思わず体中から力が抜ける。その瞬間、ついに翔の手はミカエルの秘所へとたどり着いた。

「――あっ!」

 ひときわ、ミカエルの体が赤く染まり、大きく跳ねる。すでにそこはお漏らしをしたかのようにぐっしょりと濡れ、腰布はすでにその意味を成していなかった。
 
「ミカエル……濡れてるね……」

「うっ、うるさいっ! もう満足したじゃろ、さっさとどくがよ――あぁっ!」

 翔の言葉に幾分か理性を取り戻したのか、ミカエルは顔を真っ赤にして叫ぼうとする。しかし翔の腕は止まらず、彼女の秘所を上下になで上げた。
 たまらず、声を出す。そのことにさらに羞恥を感じ、自らの手で自分の口を押さえるようにふさいだ。
 しかし、それすらも翔の手によって取り払われる。



296 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:30:31 ID:Y1anOvWP

「ダメ……声……聞かせて……?」

「……やぁぁ……」

 もうその声にすら力は無い。制限されているとはいえ、本来ならば一にらみで海すら両断するその目は潤み、白桃のような肌は上気しきっている。
 欲情した女。
 全ての天使の頂点に位置する大天使、その中でもトップクラスの力を持つミカエルはしかし、すでにそれであった。

「んっ……あっ……くぅっ……」

 もたらされる快楽をこらえ、声をこらえ、しかし足はゆっくりと開いていく。すでに翔の体は足の間に入り込んでおり、もう足は閉じられなかった。

「ミカエル……」

「〜〜〜〜っ!!」

 かちゃかちゃと、金具の音が聞こえてくる。見れば、すでに天高くそびえるそれが姿を現したところだった。
 その様子には、翔すらおぼろげな頭で驚いていた。自分のモノは、ここまで大きくなかったはずだし、ここまで張り詰めたことも無い。


297 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:31:34 ID:Y1anOvWP
 だが、やることは一緒だった。 
 朦朧とした頭はそう決断を下した。

「ミカエル……脱がす……よ……?」

「あっ」

 返事も聞かず、腰布を解く。隠すものも何も無い、秘所が姿を現した。
 そこに、亀頭を近づける。その感触にこの先がわかったのだろう、きゅっとミカエルの体が縮こまった。

「ミカエル……いく、よ……?」

 すでに余裕は無い。ここまで持ったというのが、すでに奇跡に近かった。
 しかし、それをミカエルの腕が阻んだ。

「ま、待て……」

「……何?」

 もう我慢はできそうに無い。朦朧として入るが、間違った方向にはしった一抹の理性は暴走しようとする自分をかろうじて押さえ込んでいる状況なのだ。これ以上は、もう暴走してしまう。
 しかし、翔の危惧とは裏腹に、ミカエルは潤んだ目で見上げ、震えるように口を開いた。


298 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:32:35 ID:Y1anOvWP

「……先に……キスを……するのじゃ……」

 幾度も言うが、ミカエルは絶世の美女である。そんな彼女が、上目遣いで、それもほほを羞恥に染め上げながらそんな言葉をつぶやけば、どうなるか。
 答えは簡単である。

「――ミカエル!」

「んっ……んんっ」

 ぷつん、と翔は自分の理性の大部分をつむいでいた糸の大部分が切れたことを、どこかで自覚した。それでも暴走しなかったのはさすがというべきか、ミカエルの希望通りに再度翔の唇がミカエルの唇をふさぐ。
 今度はついばむようなそれではなく、深くつながるそれだった。
 
「ん、……んぅ……」

 次第に、ミカエルの体から力が抜けていく。それを肌で感じながら、翔は亀頭を秘所へとさらに近づけた。

「……いくよ」

「……ん、……く、来るがよい」

 ぎゅっと目をつぶり、受け入れる体勢を作る。翔はゆっくりと進め――


299 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:33:54 ID:Y1anOvWP

 ――つぷ

「んっ!」

「くぅっ!」

 ミカエルはその違和感に、翔はその快感に、それぞれ声を上げる。
 しかしそれでは止まらない。翔はそのまま腰に力をいれ――

「ああっ!」

「〜〜っ!」

 再び、声。
 翔のペニスは、根元までその姿を埋没させていた。

「入っ……た、よ……、ミカエル……」

 あまりの快感に、すぐに暴発しそうになりながら、翔はミカエルの顔をのぞく。
 そして、そこにあるのは快楽に満ちた顔――ではなく、

「――そ、そうか……、入ったか……、っつ……。ど、どうじゃ、吾の膣は……気持ち良かろう……?」

 苦痛に満ちた、顔。

「――ぇ」

 呆然と声を漏らす。あわてて結合部を見れば、真紅の陰毛に隠れてよくは見えないが確かに幾筋の血が流れている。
 ――初めての、証だった。

「――あ」

 さっと、頭が冷える。
 自分は一体何をした? 嫌がる女性を、無理やり襲った。たとえ向こうが欲情していても、それは変らない。

「ご、ごめっ――え?」

 あわてて腰を引こうとするが、しかしそれは腰に回されたミカエルの足によって止められていた。

「莫迦者……っ、……やめるで、ない……」

「で、でも、無理やりに……!」

「莫迦者っ……、この吾が、っつ……いくらっ……魅了されようとも……っ、簡単に体を開くとっ……思っておるのか……?」

 痛みをこらえ、涙を目じりにたたえながらも真剣に話すそのさまは、翔をまたもぼうっと昇らせるには十分だった。
 そしてさらに、そこにミカエルの追い討ちがかかる。

「最後までするがよい……っ……、光栄に思え……吾がっ、受け止めて……やるっ……存分に、貪るが良い……っあ!?」

 最後まで聞かず、翔は動き出した。
 もとよりミカエルの秘所は、十分すぎるほど濡れており、動くには何ら問題は無い。膣圧は強いが、それも翔の快感を増幅させるだけだった。


300 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:35:04 ID:Y1anOvWP

「あっ、くっ、……んっ……、うぁっ、……んっ」

 そしてはじめは苦痛をこらえるミカエルの声にも、次第に甘さを含んだものになっていく。
 残った一抹の理性が何とかコントロールする腰の動きは、抽送というにはゆっくり過ぎるものではあったが、逆にそれがミカエルの痛みを和らげるものとなっていた。
 翔の方も、極上の快楽はゆっくり過ぎる動きで十分であったし、現にもう限界であった。
 
「ミカエル……ミカエル……!」

「んっ……カケッ……あっ、……ル……ッ!」

 耳元でささやかれるその声も、もう快楽しかもたらさなかった。触れる全てが、全てが気持ちよく、いとおしく。
 すでに純白のカーペットは少しの赤と、まるでお漏らしをしたかのような愛液によりびしょびしょだった。
 
「……くっ……ミカエル……ッ……ミカエル……!」

「カケル……ッ、……カケルぅっ……ッ!」

 そして、その終焉は訪れた。
 ぐっとミカエルの背が反り返り、純白の翼がピン、と引きつるように大きく開かれる。
 どくっ、どくっと白濁液が胎内に注がれ、ミカエルは初めてながらも絶頂を経験していた。






301 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:36:10 ID:Y1anOvWP


「む〜〜〜〜」

 深夜、キングサイズのベッドの上で、ミカエルは唸っていた。その隣には、甘えるように胸に顔をうずめた翔の姿がある。
 あの後、崩れるように寝てしまった翔を連れてベッドを探したところ、何故かキングサイズのベッドを見つけ、彼を寝かしつけた。しかしその瞬間に抱きつかれしまい、現在に至るというわけだ。

「むぅ……あっ、これ……」

 甘えるように乳首を吸う少年の額を軽くはたきながら、ミカエルは小さくため息をついた。
 結局、体を許してしまった。まあ、別に嫌だったわけではないのだが。
 たとえチャームがかかっていたとしても、少なからずはいいと感じてしまった自分も確かにいたわけだし、後悔もしていない。
 それに……

「メタトロンの奴め……何があったらわかる、じゃ。これでは、まるで二千年前の再来ではないか……まさか、救世主でありながら『供物』であるとはのう……」

 これは予想だにしていなかったことだ。
 全ての大天使が、捜索に駆り出されることだけのことはあった。

「それに……」

 ミカエルは自分の胸に顔をうずめ、幸せそうに寝息をたてる少年を見つめる。
 その、おく。
 少しだけだが、“魔力”の残滓が感じられた。



302 :偽きゅーせーしゅ :2006/11/02(木) 05:37:07 ID:Y1anOvWP

「……これは……チャームと……それに、強制的な催眠がかかっておるのう。巧妙に隠しておるが……それでも、吾の目は逃れられん」

 ぽうっと掌に光がともる。それは優しく、愛おしいものを抱きしめるように、翔の体を包み込んだ。
 それを確認し、ミカエルは満足げにうなずく。

「……うむ。これでよい。……しかし、救世主の力に目覚めておらんかったとはいえ、カケルに力を行使するとはのう……」

 それは、すでに上級クラスの悪魔かそれに準ずるものが翔の周りにいたということだ。
 おそらくは――学校の中に。

「『供物』であることには気付いておらんようじゃの……もし気付いておれば、真っ先に殺されておるじゃろうし……むぅ、何故かむかむかしてきおった」

 翔の魂が悪魔に取られることを想像し、一人憤るミカエル。
 しばらくうんうん唸った後、うむ、とうなずいた。

「……仕方ないのう。吾も学校とやらにもぐりこむとするかの。そうなればカケルを護るのも楽じゃろうし、カケルと一緒におれ――はっ、違うんじゃ、吾はただカケルを護りやすいようにとの……!」

 にやけそうになる顔を必死で押さえ、ほほを染め、自己弁護に走るミカエル。
 大天使ミカエル。
 ツンデレ全開の夜だった。


 



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