【3P】ハーレムな小説を書くスレ【二股】
183 :120=176=キュンキュン ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:01:00 ID:5dyfH/Xg
というわけで、投下予告してだいぶ時間が過ぎましたが、
これから、ファンタジーエロハーレムSSのプロローグと第一話投下します。

タイトルは、『へたれエロ勇者』

尚、今作品には、媚薬体質な主人公が唾液とか精液とか汗で女の子をめろめろにする描写があります。
そういうのが苦手な人は、NGワード登録ぷりーず。

あと、今作品には、女の子がすっぽんぽんで土下座するという描写があります。
そういうのが苦手な(以下略

184 :へたれエロ勇者 VS 超力ババア 1/3 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:06:16 ID:5dyfH/Xg

「……と、言うわけで、お主にはこの世界を救って貰わねばならぬ」

 目の前のしわくちゃババアが、長い長いなが〜〜〜い説明を終え、
 満足そうにうなずいて、俺の肩をぽんぽんと叩いてきた。

「死ね、クソババア」

 未だかつて老人というものはいたわって扱ってあげなければならないものと思って生きてきた。
 だけど、今日からはその考えを改めなければならないだろう。

 俺こと山本克紀(やまもとかつき)は、ファンタジーな異世界に来てまず最初にそう誓った。

「ま、待ちやれ、勇者殿!」
「うっせー、触んなクソババァ!」

 自宅でほおばっていたスナック菓子のカスがついたままの服を払い、足早にくちゃくちゃババアから逃げようと出口を目指した。
 が、くしゃくしゃババアは俺の腕をがっしと掴み、異様に強い力で離さない。
 腕を引きはがそうと抵抗を試みている間、ババアはなんだか舌足らずな口調で俺を必死に抑えようとしている。
 顔を真っ赤にして口を開くたびに唾が飛んできて、とてもばっちぃ。

「いいかっ! 俺は勇者でもなんでもねぇんだよ!
 現代日本に生きるただのしがない一人暮らしの一山五百円くらいで売られている男だっつーの!」
「ええぃ! 勇者になれば、毎日毎日、女の子がバイトのレンタル店から恥ずかしい思い借りてきたAVで、
 一人寂しくシコシコ抜いている生活から一転、
 街を歩けば何もせずとも女の子がところ構わず股を開いてくれるバラ色生活が味わえるのじゃぞ!」
「犬、とお呼び下さい、オババ様」



        へたれエロ勇者 VS 超力ババア



 俺こと山本克紀は普通のぷー太郎。
 やりたいことがあって大学に行ったのだが、残念ながら何もやれなかった。
 就職もせずに、バイトをして生活を続けていたのだが、やっぱりそろそろまっとうな仕事に就きたい、と思い、
 色々と就職活動をし始めた二十六歳。
 それはそれとして、古アパートで一人で菓子を食っている最中に転機が訪れた。

 確か、近所のレンタルビデオ店のバイトの子に顔を覚えられるという何とも苦痛な体験をし、
 その痛む心を癒そうと近所の古本屋で中古のAVを買い、それでシコシコやっていた最中のことだった。
 うっ、と声をだし、どぴゅっと発射すると、目の前で四角い箱の中でアンアンあえいでいた娘さんが消え、
 代わりにしわくちゃババアが、俺の精液を頭からかかり、ぽっと頬を赤らめていたのだった。

 ババア曰く、「あなた様は魔王を倒すために召喚された勇者なのぢゃ」ということらしい。
 ちなみに召喚したのは、ババア。

 このババアが中々厄介モノだ。
 この世界で一番でかい国の国教であり、グローバルに展開する宗教のすっげぇ偉い人……ではなく、
 ただの偏屈なババア。
 賢者というより、よいところ奇人変人、悪く言われりゃキチガイと周りから評価されている御人。
 しかし、実力は折り紙付きで、世界を救うための勇者(つまり俺)を召喚しなければ、
 魔王によって世界が滅ぼされるという予言をしたらしい。
 ただ、見かけが極悪、言動も常人には理解不能、さらに挙動が不審。
 誰に言っても信じてくれないので、一人寂しく俺を召喚したらしい。


185 :へたれエロ勇者 VS 超力ババア 2/3 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:10:00 ID:rgLFDBg3

 へぇーそりゃよかったね、というわけで。
 俺はそんな説明よりも、「街を歩くだけで女の子が股を開く」という話の方がよりよく知りたいことだった。

「うむ。世界を救ったあかつきには、そのくらいの特典は軽い軽い。
 王国の王女をメロメロにすることも可能じゃよ、カッカッカ」

 納得だ。
 なるほどファンタジーの世界であれば、それもそうか。

「ほほう。それで、俺は特に何もできないが、どうやって世界を救えばいいんだ?」
「ふぇっふぇっふぇ。心配すな、若人よ。
 そなたには異世界の勇者の血が流れておる。
 今はまだその血が目覚めておらぬが、何、目覚めさせるのは簡単じゃし、
 お主とて、その血を目覚めさせる方法は嫌いではなじゃろうし」

 ふぇっふぇっふぇと、しゃべるだけで真っ黒黒助が召喚できそうな歯を剥き出しにして笑い、
 ババアは俺にその気色悪い顔を寄せ、俺の耳元で囁いた。
 ところで俺の親父って勇者だったのか。すげーな。

「女と交わうのよ。無論、一回や二回という数ではない。
 何十、何百、いや何千と交わえば、そなたの力は引き出せよう」
「ま……マジけ?」

 せ、セックスするっつーことだよな。
 な、なんてうれし……あ、いや、不道徳的な力の解放方法なんだ!

 だがしかし、世界を救うためには致し方ないわけで、俺も本当はこんなことをしたくはないんだけど。

「ふぇっふぇっふぇ。若いとはええのぅ。ほれ、涎が出とるぞ」
「うっ……」
「ま、呆けるのはそのへんにしてもらって、これから必要な儀式に取りかかるぞえ」

 必要の儀式?
 そ、それは所謂男と女の肉体が織りなす神秘という奴……なのか?

「残念じゃが、そうではないの。勇者殿、注意せねばなりませんぞ。
 思っていることが口からぽろぽろ漏れているのでな。
 儀式とゆーのは、ま、勇者殿に一旦石像になってもらわねばならんのじゃよ」

 は? 一体何を言って居るんだ、このババア。

「だから、口から漏れてるっちゅーに。
 まあええ。世界が滅びるにはまだちょいと時間がかかるのじゃ。
 それまでぼうっとしてられるのもなんじゃし、ぶっちゃけそんなことをされとると邪魔じゃから、
 まあ、石像にでもなって時間を潰して貰おうかと」
「お、おいおいおい! なんだよ、それは!」
「星辰の関係で勇者を召喚できるタイミングは今夜だけじゃったんじゃよ。
 まあ、固いことは言いっこなしじゃ」


186 :へたれエロ勇者 VS 超力ババア 3/3 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:11:58 ID:rgLFDBg3

 ババアは非常に身勝手なことを言って、何か呪文のようなものを唱え始める。
 やばいっ、と思って走って逃げようとすると、何故か何もない空間にぶち当たった。
 ぴろりん、と四角いウィンドウが空中に現れ、

『カツキは逃げ出した!
 しかし、回り込まれた!』

 と、意味深で不思議な言葉が表示される。
 ザッツ ファンタジー。

 回り込まれていないのに、回り込まれたと表示されているところが芸が細かい。

「それぃ!」

 ババアの持っている杖から、赤い光線がビョビョビョビョビョムっと発射され、
 体全体に鋭い痛みが走ったかと思うと、足がずんと重くなってきた。

「う、うわあああああ! アクトレイザーーーーーー!!!!」

 足に目を向けると案の定、足はカチコチの灰色の石に。
 段々と生身と石の境目は上に上がってきて、今はチンコ辺りがもうその変化に飲み込まれている。

「た、たすけ……」
「ふぇっふぇっふぇ。大丈夫じゃよ。何、待つといっても……そうさなぁ、一世紀くらいじゃて。
 無論、石になっている最中、退屈せんようにずっと意識はあるままじゃがの」

 何そのガタノソア!!! ふざけてるの!?
 意識を持ったまま石化って、とあるお山に偽物の巻物を持って挑んだ間抜けな人の末路じゃねーか、ボケ!
 この、クソババア! おいてめぇ、ぶっころしてやる!

 という悲痛な叫びも虚しく、音にならなかった。
 なぜならば、もう口まで石化してしまっていたから。


 一体、どのくらい石にされたままなのか。
 俺にはそのとき想像もつかなかった。


187 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 1/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:26:38 ID:rgLFDBg3

   へたれエロ勇者 VS レズ女魔族


 あれから何年が経っただろうか。もう、数えていない。
 ババアが俺の目の前をあくせく生活していたときすらなんだか懐かしい気がする。

 俺が完全に石化してから、やっぱりアクトレイザーよろしく石像となり、何年も過ごしてきた。
 当時、ババアの年齢は70歳だった。
 ババアが石像化した俺の前で、この世界の一般常識とか文字とかを教えてくれていた(と言っても一人で語っていただけだが)ときに
 ついでに自分の年齢まで教えてくれたのだ。
 びっくりすることに、明日の朝ベッドの中で冷たくなっていてもおかしくないくらいしわくちゃでよぼよぼなババアはその後、
 当時まで生きてきた年数よりも長く生き、160なんぼくらいで天寿を全うした。

 まあ、九十年もあのババアと強制的にとはいえ同居してきたわけだ。
 死んだときには少し悲しくなったりしたりしたわけだが、それもその後十年くらいしたら忘れてた。

 んで、ババアが死んでからは、ババアの住んでいた屋敷は言うまでもなく老廃していった。
 最初の数年くらいは、人間の盗賊みたいな連中が中に入ってきて、中にあったババアのマジックアイテムを盗んでいったり、
 ババアが趣味で作ったトラップにひっかかって、バーニィの末路より酷い状態になってたりしてた。
 五年ほどするとたまに迷い込んでくる人間もいなくなり、代わりにモンスターが住み着くようになった。
 更に三年ほど経つと、この屋敷は強力なモンスターの拠点になっていた。
 そのモンスターがまたぴちぴちバディーのいい女。
 かなーり力を持ってる女らしく、確か「女伯爵」とかそういった貴族さん生まれらしい。
 んでまぁ、数ヶ月前にゃその女伯爵さん達が部下を集め何かを目論んでおり、
 そしてつい一ヶ月前その作戦が決行され、三日前にはどこぞのお姫様を誘拐してきた。

 そのお姫様もまた美人で、全く持って結構なお手並みで、な感じのお姫様。
 魔界に連れて行って魔王様に献上するだとかそういう話が聞こえてきて、今日、その儀式が行われるはずだった。

 が、そこへ現れたのは彼女を救うパーティご一行様。
 騎士に魔法使いに獣人に格闘家に僧侶、何故かエルフと侍。
 あと、騎士とも魔法使いとも付かない格好をした人が一人いて、その人がパーティのリーダーらしい。
 格好からじゃわからないけど、一体なんの職業なんだろ、この人。

 全員女性……それも美女揃いな、という傍観者な俺にとって中々嬉しい構成だ。
 是非とも、ここは魔族の女伯爵殿に勝ってもらって、
 敗北したパーティはファンタジーらしく触手でヌチョヌチョでエロエロな辱めを受けて貰いたい。

 といったエロ妄想をしてもチンコが石だから勃たないのがものすごく悲しかった。
 くそう、ババアが、魔法で召喚した本物のエッチ戦対応の触手ローパーを見たことある分だけ、
 リアルな妄想ができるというのにッ!
 何故そんなローパーをババアが召喚したのかは聞かないでくれ。
 俺に殺されたくないのならな。

 俺のそんな嘆きに誰一人気付くことなく、戦闘を始めるパーティ&魔族ご一行様。

 魔族側は女伯爵殿をリーダーとし、物量で押す。
 逆に人間側は、あの戦士とも魔法使いともつかない格好の人をリーダーとし、
 ナイスなコンビネーションとすさまじい技術での、質で戦う。

 ジオンと地球連邦ほどの物量差がありながら、どんどんと人間側が押していく。
 そしてついには、人間側のリーダーが女伯爵様の隙をついてお姫様を奪回した。

 人質までも奪われてしまった魔族側は、大ピンチ。
 アンパンマンなら、頭じゃなくて体の方を再起不能にさせられてしまったかのごときピンチ。


188 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 2/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:27:24 ID:rgLFDBg3

 だが、女伯爵様はババアが仕掛けていたこの屋敷のトラップを全て発動させた。
 爆音やら破砕音とともに小刻みな揺れが屋敷を襲い、辺りのものを片っ端から破壊していく。
 人間側も魔族側も動けず、無論、俺も動けない。
 しばらくして揺れが収まったと思ったら、地面からまばゆい光が放たれた。
 気が付けば、魔族も人間もほとんど姿を消し、この場に残っているのは両軍のリーダーのみ。

 魔族の女伯爵様は語り出した。曰く、これは全部芝居だった、と。
 人間側のリーダーを一人に孤立させ、殺すことが目的だった、と。
 しかし、お姫様をエサに使うとはなんとも割に合わない作戦のような気がするが。
 ひょっとしたら虚勢を張っているだけなのかもしれないな。
 もしくは、このリーダーがお姫様より大物……というと、なんだろうな。
 そういう重要人物には見えないし、第一そういった人が第一線に出てくるわけもなさそうだ。

 ちなみに、人間側のパーティの人達を殺すことはせず、屋敷の外の結界に閉じこめているらしい。
 無論、魔法使いが結界を破り、再びこの屋敷に入ってくるまでの足止めとして
 この屋敷一帯にいる魔物も一緒に転移させたんだとか。
 パーティの人達が来るまでの時間はたっぷりあるし、もしかしたら魔族にやられちゃうかもしれない。

 一人の残された人間のリーダーは女伯爵様と戦わなければならないわけだ。

 両者は俺の目の前で戦いを始める。

 なるほど女伯爵は強い魔力を持って、ド派手な魔法をばんばん使う。
 人間のリーダーも剣術に魔力に知恵と勇気をあわせ、奮闘する。
 他のパーティのメンバーの助力がない分人間のリーダーの方が圧倒的に不利。
 更に、女伯爵は、ババアが使っていた『魔力増幅陣』なんてものを発動させ、魔法の威力が上がっている。

 ただ俺は、そろそろ始まるであろう触手ヌチャドロプレイに心躍らせていた。

「死になさいッ!」

 女伯爵がとりわけ長い呪文を唱え、足下にいくつもの魔法陣を展開させる。
 女伯爵の手がうねうねと動き、奇妙な印を結ぶと、ものすごい熱量の光線が発射された。
 人間サイズ版のバスタービームライフルとでも言うのか、光線は幅広で射程も長そう。
 人間リーダーは逃げることも避けることもできず、羽織っていたマントで体を覆った。

 ……なんだよ、消し炭かよ! 触手プレイはないのかよ! このバカ女伯爵!
 折角楽しみにしてたのに、こんなことは酷すぎる!

 と、思っていたのも束の間、光線が止む。
 すると消し炭になっていたかと思っていた人間リーダーが、突然煙の中から姿を現し、
 女伯爵を手に持っていた袈裟切りにした。
 驚くことにあのマントで光線をしのいだみたいだ。
 焦げ一つないマント……すごいな。
 こんなものを持っているなんて、人間リーダーは一体何者?

 触手プレイがなかったことにちょっと落胆しつつ、俺はとりあえず同じ人間として心の中で拍手をしていた。
 残念だったけど、これで世界の平和が守られたのならいいだろう。

 ……あれ? なんかちょっと忘れてることがあったような気が……。

 ……うーん……あ、俺が世界の平和を守る人じゃん。俺、勇者じゃん。
 この十年ほどすっかり忘れとった。いやー、困った。
 ずっと石像をやってたから、石像になりきっちゃってた。
 こりゃ、うっかり(SE:大笑い)

 それにしても、俺はいつ脱石像できるのかなぁ。


189 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 3/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:27:58 ID:rgLFDBg3

「甘いわね」

 一人考えにふけっている間に、女伯爵が復活を遂げた。
 いや……復活じゃない。
 人間リーダーに斬り捨てられたように見えた女伯爵だが、幻影の術か何かを使っていたらしい。
 本体は人間リーダーの背後の煙に隠れていて、とどめをさしたと思いこみ油断したところに一撃を喰らわせたのだ。

 人間リーダーは手に持っていた剣を落とした。
 どうやら女伯爵は、金縛り系の魔法か何かを使ったようで、人間リーダーはその場からぴくりとも動かなくなってしまった。
 腕だけが弛緩しているのか、だらんと垂れ、持っていた盾も地面に落ちる。
 女伯爵は足で、剣と盾を一蹴りして遠い場所に動かした。
 念には念を込めてなのか、その豊かな胸の間から小瓶を取り出し、中に入っていた液体を彼女に飲ませた。
 恐らく、その液体は、体内に溜まっている魔力を霧散させる類のものだろう。
 ババアがそんなものをいくらか持っていたような気がする。
 そんなまどろっこしいことせずとも、毒を飲ませればいいじゃないか、というのは素人の考え。
 人間によっては、びっくりするほど毒に耐性がある奴が、この世界にはいるらしい。
 安易に毒を盛り殺した気になっていたら、後ろからズブリ、なんてことになったら、笑えもしない。

 さて、ここからお楽しみタイムですぜ、旦那。
 人間リーダーさんは、金縛り状態。
 女伯爵は、高飛車でどう見てもSです。本当にありがとうございました。

 というシチュエーションで、やることは一つ。
 触手プレイです。

『も、もうこんなことはやめましょう』
『うるさい! だったらこの触手でプレイしてみろよ! しょ・く・しゅ! しょ・く・しゅ!』

 俺、ものすごく興奮してますよ。
 しょ・く・しゅ! しょ・く・しゅ!

「ククク……せめてもの情けだ。一息に殺してやろう!」

 え!? ちょ、おま! 何その勿体ない行為!
 お前いい加減お約束に背き過ぎ!
 いいから触手出しやがれ、こら! 触手、触手!
 やだやだー、触手ないとやだー!

 だが、おしなべて世は非情なもの。
 女伯爵は、長い爪を人間リーダーの喉に押し当てた。
 少し押すだけでブシュっと赤い液体が噴出し、
 その後、どんなにお楽しみをしてもネクロフィリアの称号がついてしまう。

 ううう〜……どうにもならないのか、この石像の体では……。

 と、思っているや否や、初めて俺の願いを天が聞き届けてくれた。
 女伯爵が光線で穿った屋敷の壁から、ふよふよと光の玉が入ってきた。

 あれが何を意味するかッ!
 あれはッ、アクトレイザーに出てくる天から降る光球!
 つまりッ!

 光の玉はふわふわと辺りを彷徨った後、こちらに気付いたのかまっすぐ俺のところに向かってくる。
 女伯爵と人間リーダーはまだ気付いていず、
 人間リーダーが何かを言い、女伯爵はちんたらトドメを刺さずにいる。

 光の球体が俺の胸の中に吸い込まれるように消えると、俺の立っていた場所にもう石像はなかった。


190 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 4/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:29:29 ID:rgLFDBg3

「おーれーさーまー、スペシャルデンジャラスサイキックバーニングスーパーうっぷんばらしキィィィーーーック!」

 久しぶりに吸う空気!
 久しぶりに動く体!

 ああ、なんて世界は色彩を放って居るんだ!

 俺のキックが女伯爵の横腹に命中し、女伯爵はその場から吹っ飛んだ。
 なんとか人間リーダーの女の子に傷一つない状態みたいだ。

 人間リーダーの女の子を見ると、目がなんかキラキラ光っている。
 ふふっ、そうだろうそうだろう。
 突然こんなすんばらしい男が現れて、女伯爵に奪われそうだった命と触手に奪われそうだった貞操を両方守れたんだからなッ!
 そりゃあもう、頬の三つや四つ染めていてもおかしくはないさッ!

 それより問題は女伯爵。
 この外道に、一言もの申さなければ俺の腹がおさまらん!

「さっきから見とればおんどりゃー!
 なんで勿体ないことばっかしてるんだ! 金縛りにされた女の子、そしてファンタジーな世界!
 と来たら確実にローパーのエロエロんな触手だろうが!
 それをお前はすぐに殺そうとしおってからに!
 くッ、死んだ! 様式美を愛でる伝統が死んだとでも言うのか!
 否! 死にはしない! ただお前がうつけだったからだ、このボケなすび! この大オナニー伯爵が!」
「お、お前! い、一体どこから!?」

 女伯爵が、イレギュラーな乱入者である俺の存在に気付いてびっくりしているのを無視して
 俺は猛烈に捲し立てた。
 ずっと石化していた間に溜まったうっぷんを全て吐き出すかのように、口が動く。

「毎日毎日、他の魔族がいなくなったらこの部屋でサルみたいにオナニーに耽りやがって!
 そのでかい胸をむにゅむにゅ揉んで、いやらしく腰をくねらせるんじゃねーよ!
 こんなエロイ体が目の前にあるのに手を出せないどころか、
 チンコすら勃たせることのできない悲しみを、お前は知っているのか! えぇ!?
 しかも何が『あぁ、魔王様……ステキです』だとぉ? あぁ!?
 魔王様は女じゃねぇかよ! このアホ垂れが。
 魔族で貴族で高飛車で、巨乳でそれに加えてレズだとここまでお約束をふまえているのに
 なんで、なんで……なんで触手を召喚しねぇんだよーーッ!」

 魂の叫びだった。
 ああ、しゃべれるってなんてステキなことだったんだ!

 心の奥底にため込んでいたものを全て吐き出すと、今度は全身の血が引いていった。

 あ、やべえ。女伯爵、キレてる。
 オナニーのことをバラしたの、やっぱりダメだったか。

 ちょっと落ち着こうとすると、ピロリンと音がなってウィンドウが展開される。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 Lv.1 HP 3/12 MP2/2 
  特殊技能 : ニュータイプLv1 補給技能 異世界の勇者の血脈 エロ妄想Lv24 ラクカジャ 」

 死んだッ! 僕もう死んだッ!
 ヒットポイントの最大値が12しかないよッ!
 ていうか、今3しか残ってないよ! 9も消費してるよッ!



191 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 5/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:31:04 ID:rgLFDBg3

 目の前には、オナニーのおかずをバラされ、とっても怒り心頭な女伯爵様。
 右手になにやら魔法陣を展開させて、オレっちを狙っています。
 やばい、死にます。

 特殊技能欄にある俺のニュータイプ能力、目覚めろッ!

『右に一歩、後ろに二歩、そして左に三歩じゃ!』

 そうかッ、俺のニュータイプ能力ッ! そう動くぜ!

 右に一歩動くと、女伯爵様とさっきまで立っていた俺の位置とを結ぶ直線上に炎が走った。

「うぁちぃ!」

 後ろに二歩動くと、俺が避けた場所に氷の塊が落下した。

「あいたッ!」

 左に三歩移動すると、さっきまでいた場所に黒い球体が浮かび、床をえぐり取っていた。

「ひゅー……よ、避けきった!?」

 びっくりだ。
 すごい、すごいぞ、俺のニュータイプ能力!
 何故地球の重力の井戸にとらわれている俺にニュータイプ能力があるのかわからんけど、とにかくすごい!

「なっ!?」

 女伯爵も、これにはビックリなのか唖然としている。

 すごい、すごいぞ、マイ直感!
 この能力さえあれば、世界征服も夢ではないッ!

『何を考えておるんじゃ馬鹿者! お主の能力じゃないわい!』

 何ッ!? 俺の能力じゃないのか!?

『ワシじゃよ、ワシワシ』

 たわし?

『バカなことを考えるな。ワシじゃよ』

 ああ、トゥスクルさんですか。

『そうそう、ワシはトゥスクル。領主様の部下に斬られて……じゃないわい。何わけのわからぬことを言っておるのじゃ!
 バンドー・ラ・ジュウレンじゃ』

 バンドーラ、ジュウレンジャー?

『ば、バカなことを考えるでないと言っておろう!
 『バンドー・ラ・ジュウレン』じゃよ! お主をこの世界へと導いた、ナイスでファンキーなばあちゃんじゃ』

 ああ、ババアか。でもなんでババア? 死んだよ、二十年くらい前に。

『うむ、確かにワシはそのころに死ぬじゃろう。
 今こうしてお主の頭に語りかけているワシは、ワシが死ぬ前に時を越えてお主と通信しとるのじゃよ』


192 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 6/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:31:58 ID:rgLFDBg3

 ほう、なるほど。そりゃすごい。頼りになるぜ、ババア!
 いきなり人を石像にして百年ぐらい放置した後、ごっつく強い魔族の前でわざわざ復活させて、
 それっきりなんてアホで間抜けなバカじゃなかったのか!
 恐竜戦隊な名前なんてさっき初めて聞いたけどな!

『まあな。ワシはなんてったって偉い魔法使いじゃからのう。
 ……あ』

 ん? どした?

『右に二歩』

 俺はババアの声がした瞬間に、そこから飛び退いた。
 床から炎の柱が噴出し、床と天井を一瞬にして蒸発させていた。
 危ないところだった。もう少しで消し炭だ。

 もうちょっと早く言ってくれよ、ババア。心臓に悪い。

『まあそう言うな。
 今ワシは遙か過去から予知能力であの魔族の攻撃を読んでおるのじゃが、予知能力というものは結構気まぐれでの。
 大まかな流れはつかめておるのじゃが、細かいところを予知するのには不安定でな。
 若干のタイムラグがあって……前に二歩』

 背後で何かがグサグサと突き刺さる音がした。
 振りかえれないから何かわからないけど、多分、刺さったら『即・死・亡』な代物だろう。

『左に1、右に2、前に4、マぁトぉリぃーックス』

 前方と後方から見たこともない奇妙な醜い生き物が出現し、飛びかかってきた。
 が、もう既に俺は横に動いており、二匹のケダモノは互いにぶつかって死んだ。
 その死骸を踏んづけて、右に二歩。
 どこからか岩が俺のいた場所にめり込む。
 再びあの奇妙な生き物が今度は左右から現れ、また同じようにぶつかって死ぬ。
 前に三歩余分に歩き、あの死骸から距離を取ったところで思いっきり上体を反らす。
 刃状の風が俺の腹を少しかすめて飛んでいった。

 すごい、すごいぞババア!
 よりにもよってマトリックスなんて古いネタ使うなんて!
 しかし、それで反応できる俺もすごい。
 このまま魔王に勝つまでサポートよろしく。

『こりゃっ! 甘えるんじゃないわい。今回だけ特別なのじゃ!
 右に二歩、その後あの魔族に向かって走れ』

 氷の槍の攻撃をかわし、猛然と走る俺。
 女伯爵はまるで事前に攻撃が来ることを察知しているように避ける俺を見て、少しビビッてるみたいだった。
 まあ、本当に事前に攻撃が来ることを察知しているわけですがね。

『左に二歩、そこで猛烈にチッスじゃ』
「な、なにゃっ!?」

 とがった土塊が床を突き破って出てくるのを回避したが、さしもの俺もチッスはできなかった。
 なんというか……したいことはしたいさ。
 目の前の女伯爵様は美人で冷たい印象があるが、中々キュートで、オナニーしたあと失禁しちゃったときもあるのだ。
 そんな可愛いおにゃのこに無理矢理キスするなんて……。


193 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 7/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:32:31 ID:rgLFDBg3

 いや、できないわけじゃないけど、むしろ歓迎したいけど。
 キスした瞬間、俺の首がはねとばされてるような気がするでよ。

『後ろに一歩、前に一歩。大丈夫じゃ、ワシを信じろ』

 えぇいままよッ!
 女伯爵が手にもった剣が空振りした後に再び距離を詰め、女伯爵の頭に生えた角を掴む。
 羊のようなくるっとした角で、中々掴みやすい。
 その角を無理矢理、引っ張ってこっちへ引き寄せた。

「な、何をッ!」

 追加で呪文を唱える前に唇を塞いだ。
 咄嗟に手を回し、余計なことができないように動きを封じる。

『唾じゃ! 唾をもうありったけ相手の口の中にいれるんじゃ!』

 そうかッ! わかったぞ!
 俺の体液はきっと多分媚薬なんだろう!
 なんでわかったかというと、昔読んだ官能小説でそんな設定のがあったからだ!

『何、頭の悪い考え方をしているのじゃ。
 と、言いたいところじゃが、全く持ってアホな連想な仕方とはいえ、その通りなのじゃよ』

 ウヮオ。冗談で言ったのに、的中してる。

『もうええぞ。キスをやめても』

 ババアはそう言ったけど、俺はそんなことを無視してキスし続けた。

 こちとら百年以上くすぶった色んな念がまだまだ残っているんじゃーッ!
 もっとねぶって、しゃぶって、むしゃぶり尽くしてやらぁーッ!

『若いってええのー』

 その若さのリビドーを無理矢理押さえ込んだのはお前だけどな。

『ふぇっふぇっふぇ』

 笑ってごまかしたか。まあいいや。

 女伯爵のあごをがっしと掴み、舌を噛まれないように固定したら、そりゃあもうもんのすごい勢いで食いついてやった。
 苦しそうにムゴムゴ言っているが、何、相手は悪魔だ。窒息して死ぬなんてことはないだろう。
 口の中のありったけの唾液を女伯爵の口の中に送り込む。
 もちろん、口の間から結構な量の唾液が溢れる。

 長い間唇に吸い付いていると、女伯爵のムゴムゴに少し変化が現れてきた。
 顔が上気して、なんだか目が潤んできている。
 顎も俺が抑えていなくても閉じなくなってきたし、ほとんどないに等しかった抵抗も、体がぐったりしてきたので更に少なくなっていた。

 ふむふむ……恐るべし、俺の唾液ッ、だな。
 ちゅぽん、と音を立てそうなほど勢いよく舌を抜き、唇を離す。
 女伯爵は桃色吐息で、少し焦点の合っていない目で俺のことをぼんやりと見つめていた。

「こッ……の! わたしに……何を……」

 ただ、怒ってはいるらしく、俺に恨みのこもった言葉を投げかけてくる。


194 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 8/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:33:03 ID:rgLFDBg3

『まあ、唾液ならこんなもんじゃろ』

 ふむ。精液を直に注ぎ込んでやれば、そんな気もなくなる?

『……お主、一応、勇者なんじゃし、勇者の力を目覚めさせるためという建前なんじゃから、
 そういったモロ悪者な発言は控えておいた方がええぞい』

 いや、思ってただけで発言はしてないんだが……。

『まあ、そんなことはええわい。
 もう察しが付いているとおり、精液の方が唾液より媚薬としての効果は高いのう』

 やっぱりね。これで唾液の方が効果が高いって言ったら詐欺だ。

『精液を膣の中に出した後、もう一度陰茎の出し入れを行えば、
 注がれた女はもうお主の体無しでは生きられぬようになるじゃろうな』

 何そのステキ設定。
 現実世界じゃ負け組負け組と後ろ指指されまくっていた人生だけど、異世界に来ただけでこんなに出世するなんて。
 雑誌についてる妖しげなネックレスの通販の広告よりも都合がいい。
 まあその代償として、石像にされてババアと同棲九十年、男やもめ十年ちょっと過ぎだけどな。
 ドラクエ5の主人公だってビックリだ。

「こ、殺してやる!」

 女伯爵は少し立ち直ってきたのか、ふらつく手の平を俺に向けた。
 すぐさま手のひらに魔法陣が現れ、魔法が出てくるエフェクトが結ばれる。

『そのまま動かなくてもええぞ。失敗するからのう』

 ババアの言葉通りに、女伯爵の手の平の魔法陣は全て結ばれず、効力は何も発揮されずに消えてしまった。

「くっ……この、馬鹿なッ!」

 それが意外だったのか、女伯爵は狼狽する。
 すぐさま新しく魔法陣を形成しようとするも、失敗する。
 こうなったらもうお終いだな。

 人間と壮絶な戦いを繰り広げる、力の強い魔族だったのに、今では俺のキス一発で腑抜け状態になっている。
 そのことが、俺の精神をこれ以上なく昂ぶらせた。

「何をした、貴様!」

 魔法が何度やっても使えなかったので、路線変更をしたのか剣をかざして、俺に問いつめようとしていた。
 こっちは魔法よりかもダメダメで、人間リーダーの持っていた野太い剣を拾ったことが更に災いし、
 剣を持つ手は定まらず、今にも倒れてしまいそうだった。

 元々魔法で戦うタイプで、剣や爪を使うときもスピードで勝負しているんだろう。
 それで全身から力が抜けた状態になってしまったのだから、うまく立ち回れないはずだ。

「キスをした。舌を歯と歯の間に滑り込ませて、相手の舌に絡ませもした。
 それだけじゃちょっと味けなかったもんだから、相手の口の天井も舌の裏も舐めたし、
 歯茎も歯ブラシしてるように舐めた。
 そのうち、君も気持ちよくなってきたのか、舌を自分から……」
「そ、そんなに丁寧に説明するな! 殺すぞ!」


195 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 9/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:34:14 ID:rgLFDBg3

 俺に言われたことで再び意識を昇らせたのか、顔を赤く染めて言った。
 むぅ……なんというか「お姉さんタイプ」のように見えて、案外シャイなところもあるもんだな。

 さて、そろそろ本番に行きますかぁ!

 俺はそばにあった椅子を掴み、女伯爵にぶん投げた。
 女伯爵は手に持っている剣を振り回し、椅子を斬ったりのけようとしたりしていたが、
 力の抜けた状態では両方ともできずに、尻餅をついた。
 その衝撃で剣が手から落ち、少し離れた場所に落ちた。

「あっ」

 女伯爵はとっさに転がってうつむせになり、落ちた剣を拾うため這いずろうとしている。
 ふふっ、甘い、あまぁぁぁーい!
 俺に背後を見せるとどうなるかまぁぁぁだわかっとらんようだなぁあああああ!

「ひゃっ!? な、何をする!」

 俺は女伯爵の上にのしかかった。
 当然、女伯爵は狼狽し、俺をどかそうと色々試みていたが、無駄無駄ぁ。

「こ、この、どけ! この下郎がっ!」

 さっきまでだったら、「はい、どきますぅ」と思わず言ってしまいそうな台詞だが、
 今だと、「ゲヘヘ、まんざらじゃないんだろ?」と本当にゲスなことを言ってしまいそうな台詞だ。

 でもちょっと生意気だったので、俺は女伯爵の耳を甘噛みすることで応えた。

「ひ、ひぃぃぃ! き、気持ち悪い! やめろ、こ、こ、こ殺すぞ!」

 本当に気持ち悪いのかわからないが、女伯爵は全身を震わせて藻掻いていた。
 ついついその反応が楽しくて、耳たぶを噛むだけに飽きたらず、内部を舌でほじくってみた。

「や、やめろぉ! こ、この、ぶ、ぶっとばすぞぉ……」

 段々弱々しく、そして熱っぽい声になってきた。
 ははぁ、なるほど、感じているな。

『遊ぶのもよいが、そろそろレベルアップしておいた方がよいのではないか?』

 さて、ババアも言っていることだしそろそろ次のステップまで行くか。
 俺に乗られて不自由な女伯爵とは違い、俺は自由に動けるので、さっと立ち上がり、
 女伯爵が取ろうとしていた剣を拾う。
 もちろん、女伯爵のために取ってやったわけじゃない。

「な、何を……」

 今まで散々なぶり者にしてきた男が、剣を持ったのは、
 ひょっとしたら殺すためかも知れない、という考えが浮かんできたのか慄然としている女伯爵。
 そりゃそうだろう、こんな大したことのないLv.1で何故かニュータイプ能力を持っている人間に殺されるなんて
 何にも代え難いほど屈辱的だろうし。

 まあ、殺さないんだけどね。それより遙かに屈辱的だろうけど。


196 :へたれエロ勇者 VSレズ女魔族 10/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:35:13 ID:rgLFDBg3

 手に持った剣で、女伯爵のズボンをずたずたに切り裂いた。
 もちろん、抵抗したが、抵抗したら殺すといったら、案外呆気なく大人しくなった。
 生への執着心は、これで結構強いのかも知れない。

 ただ、下着まで毟ったら、流石に耐えきれなくなったのか……。

「や、やめろ! 殺すぞ! 放せ、この人間がッ!」

 手足をばたばたさせて抵抗する。
 威嚇の言葉も、一旦は骨抜き状態でただ口から出ているだけだったのが、
 勢いと迫力を取り戻し、明確な殺意のこもったものになっている。

「何言ってるんだよ。ここを、こんなにしといて」

 女伯爵の背が反る。
 そんなにショックだったのかぶるぶると小刻みに揺れ、声を失っている。

 くちりという音とともに、女伯爵に突き立てた指を抜いた。
 一気に挿入した中指は、女伯爵の愛液に濡れ、湯気を立たせている。

 顔がこちらをむいていないので表情はわからない。
 どんな顔をしているのだろうか?
 恥ずかしがっている顔? 屈辱に耐える顔?
 それとも指を入れられた快楽に呆けている顔?
 いずれにせよ、俺を興奮させるにたる表情だろう。

「ほら、なんとか言えよ」

 ハートに火がついたように、俺は興奮していた。
 挿入した中指を再び入り口に当て、なぞるように動かす。
 ほんの指先がかするように肌を伝っているのと対応して、女伯爵は背筋を反らせた。
 必死に声を漏らすまいとしているのか、息を溜める声が何度も聞こえる。

 いいねぇ、そうやって我慢しているところを見ていると、
 おいちゃん、おちんちんおっきしてくるよ。

『ばあちゃん、マンコ濡れてきた』

 黙れババア。一気に萎えたじゃねぇかよ。

『ふぇっふぇっふぇ。なんかこう……嫉妬の炎がめらめらと』

 燃やすな、ボケ。

『冗談じゃよ。誰がお主に欲情するかい。
 ……勝手に楽しむがええ』

 ああ、楽しむぜ。
 ついでにあの人間のリーダーもおいしくいただいちゃおう。

『うむ……。お主は、あの人間のパーティに付いていく運命にあるのじゃ』

 ……何?


197 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 11/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:36:19 ID:rgLFDBg3

『どれもこれも美女だらけだったじゃろう?
 あの女達を全員落とし、ハーレムを作るのじゃ。
 毎日毎晩背徳的で冒涜的なほど交わりまくりぇ!』

 ふっ、言われなくともそうしてやるさッ!

『一回女と交わるごとに、お主の勇者の血が少し目覚めると同時に、
 お主のレベルも上がっていく。
 じゃが、最初のときはお主もそこいらの死にかけのスライム同然の弱さ。
 くれぐれも注意せよ』

 ああ、わかってるさッ!
 もう、交わって交わって交わって交わって、危険な目にあったらあの人達に全部任せる!

『そうではないわ、たわけが。お主が交わるまで女はお主に屈服せん。
 下手に欲情して襲うなよ。次の瞬間、お前の頭と胴は離れておることになる』

 ……。

『今回の魔族はワシのサポートと、運があったおかげじゃ。
 他の女を落とすときには、くれぐれも用心に用心を重ね、慎重過ぎるほど慎重に落とせ。
 バレたら『即・死・亡』じゃぞ』

 ぼ、僕もう帰ろっかな……。
 犯るか殺られるか、割に合わないような気がするんですけど。

『どちらにせよ、犯らなければ世界が滅び死ぬんじゃから、キリキリ頑張るのじゃ』

 ……でもなぁ。

『ふん。なんともまあキンタマの小さい男じゃ。
 男として生まれたなら、背後から女に刺されて死んでみせい』

 いや、それはちょっと違うような……。
 ま、なるようになるしかならないかね。
 今はとにかくこの女伯爵様を犯ろう。

「あっ……はぁぁぁっ……」

 俺に頭を地面に押しつけられて、その場から動けない女伯爵は、もう俺にやられたい放題だった。
 誰がどう見てもレイプですが、世界を救うためには仕方のないことなんですよ、これは。

 等々、心の中で今まで立派に育ててきてくれたお袋にお詫びと言い訳をしながら、ゆっくり伯爵様をねぶる。

「ん? ほれ、ここが気持ちいいのか?」
「あっ、らめぇ! そ、そんな深……くぅ」

 彼女の体内に指を入れる。
 くの字に折り曲げ、膣壁をひっかいて反応を楽しむ。
 蠕動する膣内は、痛いほど指を締め付けていた。

「うぁっ!」

 いきなり指を引き抜く。
 指はもうふやけるほど愛液に濡れそぼっている。
 少し舐めてみると、しょっぱかった。


198 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 12/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:37:36 ID:rgLFDBg3

 だいぶほぐれてきたみたいだし、そろそろヤるか?
 いやいや、まだ早い。
 ヤることはできるんだから、ヤる前に出来ることをやっておこう。

 顔を伏せて羞恥に耐える女伯爵の角を掴み、首をあげさせる。
 愛液に濡れた指を、女伯爵の目の前に晒し、屈辱を与えると同時に羞恥心をあおる。

「そろそろ、いれるか」

 もちろん、焦らすことをやめたわけではない。
 少し声を大きくし、わざと聞こえるように言ってやった。

「だ、ダメぇ! そ、それだけはダメだッ!」

 予想通り食いついてきた。
 こういう魔族で高飛車な娘は、見かけによらず純情であることが多い。
 というのは俺がこっそり思い続けている、夢と理想と煩悩とが混じり合ってできている説だ。

 まあ、実際のところ、魔族は人間のことを人間から見てサルのようなものと認識している節があるので、
 このままセックスしたら、獣姦になっちゃうから拒絶しているのだろうけど。

「ほう? じゃ、代わりに何してくれる?」

 結局最後までヤらずにすむことはないだろうけど、まあ、なんというか……様式美?
 残念だが、百年も石の中に閉じこめられていると変に辛抱強くなっちゃうものらしい。
 今この一瞬を楽しもうという気持ちがあって、そうがつがつ突っ込むような子どもっぽい思いは沸かなくなっていた。

「て……手で……」
「手? よし、ねじ込もう」
「く、口でするから……」

 俺は無言で、さきほど俺が投げて、すぐ近くに転がっていた椅子を引き寄せた。
 その上にどっかと座り、ズボンのチャックを開ける。
 痛いほど勃起した俺の息子が空気に触れて……。

 あれ? 俺の息子、こんなに灰色っぽかったっけ?
 って、石のままだッ! なんでこんな局所的に石化が残っているんだッ!?

『む? まあ、落ち着け』

 ば、ババア、こりゃどういうわけなんだよ!
 なんでこんな御石神様みたいな珍棒になってるのか、説明しやがれ。

『大丈夫。そろそろ始まるころじゃから』

 始まるって何が……。

 そう思った瞬間だった。
 俺の石化したチンポコの全体に、ぴしりとヒビが入った。

 の、NOOOOOOOOOOO!!!
 こ、これはいくらなんでもまずすぎやしないかい?
 まだ若いのに玉無し人生に突入しなきゃならないなんてあんまりだぁ。
 神様、助けて!


199 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 13/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:38:38 ID:rgLFDBg3

『落ち着けというとろーが。全く勇者たるもの、この程度でうろたえておってどうするつもりじゃ!』

 歴大の勇者だって裸足で逃げる事態じゃないのよさ!
 チンコが、チンコがぁあ〜〜〜。

 と俺が狼狽しているのをよそに、ヒビはどんどん大きくなる。
 しかし、その石化していると思っていた俺の一部は、実は薄い石の膜で覆われているだけのようだった。
 ヒビの隙間から、赤黒い何かが見えてきている。
 そう、それは卵のように!

 カリメロは巨大だった。

 そう、一言言っておこう。

『これはワシからのサービスぢゃ。Bボタンを押していたら元のブツのまま行くことになったのだが……。
 ちなみにそれをしんかキャンセルという』

 しんかキャンセル!? 俺の珍棒はポケ○ンですか!?

 ま、何はともあれグッジョブ、ババア。
 男なら誰しも、「あん、大きい」と言われてみたいもの。
 貴様は男心をよく理解しているッ!
 俺の中の評価は一気に三段跳びだッ!

「ふ、ふぁ……で、でかっ!?」

 女伯爵は、口咽性交に躊躇い、のろくさしていたせいで一連の動きには気付いていなかった。
 亀頭の先についた石のかけらを手早く払いのけ、見られて聞きとがめられなかったのは幸いだ。

 彼女はあんぐり口を開け、俺の暴君に魅入っている。
 俺の逸物な一物を見て、どう思っているのか是非聞きたいところだが、
 それよりも今はその可愛いお口でご奉仕してもらいたい。

「ほれ、やってみろ」

 自分でもまだ馴れていない巨根をふんふんを上下に揺らしながら、女伯爵を促す。
 エロくくわえ込むのも良いが、ためらいや戸惑いのある初々しいモノを見てみたいッ。

 女伯爵は、恐る恐る、舌をのばして俺のモノに触れた。

「うっ……おえっ」

 ただちょっと舌の先が触れただけなのに、かなりむせる女伯爵。
 きっと、嫌悪感からくるものなのだろう。
 ちょっと萌えるが、あんまり長くやられるとやきもきしてしまう。

「ほれ。早くやらんと本当にいれちまうぞ」
「む、無理……お願い……手、手で……」
「ダメだ」
「本当に……お願いします。手でしますから……」

 俺としては、是非口で、としたかったが、
 確かにちょっと舐めただけでむせまくる相手にやろうとは思えない。
 随分鬼畜なことをやってきたが、俺としてはどうしても嫌がっていることをやりたくないし。
 少なくとも、相手だって人間のチンコを舐めるなんてこと初めてだろうし、それくらいのいたわりの心を持ってやってもいいかな、
 と、思ったりしなくもないわけでして……。


200 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 14/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:39:19 ID:rgLFDBg3

 甘いのかな、俺も。

 でも、ちょっと釈だな。
 言われたとおりに従ってやるだけっていうのも少し面白みがない。
 じゃあ、他に何かやらせよう、と思い必死で考えた。
 俺の脳のエロライブラリーを探る。

 ふと、視線をあげるとあの人間のリーダーと目があった。
 彼女の目には明かな恐怖の色がうつっている。
 女伯爵の爪が喉を掻ききる寸前で救ってあげてから、俺が口を開くまで、
 まるで白馬の王子様を目の前にしているかのようにウルウル瞳をうるわせていたが、
 今では地獄の悪鬼を目の前にしているかのようにウルウル瞳をうるわせている。

 自分たちがあんなに苦戦してそれでも殺されかけた女伯爵相手に、キス一発で戦闘続行不能にさせ、
 今はフェラチオを強要させている男がいるのだ。
 体も動かない状態だし、そりゃ怖かろう。

 まあ、今の俺は、Lv.1で吹けば飛ぶような弱い勇者で、女伯爵に勝ったのもババアのサポートありきなんだが。

 ……ん、待てよ……。

 と、突然、名案が浮かんだ。おおう、これは萌えるシチュエーションだ。
 少なくとも、俺は萌える。
 俺の只今の行動原理は、すなわち、俺が楽しければそれでいい、だからな。

「口はもういい。その代わり別のことをしてもらおうか」

 女伯爵の肩を突き飛ばし、仰向けに倒させる。
 体勢を立て直す前に、マウントポジションを取った。
 手には剣を持ったまま。

「ひっ!」
「心配するな。殺しはしない」

 そうそ。殺しちゃったら、楽しみがなくなっちゃうしね〜。
 なんだか楽しい気分になって、鼻歌なんぞを口ずさみ……もとい鼻ずさみつつ、さくさくと女伯爵の上着を切り裂いていった。

「ひっ、や、やめろ!」

 抵抗したら。

「じゃあ、挿れちゃうよ?」

 と、脅したら静かにしてくれた。
 まあ、どうせ全部脱がすんだから、今でもいいじゃん。

 最初は少し手間取ったけど、三分もしないうちに彼女は衣服を全て俺にはぎ取られてしまった。
 全裸だ。

 これで何をするかというと。

「ねえ、君。さっきあの子を痛めつけていたよねぇ」

 人間リーダーに指を指す。
 女伯爵だけでなく、指を指された人間のリーダーも身を震わせていた。
 まだ人間の方には手を出さないんだけどね。



201 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 15/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:41:00 ID:rgLFDBg3

「見たところ、君と彼女は敵対してるようだけど。そうだよね?」

 剣の先を俺の下で震えている女伯爵ののど元に向けた。
 彼女はその剣の脅しに屈したのか、首を何度も縦に振った。

「じゃあ、当然、君は彼女のことが憎いんでしょ?
 正直に答えた方がいいよ。下手に嘘つくと余計に酷い目に遭うからね」
「は、はい、憎んでます」
「じゃあ、彼女に土下座してよ」

 女伯爵は絶句した。
 なんで「じゃあ」なのか言葉のつながりが自分でも見いだせない、とても崩れた日本語だ。
 しかし問題はそちらではない。
 彼女が美しい日本語愛好家でないのならば、土下座云々の方で顔を青くしているのだろう。

 すっぽんぽんで土下座!

 変態と言われてもいい。
 だが、俺は見てみたいッ!
 あの、気位の高い魔族が。
 人間の、よりにもよって敵対している女に。
 未だ力で屈服していないのに。
 第三者の介入により、土下座という最大級の屈辱にまみれたことをしなければならないのか!?

 萌える。萌えるぜぇぇぇぇ!

「イヤ?」
「い……いや、です」
「やりたくないならやらなくてもいいけどさ。
 数分後、俺のチンコを無理矢理ねじ込まれながら、むせび泣きつつ結局土下座して、
 あのときに土下座しておけばよかった、という後悔が心を占めて、唇を噛む、
 というステキなシチュエーション味わえることを考慮しておいた方がいいよ」

 おおう、鬼畜!
 すごい、自分の鬼畜っぷりに背筋がゾクゾクしてきた。

「ゆ……許して、ください」

 さっきまで欠片も見えなかったけど、やっぱり女伯爵にも矜持というものは当然あるらしい。
 魔法を全部回避し、自分を圧倒した相手に対して折れるよりも、
 自分が一度勝った相手に屈服するのは我慢がならないものだ。
 それが、不倶戴天の敵なら尚更。
 今までの戦いが無に返すし、これからの戦いでずっと汚点となるわけだし。

 まあ、向こう側の彼女は女伯爵がすっぽんぽんで土下座してほしいとは微塵にも思っていないだろうけど。

 まあ、ソレはソレ、コレはコレ、か。

「本当に許して貰えると思っているのなら、君はバカだ、と言っておこう。
 これからは人を見てモノを言うんだな」

 くぅ〜、しびれるぅ〜。
 俺ってば、こんな鬼畜でダンディでよいのかしら?
 人間腐ってるコンテストというものがあるのならば、俺はもちろん最優秀賞に輝くに違いない。

 ……全然自慢にならないけどな!


202 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 16/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:41:36 ID:rgLFDBg3

「くっ……」

 女伯爵は悔しそうな表情をする。さぞ無念なのだろう。
 あと少しで勝ったというもの、突然乱入され水を差され、あれよあれよと敗北し、
 それだけでは飽きたらず、こんな屈辱的なことをさせられるのだから。
 薄々分かっているかもしれないが、完全に貞操を奪われるおまけつき。

「ほらほら、早くしないとやっちまうぞ!」

 しぶしぶと動いていた女伯爵をはやし立てる。
 そろそろ突っ込まないとストライキを起こしそうな肉棒で、ぺちぺちと尻を叩いてやったら
 女伯爵は迅速に動き出した。

 それでもゆっくりと立ち上がり、ぺたぺたと音を立て床を歩く。
 人間のリーダーは、怯えに怯えまくっていたが、今はとりあえず無視をしておこう。
 今、女伯爵に自分をトレースして、それがどんなにおぞましいことなのか片鱗だけでも味わっているのだろう。
 よし、女伯爵が終わったら、この娘にも同じことをしてもらおうかな。

 女伯爵は、人間リーダーの前で膝をついた。そこで一旦止まり、振り返る。
 屈辱に耐えきれず流した涙が、上気した頬に伝わり、床に一点の染みを作る。
 まだ諦めていないのか、俺に哀願するような面持ちで見つめてくる。
 美女がこんな表情をするなんて、とても心打たれるものだが、
 ここで俺が譲歩したら、多分、俺は首をかききられて殺されるだろう。

 やるならば徹底的にやらなければならない。
 中途半端が一番良くない。

「ほれ、早くしろよ」

 女伯爵の尻たぶをぺしりと叩く。
 非情に徹し、出来る限りの冷たい声で言ったので、女伯爵はこれ以上恩赦を求めても無駄だとわかったのか、
 すっと正座をした。

「早く」

 きっと俺の顔はニヤニヤした笑みを浮かべていただろう。

「も、もうしわけ……あり……ませんでし……た」
「いいねぇ、申し訳ありませんでした。シンプルな謝罪の言葉ですねぇ。
 でも惜しいッ。声が小さすぎた。大きな声でもう一度、どうぞ」

 ぎりっ、と歯のきしむ音が聞こえた。
 うおっ、怖ぇ……。

「もうし……わけござ……」
「あーダメダメ、全然小さいですよ」

 今度は歯ぎしりする前に、指を彼女の秘部に添えた。
 全身がびくりと震える。


203 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 17/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:42:08 ID:rgLFDBg3

「一回目はまあ見逃してあげたけど、
 今度からリテイクするたびにペナルティを課すからね。
 何、一回で成功させればいいんですよ。
 それくらい、魔族の貴族様には簡単でしょ?」

 言葉では言うけど、魔族の貴族様だからこそ難しいんだけどね。

「もうし……ひゃぐっ」

 彼女が言い始めた瞬間を狙って、指を突き入れた。
 指が圧搾されるきつさで絡みついてくる。

「なっ、なんっ、で……」
「まだ全部ペナルティを課してなかったんですよ」

 完全に出鼻をくじかれた彼女は、言葉を紡ぐことができなかった。
 そして……。

「じゃ、今出来なかった事に対するペナルティですね」

 止めていた指を動かし、中をなぶり始めた。
 体が扇情的にくねらせて、快楽に耐える女伯爵。
 白い背中がとてもまぶしく見える。

「こ、こんなのっ、無理ぃ……」

 女伯爵が根を上げた。
 まあ、これくらいが精一杯なんだろう。

「また余計なことを言いましたね。さて、次のペナルティです」
「や、やぁ、も、もう言うから……もう止めて……」

 さて、ペナルティはどうしようか。
 指をもう一本入れる、というのは物理的にあまりやりたくない感じだ。
 ふむ……後ろをちょっといじってみようかな。

「ちょ、ちょっとそっちは……」

 余った手の方の指でちょんと、菊門の方をつついてみた。

「また余計なことを言う……今のは聞かなかったことにしてあげるから、
 ちゃっちゃと土下座してよ。こっちだって手の数には限界があるんだから」
「う……申し訳ございませんでしたッ!」

 ……ちょっとやけっぱちのような感じがしたけど、まあいいか。
 そんなにいじられるのがイヤだったのか、額を床にこすりつけ、
 きちんと三つ指をついている。
 言葉の言い方以外には文句のつけようのない土下座だ。

 ご褒美としてゆっくり指を引き抜いてやった。
 かわりに肉棒の先端を秘部に当てる。


204 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 18/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:42:38 ID:rgLFDBg3

「え? ちょっ、嘘ッ!」

 感触でわかったのか、女伯爵は抗議の声をあげる。
 話が違う、と言いたいのだろう。

「は、話が違う!」
「うん、ボク、最初から嘘ついてた。騙してゴメン」
「そ、そんなこと……ァッ!!」

 ずぶずぶと巨大な肉棒が女伯爵の体の中に埋まっていく。

 ああ、気持ちええ……。
 自分でも恍惚とした表情になっているのがわかる。
 百年以上の禁欲生活の果てに手に入れたモノはすごくよかった。

 女伯爵は処女のように膣で肉棒をきゅうきゅうと締め付け、
 そして処女のように処女膜がまだ健在だった。


 ……え゛?

「うっ……初めて、だったのに……」

 こ、こいつ処女だったんかいッ!?
 こんなむちむちでいやらしいダイナマイトボディーしておきながら、処女!?
 魔族は骨なしか? 骨なしなのかッ!?

 わかった、こいつがレズだからだ!

「ま、魔王様ぁ……申し訳ありませんでしたぁ。
 センヴィーヴァの……センヴィーの処女は……人間に、変な人間に奪われて……うっうっ」

 ちょっと待てぃ!
 レズに変な人間呼ばわりされたくないわい、ボケ!
 こ、こんのアマ……絶対アフンアフン言わせて、「ご主人様に処女を捧げられてセンヴィーは幸せ者ですぅ」と言わせてやる。
 ああ、もう言わせてやるとも!

 もう、テクニックとか何もかも無視して(無視するもなにもテクニックなんてもの最初からなかったが)
 がむしゃらに腰を振りたくる。
 媚薬効果があるらしい唾液をたっぷり飲ませていたおかげか、それでもセンヴィーとやらは十分感じていた。
 溢れてくる愛液は止まることを知らず、むしろ時間が経てば経つほど溢れてくる量が多くなってきているようだ。

「あっ、あっ……い、いぃ……こっ、こんなっ、乱暴にされてるだけなのにっ!
 だ、だめっ、うごか……ないでっ、か、感じすぎちゃうぅ!!」

 ふふ、このニンフォマニアめ。

 ぐっ、そろそろ俺も限界みてぇだ……。

「だ、出すぞ。中に出すぞッ!」
「だめぇ! それだけはっ……」

 ドピュとかじゃない、そのインパクトはバァンと音が立つくらい激しかった。
 俺がまだオナニストと呼ばれていたときの量と比じゃないくらいの量を、センヴィーの中に放った。
 まだ俺が挿入しているというのに、かなりの量の精液が膣から逆流してきている。


205 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 19/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:45:05 ID:rgLFDBg3

「あ、あちゅいぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 センヴィーは気が狂ったかのように暴れ出した。
 鋭くとがった爪で床をがりがりとひっかき、少しでも俺から離れようと足と体をばたばたさせている。
 無論、逃がすわけにはいかないので、俺はセンヴィーの腰を掴んでいる。

 陸に揚げられた魚も裸足で逃げるほど、のたうち回っている。

『お主の精液は媚薬じゃからのう。
 膣内温度と精液の温度にそんな差はないもんじゃが、お主のは別じゃよ。
 魔術的なものが関係しとるから熱がっているだけでな。
 まあ、次回からはもう暴れないからの、後はゆっくり楽しめ』

 おぅ、出たな解説ばあちゃん。空気嫁よ、ぶち殺すぞ。

 ぴこぴこ、ぽこぽこぽーん、という音が不意に頭によぎる。
 すると、勝手にウィンドウが開いた。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 Lv.2 HP 13/13 MP 2/2 状態:挿入
 特殊技能:カテゴリーF 補給技能 異世界の勇者の血脈 エロ妄想Lv24 ラクカジャ 」

 おおぅ! レベルが上がっ……た?
 なんか変化している特殊技能があるような気がしないでもないけど、HPが1も上がってる!
 っていうか、成長度低ッ! 俺、低ッ!

「熱い、熱いのぉぉぉ! 抜いて! お願い、何でもしますっ! 何でもしますからっ、抜いてぇぇぇぇ!」

 な、なんだかものすごく不安になってきたんだが……。

「じゃ、じゃあ、お前はこれから俺の奴隷になれッ!」
「ど、奴隷?」
「そうだッ! 俺に奉仕し、俺を守り、俺のことをいつも思っている奴隷になれッ!」
「な、なるっ。なりますからッ! 奴隷になりますから、早く抜いてぇぇぇ! も、もう死ぬぅぅぅぅ!!」

 特に、「俺を守り」のところにアクセントを置いて言った。
 ……ふ、許せ、俺だって命が惜しいんだ。
 せめて、普通に生活しているのに死と隣り合わせな貧弱さを克服するまで、俺を守って欲しい。

 腰を引き、肉棒を抜く。
 ごぷっ、とねばっこい音を立てて、精液が塊になって膣の中からあふれ出てきた。

「はぁ……はぁ……んっ」

 切れ切れに呼吸をするセンヴィー。
 腰から手を離すと、彼女はその場でへたりこんだ。

 ふと、そのショートの黒い髪に触れる。
 さらさらしていていい手触りだ。

 さて、次行こうか。
 俺はまだまだヤれっかっね。


206 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 20/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:46:14 ID:rgLFDBg3

 センヴィーの腕を掴み、押して横に転がす。
 抵抗せず、ごろんと仰向けになる彼女。
 まだ秘部からは、精液が断続的に溢れてきている。

「んっ……あ。ご主人……様……」

 中々順応に優れた奴だ。
 でも、これからが大変だぞ、と。

 ひっくり返ったセンヴィーの膝を掴み、大きく広げさせる。
 膣内射精によって色々ショックを受けたのか、反応が薄い。

 肉棒をそっと彼女の秘部に添え、グッと力を込めて、再び中に突入させた。

「あ、あああああああああああああああああ!!!」

 途端、彼女の手が俺の首に回される。
 一瞬びびったものの、その手は反対の手をがっしりと掴み、俺にぶら下がるために首にまわしたもののようだった。

「なっ、何ッ、これっ。さっきとはっ、全然っ、違うっ」

 俺の精液は効果覿面だったようだ。
 ババアが言うには、もう俺無しでは生きていけない体になっちゃったとか……。

「いいっ。いいよぉ! 気持ちいいっ!」

 もはや女の伯爵としてのプライドも体面も捨ててしまったかのように、俺に腰をすり寄せてきている。
 ふむ。中々かわいい奴じゃないか。

「ほら、動くぞ! 喜べっ」

 俺も腰を振る。
 一回腰を振るだけで、センヴィーは何度も何度も小刻みに震えている。
 彼女の言うところが正しいならば、「何度もイっている状態」らしい。

「いいっ、ご主人様、いいッ!」
「お、俺も……センヴィーの中……いいぞッ!」
「う、うれしいですっ、ご主人様ぁ! センヴィーで、気持ちよくなってくださいぃ」
「出す、出すぞ!」
「あっ。んあっ……出てる、ご主人様のが中で出てるぅぅぅぅぅ!!!」

 センヴィーの一番奥で二度目の射精を行う。
 その瞬間、センヴィー一際大きく震え、吼えた。
 口から涎を垂らし、背中がこれ以上ないほど反り返る。
 そして、ゆっくり気を失った。

「ふぅふぅ……あー、えがったー」

 気絶したセンヴィーの中から相棒を抜き、その場で腰を付く。
 すると、再び、頭の中で、ぴこぴこ、ぽこぽこぽーんという音が響いた。


207 :へたれエロ勇者 VS レズ女魔族 21/21 ◆4hcHBs40RQ :2006/05/11(木) 00:46:58 ID:rgLFDBg3

「 ヤマモト カツキ : 勇者 Lv.3 HP 13/13 MP 2/2
  特殊技能: カテゴリーF シールド防御 異世界の勇者の血 エロ妄想Lv26 ラクカジャ」

 うわーい、またレベルが上がっ……成長してねぇよ!
 エロ妄想のレベルが24から26になっているけど、エロ妄想がなんの役に立つんだ?

 こりゃあ、中々難しいな。
 俺の成長度はとことん低いみたいだ。
 こうなりゃ、ヤってヤってヤりまくってレベルをどんどん上げなきゃまずいな。
 まだレベルが上がるたびになんか精力とHPは回復するみたいだけど、センヴィーは気絶しちまった。
 意識のない相手をやるのは趣味じゃないし……。

 あのババアがハーレムを作れと言ったのも納得がいく。
 こんなんじゃ、一人二人の女じゃ到底追いつかない。
 もっと何人も何人も囲んで、とっかえひっかえやらなきゃ。
 それも体が強い女で、な。



 さて……センヴィーも気絶しちまったことだし、
 今度は、人間のリーダーの子の方と、お楽しみしよう。

 ……うん、これは世界を救うためにしかたなく……。
 おっと、涎が垂れちまった……。

 じゃあ、いっただっきまぁ〜す!

 俺はかなしばりにかかって動けない女の子に、ルパンダイブをしたのだった。


 続くッ!?



423 :へたれエロ勇者 VS ボク勇者 1/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:22:58 ID:mgvqpPu+

      へたれエロ勇者 VS ボク女勇者


「ふーじこちゃーん」

 金縛り状態で動けない女の子に飛びかかる俺。
 問答無用で唇に吸い付いた。
 彼女は当然、ぴくりとも動かない。
 ただ、今にも泣きそうな目でじっとこちらを見つめてくるだけだ。

 少し良心が痛むが、それでも唇を離すようなことしない。
 なぜなら、俺の中のザ・ビーストが顎部関節を外し、「クルオオオオオオ」と吼えたくっているから。

 相手が動かず黙っているから、ついつい俺も夢中になってしまう。
 舌を深く入れ、微動だにしない口の中をなめ回す。
 もちろん唾液をたっぷりと相手に送りこみ、向こうの唾液と混ぜて、半分こちらに戻し、飲み下した。

 唇で唇に吸い付き、中と外を舌で舐める。
 五分ほど、長いキスを行った。

 終わるころには、俺も人間のリーダーの子も口の周りを涎でべとべとになっていた。
 俺は彼女の口の周りを念入りに舐めて綺麗にし、キスの余韻に浸った。
 彼女の瞳が、恐怖のみに支配されていたものが、段々と他の色に染まり
 目に見えて分かるように、頬が赤く染まって上気している
 唾液が早くも効果を現しているようだ。

 一旦顔を引き、その場で膝をついた。
 彼女のマントの中に手を入れて、簡素だが丈夫なズボンの腰の部分にあるヒモに手をかける。
 彼女の喉の奥から、ひっと短い悲鳴が漏れたような気がしたが、それを無視して一気にズボンを引き下ろした。

「うわぁ……」

 思わず声が漏れた。
 女魔族のセンヴィーのときは、剣で切り裂いたりすぐに毟ったりしてしまったので楽しめなかったが、
 今のこの流れなら言える、おパンティーがぐしょぐしょだ。

 しかし、キスして唾液を送り込んでからこんな短時間でここまで濡れるものか?
 答えは否だ! と思う。

「ひょっとして、さっきのを見てて興奮した?」

 エッチな小説とかマンガとかアニメとかビデオだとかだったら、セオリーなお言葉。
 実に安直で、男にとって都合のいい展開でのみ使えるものだが、
 なるほど、恥辱を与えるには逆に陳腐すぎても効果はあるもんだろう。
 彼女は首を微かに横に動かし、否定の意思を表した。
 しかし、下着が完全に透け、その向こうにあるピンク色の肉が見えるほどであれば、
 そのボディランゲージが嘘であることがありありとわかる。

 ……ん? ちょっと待て?
 金縛り状態でなんで、首を横に振れるんだ?
 さっき声を出したことといい、首を横に振ったことといい、そろそろ金縛りが解けかかっているんじゃなかろうか?

 うっひゃあ、こりゃあピンチだ。



424 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 2/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:23:49 ID:mgvqpPu+

 もうちょっと言葉で嬲り者にしようかと思ったが、そんなことをしてられないようだ。
 彼女が完全に動けるようになったら、HPが13しかないニュータイプからカテゴリーFに退化した俺は、
 五秒も経たずにジオングになっちゃうだろう。
 要するに、首が飛んだり、手が飛んだり、足が無かったり。ひょっとしたらブラウブロになるかもしれない。
 ア・バオア・クーのときのガンダムでもいいかもしんない。
 たかがメインカメラがやられただけだッ、と言っても俺はニュータイプじゃなくてカテゴリーFだから戦えないよ!
 ていうか、モビルスーツじゃないから、メインカメラがやられたら、もう生きてらんない。

 はっ、何どうでもいいこと考えて、ニヤニヤしているんだ、俺は。
 時間がないっちゅーのに、変な妄想とロマンチックがTOMARANAI!

 とにもかくも、俺は目の前のものにむしゃぶりついた。
 本来の俺のプランであれば、もうちょっと指でいじくる予定だったのだが、
 予定を変更し、舌でなめまわすことにした。
 まあ、俺のプランの基本方針は「行き当たりばったり」なので、さして問題ではない。

「はっ……くぅっ……」

 本当に金縛りがとけてきたのか、俺が舌でなめ回しはじめてから、
 数秒も経たず水音の間に快楽の耐える声が聞こえてくるようになった。
 さっきまで悲鳴を何度も上げようとしただろうに、一度も声を聞かなかった状態から、
 声を出せるまでになっていることを見ただけでも覚醒状態に近づきつつあるのだろう。

 やばい、やばいよ〜。
 更にプランの進行を早めなければッ!
 センヴィーは幸いにして、魔法で戦うタイプで肉体は魔族にしてはひ弱な方だった。
 しかし彼女は、魔法も使うが基本的には肉体を駆使して戦うタイプ。
 ひょっとしたら、唾液の媚薬成分が効いていたとしても俺を殺せる力は十分にあるかもしれない。
 ないかもしれないが、不確定な要素が多いことは不安なことだ。

 色気はないが、水気はたっぷりなパンティーの端を掴み、ゆっくり下ろす。
 少し下にずり下げるだけで、ぴちゃぴちゃという水音が聞こえ、
 粘液が幾多にも糸を引いて肌から離れる様が俺の目に映る。

 うわっ、エロ……。背筋がぞくりと来たよ、マジで。
 このきれいな生殖器に俺のブツが入るのかと思うと、自然とドキがMUNEMUNEしてくる。
 そりゃあまあ、女性経験はレズ魔族をカウントしないとしても、ゼロとは言えない俺だけど、
 こんな可愛い子とイタしたことはないわけでして。

 センヴィーは、勝ち気で有能そうな美人であるのに対して、
 こちらはなんというか、保護欲をそそられそうな可愛い女の子、みたいな感じだ。
 どっちがよい、とかは俺の口からはノーコメントさせていただくが、
 なんだか、守ってあげたいっ、という気持ちが沸いてくる。
 だが難儀なことに、可愛いからいじめたい、という気持ちもまた同時にあるわけで。
 こう、ぎゅっと抱きしめたら「にゅう」とか、演技無しでいいそうで、胸がキュンキュンしてくるわけでさ。

 唾の塊を飲み込んでから、ゆっくりと俺は舌をのばした。
 ピンク色のきれいな部分に先端が触れると、彼女の体は大きく揺れた。
 まだ完全にかなしばりは解除されていないが、それでも段々と進行しているらしい。
 本来ならばこんなにちんたらしている場合じゃないだろう。
 だが、俺の体は理性を振り切って動いていた。

「あ……う……だ、ぁっめ……」

 まるで振動し、複数に見える糸が動きを止め、また一本の糸に戻るかのように、
 彼女の言葉が無秩序で断片的なものから、意味のあるものへとゆっくり変化していく。


425 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 3/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:25:38 ID:mgvqpPu+

「……ッく……」

 ぎっという音が耳に届いた。歯を食いしばる音だ。
 さながら、卵にヒビがはいるがのごとく、行動の制限が解除されていく。
 あ、こらあかん。

 俺はこれでも自分が何をやっているのかよーくわかっている。
 それが結局――ババアの言ったことの要点が真実ならば――この世界の平和に帰結するものであっても、
 現段階では、最悪殺されても仕方のないことだと言える。
 いやまぁ、現代日本だったら殺すのはちょっとやりすぎなんだけど、
 ここはファンタジーの世界だし、戸籍もない俺の人権がどこまで保障されているのか不明瞭過ぎるわけであって、
 下手したら俺の立場は、そこいらに住んでいる野良の犬猫がいいとこかもしれない可能性が捨てきれない。

 俺は目の前の女の子のお尻を掴み、ぐっとこちらに引き寄せた。

「ふぁ……ああああああっー!」

 俺の舌が彼女の深いところまで侵入した。
 彼女の柔らかさと、女の部分が分泌する液体の味を、舌で感じる。
 ちょっとしょっぱかったが、それに対して文句を言うわけじゃない。

 顔面にびゅっと熱い愛液が吹きかかる。
 イったのか……。
 なんか、あんまり現実感がないような気がした。
 唾液の媚薬成分が効いているんだろうけど、なんだか違和感を感じる。

 センヴィーのときと感じ方が違うような……。
 個人の差かな? ひょっとしたら人間と魔族の種族の差なのかも?
 なんか釈然としないな……。

『ふぇっふぇっふぇ。どうも、ばあちゃんでーす』

 おぅ、ババアか。
 情事の途中にババアのことを思い出すなんて、屈辱の極みだが、
 知ってることを包み隠さず存分に、あけっぴろげに教えてくれ。

『なんじゃなんじゃ、偉そうじゃのう。
 まあ、お主のびっくりする顔が見れるからよしとするかの。
 端的にかいつまんで、簡潔で且つわかりやすく教えてやろう。
 今の彼女は、素じゃ』

 は?

『さきほどセンヴィーヴァ・クルスノールが薬を飲ませておったじゃろう?
 あの薬はな。体内に蓄積する魔力を霧散させるものでな。
 お主の唾液に不随する血の魔力も、そこのおなごに浸透する前に霧散させられておる』

 センヴィーヴァ・クルスノール?
 ああ、センヴィーのことか。
 フルネーム、センヴィーヴァ・クルスノールって言うんだ。知らなかったな。


 ……ちょっと待て。
 え? ちょ、おま、俺は死ぬと遠回しに言ってるのか?

『ほぇ? 何が?』


426 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 4/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:26:32 ID:mgvqpPu+

 何がじゃねぇよ、クソ!
 じ、自慢じゃないが、俺はこの子を骨抜きにできるほどテクニックなんて持ってねえぞ!

『ほんに自慢じゃないのう。しかも事実を語っているだけに痛々しい』

 哀れむな!

『冗談じゃ』

 見え透いた嘘つくなッ! もっとみじめになるわいッ!

『ふぇっふぇっふぇ。まあ、なんとかなるのじゃよ。
 じきにあの薬の効果も切れるしのう。さすれば問題ナッシング。
 このままヤっても、ルーは基本的箱入りじゃから、挿しても刺されることはないのじゃよ』

 な、なんかババアに言われてもすぐ納得できないな。
 だけど、今までババアの言うとおりになってるし、予知能力は本物みたいだろうし。
 あれ? ところで、ルーって……。

『今お主が絶頂に導いたおなごの名前よ。ルーミ・ドラコノ』

 ああ、やっぱり。ルーミか。覚えておこう。
 アーガマの人じゃないのね。

 なんかちょっとババアと通信したせいか、疲れを感じてきた。
 身体的じゃなくて精神的な。

『まあ、この通信はそちらの脳にも負担をかけるからの。
 無論、脳に障害が出るわけではないが、そろそろ通信を切るぞ』

 ちょ、おま、逃げる気か!?
 おい、この、なんとか言いやがれ、このバカ。

 しかし俺がどんなに頭の中で呼びかけてもババアは答えることをしなかった。
 恐らく本当に通信が切れているんだろう。
 ちくしょう、あのババア……言いたいことだけ言って勝手にいなくなりやがった……。

 どうすればいいんだッ!
 このままじゃ、俺は……俺は……。

 うわあああああん、死にたくないぃぃぃぃぃ!
 どうせ死ぬなら、美女の胸の中で死にたいぃぃぃぃぃ!
 でも、やっぱり死にたくないぃぃぃぃぃ!

 と、言うわけで、カツキ、行きまーす。
 ふっふっふ! ここで彼女にアンなことやコンなことをしても、それは合法ッ!
 ある種の正当防衛が成り立つわけだ!
 俺は、悪くない。俺は断じて悪くない。
 悪いのはこういう風に俺を追いつめた現在の状況と、ババアだ。
 大義名分ができた分、リミッターを解除してもよかろう!

 そう、俺は今ケダモノだ!
 それも理性あるケダモノだ!


427 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 5/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:27:39 ID:mgvqpPu+

「ぐぅあああおおおおおぅ!」

 ぶっちゃけ、死んでもいいッ!
 最後に夢が見られるならばッ!
 その後、世界が滅びようが、月が降ってこようが俺の知ったこっちゃねー!
 ごめん、それは嘘。

 とにかく、ただ今この瞬間に全力で輝ければッ!

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV2 HP 10/10 MP 1/1 状態:やけっぱち
 特殊技能:明鏡止水 シールド防御 異世界の勇者の血 エロ妄想LV26 ラクカジャ
     スーパーモード 発動!                                   」

 おおぅ! なんかすごいものが発動しとる!
 けど、レベルが下がってる!
 ちょ、待て! 減少度高ッ!
 HPが総量の4分の1近く減ってる! 3だけだけど!
 MPが総量の2分の1減ってる! 1だけだけど!
 なんだこの、三歩歩いて六歩下がる的なレベルは!

 もう止まれない、ということか。
 なるほど、俺は進むぜ!

 ルーミ・ドラコノことルーちゃんの体を押し倒す。
 もうすでに膝ががくがく震えているほどかなしばりの術は解けていたのだが、もう構うまい。

 仰向けに倒れた彼女の顔に、こちらの顔も近づける。
 しばらく目線が落ち着かず、終始泳いでいた彼女の瞳が、俺をじっと見つめてきた。
 その瞳の奥では恐怖が弱まっているように、俺は見えた。
 かなしばりの術が解け、目の前の不埒でフリチンな輩を殺せるチャンスが見えてきたからなのか。

 今日、何度目かになるキスをした。
 彼女の愛液がまだ口の中に残っていて、それを彼女の口の中に押し込む。
 舌を噛まれる可能性があったので、舌を入れるのは浅くをする。
 キスしている最中、彼女の上着の中に手を入れた。
 案の定、というべきか、外見から判断できてはいたのだが、彼女は胸があまり大きくない。
 無論、女性としてあるべき量はあるわけだが、さきほどのセンヴィーとは比肩できないほど……。

 だけど、彼女のその先端は痛いほど勃起していた。

「ふぅむッ! む、むねぇは……よ、弱い……」

 感度も良好。
 ビクつきぶりから、ここは彼女のウィークポイントと覚えていていいだろう。
 まあ、覚えておいて今後役に立てることがあるかは、甚だ謎であるが。

 さて、そろそろ本番を迎えることにしよう。
 俺の巨根は、とっくの昔からおっきしていて、未だ弱ることを知らない。
 ヘイ、マイサン、ハウワーユーと尋ねたら、なんだかアイムベリーファイン、センキューと答えてきそうだ。
 もしくは、「ぴょん吉〜」「ひろし〜」の方かもしれない。

「いれるよ」

 野暮なことを言う俺。
 ふっ、こうやって宣言しないと自信が沸かない俺を笑うがいいさ。


428 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 6/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:28:47 ID:mgvqpPu+

 いよいよ貫通式です。
 俺のぴょん吉をルーちゃんの女性の部分に添える。
 ぬるぬるしている上、いくらほぐしたとは言えあまり使っていないのがありありとわかる箇所だったので、
 座標軸を固定するのにいささか苦労した。
 しかし、亀頭が浅く潜り、角度調整も完全にオーケー。
 恐らく前人未踏の処女航海だ、西に進路を取れ、ヨーソロー。

「……」

 碇を上げ、帆を張る寸前に、ルーちゃんがいきなり飛び起きてきた。
 手を俺の背中に回して、足を俺の腰に絡ませる。

 あっ、ちょっと、う、動いたからずれちゃったじゃないか……。
 しかし俺のそんな心配事は小さいことだった。

 あ、やば。かなしばりが完全に解けた。

 ギリギリと背骨が軋む音がする。
 ルーちゃんに締め付けられるているようだ。
 ウィンドウがぺこっと音を立てて出現し、ひょうじそくど「はやい」で文字が表示されていく。

『ルーミ の しめつける攻撃!!
 カツキ は 6 のダメージ!!
 カツキ は しめつけられた!!』

 NOOOOOOOOOOOO!!!!!

『カツキ は しめつけられている!!
 カツキ は ダメージを受けた!!』

 追加効果!?
 い、一体いくら減ったんだ!?

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV2 HP 2/10 MP 1/1 状態:やけっぱち しめつけられている 恐慌
 特殊技能:生体CPU 食いしばり 異世界の勇者の血 エロ妄想LV26 ラクカジャ               」

 うぎゃああああああああああああああ、死ぬっ、死ぬっ、死んでしまうっ!
 このままじゃ死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
 いやじゃああああああああああああああああああ! 死ぬのはいやじゃああああああああ!!

「あ、あああああああああ、あのっ、あのっ。ボク、あの……ね!」

 俺は本能的に動いていた。
 この生身の肉体に戻ってから、ルーちゃんの完全に意味をなす言葉を初めて聞いたが、
 俺はそれを無視して、なりふり構わずルーちゃんの胸をわしづかみにした。
 わしづかみとは少々語弊があるかもしれない。わしづかみにできるほど胸がないのだから。
 とにかく、掴んだのだ、胸を。

「っあ! む、胸はよわ……」

『ルーミ は 弱点 を 攻撃された!!
 ルーミ の 体から 力 が 抜ける!!
 カツキ は しめつけから 解放された!』


429 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 7/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:30:49 ID:mgvqpPu+

 ふいに俺を締め付ける力が緩んだ。た、助かったぁ〜!
 ああっ、神様ありがとう! 俺にまだチャンスをくれるのですね!
 俺の心残りは、ルーちゃんとまだヤれてないことと、ババアを殺してないことです。

 今が勝機!

「ひゃっ!」

 ルーちゃんの手首を掴み、床に押しつける。
 ずぉぉと身を乗り出して、もう二度と彼女が暴れられないように完全に押さえつけた。

「あ、あのっ、ぼ、ぼぼぼぼぼ、ボク、初めてだから……そ、その……や、優しく、して、ね」

 ゴメン、優しくできませんッ!
 今回はためらわなかった。
 足をばたばたさせて、微かな抵抗をしていたのを無視して一気に突き込んだ。
 一体今までずっと積み重ねていたものを全部投げ出して。

「ひぁっ……・痛っいひぃぃぃ!!」

 破瓜の痛みに顔を歪めるルーちゃん。
 目尻に涙を溜めて、必死に我慢しているのを見ると、流石に罪悪感が沸いてくる。
 いくら、生き延びるためだと言え。

「大丈夫、大丈夫、落ち着いて。深呼吸するんだ」

 俺は、自分でも無意識に声を出していた。
 おそらくは、俺自身を落ち着かせる言葉だったのだろうが、
 ルーちゃんの耳にも俺の呟きが届いたようだった。
 二人して同時に、すーっはーっと深く息を吸い込む。

 ちょうど息を吐き終わったとき、同じく深呼吸を終えたルーちゃんと目があった。

「も、もう動いてもいいですけど、その……ゆっくりお願いします」

 ルーちゃんは健気にもそう言ってくれた。
 ああ、俺は、なんてことを……こんなええ子に、なんてことをしてしまったんや……。
 どこまでに男に都合のいい女なのだろう。
 これは俺が一生彼女を他の害虫共から守ってやらねばなるまい。

 膣はギチギチに俺のものを締め付けて離さない。
 締め付け過ぎて、俺のHPが減っちゃわないか、ちょっとドキドキだ。

 俺はゆっくりと腰を引いた。

「はぁぐっ!」

 奇妙な声を上げてルーちゃんは顔を歪める。
 まだ痛いんだろう、当たり前だ。

 そっと、額に唇をつけた。綺麗な黒髪を撫でる。

「はぁぁ……」

 ちょっと落ち着いてくれたのか、溜息を漏らすルーちゃん。
 やはり彼女は愛い奴よ。 媚薬の影響を受けてないというところが高ポイントだ。

 そういえば、なんで媚薬の影響を受けてないのに彼女は俺に処女を捧げようと思ったんだろう?
 ……考えるのはやめよう。考えたら、なんか怖くなってくるから。

430 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 8/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:32:10 ID:mgvqpPu+

「大丈夫?」
「だ、だだだ、大丈夫ですッ! も、もっとガッツンガッツン動いていいですからっ!」
「ふぅん。じゃあ、お言葉に甘えちゃおっかな」
「あ、い……や、やっぱり優しくお願いします……」

 頑張るなあ。
 流石にガッツンガッツン動く気はない。
 処女相手にそんな無理ができるほど、俺には度胸がない。

 ……センヴィーのときのことは、俺が若かったから、という理由で納得してくれ。
 若かったから、ってついさっきのことじゃねぇか、と自分でもツッコミいれるけどさ。

 とりあえず、耳フェチでもある俺はもう一度ルーちゃんの額にキスした後、
 耳を唇でハムハムッハーした。

「み、耳……くすぐったいよ」

 こそばゆいような声を上げるルーちゃん。
 そのまま耳の内側を舌でなぞり上げた。

「ひっ、ああっ」

 微かに身を震わせるルーちゃん、いい感じだ。
 耳で感じてくれる子は、おいちゃん大好き。

「ああっ、あんっ、み、耳舐めるの、やめてぇ!」
「イヤだね」
「あっ、ああっ! やめ、やめてよぅ」

 顔を振って逃げようとしたので、一旦顔を引いた。
 むっ、折角の楽しみを奪うなんて、あまり嬉しくないな。

 体を折り曲げて、ゆっくりと別の箇所に舌をのばした。

「ひゃああ! そっちは、そっひはもっとだめぇ!」

 ウィークポイントを責めに責める。
 桜色の突起を口に含み、軽く吸いたてる。

 少し乳臭い感じがするが、誠に甘露。

「だ、ダメだって……か、感じ過ぎちゃうのぉ……はっ、あああっ」

 完全に勃っている乳頭を、舌でくりくりとこね回す。
 もう片方の胸には手を這わせ、優しく揉みしだく。

 ふむ。少々物足りない胸かと思っていたが、これはこれで良し!
 なんというか、感度がものすっごく敏感です!
 ここまで反応してくれると、ますますいじめたくなってきますわ。

 調子にのって、乳首をキュッとつまむ。
 力を入れるたびに、ルーちゃんはビクビクと体を震わせ、短い悲鳴を上げる。
 当然、膣もキュッキュッと俺のブツを締め付けてくる。

 うっ、そろそろ俺も限界に近いな。
 センヴィーが飲ませた魔力を拡散させる薬の効果はもう切れたんだろうか?
 レベルが上がるたびに精液が補填される(と思う)ので、弾切れの心配はないんだけれど、ちょっと気になる。


431 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 9/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:32:53 ID:mgvqpPu+

「気持ちいい?」
「き、きもちいい、ですけど、刺激がっ、つよ過ぎますぅ」
「そう、……あ」
「な、なんですかぁ、ふぁっ」

 ふがいないことに、俺は先にイってしまった。

「あ、ああああああああ!!」

 今更ながらびっくりするほど出てくる我が子種達。
 そして悶えるルーちゃん。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV3 HP 11/11 MP 1/1
 特殊技能:生体CPU 破魔に強い 破魔に弱い 異世界の勇者の血 エロ妄想LV26
 精神:『自爆』                                              」

 ……うわーい、精神コマンドを覚えたぞー……。
 ちょっとごめん、本当にくずおれていいですか?
 この世界が俺にとって、ものすごく優しくない素材でできていることを身をもって知りました。
 愛とか覚醒とか、そういう消費精神ポイント高いものを覚えるより、MP1の俺にはお似合いだろうが、
 自爆してどうするよ、自爆して。
 隣接するユニットに、自分のHP分のダメージって、決死の大自爆したって11しか喰らわないんだよ?

 いい加減、俺はMSじゃないから、ステージ終了時に獲得した資金を払えば復活できるような体じゃないってことを悟ってくれ。
 もうやってられないっすよ! ポッポー。

 俺が沈んでいたら、不意にほっぺたを強い力でつねられた。

「お、お腹がタプタプしてる、い、一杯出したね……なのに、なんでそんなに浮かない顔してるのさ?」
「うっ……ご、ごめんよ」

 正直ほっぺたが痛かった。
 この子はとんでもなく握力が強く、ほっぺたをつねられただけでHPを3も持って行かれた。
 いつ致死ダメージを喰らうかとドキドキだ。

 でも、流石に俺も悪かった。

「キスしてくれたら、許してあげる」

 なんかここまで来てしまうと若干気味が悪いな。
 それとも、俺には俺でも気付いていない秘密の魅力があるとか?
 まさかな。自虐するつもりはないけど、うぬぼれる気もない。

 まさに、皆無ッ! だ。
 でも、キスはする。
 今回は、ただ触れるだけの。

「んっ……あっ。エリック君……」

 ……誰? エリック君?
 なんか、とてつもない誤解があるような気がするのですが。
 とにかく、俺はエリックなどというハイカラな名前ではないし、
 ましてやエルリックのようなアルビノでストームブリンガーな名前でもない。

「どうしたの? エリック君?」

 ルーちゃんは俺のことをちゃんと見て言った。


432 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 10/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:33:42 ID:mgvqpPu+

 やべえ、エリック君て俺のことかよ。
 エリック君とやらは、俺にそっくりなのか?
 ここが異世界ならば、そいつが俺のエターナルチャンピョンという可能性もなきにしもあらずだが、
 それでもやはり両者の間には大きな誤解が存在しているみたいだな。

「あ、あの、俺はカツキと言うのですが? エリックとは誰のことでせう?」

 勇気を出して言ってみた。しかし、言ってから失言だったことに気が付いた。
 ルーちゃんは、自分が犯されている現実に耐えきれず、
 思い人に俺を重ね合わせて幻影を見ているのかもしれない。
 ならば、俺が今ここでその幻想をブロークンしてしまったら、トンデモないことが起こるような……。

 具体的に言うと、精神の糸が切れたルーちゃんが俺を一刀両断にしてしまうとか。

「そっか……カツキ君って言うの」

 あれ? 俺の予想、外した?

「ごめんね。顔つきを見て、なんとなく『エリック』って名前そうだな〜って思ったの」

 どんな顔つきだよ! ツッコミいれまくりたいが、グッと我慢する。

 いやはや、それでも誤解でよかった。
 ややネガティブ思考だったと、今思えばそうだが、問題無いことに越したことはない。
 ただでさえ、問題は山積みなんだから。

「んっ……なんか、お腹が熱くなって……ひゃっ」

 ルーちゃんはぴくりとのけぞった。
 脂肪がない細いお腹が、なんだかエロっちい。

 そうか、そろそろセンヴィーが飲ませた薬の効果が切れてきたのか。

「び、敏感に……う、動かしちゃだめっ!」

 顔が今までよりも更に赤くなり、瞳も潤みまくってきている。
 軽く彼女の目元にキスをした。

「イヤだ。ルーちゃんをもっと感じたい」

 止めていた腰の動きをゆっくりと再開させる。
 俺の腰の動きに対応するかのように、ルーちゃんは体を反応させる。

 ルーちゃんは、切れ切れにこんなことを言った。

「なっ……んで……ボクの名前……知ってる……のぅ」

 やべっ、言っちゃった。
 ええい、何もかも忘れさせてやるッ!

 遠慮していた腰の動きを、激しくする。
 ぱんぱん、と乾いた音が辺りに響き、俺の亀頭がルーちゃんの膣を抉る。

「あっ、だめっ、さっきとは全然、ちがっ! やだ、やだやだっ、消えちゃう、私が消えるぅ!」


433 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 11/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:38:39 ID:mgvqpPu+
 体面座位の姿勢を取る。ルーちゃんの小振りなお尻を掴み、上下に揺らす。
 ルーちゃんは手で俺の腕を掴み、必死に動かまいとしているが、快楽で力がはいらない手では大した抵抗になっていない。

「ふかっ……そんなおくまでっ……」

 ルーちゃんは口から大量の唾液を垂らし、舌の回らない状態で弱々しい声を出す。
 次第に、快楽になれ、さらなる性欲を満たすためか、腰をゆっくりだが自分で動かすようになってきた。
 突然、俺は手を止めた。

「あっ……」
「ほら、自分で動いてみな」

 ちょっと辛いかと思ったが、ルーちゃんに言ってみた。
 潤んだ瞳でふるふると俺を見つめてくる。
 めっさ強いが、小動物を思わせる仕草にちょっとどきりとして、もう少し甘やかしてもいいかなぁ、と思ったが、
 心を鬼にして、ルーちゃんに、自分で動くように言った。

「無理、無理ぃ……」

 と、言いつつも、腰を少しずつ動かすルーちゃん。
 かわええなぁ、と思いたかったが、ちょっとそれは無理だった。
 なぜなら、ルーちゃんは俺の頭をぐわしと掴み、引き下げるように引っ張ってきたからだ。
 まるでマシーンのような強い力で、俺は抵抗もできずルーちゃんのなされるままにされていた。
 ルーちゃんは自分の胸に俺の顔を押しつけさせている。
 無論、俺とルーちゃんの体格差から、俺の背骨がぎしぎし音を立てて、ちょっとアクロバティックな体勢を取らされている。
 う、ちと腰を痛めそーだ……。
 さっきまでふにゃふにゃだったのに、こんなすごい力を出せるだなんて……。

「うぁぁっ!」

 首もちょっとヤバくなってきたので、ルーちゃんの腰を俺の腰に思いっきり押しつけた。当然、その分深く挿入される。
 子宮口に達してまだ長さを残している俺の肉棒は、それでも子宮口をグッと押し上げる。
 それと同時に、一瞬にしてペニスが捻り潰されそうなほどの圧力がかかる。

「イクっ、イクよぉぉぉぉぉぉぉ! また、またイッちゃうぅぅぅぅぅ!!!」

 めきっという音がした。頸椎が、やばいことになっちゃった音だ。
 信じられないことに、ルーちゃんは、人間がフィギュアの首を折るかのように、俺の首を折ってしまった。

『カツキ は 致命的なダメージを受けた!』

 無情にもウィンドウにはそう表示される。グッバイ フォーエバーだ。
 俺、死んじゃったよぅ……シクシク……。

 案外、人間て丈夫なもんで、首の骨を折られてもすぐには死ななかった。心臓が止まったとしても、脳がその瞬間に死ぬわけじゃないし、
 首に激痛が走っているが、なんかもうその痛みも段々なくなってきているような気がする。そのかわり段々と意識が薄くなっていく。
 死ぬ寸前に今まで生きていた記憶が走馬燈のように走るという、今ちょうどそれを体験している。
 現代日本に生まれ、育ち、暮らしてきた26年間はあっという間に過ぎる。そして、この世界に連れてこられ、石になって過ごしてきた100年間……。
 改めて、俺ってかなりすごい人生を過ごしてきたんだなぁ、と思う。
 ただ、それを誰にも評価されずに死んでいくのが心残りだった。
 まあ、石になっていたことの評価は、多分、あんまり良くない評価だと思うけど。

 目の前が真っ白になっていく途中、俺はルーちゃんの中で激しく射精していた。

434 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 12/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:40:30 ID:mgvqpPu+

「あああああああああああッ!
 ま、またっ、また来るっ! 熱い、熱い、熱ぃぃぃぃぃ! おっ、お腹の中が熱いっっぅ!
 や、やけどす、るっ……! あああ、溶ける、溶けるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 致命的なダメージ、まあつまり死に至るダメージを受けてしまった俺は、
 現実から一歩下がった地点でその様態を見ていた。
 俺の腰に乗り、びくりびくりと痙攣するルーちゃん。
 口から涎を垂らしまくって、目から涙を流しまくって、体中から汗を噴き出させている。
 俺の精液が子宮口を叩きつけ、子宮内部にまで達しているのがわかる。

「ふぅっ……ふぅっ……あ、熱い。
 エリ……カツキ君の熱いのがボクの中で……」

 痙攣もゆっくり収束し、ルーちゃんは俺にしなだれかかってくる。
 俺の精液を確かめるかのように、ルーちゃんは俺とルーちゃんの体の間に手を入れて、
 お腹をそっとさすっていた。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV4 HP 11/11 MP 2/2
 特殊技能:SEED 精神に弱い 破魔に弱い 異世界の勇者の血 エロ妄想LV26
 精神:自爆 『自爆』                                         」

 ……あれ? ひょっとして俺、生きてる?
 ふむ、確かにHPが0になった感覚はあったんだけど、今ではもう首の痛みもないし、
 ……生きてる、のか。
 なるほど。

 どうやらこれはドラムロール式HP表示のようだ。
 致命的ダメージを受けても、完全にHPが0になるまで死なず、
 減っている間に何らかの方法でHPを回復させれば、なんとか助かる、ってとこかな。
 何故か、MOTHERシリーズのHP表示というところがひっかかる、けど。

 ……まあ、精神コマンドに自爆が無意味にもう一個増えてたり、
 カッパ顔にされてたりすることに対する不満は一旦抑えておこう。

 ふと、気が付いた。
 目の前からルーちゃんが消えている。
 ただまだぼっきんきんな俺のぴょん吉が、ルーちゃんがそこに存在していた証明となる愛液にまみれて、
 足の付け根から飛び出さんばかりの勢いでぴょこぴょこ動いているだけだった。

 ひょっとして、ルーちゃんはきえさり草かレムオルを唱えて、姿を消してしまったのかもしれないと思い、
 何もない空間に手を伸ばしてみた。

 うん、レムオルは使ってないな。

 はて……どういうことなのカナ? カナ?
 一休さんなら、頭に指をつけてくりくりこね回しているような状態の俺に、突然何か柔らかいものが触れた。
 白い腕が俺の首に巻き付き、背中に柔らかい二つのものが密着している。
 耳元には熱い息がはかれ、首筋を何かが這っている。

「大丈夫ですか、ご主人様ぁ……」

 非常に手垢がついた表現ではあるが、その通り、熱に浮かされたような声で闇に囁く者がいた。
 センヴィーヴァ・クルスなんとかだ。
 ルーちゃんだったら、少なくともあと三年は楽しめない感触がそれを物語っている。


435 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 13/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:43:24 ID:mgvqpPu+

「あの汚らわしいメスに逆レイプされてしまうなんて……ああ、おいたわしや」
「ぎゃ、逆レイプ? けがわらしい、メス?」

 はて、誰のことだろう?

「でも大丈夫ですわ。もうあの者にはご主人様の清らかな体に指一本触れさせませんから」

 ふと、俺にいい感触を提供してくれている人物の視線の移動を感じた。
 そちらの方向に目を向けてみると、大の字に寝ころんで目を回しているルーちゃんがいた。
 先ほどの言葉を鑑みてみるに、ルーちゃんを俺の上から突き飛ばした犯人はセンヴィーらしい。

 あ、そういえば、センヴィーに、「そうだッ! 俺に奉仕し、俺を守り、俺のことをいつも思っている奴隷になれッ!」
 こんなこと言った様な気がする。

 ……まさかとは思うが、この言葉に従ってルーちゃんを攻撃したというわけだろうか?

「では、始末してきますわ」

 センヴィーが俺の背中から離れる。ああ、ちょっと名残惜しい気が……。

 センヴィーがルーちゃんの元へ歩いていくのが見える。
 ルーちゃんから、2、3メートルほど離れた地点で止まったセンヴィーは、呪文を唱え始めた。
 長い爪の生えた手の先に、いくつもの魔法陣が浮かび、形成されていく。

「お、おい……ちょっと……」

 この状態でようやく俺の体が動いた。
 間違いない、こいつ、タマ取る気だ。

 何言ってんの、ルーちゃんは女の子だからタマなんてねーだろ、ガハハハ、と笑い飛ばすことは却下。

 センヴィーは、あの、超巨大な半径を持つ光線を放つ魔法を使っていた。
 複雑で規模の大きい魔法陣が展開されている。
 ルーちゃんはあの攻撃に耐えきることができるマントを持っているけど、今そのマントは俺の横にある。
 ルーちゃんを抱きしめたとき、邪魔だったから肩のポッチを外して取ってしまったのだ。
 格好を改めて見て見ると、ズボンは完全に脱げ、パンツが片足に引っかかっているだけ。上半身も胸が少し露出している。
 この状況から見て、ルーちゃんに魔法に対する備えがまだ残っている、と考えるほど俺は楽観的ではない。
 例えあったとしても、ルーちゃんは今気絶しているので、その備えを使っている暇すらない。

 つまり、センヴィーを止めなきゃルーちゃんはデッドエンド。

「……」

 俺がセンヴィーに向かって駆け寄ろうとした瞬間、魔法陣が全て消失した。

「……人間のくせに、ご主人様の精液を頂けるなんて許せませんわ」

 センヴィーの呟きが耳に入ってきた。
 一体、なんでやめちゃったんだろう?

 とにかく、ルーちゃんの命が助かったから良かったけど。ルーちゃんは何も知らず目を回したまま気絶している。
 その上の口からは泡を吐き、下の口からは……俺の精液がこぽっと音を立ててこぼれてきている。

 いやぁ、こう見てみると壮観だな!
 こんなかわいい子に、遠慮せずにぶちまけただなんて、自慢になる。

436 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 14/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:44:48 ID:mgvqpPu+

「……許せませんわ」

 センヴィーは再び呟き、その場で膝を折った。
 土下座するような格好で、ルーちゃんのあそこに顔をつける。

 猫が椀に入った水を舐めるかのように、センヴィーはルーちゃんの中から俺の精液を掻き出していた。

 ……む、またおちんちんがおっきしてきた。

 俺の精液を舐める美女、そしてその美女は俺に向けてお尻を、恐らく無意識だろうがふりふりしている。
 そしてその彼女の足にも、股間から漏れた俺の精液が伝っている。
 これで興奮せずして、一体何に興奮するんや?(反語)

 しばし、ニヤニヤ笑いながらその光景を見ていた。

「んっ……あっ……」

 ルーちゃんがまだ敏感なまま舐められ、喘ぎ声を上げる。

 んー、エロいな。レズは不毛な行為だから俺の天敵だが、キャットファイトその他は大好物だ。
 ソドムとゴモリー……じゃなくてゴモラは害悪と腐敗じゃからのう。

「ゆるせま……せんわっ……」

 じゅるじゅると粘液が滴るエロイ音の間に、センヴィーの声が聞こえてくる。
 こうやって俺にとてもご執心なおなごがいるというのは、なんとも優越感溢れるヒャッホウな気分になるものだな!
 今まで逆に女性に貢いで、交際を続けて貰った立場だった人生が、全部クソに見える。

 年甲斐もなくチンポが、おっきくなりすぎて痛くなってきた。
 視線を下ろしてみると、なんかもう、根本から自重でポキッて折れやしないか心配なほど、
 俺のおにんにんは膨張していた。
 全体的に赤黒く、ばきばきという音が聞こえそうなほど血管が浮き出ている。
 ひょっとしたら、これで人の頭を殴ったら殺せるかもしれない……ごめん、それは無理。

 しかし、いくら興奮しているとはいえ、異様なほどおっきくなってる。
 死に瀕すると、性欲が異常に高まると聞いたことがあるが、それの関係も少なからずあるのかもしれないけど……。

 俺が頭で思案に暮れていて気が付かなかったが、いつの間にか挿入していた。

「あっ……そ、んな……御主人、様……」

 ルーちゃんの足と足の間に挟ませていたセンヴィーの顔が持ち上がる。
 口元には白い液体がこびりついていて、目は潤んでこちらを見ている。

「そんないきなり……く、苦し……ひっ、ぐ……そんな強く……奥までぇ! 奥まで届いているのぉっ!」

 ガハハハハ、やはり百聞は一見にしかず!
 そして身をもって体験することは、百見にしかず、だ。
 体力が尽きない限り、人任せにせず俺はヤっちゃるぞ。

 突き込むと、中から白濁液があふれ出てきた。
 奥の奥まで俺の精液で満たされていたようで、一番奥に到達して尚、センヴィーのあそこから精液が泡だって出てくる。

「ほら、口が止まってるぞ」
「そ……んな、こと言われても……こんな強く、されたら……できな、ひっ!」

 少し敬語が崩れてきたセンヴィーの尻を軽く叩く。
 センヴィーの尻はむちむちしていて、ぴしゃっ、といい音を出した。


437 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 15/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:46:56 ID:mgvqpPu+

「それもそうだな」

 確かに上下に揺れている状態で舐め取るのは無理がある。
 じゃあ、油送するのを止めてやろうか。

「あっ……」
「ほら、止まっててやるから、続きをしろよ」
「……」

 センヴィーが当然、釈然としない表情でこちらを見てくる。

「バカな奴だな。頼めばいつでもこっちの口に俺の精液を注いでやるのに、わざわざ吸い出す必要があるのか?」

 まあ、センヴィーがレズだから、というとっくに忘れ去られた設定があるがな。

「そ、そういう問題ではありませんから」

 センヴィーがやや控えめに言った。
 続けて、人間如きがご主人様の精液を貰うことは許されない、と言った。
 いやはや、どうも苦笑しか出ないな。

「というか、俺、人間だしなぁ」
「……は?」

 いや、なんでそこで戸惑うんだよ。どう見ても俺は人間だろうがよ。

「俺がそこいらの犬か猫かレッサーパンダに見えるか? これでも血統書付きの日本人だって」
「……え、えっと……申し訳ありません。本当ですか?」
「うん」
「え? え……えーっと……えー……」

 センヴィーは面白いほど混乱していた。
 俺が逸般人と書いて「いっぱんじん」と呼ぶような人間であることは否定しないが、
 それでも、人間であることを疑われたら、ちょっとは傷つくさ。

「……まあいいか。そんなことどうでもいいや。
 それより、これを見てどう思う?」

 一旦腰を引き、センヴィーの体内から肉棒を引き出す。
 銀色の糸で俺とセンヴィーの体の一部分が繋がっている。なんというエロチズム。
 俺のバキバキ血管が浮かび、肥大化しまくっているミスター肉棒氏が粘液まみれになって、より人外魔境に近づいていっている。

「す、すごく、大きいです」

 パーフェクトだ、ウォルター。いや、ウォルターじゃないけど、とにかくパーフェクト。
 この世界にもハッテンバがあるのか、と勘違いしてしまうほど模範的な答えだった。

「入れて欲しい?」
「は、はい!」

 あまりに嬉しそうに返事をするものだから、俺のうなぎ君も目の前の穴にとても入りたがり始めた。
 少々、穴と棒のサイズが合わない気がするが、これでもすっぽり入ってしまうのは、人体の神秘としか言いようがないだろう。

「……俺は人間だけど、それでも?」
「はい、欲しいです……。ご、ご主人様のが、その……切ないんです……お願いします、入れてください」

 うむうむ、愛い奴よ。何も言わなくても、俺の心を掴んで放さない。
 おねだりの方法も、ちゃんとわかっている。


438 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 16/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:49:57 ID:mgvqpPu+

 俺はそれ以上何も言わず、この愛しい奴隷に、行動で愛を示してやった。

「あっ! 入ってきますぅ! 入って……ご主人様を感じ……」

 ずぬずぬと音を立て、センヴィーの体に打ち込まれる肉の杭。
 うっ、センヴィーの体は、使えば使うほどその性能が上がっていくようだ。
 うねうねと膣の中が生き物のように動き、俺の肉棒に絡みついてくる。うっかり油断すると、こちらが先に達してしまいそうだ。

「気持ちいいか?」
「いい、いいです、ご主人様ッ! ご、ご主人様は……センヴィーの中は、気持ちいいですかっ!?」
「ああ、いいぞ、センヴィー。最高だッ!」

 ゆっくり、じわじわと中に入っていく。やがて、終点がきた。もう押しても、それ以上入らない限界が。

「あっ。ご主人様、おく、奥まで届きましたよ! ご主人様のも、全部、入りましたか?」

 残念ながら、俺のチンコは長すぎて少し余ってしまった。
 だが、俺は振り返って答えを求めてきたセンヴィーに無言で笑顔を送ってやった。

「あ、う、うれしいです。ご、ご主人様を、全部、私が受け止められて」

 心底嬉しそうに破顔一笑するセンヴィー。
 目をウルウルさせて、泣き笑いのようにしているこの顔を見れただけでも、黙っていた価値はあるというものだ。
 俺が石だったときには、高飛車で、始終イライラしていたような魔族が、今こうして幸せそうに俺に仕えている。
 なんというか、心の温まるというか……感慨深いものがあるねぇ。

「センヴィー、動く、ぞ……」

 少し腰を引いたそのときだった。誰かの視線を感じた。そちらの方向に目を向けてみると……。

「……」

 あ。や、やべっ……ルーちゃんが起きてら。
 すっかり忘れてた……。えっと……。

 俺と視線が合っているルーちゃん。
 当然のことながら、機嫌は最悪。
 そりゃまあ、さっきまで愛し合っていた男が、ちょうど目の前で別の女と睦言を交わしあっていたのを見たら、
 NTRスキー以外怒るにきまっている。

 もし憎しみで人を殺すことができるなら、俺はこの瞬間死んでいるかもしれない。
 ギンッという効果音が聞こえてきそうなほど鋭い眼光でこちらを睨み付けてくる。
 そして、更に強い眼光で俺と結合しているセンヴィーを見ている。
 幸いのことに、センヴィーはそのことにまだ気付いていない。

「説明してもらうからね」

 気を抜くと萎えてしまいそうなくらい、恐ろしい声で言った。

 いや、さっきもセンヴィーとセックスしているところを見られてたんだけど、何故にそんなに怒るん?
 ルーちゃんは、足をセンヴィーの首に巻き付けた。
 センヴィーも気が付いて、体を引こうとするがもうすでに遅し。足を首に巻き付けたまま、ルーちゃんは体を思いっきり捻った。

「へ、ヘッドシザースッ!?」

 首が固定されている状態で捻られたらどうなるか。
 それは敢えて説明することじゃないだろう。それでも知りたいという人は、自分で頑張って試して貰いたい。


439 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 17/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:53:59 ID:mgvqpPu+

 首が半回転もすれば限界に達し、グキッという音が聞こえた。
 しかし、それでも止まらないルーちゃんのひねり。
 おいおい、センヴィーが死ぬよ! マジかよ! と思ったら、俺が頭を思いっきり床にぶつけた。
 なんともすごいことに、俺を巻き込んで、センヴィーの体が回転したのだ。

「うっ!」

 膣がぎゅるりと回転した刺激が、同時に俺を達させた。センヴィーの中に精液があふれかえる。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV5 HP 14/12 MP 3/3 状態:煩悩全開
 特殊技能:強化人間 物理に弱い 異世界の勇者の血 エロ妄想LV26 会心の一撃が出にくい
 精神:自爆 自爆 『自爆』                                            」

 今更ながら思うが、ひょっとしたらレベル上げの方法を間違えているんじゃないんだろうか?
 最大HPより現在HPの方が多いって、バグってるじゃねぇか。
 この様子じゃ、きっと魔法を覚えたら「チンカラホイ」あたりなんじゃないか?

「で、説明してくれるんだよねぇ」

 思考がトんでいる俺を、羅刹が揺り起こしてきた。
 パンツを足に引っかけた鬼が、いつの間にか野太い剣を片手に持って、俺の目の前に仁王立ちしていらっしゃる。
 股間から白い液体が溢れているのが、見ようによっては間抜けかもしれないが、
 生命の危機が迫っている現在に、それに関して注目する価値はない。

「せ、説明って、何をですかぃ?」

 わかっている。何の説明をすればいいのかわかっているが、その説明がうまく思い浮かばなかった。

「ボクというものがありながら、この魔族に、よりにもよってボクが気絶している最中、ボクの横でシていたことだよっ!」
「せ、説明と言われましても、今言われたことが全部なのですが」

 あかん。このままじゃ確実に死ぬ。咄嗟に身を翻し、身構える。
 が、レベル5のプー勇者である俺が、いくつもの修羅場を越えているであろう猛者であるルーちゃんを出し抜こうだなんて
 所詮無駄なあがきだった。ひょっとしたら、蟻が海に打ち勝つ方がありえることかもしれない。俺の首を、ルーちゃんは一本の手で締め付ける。

「なんで魔族となんかっ」
「ぐっ、死ぬ。マジで……」

 ぎりぎりと締まる首。酸素がうまく吸えない。しまった、ここがハーレムスレだから油断したッ!
 二股をしたときに、修羅場が発生することを失念していたッ!
 マンガやアニメだったらお約束のように、二股かけた場合男に過激な圧力がかかるという重要な法則を忘れていたッ。

「ご、ごめんなさいごめんなさい、ゆるしてください」

 もはやプライドなんてないぜ。とにかく、肺に残った少ない空気で、必死に謝罪の言葉を繰り返す。

 あ、あかん。もう、ダメ……。
 目の前に幕が下りてきたかのように、視界が暗くなる。
 完全に目の前が真っ暗になったとき、首に掛かっていた圧力がフッと消えた。
 重力にしたがって、体を床に横たえようとする前に、腹に強烈な力が加わる。
 首を絞められて、鈍くなった感覚だが、確実にそのパンチが俺の最後のHPを刈り取っていった。
 真っ暗になった視界に、ただぼんやりとウィンドウが浮かび上がっていた。

『ルーミ の 攻撃!
 カツキ は 致命的なダメージを受けた!
 カツキ は 倒れた……』


440 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 18/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 21:57:11 ID:mgvqpPu+

「だっしゃあああああああああ!」

 息を吸う、息を吐く。
 目の前はまだ白みがかかっているものの、なんとか見える。

 ババアの屋敷だ。なんら変わりはない。
 この部屋にある家具がほとんど壊れ、いくつか魔物の死体がちらほら見える。

 俺は……? 今度こそ本当に死んだような気がしたんだが、まだ生きているのか?
 息が吸えるし、吐けもする。どうやら生きているらしい。
 死んでいるより、生きている方が好きな俺にとっては、これ以上ない朗報だ。

 辺りの状況を確認するため、見回す……までもなく、俺の横にルーちゃんがいたことに気が付いた。

「ひ、ひぇえ! い、命ばかりはお助けを〜」

 一回どころか、二回も殺された身である以上、ルーちゃんには逆らえない。
 なんだか、体質的に恐れを植え付けられてしまったかのように、身がすくんで、腰が低くなる。

 ……ああ、なんだか、この旅が終わるころにはまだこのときは『二回』しか殺されてなかった、
 と、思ってしまうという嫌な予感がする。

 それはさておき、ルーちゃんにぺこぺこ頭を下げていた俺だったが、
 しばらくして、異変に気が付いた。
 ルーちゃんは何も言わず、そこにいた。
 ただそれだけなら、ラッキーと思うのだが、怒りの波動も何も感じないのだからとても怖い。

 ……。少し顔を上げてみたら、ルーちゃんは涙を流していた。

「……えっと?」

 これは何か変だぞ、と思い、もっとよく観察しようと体を起こしたときだった。強い力で抱きしめられた。

「ご、ごめんね。本当に、ごめんね」

 ルーちゃんは俺の胸に顔を埋め、さっきまでの俺と逆の立場になった。
 つまり、何度も何度も繰り返し謝ってきたのだ。

「だ、大丈夫。も、もういいから! 謝らなくていいから!」
「だって……カツキ君、息してなかったんだよ!
 ぼ、ボクが、殴ったら……床に倒れて、ぴくりともしないで……最初は死んだふりしてたのかと思ってたら、
 息が止まってて……心臓も、動かないで、瞳孔も開きっぱなしで……し、死んでた……わ、わたし……
 初めて好きになった人を……こ、殺しちゃってた……」

 ルーちゃんの全身がわなわなと震え、目からはもう弁が吹き飛んでいるかのように涙が溢れている。
 あぁ、やっぱり、俺死んでたんだな……。精神的にちょっとキッツイなぁ。なんで生きているのかわからない。
 ここはファンタジーの世界だから、という一言で片づけることもできないわけじゃないだろうが、
 本当にそうだから、と納得するのは危険が大きいな。

 小学生にアンケートしたら「人は死んでも生き返られる」という風な答えが多かった、
 という話を聞いたことがあるが、実際に生き返ってみると、何とも言えない気分がする。
 それこそ、一山120ゴールドで復活できる命のありがたみを感じられないRPGみたいな世界なんだから。


441 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 19/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 22:00:59 ID:mgvqpPu+

「大丈夫。大丈夫、俺は死んでないから。さっきまで死んでたけど、もう生きてるから……」

 俺の腕の中で、びっくりするほど震えだしたルーちゃんを宥める。
 優しく抱きしめ、さらさらのショートヘアを撫でてやる。
 ……ところで、何で生き返ることができたんだろう?
 俺が勇者だから、という答えは明かにナンセンスだろう。
 勇者だから死んでも生き返れるというのは、流石にどうかと思う考え方だ。

「ごめんね……。ボク、なんでもするから……ボクの体、全部、君にあげるから……」

 ぐずるルーちゃん。俺の胸は彼女の涙でぐっしょり濡れている。

 センヴィーは……まだ床に転がって、ぴくぴく震えている。
 どうやら、俺が死んでからまだそんなに時間が経っていないようだ。
 俺のいた世界とこの世界に大きな差があるのか、
 はたまた俺がこの世界に適応し、何らかの手段を経て――つまりレベル上げ――いないから超虚弱体質のままなのか。
 どういう理論か知らないが、とにかく俺の体は超脆い。それはもう、キャシャリン並に脆い。
 朝起きたら、うっかり天国に行ってました、くらいの危機予測はせねばならないほどに脆い。

 なんというか、今回生き返ったのは、今回だけのサービスのような気がする。
 恐らく、ルーちゃんがなんらかの処置を施したから、生き返ったんだろう。
 前の世界の一般常識が通じず、またこの世界の一般常識を知らない状況では、迂闊に死ぬも死ねない。
 いやまぁ、一番ベストなのは死なないことなんだが……いやはや、そうもいかなさそうな予感がばりばりする。
 がしっと痛いほど締め付けてくるルーちゃんを引きはがす。
 意識的に顔を伏せ、視線をそらしているから、どんな表情をしているのかわからない。
 それにしてもルーちゃんも驚いただろうな。
 ただ、不貞を犯した男に折檻するつもりで腹を殴っただけなのに、その男がまさか死んじゃうだなんて。
 色んな不始末の反省の意を込めて、ルーちゃんの顎に手をかけ、ちょんと上を向かせると、
 薄桃色の唇を塞いだ。

「んっ……」

 最初は乗り気じゃなかった様子だけど、ゆっくり時間をかけて唾液を送り込んだら、
 ルーちゃんもその気になってくれたのか、向こうから舌を絡ませてきた。
 泣きじゃくる女の子を、キスで宥める、見ようによってはロマンチックな行為だ。
 これが、勇者の血がそうさせているのではなく、自分の力でここまで持って行けたのならば最高なんだが……。いや、贅沢は言うまい。

「……んっ……」

 ふと、視線を感じた。もうパターン化してあるので、察しがついたと思うが、俺に対して、あまり好意的ではない視線だった。
 目の前には魔族らしく黒いオーラを纏っているセンヴィーが。
 こ、今度はこっちか……。
 ぶつぶつの何かの呪文を唱えているセンヴィー。赤く小さな魔法陣が空中に投影されている。
 回避行動を取ろうとしたが、キスに夢中になっていつの間にか俺の首に手を回したルーちゃんが、しがみついて離れようとしない。
 魔法陣からずぶずぶと、こぶし大の氷のつぶてが出現し、それがまっすぐ俺に向かって飛んでくる。

 あ……に、逃げられな……。  ゴッ!!

『センヴィーヴァ は 氷のつぶてを放った!
 カツキ は 致命的なダメージを受けた!
 カツキ は 倒れた……』


442 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 20/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 22:04:34 ID:mgvqpPu+

「も、申し訳ありません、ご主人様。
 わたくしがしたことが、つまらぬ感情に我を忘れ、奴隷という身分であるというのに度が過ぎた真似をし、
 あろうことかご主人様のお命を奪ってしまうなんて……このことはセンヴィーヴァ、命を持って償い申し上げます」
「あー、もういいよ。貴重なアイテムまで使って生き返らせてくれたんだろ。
 正直、こっちもスマンかったと思ってるし」

 床には割れた水晶玉のようなものが転がっている。聞くところによると、これが蘇生アイテムらしい。
 だが、これはとても貴重なもので、これ一つで人一人が一生遊んで暮らせるくらい価値があるんだそうだ。
 しかも、対象が死後長時間経っていたり、死体が復元不可能な状態であったりしたら使えない。
 ルーちゃんが一つ持っており、センヴィーも一つ持っていたんだとか。
 だから、もうこのアイテムの予備はなく、今度死んだら確実にデッドエンド。
 これ以上に慎重にならなきゃならないわけだ。

 センヴィーも、脅かす程度の攻撃力しかもたない魔法を放って相手に死なれたのだから不運だよなあ。
 俺がレベル5だということを自己申告すれば、センヴィーやルーちゃんにも思うところが一つや二つ出来るだろうが、
 それはあまり俺にとってよくないものであるからして、黙っておくことにしよう。

 自分自身のウィンドウを見れることのできる人間は自分だけ、ってばっちゃが言ってた。

 さて、さてさて。
 それにしても、目の前で床に頭をこすりつけて土下座している人をどうにかしないと。
 全ての原因が、俺が一人じゃ我慢できないわがままッ子だったから、と、
 俺が超虚弱(=レベル5)だったから、なので、俺も、いくら俺を殺した相手とて強く言えない。

「ほら、もう立ちなさいって」

 いつまでも土下座していられると、こちらも恐縮してしまう。
 センヴィーの肩をぽんぽんと叩き、立つように促した。

「そんな……わたくしは……決して許されないことを……」

 それでも、ぐずるセンヴィー。未だ、責任をとって死ぬ、とか言っている。
 死んでどう責任をとるのかわからん。生きてご奉仕してくれた方が、よっぽど助かるんだがなあ。

「センヴィーに死なれると困る」

 センヴィーの顔を無理矢理あげさせ、手で顔を掴む。
 整った顔が、頬をつままれ、歪んでいる。

「泣くなよ、な? センヴィーは笑っていた方がかわいいぞ」

 まあ、邪悪な笑みはチンコが縮まりそうだけどな。

「……ですが」
「もう気にしてないって。今度気をつけりゃ、それでいい」

 死ぬことなんて、一回経験すりゃ二回、三回してもどうも思えないだろう。
 精神が壊れたから、無関心でいられているっつーのならちょっと問題だが、まあ、変調をきたしているわけでもないし。

「では……こ、こんなわたくしめを許してくれるのでしょうか?」

 何も言わずセンヴィーを抱きしめた。ああ、胸が当たる……気持ちいい。
 おにんにんが30%増量中だ。

 ルーちゃんが、こっちをうらやましそうな目で見てきた。なんだか少し寂しそうだ。


443 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者 21/20  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 22:06:22 ID:mgvqpPu+

 ふっ、俺も罪な男よの。
 ちょいちょいと指で、こっちに来るようにジェスチャーをする。
 少し戸惑った表情でこちらに寄ってきたルーちゃんも、片手で抱きしめた。

 右にセンヴィー、左にルーちゃん。
 まさに両手に花!
 しかも片方は魔族で、もう片方は人間リーダー。
 決して相容れない二人が、俺を架け橋にして、争い以外の接点を持っている。
 男冥利に尽きますなぁ。

 扇子を持っていたら、バッと広げ、仰ぎながら、「これにて万事一件落着ですな。ホッホッホ」と笑っているところだ。

「……さて、そろそろ服を着るか、二人とも」

 俺とセンヴィーは全裸。
 ルーちゃんは乱れている上着を着ているだけだ。
 そろそろ、他のパーティがこの部屋に到着してきてもおかしくない。
 この後3Pを楽しみたかったが、ここはババアの予言の通り、あのパーティに参加しなけりゃならない。
 3Pをやっているところを見られてしまったら、
 ルーちゃんから戦う力を奪い、手込めにした人と誤解され、殺される可能性が無きにしもあらず。
 殺されないにしても、好意的な目で見られるとは思えない。
 誠に不本意だが、ここは服を着て、3Pは次の機会に見送るべきだ、と結論づけた。

「……げっ」

 と、思っていたのだが、二人はなんだか瞳をうるうるさせて俺を見上げている。
 俺が二人の背中に回した手を放しても、彼女らは俺をがっちり捕まえていた。

「な、なあ、もうそろそろ他の人達がここに……」

 ぎゅうぎゅう締め付けていた手が更に強くなる。
 俺を逃すまいとしているのだが、そんなに強く締め付けられたら、HPが減りそうなんですけど……。

「あー、聞いてる?」
「カツキくぅん……」
「ご主人様ぁ〜……」

 聞いてない……。
 まあ、予知能力で俺のことを見張っているだろうババアが何もコンタクトしてこない以上、大丈夫なんだろうけど。

 ……いや、あのババアのことだ、何かしら手を抜いている可能性だってある。

「……」

 と、思いつつも、男の俺より力の強い二人に押し倒され、何も抵抗できない俺でした。
 ルーちゃんが口に吸い付き、センヴィーの舌が俺の肉棒にそっと添えられる。
 食べられてしまう……うぅ……。


 ああ……これからどうなるんだろう……。


444 :へたれエロ勇者 VS ボク女勇者  ◆4hcHBs40RQ :2006/05/27(土) 22:09:35 ID:mgvqpPu+

 本日の戦果!

 戦闘成績 「19戦 19勝 0敗」

 三回死亡
 頸椎損傷による心肺停止、後死亡
 腹部殴打による内臓破裂、後死亡
 頭部殴打、後死亡

 戦闘開始時のレベル 1
 現在のレベル 17

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV17 HP 33/33 MP 12/12 状態:お腹一杯
 特殊技能:シンクロ率54% 赤いザザーンの海 異世界の勇者の血 エロ妄想LV9 DG細胞
 精神:自爆 自爆 自爆 『自爆』 『脱力』 『感応』
 魔法:『チンカラホイ(自分より低レベルの対象のスカートをめくる)』 −MP2            」

 獲得アイテム
 バンドー・ラ・ジュウレンが用意した旅道具(総重量120Kg)
 ひのきのぼう
 たびびとのふく
 おなべのふた
 やくそう
 はえみつ
 いかすしの巻物

 前回戦闘以前の仲間
 無し

 新たに仲間に加わった人(と人じゃない生き物)達。
 四天王 魔のクルスノール家当主 ゼンヴィーヴァ・クルスノール
 ピアトーユ王国 ドラコノ家 第三十六代勇者 ルーミ・ドラコノ


 以下、カツキ氏のコメント

 ……えっ!? ルーちゃんって勇者だったの?
 そんなの聞いてないよ〜、っていうか、俺が勇者じゃないんか!?
 どういうことなのん?


581 :へたれエロ勇者 幕間劇! 1/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:28:28 ID:wGp5yk31

     へたれエロ勇者 幕間劇!


 彼女らのパーティは、新しく加わった俺とセンヴィーを除くと九人で構成されていた。
 勇者、騎士、格闘家、僧侶、魔法使い、侍、獣人、弓兵(エルフ)とお姫様だ。
 お姫様つーのは、センヴィーが誘拐してきた人。お城まで、このパーティで護衛していくんだとか。

 先日のババアの屋敷の中で、なし崩し的に行われた3Pをなんとか押しとどめ、
 危機一髪のところで、乱交シーンを、後から駆けつけてきたパーティの面々に見られることはなかった。
 パーティのリーダーであり、しかも由緒正しい家柄の勇者であるルーちゃんとのツテを使って、
 俺はこのパーティに随伴する許可を手に入れたのだった。
 ちなみに、センヴィーは、ババアが密かに用意してくれた荷物の中に、魔法の小瓶が入っており、
 質量保存の法則をステキに無視してくださる、そのマジックアイテムの中に隠れてもらった。
 小瓶、と言っても親指の先ほどの大きさだ。
 その小瓶にはチェーンがついており、ネックレスとして俺の胸につけてある。
 ビンのコルク栓を抜けば、あら不思議、はくしょん大魔王のようにセンヴィーが出てくる。

 いわばこれは最後の防衛線。
 パーティの人達が、か弱き一般人である俺を守ってくれるらしいが、それでも旅に危険はつきもの。
 もし万が一、どうしようもない危機があったとき、センヴィーを出せばあの強力な魔法で俺を守ってくれる、という寸法だ。
 ただ、センヴィーに守られているところを他の人に見られたら、一転、俺の魂の危機となる。
 ルーちゃんが説得してくれればよいが、それが間に合わなかったり、功を制さなかったりした場合、
 裏切り者のスパイとして首を刎ねられる危険性が大。
 だから、彼女を(夜以外で)出すのは、本当に差し迫った事態のときで更に他の人達が見ていない状況でなければならない。

 まあ、それはそれとして、色々あった。
 「出身地はどこ?」とか「家族はいないの?」とかの質問が当然、ルーちゃんとかからされた。
 特に、「ご両親はどこに住んでいるの?」とルーちゃんが鬼気迫る表情で聞かれたが、
 なんだか身の危険と、将来が狭まりそうな予感がしたので、答えなかった。

 よくある異世界迷い込みファンタジー小説では、大抵主人公は「記憶喪失」と身分を偽っている。
 なるほど、使い古されたシチュエーションというものは扱いやすい。
 第一、俺が「俺は科学技術が発展した別の世界から来た人です。向こうの世界では飛行機という鉄の塊が空を飛んでます」
 と言っても、誰が信じるだろうか?
 逆に考えて、俺の居た世界にこっちの世界の人がきて、
 「俺は魔法が存在する別の世界から来た人です。向こうの世界ではドラゴンという爬虫類が空を飛んでいます」
 と、街中で言って、誰が信じるだろうか?
 俺が見かけたら、即行で通報して、全速力で逃げるぞ。逮捕だ、逮捕。

 というわけで、俺は記憶喪失ということにしてもらった。
 数十年前まで妖しげな魔女が住みつき、魔法的な罠が張り巡らされ、更に魔物がうようよしていた屋敷の中に、
 何故かどう見ても一般人の男が一人迷い込んでいた、という不可解に、
 「その男が記憶喪失でした」という付随要素があったとしても、特に気をするようなこともなかったのか、
 記憶喪失の件に関しては、俺もびっくりするほど容易にみんな信じてくれた。
 これで今後、俺がもし現代日本にいる人しかわからない言葉を口走ってしまっても、
 「あいつ頭がカワイソウなんだ、ほっておいておこうぜ」と思ってくれると予測できるので、ちょっと安心だ。
 頭がカワイソウと思われるのは、とても不本意であるけれど。

 ただ、信じてくれるのと、信頼してくれるのは全くの別物。
 女だけのパーティに男の俺がいるというのは、やはり異質なことだ。
 俺は居場所を確保しづらいっちゃーしづらいし、向こう側も、一部の人達を除いて、俺をよく思っていないらしい。
 唯一の頼みの綱はルーちゃんだが、彼女は戦闘のとき、勇者という呼び名に恥じぬ戦闘力と、
 抜群の頭脳を持ち合わせているが、ことこういうことに関しては、まったく役に立たない。
 恋は盲目というけれど、頭はシュークリームかなんかじゃないのか、と思うほど空気も読めない。
 ベタベタくっつくと、関係を悟られるっちゅーのに、「えー、そんなことないよー」と恋人気取りで擦り寄ってくる。


582 :へたれエロ勇者 幕間劇! 2/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:29:54 ID:wGp5yk31

 俺としては、その求めに血の涙を流して応じたいッ!
 応じたいさっ、俺だって! だって男の子なんだもんっ!
 かわいい女の子といちゃいちゃしたいッ!
 だけど、だけどね!
 君が近くに来て、手を俺の首に回すたびにねッ!

 矢が飛んでくるんだよッ! 殺気を向けられるんだよッ! 魔力の流れを感じるんだよッ!
 怖いの何のって、寿命が縮んだ、とかそういうレベルじゃない。
 次の瞬間、俺の人生終わったッ! って思ったことが、何度もある。
 もし俺が今でも現代日本にいたなら、宝くじ一等を五回連続的中させるぐらいの運を今まで使ってる。
 ちくしょう、俺の宝くじッ、ちくしょう……チクショー!

 精神的圧迫はキツイ。
 しかし、精神だけでなく、俺には更に身体的なストレスも過重にかかっていた。

 ババアが俺の旅に必要な道具を、生前、用意してくれていた。
 着替え、その他生活必需品、簡易携帯食料入れ、水筒、いくばくかの路銀。
 それだけなら、普通の旅人が持っているような道具。
 だが、残念ながら俺は普通の旅人じゃない。
 この世界には、センヴィーを除く他のパーティの人達より長く生きているが、
 石像だったので、特殊な技能も知識も持っていない。
 それどころか、超虚弱体質(=レベル17)だ。
 吹けば飛ぶし、頭にこぶし大の石がかすったら死ぬ。
 五歳の子どもの方がこの世界に関することを知っているし、たくましいだろう。
 しかも、そんなパープリンでありながら世界を救う勇者、という大任を担っている。
 だから、必要な道具はそんなものではすまない。

 まず本。
 ババアが俺に知識をつけさせるために、一冊の本をくれた。
 分厚い本だ。全部見るのに何週間かかるかわからないなあ、と思っていた。
 ページをぱらぱらめくってみる。
 あら不思議、めくってもめくっても終わりがこない。
 いくら分厚い本だと言って、物理法則を無視してるページ数があった。
 ババアの魔法によって、見かけ以上のページがある本だったのだ。
 ありとあらゆる知識の集合体らしく、目次だけでも文庫本一冊分くらいの量だ。
 見る人が見れば、泡をはいて倒れてしまいそうな貴重品だと、俺にすらわかる。
 と、そこまでだったら、へぇ〜、すごいなぁ、とただ関心していられた。
 が、たまたまめくったページにメモが挟んであったから、驚愕にくれた。

『この本を全部暗唱できるくらい読むのじゃ! ユアスィートハニー ばあちゃんより♪』

 死ね! 犬のうんこを踏んで、滑って死ね!

 しかし、この指示に背くと、とんでもないようなことが起きるような気がする。
 具体的に言うと、『こんな死に方はイヤだランキングトップ1』に輝くような死に方をしてしまうような気が。
 以後、涙を流しながら、この分厚い本を読みまくっている。

 流石ババアだ、卒はない。
 何事も懇切丁寧に書いてある。
 この世界に、百年以上いるに関わらず今も尚若葉マークな俺にもよくわかる。
 絵やカラーページ、コラムやページの端に四コママンガ「あそってクン」まで付いている。
 説明もよくかみ砕いて、簡潔にわかりやすく書いてある。
 例を表すならば、『世界の中心で愛を叫ぶ』を参照すると、『ただ人が死ぬだけの小説 以上』と書いてある感じか。
 実にわかりやすい。
 ちなみに『世界の中心で愛を叫んだ獣』だと、『バカにはわからない小説』と書いてある。
 俺、バカだ……。


583 :へたれエロ勇者 幕間劇! 3/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:30:31 ID:wGp5yk31

 本来ならばここで、俺としては「ババア……」と呟きつつ、目を潤ませ、ババアに感謝せねばならないのだろう。
 だが、何故か殺意が沸々と沸いてきてしまうのは何故なのか。
 永遠の謎だ。

 お次は……まあ、簡易魔法実験道具シリーズ。
 フラスコとか、携帯魔法燃料とか、干した薬草とか……。
 どうやら、俺がこのパーティで立場は、「三等列車のお客さん」ではなく、
 どっちかというと、頭脳労働派、兼雑用兼囮らしい。
 色々な魔法薬を作れ、とババアは言ってきた。
 俺、勇者なのに、なんでそんなことせなあかんのや。
 更に薬学の知識が全くない俺に、何を言うか。

 さっき説明した本の「1から始めて∞に至るラクラク楽しい魔法薬学講座 ♪」項を参照されたし。
 ちなみに、その項だけで約一万ページ。

 ……なんというか辛い。これがものすごく辛い。
 薬学なんて、知識だけでできるもんじゃない。
 こちとらガスコンロを使ってきた現代っ子でぃ。
 たき火の火加減とか、調整できんって!

 暗い中、本を読むと視力が悪くなるので、そのための目薬を試しに作って、使ってみました。

 目から火が出た。
 比喩じゃなくて、本当に火がでた。
 ぶぉぉって音立てて、目の前の木が焦げた。
 薬草の量と、火力を間違えていました。
 そして、目から火が出た。
 目から……目から、火が……目から……。

 流石はファンタジーの世界!
 腹下しを治す薬を作ったら、分量間違えて体がカエルになっちゃった!
 大型肉食獣の遠吠えによって夜に眠れず、睡眠薬を作ったら、副作用で髪の毛が十倍くらい伸びちゃった!

 ……俺、もうやだよ……。

 荷物はその他に、様々なマジックアイテムがある。
 今はまだその使い方すらわからないが、一個も無駄に使っていいものはない。
 とても貴重なそれは、ババアが俺が生き残るために生前せっせと集めてくれていたものだ。
 流石に捨てることはできない。
 ただ、ちょっと今までの荷物とあわせて、重量がヤバイことになっている。

 そうだな……俺がステイメンだったら、荷物がアームベースド・オーキス。
 つまりGP-03のデンドロビウムのように、「人が荷物を持っている」じゃなくて、「荷物の中に人がいる」と言った方が正しいかも知れない。
 元々貧弱な俺が、こんなものを持って旅をする?
 バカも休み休み言え。

 ……でも、今のところそのまんま旅を続けられている不思議。
 なんか、俺の気が確かなら、荷物が重すぎて最低「三回」は死んでいるような気がする。
 なんでそれでも生きていられるのか、だって?
 それは僧侶さんに聞いてくれ。


584 :へたれエロ勇者 幕間劇! 4/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:31:03 ID:wGp5yk31

「大丈夫〜、カツキ君」

 誰かに説明するかのように、過去から現在に致るまでの経緯と状況を考えていた俺。
 少し脳がヤバイことになっていることが顔に出てしまったのか、ルーちゃんが心配そうに声を……
 あ、いや、心配そうじゃないな。
 なんとかして俺と話をする機会を得れた、っていう風に喜色満面な笑みを浮かべてら。

「ふっ、問題ない」

 ここで、「大丈夫じゃない〜」と言ったら男の沽券に関わるからなっ!
 ヒゲサングラスの人ばりに余裕を持って応えてやった。

「えへへ〜、カツキ君は強い子だね〜」

 まあ……、その……なんだ。
 男の沽券は守れたみたいだが、なんか釈然としない今日この頃。

「ふん、そんな奴、放っておけばいい」

 すると横から、声がかけられた。
 俺はこれでも頑張っているのに、なんとも痛烈に冷たい言葉を投擲された。
 投げかけてきた人は、「アルミーノ・グラーヴォ」さん、通称アルさん。
 騎士子さんと呼んだら、ぶっ飛ばされた経験が俺の脳にも新しい。

 赤い兜を頭に乗せ、赤い鎧を装着し、赤い具足で戦場を闊歩し、赤い剣で敵を斬り殺す。
 シャアでさえビックリな赤ずくめの騎士さんだ。
 猛禽類を思わせる目と、栗毛色のショートカット、キュッと締まった唇。
 その様、真っ赤な戦女神っぽい。

 言うまでもなく、超強い。
 そりゃあ、強いのなんのって、剣を抜くところさえ見えなかった。
 襲いかかるモンスターがいつの間にかダルマになり、そいつですら気が付かぬ間に絶命させる。
 赤い彗星もビックリな速度で動く。いつもはお姫様のガードを務めている。
 ちなみに、あまり男という生き物が好きじゃないようだ。
 俺に対する風当たりは、まだ馴染めていないこのパーティの中で最も強い。
 男で、更に軟弱者である俺は、多分、ルーちゃんとの義理があるからパーティの同行を認めているだけで、
 もし、俺にツテがなかったら、まず間違いなく捨てられていたなぁ、と思う。

 一番、この人に背後から刺されそう。
 下手に刃向かったり、偉そうな口を聞いたら、殺されそうだから、あんまり関わらないようにしておこう。
 向こうも、俺が冷たい言葉を投げかけてきてもニコニコ笑っているだけで何も反論しないでいると、
 ふんっ、と言ってさっきと同じように俺を無視していった。
 まあ、万事何もないことが素晴らしい。


「回復魔法使いましょ〜か〜?」

 ルーちゃんと一緒に歩いていると、殺気がこちらに集中してくるので、さりげなく一旦馬車から離れた。
 パーティの最後尾にいた俺は、ちょっと踏ん張って足を速める。
 しばらくすると、白い服を着た人の姿が見えてきた。
 やや間延びした口調で彼女は俺に優しく声をかけてきた。

 このパーティの中で数少ない「俺に優しい女性」だ。
 『基本的には』だけどな。
 ここ特に重要。


585 :へたれエロ勇者 幕間劇! 5/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:31:38 ID:wGp5yk31

「あ、いえ、結構ッス」
「そうですか〜。では〜、必要でしたら〜、いつでもお声をかけてくださいね〜」

 ニコニコと明るいお日様のような笑顔で言ってくれる。
 ああ、癒される……。

 彼女は「レフレシーギ・ヴィヴォプレーナ」さん、通称「レフレさん」。
 いつ聞いても、舌を噛みそうな名前だ。
 職業は僧侶。

 癒し系で、巨乳。
 ここ重要、巨乳。
 忘れないようにもう一度、巨乳。
 くどいようだがもう一回、巨乳。
 最後に更に、巨乳。
 本当の最後で、巨乳。

 素晴らしい、巨乳。
 ああ……センヴィーすらも超越する巨乳……。
 ああ、乳白色のおっぱい。
 枕にしたらどんなに気持ちいいのだろうか?
 顔を埋めたら、天国が垣間見えそうだ……。

 ……う、いかんトリップしていた……。

 レフレさんの第一印象は? と聞かれたら「ナイス巨乳」としか答えようがない彼女だが、
 実はこのパーティの中で最も謎のある人物なのである。
 旅用の神官の服を着た、清楚な人柄だが……

 この世界の魔法、というのは、もう何回もセンヴィーがやっていたのを見たが
 まず空中に魔法陣を展開、その魔法陣が術者の魔力を他のエネルギーに変換する、と言う形態を持っている。
 魔力というのはそもそも全てのエネルギーの根源たるもので、
 何エネルギーにも変換できるという超すごいものらしい。
 ややこしくなるので、詳しい説明を省くが、そのエネルギーを変換するために必要なツールが魔法陣。
 それを媒介にし、炎やら雷やらその他様々なものを作り出すのが魔法。

 その基本法則を、ダイナミック且つミステリアスでファンタスティックに無視しているのが彼女。
 口で呪文を唱えるだけで、魔法が使える。
 要するに、ノーモーションで魔法が放てるのだ。
 それだけなら大した利点と言えよう……。

 だけど……だけどな。
 なんで呪文がドラクエのなんだ?

 謎過ぎる。
 なぜドラクエなのか。
 ていうか、彼女に「ドラゴンクエストって知ってます?」と聞いたら素で「ほえ? それなんですか〜?」と返してきたんだぞ。
 何故ドラクエなんだ……いや、FFだったらいいとかそういうことを言っているんじゃない。
 ドラクエのこと知らない癖にドラクエの魔法使ってる……何故、何故なんだ……。

 わけがわからない。


586 :へたれエロ勇者 幕間劇! 6/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:32:26 ID:wGp5yk31

 謎はまだある。
 レフレさんは先に述べたように「僧侶」だ。
 いわば、傷ついた仲間を癒し、激励する後方支援を思い浮かぶ。
 レフレさんは、巨乳だし、優しい性格をしていて、更に巨乳で、
 加えていうならお姉さん気質で、ダメだしとして巨乳だ。
 実にその役にぴったりだろう。

 だが、この人、戦闘時、前衛で戦ってるよ。
 あの長い金髪をはためかして、聖母のような微笑みをその顔にたたえ、
 柔らかで気品溢るる物腰で動きながら、一心不乱に「バギマバギマバギマバギマ」
 敵が弱い、ないしは強くてもバギやバギクロスを唱えず、ただひたすらにバギマを唱え続ける。
 非効率だろうが、仲間が傷を負おうが、笑みを顔に絶やさず、バギマの連続詠唱。
 バギマ以外……あと二つの呪文を除いて、彼女が魔法を使っているところを見たことがない。
 レフレさんが言うところには、僧侶系の魔法、ほぼ全てマスターしているらしい。
 ただ、バギマしか見たことがない。
 というか、パーティの人達、誰一人彼女にホイミかベホイミをかけてくれ、と頼んでいるのを見たことがない。
 みんな過剰に傷薬を常備していて、レフレさんがホイミをかけましょうか、と言っても、
 やたら焦って、「たいしたこと無いよ」と言って目をそらしている。
 一種の狂気すら感じる。
 俺も、右にならって、回復魔法をかけてもらわないようにしている。

 ……そこで俺は一つの仮説にたどり着いた。
 銃を持つと、やたら打ちたがるようになる様を、トリガーハッピーと言うらしい。
 さしずめ、彼女は、トリガーハッピーならぬバギマーハッピーなんだろう。
 戦闘時になると、気分が昂揚し、バギマを唱えずにはいられない。
 自分でも何を言っているのかさっぱりわからないが、深く考えたら「いあいあ」といううなり声が聞こえてきそうで、
 あんまり考えないようにしている。

 ……更に、な。
 あまり思い出したくない記憶がまだ二つくらいある。
 まだ俺が若かった頃……彼女に「バギマしか使えないんですか?」と聞いてしまったときがある。
 「他の魔法も使えますよ〜」とやっぱり間延びした口調で答え、更に『実演してくれた。』
 そのとき出現したウィンドウが、実によく事の顛末を表しているので、参照されたし。

『レフレシーギ は ザキ を唱えた!
 カツキ は 息絶えた!』

 ……なんで俺が今こうして二本足で立っているのかは、僧侶さんに聞いてくれ。
 正直、俺も覚えていない。
 1時間くらい経ったとき、ふと気が付いたら、荷物を持って歩いていた。
 他の人に聞いても、誰も何も知らないふりしてた。
 だけど、何が起こったのか、あの人達は知っている。
 だって、俺が聞いたとき、全員目をそらしてたもん。
 レフレさんだけは何か言いかけてたけど、周りの人達に押さえつけられてたし。

 ……俺の精神を正常な状態に保つため、深く追求するのはやめておこう……。

 いや、とても優しいんだよ!
 レフレさんは、敵視されている俺を庇ってくれる数少ない人なんだよ!
 (俺註:ルーちゃんは庇ってくれない……というか敵視されていることに気付いてくれないので除外)
 なんであんな不思議体質で、うっかりさんなのか……うっ、うっ……口惜しい。

「あの……大丈夫ですか〜? 涙が出てますけど〜」
「あ、いや、本当に大丈夫ッス。ただちょっと汗が目に染みて……」
「そうですか〜」


587 :へたれエロ勇者 幕間劇! 7/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:33:02 ID:wGp5yk31

 レフレさんはニコニコしている。

 ああ、巨乳……。
 近くで見ているだけで、素晴らしい巨乳様でいい気分になれる。

 しかし、あまり巨乳にとらわれすぎていると、背後から何をされるのかわからないので、
 俺は彼女を追い抜き、更に足を速めた。

「……」

 しかし、ええねぇ……おっぱい。
 いっぱい、の「い」を「お」に変えて言ってご覧、ウフフ。
 おっぱい! バカだなぁ、おっぱおだよ、おっぱお、エロイなぁ〜、お前。
 おっぱい! おっぱい! おっぱい!

「……」
「う、ウフフ……おっぱ……うふ……」
「……? おっぱ?」
「うぉぁッ!?」

 背後に、人がいた。
 すっげ、ビックリした。心臓止まるかとオモタヨ。

 ツバがめちゃくちゃながい三角帽子をかぶり、体がすっぽり隠れるほどのローブを羽織った女の子だ。
 俺よりちょっと若い。見かけ、18、9くらいかな。
 ツバが長い三角帽子を被って、日光を遮っているせいか、色白で不思議な目の色をした子だ。

 彼女は、えっと「ソルチスティーノ」ちゃん。通称「ティー」
 ソルチスティーノとはエスペラント語で「(誘惑する)魔女」のこと。
 字でわかるように、ティーは魔女。
 まぁ、誘惑するには色気がちょっと足りないけど。
 ソルチスティーノというのは、本名じゃない。
 魔女は本名をほいほい名乗るもんじゃなく、偽名なんだとか。

 どことなく、不思議な感じがする子だ。
 魔女だからなのかもしれないが、何か見ていてひっかかるような……。

 彼女は寡黙だ。
 あまり喋っているところを見たことがない。
 俺に対しても、どちらかというと無関心な感じ。
 あからさまに排斥されない分気が楽だが、空気のように思われるのもちょっと辛い。
 ただ、ティーは俺が魔法薬を作ろうとすると必ずたき火のすぐ近くに寄ってくる。
 意外にティーと仲が良い騎士のアルさんに、俺が不審なことをしないか見張っているように命じられたのか、
 慣れない手つきで調合している俺のことをじっと見つめている。
 ずっと黙って見ているもんだから、なんだか微妙な空気になってきて、話しかけてみた。
 すると全てスルー。無視されました。

「……」

 その魔女様が、俺の側により、何かを求めるかのように手を出してきた。

 ……先日、うっかりティーに俺が飴をあげてしまったのだ。
 あまりに気まずかったので、ズボンのポケットの中にあったあめ玉を渡した。
 百年以上前のものだが、俺と一緒に石になっていたから、別段問題はないだろう、と思って。
 すると、あれだけ頑なに無視し続けてきたティーが、飴を口に含んでから、俺にしつこくつきまとうようになってきた。
 言うまでもないが、あめ玉目当てだ。


588 :へたれエロ勇者 幕間劇! 8/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:33:51 ID:wGp5yk31

 この世界にあめ玉なんてないわけだから、よほどおいしく感じられたのだろう。
 見かけよりもはるかに子どもっぽい気質なのか、何かに付け手を差し出し、あめ玉をねだってくる。
 が、俺のズボンのポケットに入っていた飴はたった三つしかない。
 一つはティーにやり、もう一つは俺が食い、最後の一つはねだってきたティーにあげた。
 もう、残って無いのだ。
 だからあげられない。

 ティーに「飴はもうないんだ」と説明した。
 すると彼女は黙ったまま、首を傾け、きょとんと俺を見つめている。
 わかっていないのか、わかっていないふりをしているのか、はなっから俺の話を聞くつもりはないのか、
 何度も俺に向かって手を出してくる。

 困った。非常に困った。
 無視しようにも、電撃が飛んでくる。

「だ、だから前に説明したとおり、もう飴は……」

 ティーが片手を持ち上げると、その上に小さな小さな魔法陣が現れる。
 青紫色の雷が、ちろちろ舌なめずりして俺を狙っている。
 ティーの体をすっぽり覆う大きなローブが少しめくれ、その中身が見えた。
 ティーはローブの下に、布とも革ともつかない不思議な服を着ている。
 なんだか、魔法で制御された服で、物理防御力を高めるものなんだとか。
 表面が黒光りしているのに、絹のように滑らかで且つ刃物でも簡単に切れない丈夫さを持っているらしい。

 って、今はそんなこと考えている暇はない。

「か、勘弁してくださぃ! そ、それマジで痛いんです」

 電撃を喰らえば、痛いだけじゃない、実際HPが減る。
 これは完全に脅しだ。
 普段黙っていて、それなりに可愛い子なんだが、飴のことになるとびっくりするほど活発になる。
 毎度毎度、拷問のように電撃を喰らわされ、俺の手足に痺れが残るまでそれをやめない。

「ピギャァ!」

 屠殺される豚のような悲鳴を上げて、俺はのけぞった。
 電撃が俺に襲いかかり、激しい痛みを体に刻んでいく。

 思わずその場にうずくまる。
 背中の荷物がぐっと重く感じ、そのまま前に倒れてしまった。

「ぐぇ……」

 120キロの荷物が俺を押しつぶしている。
 それと同時に、電撃が激しい激痛を俺にもたらしている。

「……」

 ああ、意識が……。
 何かが、見える……。
 白い光の中に、何かが。

 あれは……白鳥?
 ……い、いや、あれは……。


589 :へたれエロ勇者 幕間劇! 9/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:34:32 ID:wGp5yk31

「ララァァァッァ!」

 俺は一気に意識を取り戻し、背中の荷物を根性で持ち上げ、立ち上がった。

「ハァハァ……今、何か見えちゃいけないものが見えた……」

 まさか、ピュルルルルルルルゥという擬音とともに、白鳥が、ババアに変わるだなんて。
 ババアがぞっとするような笑みを浮かべ、どこともつかない空間に浮かんでいる俺の周りを回って……。
 白鳥を思い浮かばせる白い服を着て、あたりを回りまくるのは、一瞬、地獄に迷い込んだのかと思った。
 ババアの被っていた帽子が、俺に向かって飛んできて、まるで生き物のように俺に絡みつこうとしてくるところで目が覚めた。
 ああ、これ以上思い出したくない。

 ……ん? なんか、えーと……。

「……ごめん」

 なさい、と続けて言っていたようだが、声が小さくて聞き取れなかった。
 魔女のティーは、なんだかばつ悪そうな表情を浮かべている。
 流石に、やりすぎたと思ったんだろう。

 まあ、確かにやりすぎだ。
 現に今俺のHPが赤文字表示だもの。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV17 HP 2/33 MP 12/12 状態:瀕死
 特殊技能:シンクロ率400% スーパー 異世界の勇者の血 シンジ エロ妄想LV9 S2機関
 精神:自爆 自爆 自爆 自爆 脱力 感応
 魔法:チンカラホイ −MP2                                         」

 不穏当な単語がいくつか混じっているが、今回は無視しよう。
 あれは悪夢だ……悪夢なんだ……。

「……」

 ティーは目線を反らし、そのままトテトテ歩いて先に行ってしまった。
 なんというか、かわいいことはかわいいんだが、やること過激なんだよなぁ。

 俺は懐から丸薬の入ったビンを取り出した。
 この世界でもっとも簡易的な回復薬が入っている。
 一粒飲むだけで、HPが500回復する。
 だけど、他の人達、「これじゃ回復したうちに入らないよ」って言ってた。
 チクショウ! 回復したうちに入らないよって、俺の最大HPの15倍以上だよッ! チクショウ!

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV17 HP 33/33 MP 12/12 状態:正常
 特殊技能:シンクロ率400% てんじき 異世界の勇者の血 ゆう エロ妄想LV9 S2機関
 精神:自爆 自爆 自爆 自爆 脱力 感応
 魔法:チンカラホイ −MP2                                   」

 ふう、なんとか生命の危機は去った。
 かわりに不穏当な単語のレベルが格段に上がっているが。


590 :へたれエロ勇者 幕間劇! 10/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:35:03 ID:wGp5yk31

 ふと、ティーの後ろ姿を見てみる。

 ……まあ、魔女なんて同じような帽子被ってるからな……。
 多分、気のせい……だろ。
 ババアの帽子に似ているだなんて、な?
 年甲斐もなく『GOGO Let’s GO』なんてワッペンつけてて、
 あの帽子にも同じものがついてるけど、気のせいだろ。

 と、意味深な科白を吐きつつ、俺は再びグッと足を前に踏み出した。

「ニャー」

 と、そこに猫が現れた。正確には猫人だ。
 所謂獣人と言われる生き物。
 種族的には、ワーキャットと呼ばれるモンらしい。
 この子も、この勇者のパーティの一人だ。

 胸と腰に毛皮で出来た水着のようなものをつけている。
 無論、ネコミミ、ネコシッポ、猫の手、猫の足標準装備。
 まるで男の夢が具現化しているようだ。

 真っ白い毛がちょびちょび生えているが、人間の女の子と耳と手と足と尻尾が生えている以外ほとんどかわらない。
 そんな子が、にゃーにゃー言いながら、俺の目の前にいる。
 なんというか、感慨に浸ってしまう。

「どうしたのにゃ?」

 ひょいと顔を近づけ、金色の猫目でこちらを見てくる。
 なんだか、見透かされているような気がしたので、溜まらなくなり視線を外した。

 彼女に名前を聞いたとき、彼女は「まだない」と言った。
 何故、モチをくわえて二本足で台所中を踊り狂う猫の真似をしているのか、続けて聞いてみると、

「名前は、まあ、気に入ったものがないからニャー。
 みんなは、ニャーのことを猫さんとか、ミケとか好きな風に呼んでるニャー」

 くしくしと首を裏を掻きながら、そう答えた。
 白い毛しか生えていないのに、ミケとは中々学術的に興味があるな。

 俺には俺の、その彼女の呼称を考えていい、と言われた。
 彼女の言うとおり、他のメンバーは「ミケ」だの「タマ」だのみんな違う名称で彼女を呼んでいる。
 流石に、シロとかニャンコとかだと色気がなさ過ぎるので、女性っぽい名前を考えてみた。

「ナツメ? ふぅん……変な名前ニャね」

 何から取った名前かは、敢えて言うまい。

 彼女――獣人猫娘のナツメは、まあ、かわいい奴だった。
 その強靱な肉体から繰り出される、猫キックと猫パンチは、殺人級の威力を持っていたが……。
 現に彼女には、じゃれてきたとき何度か殺されている。
 なんで生きているのかは、これまた僧侶さんに聞いてくれ。


591 :へたれエロ勇者 幕間劇! 11/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:35:33 ID:wGp5yk31

「ニャー」

 細身の体を、猫っぽくくねらせて俺の周りをぐるぐる回るナツメ。
 ミケ、タマ、猫ちゃん、という色気もクソもない名前ではなく、ちゃんと女性っぽく聞こえる名前をあげたからか、
 ナツメには何故か好かれている。
 俺も、好かれて悪い気はしない。
 例え、俺にじゃれたときに繰り出した猫パンチが、俺を殺しちゃっているとしても、だ。

「ニャー、カツキ」

 ぷに、と柔らかいものが手に触れる。
 おっぱいじゃない、肉球だ。

 ああ、癒される……。
 元々猫好きだから、なんかこう、おっきな肉球でぷにぷにされると、とても心地いい。
 中々、いい感じにほんわかしたので、お礼にナツメの頭を撫でてやった。

「にゃはー」

 猫っぽく目を細め、気持ちよさそうにしている。
 うむっ、頭を撫でた甲斐があるというものだッ。

 調子にのって喉を撫でてやろうと思ったそのときだった。

 バムッという弾ける音の直後、何かが空気を裂くような音が耳に届く。
 驚いて手を引っ込めると、今まで俺の手のあった部分に、矢が飛んできた。

「ひっ!」

 びぃぃぃんと空気が震える音を立て、近くにあった木に矢が突き刺さっている。
 一瞬でも腕を引っ込めるのが遅かったら、あの矢は木じゃなくて俺の腕に突き刺さっていただろう。
 いや、突き刺さるだけに飽きたらず、俺の腕が肩からちぎれ、断面図を見ると同時に、俺は死んでいただろう。
 腕を切り離された状態で、ザオリクが効いてくれればいいが、効かなかったら、そこで俺の旅はオシマイだ。

 咄嗟に矢が飛んできた方向に目を向ける。
 一瞬、そこで何かが動いたように見えたが、誰もいなかった。

 ヤバイ、やばいぞ、俺を狙っている。
 また、あの人だ……。

 森の木が一斉にざわめく。
 どこにいる、どこで俺を狙っている。

「う、うわああああああ!!」

 その場でなんとか見極めようとしたが、SAN値が急低下していた状態でそれは無理だった。
 がむしゃらに走った。
 しかしそれが良かったのか、次々とどこからか飛んでくる矢が一発も当たらない。
 今まで立っていた場所に道が出来るように、矢が地面に突き刺さっていく。

 段々その間隔も短くなってきて……。


592 :へたれエロ勇者 幕間劇! 12/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:36:05 ID:wGp5yk31

「うわっ!」

 目から火花が散った。
 大丈夫、今度は比喩だ。

 よく前を見ず走ってしまったせいで、木に頭からぶつかってしまった。
 視界が動き、青い空に向く。

 あいたたたたた……。

 青い空に浮かぶ木の葉っぱが、俺の突進を受けたせいか何枚かひらひら落ちてきた。

「ひゃ、あっ、きゃっ……」

 そして、それと同時に俺の上に、きらめく金髪をたなびかせ、緑色の服を着た人が落ちてきた。

「ぐふぅっ!」

 俺の腹の上に「v=2gh」で落ちてくる人。
 俺のHPがあと残り2しかなくなってしもた。

「こ、この! 何をするか不埒者がッ!」

 しかも俺の上に落ちてきた人のこの言いよう。
 もうやんなっちまいますよ。

 彼女もパーティの一人だからもうイヤだ。
 遙か昔に滅びたエルフ王国の王族の末裔だかなんだか知らないが、上に乗っかられたらとりあえず苦しい。

「気安く体に触りおってからに……汚わらしい人間の男め!」

 彼女は俺の上に乗ったまま、俺を罵倒している。
 彼女の名前は、「フォルスト・アルボアルバーロ・アルバレート」 通称、フォル。
 俺は皮肉を込めて、フォル様と様付けしてやっている。

「ど、どうでもいいから、早くどいてくれ……重くて死にそうだ」
「なっ、なんだと、誰が重いと言うのか! 無礼な!」

 ひ、人の話を聞けよ……。

「む……フォル様、俺の上に乗っていて楽しいんですかぃ? 楽しいんならいいですが」
「馬鹿なことを言うな! 誰がお前のような汚物の上に乗っていて楽しいと思うのだ!」
「だ、だったら、早くおどきにならないとマズイんじゃないんスか」

 フォル様は俺の言葉を聞いて、ようやく気付いたのか、サッと俺の上から飛び退いた。

 そうか、偶然フォル様が俺を狙っていた木にぶつかったのか。
 確かに災難だったが、ある種幸運だったのかもしれない。

 フォル様は俺が丁寧に教えてあげたというのに、三歩離れ、うううううう、と唸っていた。
 聞き取れないが、小さな声で罵倒している。

「く、クズの分際で私に恥をかかせおって……」



593 :へたれエロ勇者 幕間劇! 13/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:36:36 ID:wGp5yk31

 真っ赤な顔をして、背中に手を回した。
 しかし、手は空を切る。
 フォル様は、あるはずの感触がないことに気が付き、あっと小さく声をあげ、
 あたりをきょろきょろ見回し始めた。

「あー、ひょっとして探しているのはこれですかね?」

 俺は地面に落ちていた矢筒を拾って、ぽんぽんと手の中で弄んでいた。
 じゃらじゃらと、音を立て、中に入っている矢が右往左往している。

「そ、それだッ! か、返せ、人間! えぇい、貴様、盗人でもあったか!」

 いや、フォル様が木から落ちたときに、地面に転がっていたのを拾っただけなんですが……。
 この人、気位が高いというか、ただのアホな子だ。
 変にプライドだけ高いから、余計に滑稽。

「別に盗んだわけじゃありませんよ。ほら、返します」
「え? そ、そうか、そうだな……人間にエルフである私の荷物を盗む度胸など、あるわけがないな」

 ただ、やりこめるのは非常に簡単だわな、バカだから。
 矢筒をそのまま差し出した。

「カツキ〜」

 不意にナツメの声がした。
 矢の後を追って、俺のことを追ってきたんだろう。
 にゃんにゃん、と言いながら、俺の近くに寄ってくる。

 あ、ヤバ……。

 フォル様が腰元に手を当てるのが見えた。
 次の瞬間、煌めくナイフが俺の喉を襲う。

「あ、あああああ〜〜〜〜〜! な、なんということをする!」

 俺は咄嗟に手に持っていたものを盾にして、喉を守った。
 矢筒に銀のナイフが突き刺さり、完全に貫通してしまっている。
 中に入っている矢も、何本か折れていた。

 顔色を変えたのは、フォル様。
 フォル様は、勇者のルーちゃんと猫娘のナツメのことを気に入っていて、
 それに好かれている俺のことを特に憎んでいるのだ。
 さっきの矢の雨や、不必要に高圧的な態度はそれが原因なんだろう。

「こ、この……人間め! これは父上から頂いた大事な矢筒であったのに……」
「お、俺の命だって、俺の両親から貰った、この世で一つしかない大切なもんですよっ!」

 もう何度も死んでいて、親父とお袋に申し訳が立ってないけどな!

「貴様の命の価値なぞ、この矢筒に比べればッ!」


594 :へたれエロ勇者 幕間劇! 14/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:37:17 ID:wGp5yk31

 酷ッ!
 いくらなんでも酷すぎるッ!
 確かに、僧侶のレフレさんに「新しい魔法覚えました〜」と言われ、
 「な、何を覚えたんですか」と答えたら「ザオラルですぅ、今ぁ、試しますねぇ……ザキ」
 と反応する前に実演してもらって、おもしろ愉快な死に方をしている俺だけど、
 俺の魂矢筒以下、と言われるのはちょっと納得がいかねぇ!
 ザオリク使えるくせに、ザオラルをその後に覚えるレフレさんも納得がいかねぇ!

「直せ! 今すぐこれを直せ!」
「む、無理っすよ! 第一、いきなり襲いかかって来る方が……」

 そのときだった。
 フォル様の手にある矢筒に、赤い魔法陣が展開される。

「あ?」

 魔法陣から魔力が溢れ、ゆっくり収束して、魔法陣が消え去った後には、
 新品同様、傷一つ無い矢筒があった。

「……」

 ふっと振り向くと、そこにはさっき別れたはずのソルチスティーノ、ティーがいた。
 無表情で、矢筒に杖を向けている。

「……」

 そして、俺に向かって手を差し出す。

「い、いや、直して頂いたのはとても嬉しいんですけどね。飴は本当にもうないんですって」

 ティーはきょとんとした表情で俺を見ている。

「……恩を」

 仇で返された、と続けていっていたが声が尻つぼみで聞こえなかった。
 い、いや、仇って……。

「おお、ありがたい! ソルチスティーノどの。
 エルフ族代表として礼を言いたい」

 まるで子どものように矢筒を抱きしめたまま、フォル様は言った。

「何でも願いを言って欲しい。一族の代表としてそれに応えよう」
「……別に」

 フォル様は偉そうに言っているのを、ティーは受けなかった。
 例の如く、いい、と最後まで言っていたが、聞き取れない。
 そのままティーはとてとてと先に行ってしまった。

「……なんと謙虚なお方だ。エルフ族代表として、ソルチスティーノどのに出会えたことを幸運に思う」

 ……この人も大概、シヤワセな脳の構造しているなぁ。
 謙虚だから言ってるんじゃなくて、まるっきり相手にしていないことになんで気付かないんだろう。
 あまり好ましい感情を抱かれていない俺ですら、無視されていないというのに。


595 :へたれエロ勇者 幕間劇! 15/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:38:20 ID:wGp5yk31

 ティーは無口で、大抵無表情だけど、それでも何かしら人に対しているときには表情が変わる。
 フォル様に向けられている表情は、言いたくはないけど「蔑み」が混じっている。
 虚栄心にとらわれたフォル様に向ける目としては、それはそれでありなんだろうが……ねぇ。

「……ふんっ」

 そしてフォル様が俺に向ける目も「蔑み」が混じっている。
 この人、単純だからすぐに思考が読める。
 大方、
 「私はソルチスティーノどのに褒美を要求されず、こいつは要求された。
  ということはやはり私は高貴で、こいつは下賤。やはり見る人が見れば違うものだ」
 とか考えているんだろう。
 呆れを通り越して、憐れに見えてくる、
 そして、この人が代表を自称するたびにエルフ族の皆様方に深い同情の念がわく。

 なんでこんな人格のレベルが低い人がこのパーティにいるんだろう、と思うけど、
 やはりそれは弓の扱いに長けているからだろう。
 さっき俺に射かけてきた矢も、いくらかの誤算はあったろうが、
 俺が全力で避けてぎりぎり当たらないところ調節して放ってきたみたいだし。

「……」

 俺は、つまらない優越心に浸って上機嫌になっている彼女を更に喜ばせるために、
 俺の足下でにゃんにゃん言っているナツメにこっそり指示を出した。

「ふぉるー、にゃーん」

 ナツメはフォル様にとりつき、じゃれる。
 フォル様は笑顔になって、一瞬俺をにらめつけたが、そのままナツメとともに行ってしまった。

 はあ、疲れる……。

「まあ、あれはあれで賢明なところもあるのでござるよ」
「そうっすかねぇ」

 背後から、一人の人がやってきた。
 俺の考えを読んでいるかのように、言う。
 このパーティの一番の人格者だ。

 新撰組のような袴を着た女侍。
 ファンタジーのこの世界で、一番浮いている存在といえば彼女がそうだろう。
 腰元にポン刀を携え、優美に歩いていく様。
 懐が深く、誰に対しても公平正大に受け、応える。
 純粋な戦闘能力で言えば、このパーティで最も高い存在でありながら、
 それに奢らず、謙虚で、しかし芯が強い。
 特筆すべきは、とても、糸目です。

 彼女の名前は……はて、何だったか。
 俺は、この人のことを、いつも「姐さん」と呼んでいる。
 そう、彼女は「姐さん」と言うに相応しい人なのだ。

 ……そういえば、まだ名前を言ったことはなかった、か。


596 :へたれエロ勇者 幕間劇! 16/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:42:14 ID:wGp5yk31

「それより、どうでござるか? もう旅に慣れたでござる?」
「ええ、まあ、荷物に押しつぶされて死ぬようなことはもうないっスね」

 だからと言って名前を聞くようなことはしない。
 姐さんは姐さんなのだから。

「ふむ……それでは」
「あ、剣の稽古っちゅうのは遠慮させていただきますぅ」

 姐さんは、開いているのか開いていないのかいまいちよくわからない目でこちらを見ていた。
 あのフォル様とは打ってかわって、こちらは何を考えているのか、わからない。

 以前から、姐さんからは剣の稽古をつけてやる、と言われていた。
 姐さんは自分の身を守る手段を身につけるべきだと主張している。
 が、正直な話、この疲労の溜まった体で剣のお稽古をやったら、
 ただでさえ死にまくっているこの体だというのに、ますます死亡回数が多くなってしまう。

 時間の問題もある。
 日中は道無き道を歩き、夕方から夜にかけてお勉強プラス色々な魔法薬の調合。
 そこに剣のお稽古を入れるならば、朝早くか、
 それともお勉強と調合をみんなが寝静まってから行うか、のどっちかしかない。
 どっちをとっても、俺の睡眠時間が著しく削られることになる。
 そこまでやったら、流石に俺の魂がすり切れてしまいそうだ。
 ただでさえ、デッドオアアライブで内憂外患な生活をしているというのに、
 更に精神に負荷をかけてしまったら、「俺を殺してくださいっ」と叫んじゃうかもしれない。
 そして、ここはその叫びに嬉々として従う連中がゴロゴロいるパーティなのだ。
 だから、姐さんの好意の申し出も、残念ながら拒否させていただいた。

「まあ、カツキどのがそういうのなら強制はしないでござるが」
「はぁ、すんません」
「いいでござるよ」

 姐さんは気にした様子もなく、悠然と道を歩いていく。

 はぁ、姐さん。かっこいいぜ。
 なんちゅうか、威風堂々というか……。
 人間できている人っていいね!

 レフレさんとか、優しいけど、今まで一番俺を殺している人だし。
 ルーちゃんも、かわいいけど、空気読めないし。
 ナツメも、猫だけど、余計なバカエルフが付いてくるし。

「……ふむぅ……カツキどの、馬車の方へ向かった方がいい」

 突然、姐さんがその場に立ち止まった。
 優しく垂れている糸目がきりりと引き締まり、辺りを警戒している。
 どうやらモンスターが近くにいるらしい。

「は、はいっす。他の人達に知らせて来ますね」
「あ、いや、その必要はないでござる。それほど数は多くない、拙者一人で片づけられるでござるよ」
「うぃっす、じゃ、じゃあ、俺は先に……」

 女性一人残して、こそこそ逃げる情けない奴なんて後ろ指をささないでくれ。
 今の俺が例え一万人いたとしても、姐さんなら指一本触れさせず全員斬り殺せるほど強いのだ。
 まあ、俺が極端に弱すぎる、ということもあるんだけど。


597 :へたれエロ勇者 幕間劇! 17/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:43:09 ID:wGp5yk31

「……む、やはり離れない方がいいでござるな。これは、かなり近い。しかも、思ったより、多い?」

 俺が馬車に向かおうとした瞬間、近くの茂みから何か得体の知れないものが飛び出してきた。
 黒っぽい骨の塊が、地面を這うようにして俺に近づいてきた。

「う、うわぁああ!!」

 なんら秩序のない、うずたかく盛られた何かの骨の山。
 悪夢に出てきそうなそれは、確かに現実に存在しており。

「むんッ!」

 次の瞬間、姐さんによって、切り崩された。
 多くの骨が剣撃で断ちきられ、山を構成していた骨が宙を舞う。

「まず一つ……」

 ひ、一つって、まだ来るの!?
 お、俺、腰が抜けちゃって、動けないんすけど……。

 ……我ながら情けない勇者もいたもんだ。
 と、不意に木の陰から何かが飛び出した。

 あ、あれ、木だよ!
 木の陰から何か飛び出したと思ったら、木そのものが動いてたよ! びっくりだ!
 よく見たら、根っこと思っていたものが足で枝が腕。
 ヒビだと思っていたのが目、鼻で、口までついている。

「う゛ぉう゛ぁあああああ」
「おぅわぁあああああ!!!」

 奇声を上げ、腕をぶんぶん振り回して、俺に向かってきた。
 お、おしっこちびりそうだっ!

「むんっ!」

 しかし、そこへ糸目をちょっと開いた姐さんがやってきた。
 俺を庇うように立ち、手にしたポン刀で袈裟切り。
 ぶしゃああ、という噴出音とともに、不気味な紫色の血を大量に流し、木のモンスターは事切れた。

 や、やべ、ちょっと漏らしちゃった……。
 その他にも不気味なモンスターが続々現れた。
 後に追いついてきた他の仲間が一人やってきて、なんとか事なきを経た。
 な? こんなモンスター、俺の手に負えないって。
 気持ち悪いし、強いし、ヤバイ。

「大丈夫か、カツキどの」
「え、ええ……パンツの代えは必要ッスけど、ケガは何も……」

 ……今、気が付いた。
 バカエルフことフォル様が木の上から落ちて下敷きになった状態から、HP回復してねぇや。
 HP残量が残り2だよ、あはー。……死ぬところだった。
 まあ、俺の場合、HPがマックスでも2でも一撃喰らっただけでゲームオーバーなんだけどね、あはー!
 本当に、毎日が崖っぷちです。


598 :へたれエロ勇者 幕間劇! 18/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:48:34 ID:wGp5yk31

「……貧弱な男だ」

 と、全く持ってその通りな意見を言ってきた人がいた。
 ちなみに、騎士のアルさんじゃない。
 アルさんは、俺とウンコにたかっている蝿、どっちが好きですか、と尋ねたら、蝿と答えるに違いないので、
 俺のことなんて無視だ。
 第一、アルさんは少し後ろにいる馬車の護衛をしている。

 格闘家の「フラカーシ・エクステルミ」さん。
 何故か愛称が「クーヤ」という元の名前から連想できないもの。
 小柄な体で、俊敏且つ力持ちだ。
 赤いゴムでまとめたツインテールが唯一のおしゃれ。
 丈夫な素材でできた道着を着て、日々肉体鍛錬にいそしんでいる。
 ちなみに、彼女の人の付き合いの決め方は、「強いかどうか」この一言に集約される。
 つまり、俺はゴキブリ以下ってこった。

 うん、彼女は強い。
 格闘家の強さの尺度を表すものとして「熊殺し」とか「虎殺し」とかいう二つ名がある。
 彼女はそういうレベルを超越した存在だ。
 ガンダムくらいなら素手で倒せるだろう。
 てつのつめを装備したら、サイコガンダムMk−Vぐらい破壊できるかもしれない。
 古代遺跡付近で突然現れた巨大なゴーレムをでこぴん一発で瞬時に粉にしていたからな。
 人外どころか、完全に物理法則から外れている生き物であることは確かだ。

 女侍の姐さんが静としたら、クーヤたんは動。
 騎士のアルさんはまたちょっと別の分野ではあるが、そんな感じだ。
 姐さんが気を静め一撃必殺を狙うのに対し、クーヤたんはとりあえず殴って殺す、って感じ。
 姐さんがキラーマシンなのに対し、クーヤたんはギガンテス、って感じ。

 姐さんもどっこいどっこいだが、どちらかというとクーヤたんは冷たい印象を受ける。
 どちらも敵を倒すときには、顔色を変えず黙々と敵を破壊していくが、
 クーヤたんの方が仲間に対する気配りよりも、効率を優先している節がある。
 まあ、それが結果的に味方の被害を減少していることもあるのだが、なんつーか、クールだなぁ、と思う。

 俺よりも頭一つ分低い小さな体だが、その性能は俺の一千倍は超えているんじゃないかな。

「いやぁ、クーヤさん、助かりましたわ」

 とりあえず、媚びを売っておこう。

「相変わらず強いッスね。その拳は岩をも、鉄の壁をも砕き、悪の野望を破壊する。
 その蹴りは森を揺るがし、地を揺るがし、魔族を震い上がらせる。
 いやぁ、素晴らしいッス」
「……」

 ……いささかやりすぎたせいか、クーヤたんは咳払いしてそっぽを向いてしまった。

「……まだ残党が残っているかも知れない。馬車のところへいけ」

 少しうわずった声でそう指示された。
 まあ、確かに俺がここにいても結局のところ超足手まといにしかならないので、さっさと馬車へと向かった。
 荷物が重いけど、ふんばるぞっ、と。


599 :へたれエロ勇者 幕間劇! 19/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:49:12 ID:wGp5yk31

 急ぎ足で来た道を戻ると馬車が見えた。
 馬車の横には騎士のアルさんが歩いていて、その傍らにルーちゃんがいる。
 この馬車には、例のVIPがいるのだ。
 確か、ピアユートという国のお姫様だ。
 えっと確か名前は「プリンツィーノ・レヂュンド・レヂュランド……なんとか……ピアトーユ」だったような気がする。
 複雑過ぎてわからん、姫様と呼べばいいか。

「どうした?」

 急ぎ戻ってきた騎士のアルさんが声をかけてきた。
 確かに俺は、アルさんにとって蝿以下だが、俺のもたらす情報は別だ。
 騎士たる者、公私混同しないんだろう。

「ちょっと先にモンスターが出まして。姐さんとクーヤさんがあらかた片づけたんですが、まだ残党が残っているかも、と言づてを」

 ここは近くに村があって、比較的モンスターの少ない地帯だ。
 というか、ほとんど出現しないらしい。
 街道が一本道で続いているため迷うこともない。
 だからこそ、みんな各々のペースで道を歩いている。

「そうか……」

 あー、疲れた。
 ただでさえ重い荷物を持ったまま、早歩きで進んで、
 電撃を受けて悶えたり、矢を避けるために走り回ったり、モンスターの襲撃に怯えたりしていたのだ。
 疲れがどっと出てきた。

「……何をしている、置いていくぞ」

 そんな俺にアルさんは冷たく言い放つ。

「ちょ、ちょっと疲れちゃって……」

 膝に手をつき、息を整える。が、中々整えられない。

「では、置いていこう」
「お、置いてかないでくださいよっ! こんなところに置いていかれたら、死にますって!」

 あのモンスターの姿が思い出される。
 もしこの近くにモンスターがまだ残っていたのなら……。
 食われて死ぬね、うん、当然。

 ……。
 いやじゃあああああああ!! 死ぬのはいやじゃあああああああ!!

「アルちゃん、酷いよ。カツキ君、置いてったら三秒で死んじゃうよ」

 ナイスフォローだ、ルーちゃん。
 だが、改めて三秒で死ぬとか言われるとちょっとショックだ。

「……ちっ、死ねばいいのに」

 こっちはこっちで超酷い。くそっ、動けマイボディ。息を切らしている暇はないぞ。


600 :へたれエロ勇者 幕間劇! 20/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:49:49 ID:wGp5yk31

「ではどうする?
 モンスターがこの付近にいると分かった以上、姫様をここにとどまらせておくことはできまい。
 それとも、ルー、お前があの男を背負っていくとでも?」
「ん……別に背負っていってもいいけど、いざというときに動きづらくなっちゃうし……」

 一瞬渋っていたルーちゃんだが、ルーちゃんの頭に何故か、豆電球がピコーンと光っているエフェクトが見えた。

「いいよ。カツキ君、背中に乗って」

 ルーちゃんがこちらに素早く近寄り、俺に背中を見せてしゃがみこんだ。

 え? いや、何?
 少々パニックに陥り、助けを求めるかのようにアルさんに目を向けた。
 アルさんもちょうど俺の方に目を向けているところだった。
 ちなみに、ガンダム(羽が生えた奴)に乗ったテロリストのような目で俺を見てきた。
 「お前を殺す」とか言った後、救急車を強奪しそうだよ!
 お、俺が悪いんか!?

「正気か、ルー」
「え? 何が?」
「その男を背中に乗せるなど……何を考えている」

 ちょ、ちょっとまて。これって、ひょっとしたら、ぴ、ピンチじゃね!?

「なんで?」
「あ、あわわわわわっわ! も、もういいから! もう自分で歩くから!!」

 ルーちゃんがうっかり口を滑らせる前に、俺が間に割り入った。
 がくがく震え、酷使しすぎで感覚が鈍くなった足を無理矢理動かす。

「止まれ」

 アルさんが俺に剣を突きつけてきた。
 燃えるような赤い刀身が、俺の首元を狙っている。

「ひ、ひっ!」

 や、やばい……殺され……。

「……馬車を止めろ。ちんたらしていたせいで敵が来た。
 クソッ! 何故こんなところに……」

 へ?

「う゛ぁう゛ぉああああ!!」
「ぎゃああああああ! また出たぁあああああ!!」

 俺の背後に立っていた木が、突如動き出し、ぶんぶんと腕を振って追いかけてくる。
 怖い! 怖い! 超怖ぇえええええ!!

「カツキ君!」

 ルーちゃんが手に持った剣で、木のモンスターに飛びかかっていった。
 野太い剣を木のモンスターに突き刺し、一瞬で遠ざかる。
 派手に紫色の血が飛び散り、一撃で倒れた。



601 :へたれエロ勇者 幕間劇! 21/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:50:26 ID:wGp5yk31

「う゛ぁう゛ぉああああ!」
「チッ、数が多いな」

 辺りにいた木が「う゛ぁう゛ぉああああ」とかいう奇声を上げながら、次々とその本性を現していく。
 あ……悪夢だ……これは、とんでもない悪夢の光景だぁ……。

 アルさんとルーちゃんが、魔族の群れに飛び込んで戦いを始めている。
 流石二人とも、勇者と手練れの騎士なだけ、木のモンスターなんて歯牙にも琵琶湖にもかけず斬り倒している。
 ルーちゃんが、さっき俺を守ってくれていたように手の剣を突き刺してトドメをさせば、
 アルさんが、目にも止まらぬ早業で全ての枝と根をそぎ落とし、戦闘不能に陥らせていく。

「う゛ぁう゛ぉああああ!」

 いきなり俺の近くにあった木が襲いかかってきた。

 う、うああああああ!!

「カツキ君ッ!」

 ルーちゃんの声が聞こえる。
 ま、まずい、間に合わな……。
 木のモンスターが枝を振り上げ、俺を地面に叩きつけようとする。

「手間をかけさせるなッ」

 しかし、何とか間一髪アルさんの剣が木のモンスターの枝を切り落とした。
 俺から少し離れた場所に太い枝が落ちる。

「カツキ君! 大丈夫!? ケガはない! 死んでない?!」

 ルーちゃんが飛び寄って、俺の肩を強く揺さぶった。

「そんな奴、放っておけ!」
「だ、だけど!」
「早く片づければ、そいつも死にはしないだろ!」

 ルーちゃんはしばし渋っていたようだが、アルさんの意見がもっともだと思ったのだろう。
 強く剣を握りしめた。

「ボクとアルさんがすぐに片づけるから! カツキ君はどこか安全なところに隠れてて!」
「あ、安全なとこって……」

 ルーちゃんはアルさんが見ていないことを確認すると、俺を抱きしめてきた。

 あ……。ルーちゃんの心臓の鼓動まで聞こえるほど密着した状態。
 心地よく、少し落ち着きを取り戻してきた。

「ボクが守るから!」

 ルーちゃんはそう言うと、キスしてきた。
 ただ唇が触れただけの簡単なキスだけど、何か深いつながりのようなものを感じた。

「が、がんばってね」


602 :へたれエロ勇者 幕間劇! 22/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:51:01 ID:wGp5yk31

 かろうじて出た言葉がこれだ。
 心底情けない。

 ただ、ルーちゃんは俺の応援の言葉を聞くと、顔をほころばせ、うん、と頷いて
 剣を取り、モンスターの群れへと飛び込んでいった。

 ……あ、安全な場所ってどこだろう?
 周りを見回してみて、安全な場所は見あたらない。
 どこもかしこもモンスターだらけ。
 不必要に動いたら、確実にミンチにされてしまう。

 あ、いや、一箇所だけあった。馬車だ。
 馬車の中は、まあ、安全と言えば安全かもしれない。

 俺は急いで馬車へと向かった。
 馬車、と言うが、引いているのはウマではない。
 ウマとトカゲの合いの子のような変な生き物が引いている。
 確か、ウマトカゲとかトカゲウマとかそんなような、見た目まんまの名前だった。
 このトカゲウマは、モンスターの襲撃に遭っているというのにぼーっとしている。
 これがウマだったら、危険を察知して暴れていただろうが、じっと動かないでいる。

 よし、好都合だ。

 俺はさっと足をかけ、布をかき分け馬車の中に入り込んだ。

「ひっ! ち、近寄らないで!」
「あ、いや、お、俺はモンスターじゃないっす。カツキです」

 中にいたお姫様が、中に入ってくる俺をモンスターと勘違いしたのか、
 震えながら言ってきた。

 ああ、いい……普通の人っていいね!
 俺一人だけがびびっているだけかと思って、ちょっと自信を無くしかけていたけど、
 こうやって俺と同じように怖がっている人がいるっていうのはある意味安心感が沸く。

「な、何があったの? 外が騒がしいようだけど」
「モンスターが出てきたんですけど、大丈夫です。
 アルさんやルーちゃんが討伐に出てますから!」
「そ、そうなの……」

 お姫様は身を縮こませて震えている。
 センヴィーが誘拐して、監禁しているときにも同様に震えていた。
 まあ、普通の人だったらトラウマを負うよなぁ。

「そ、それに、大丈夫っすよ!
 も、もしモンスターがやってきても、お、俺が守りますから!」

 まっこと男らしかったルーちゃんに触発されてか、
 それともお姫様が俺と同じようにモンスターに震えるからか、
 俺は咄嗟にこんな無責任なことを言っていた。

 ルーちゃんも保護欲を刺激されるような容姿をしているが、
 彼女の場合、俺は保護する方じゃなくて保護される方だからなんとも言い難い。


603 :へたれエロ勇者 幕間劇! 23/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:51:34 ID:wGp5yk31

 とにかく、言ってしまった手前……無論言わなかったとしても、お姫様は守らねばならないだろう。
 だって、俺、男じゃけんのう。

 背中に背負った荷物をどっかと馬車の中に降ろし、バッグの中を漁る。
 何か武器になるようなものを探さないと……。
 クーヤたんみたいに、デコピンで敵を倒せるような肉体を持っていないもんね。

「えぇい、これじゃない、これでもない……」

 バッグの中はろくなものが入っていなかった。
 いや、確かに重要なものも多く入っているが、戦闘に役に立ちそうなものは、調合とかしないと全くない。

 せ、せめてハリーポッターの本があれば……。
 あの人を撲殺できそうな厚さのハリーポッターの本があれば……。
 ていうか、撲殺する以外何も用途をなさないあの本があれば……。

「っきゃああああああ!」

 お姫様の絹を裂くような悲鳴が馬車の中にとどろいた。
 咄嗟に目を向けると、馬車の入り口に緑色の小人が立っている。
 ゴブリンとかいうモンスターだ。

 ルーちゃんやアルさんが、上を見ていて見逃してしまったんだろう。

 ……ここいらの地帯はモンスターが滅多に出ない場所といいつつも、あれだけ大量のモンスターが出てくる。
 っつーことは、やはりこのパーティを全滅させるための罠なんだろうか。

「う、うわああああああああ!!!」

 死にたくはないが、これ以上恥をさらすわけにはいかない。
 荷物を漁っていた手を止め、何も考えずにゴブリンに向かって突進した。
 ああ、楽だ。何も考えないってことは。

「げべぇ!」

 気持ち悪い声を上げ、ゴブリンは馬車の外へとはじき出された。
 俺も、ゴブリンとともに馬車の外へと出る。

「こ、こんにゃろ! こんにゃろ! 俺だって、ただ震えてるわけにはいかないんだよーッ!」

 そう、情けないとはいえ、俺は勇者なのだ。こんなとこでへばっているわけにはいかん!
 何より、俺のことを慕ってくれているルーちゃんやセンヴィーに申し訳が立たない!
 ゴブリンとともに地面を転がっていく。
 しかしやがて俺がマウントポジションをとった。

「お、お、俺だって! 好きで戦っているんじゃないんだッ!」

 戦ったのはこれで初めてだが、俺はがむしゃらに拳でゴブリンを殴りつけた。
 はたから見れば、子どものような体形のゴブリンを殴っている光景は幼児虐待にみえるかもしれない。
 だけど、やらなきゃ、やられるんだ!

 何度も何度も殴りつけると、抵抗していたゴブリンがぐったり動かなくなっていた。
 ……手が痛い。


604 :へたれエロ勇者 幕間劇! 24/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:53:26 ID:wGp5yk31

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV18 HP 35/35 MP 13/13
 特殊技能:ゼロシステム 異世界の勇者の血 エロ妄想LV9
 精神:自爆 自爆 自爆 自爆 脱力 感応
 魔法:チンカラホイ −MP2                         」

 レベルが上がった……。
 倒したのか……。

 どっと疲れが出てきた。
 だけどその反面、不思議な充足感に満たされている。
 なんか一皮むけたな、って感じの。

 ……。

 あれ?
 そういえば、俺、馬車から出ちゃった。

「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」
「う゛ぉう゛ぁああああ!」

 ……う゛ぉう゛ぁああああ!

 木のモンスターに囲まれている俺。
 ……人生\(^o^)/オワタ

「あっ! カツキ君じゃないですか〜、大丈夫ですか〜?」
「れ、レフレさん! た、助けてください!」

 ああ、レフレさん。グッドタイミング! やっぱりレフレさんは俺の女神様だ!

「わかりました〜」
「ば、バギマじゃ間に合いませんよ!」
「わかってますよぅ〜」

 拗ねたようにレフレさんはいい、手をかざした。
 レフレさんの周りに魔力が集まっていくエフェクトが出現する。

 ……あれ? バギマじゃ間に合わなかったら、何の魔法使うんだろう?

「……ザラキ」

 レフレさんのみずみずしい唇から紡がれる死の言葉。
 それは黒い煙のように具現化し、それ自身が奇矯な声を上げ、生ある者を包み込んでいく。

 あ、あれ?
 この煙って、俺と敵さんを区別できるのん?

 Answer.できません。


605 :へたれエロ勇者 幕間劇! 25/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:54:13 ID:wGp5yk31

 ちょ、タンマ!
 黒い霧に無数の骸骨が見えるよ! ちょ、ま、そんな鎌こっちに向けないでよ!
 や、やだ! だめ、そんなことしたら、あああ、なんか見える、なんか見えるよ!
 ぐつぐつ煮えた釜が見えるよ! あああ、あああああ!!!!!
 ひ、ひっぱるな、おいこら! そ、そっちにはいきたくない!
 いきた……いきたくないんだって! はなせ! ひっぱるな、お願いですからひっぱらないで。
 あ、ああ、いやだいやだ、ああああ! た、たすけ……たすけてぇえええええええええ!!!
 うわああ……。

『 レフレシーギ は ザラキ を唱えた。
  トレントA は 息絶えた!
  トレントB は 息絶えた!
  トレントC は 息絶えた!
  トレントD は 息絶えた!
  トレントE は 息絶えた!
  トレントF は 息絶えた!
  ダークトレント は 息絶えた!
  カツキ は 息絶えた!         』



606 :へたれエロ勇者 幕間劇! 26/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:57:54 ID:wGp5yk31

 ……気が付くと、村についてたファンタジー。
 毎度毎度思うんだが、死ぬ直前と死んでから生き返るまでと生き返ってからしばらくの記憶が全部無いのは何故だろう?
 なんだか、言葉に言い表せないような目に遭っているような気がするんだが……。
 深く追求するのはやめよう。
 何故か、このことを考えると、変な骸骨が気が違った笑い声を上げながらこちらに向かってくるムービーが脳内で再生される。
 あんまり考えるな、ってことだろうから、もう考えるの止めよう。

「大丈夫だった? カツキ君」

 ルーちゃんが心配そうに声をかけてきた。

「いままでずっと気絶してたんだよ?」

 ……何その事実改変。
 ていうか、後ろでレフレさんが何か言いたそうにしてるんですけど。

「あのぅ〜、気絶じゃなくて……」

 本当に何か言いかけた瞬間、ルーちゃんが弾丸のように振り返り、レフレさんの口を封じた。

「言っちゃだめだって言ったでしょ!」

 ごめん、ルーちゃん、それ、もろ聞こえ。

「あ、あはは、ちょっと用を思い出しちゃった……」

 ルーちゃんは振り返り、ひきつった笑みを浮かべながら、レフレさんを引きずって部屋の外へと行ってしまった。

 ……久しぶりに、人間の作ったとわかる家屋の中にいる。
 近くの村の宿屋のようだ。
 ベッドも……ふかふかとは言わないが、地面に直に寝るよりかは遙かにマシだ。

「……」

 部屋にはアルさんを始め、大体のメンバーが揃っていた。
 ナツメは早速俺の側に寄ると、にゃんにゃん言いながら俺の頬を舐めてくる。
 ざらざらした舌が少し痛い。そして、エルフのフォン様の視線も痛い。

「あ、あはは……毎度すいませんね、余計な手間ばっかかけちゃって」

 ぽりぽり頭を掻きながら言った。
 厳密に言えば、手間をかけさせているのはレフレさんだと思う。
 だって、あの人が俺を殺さなきゃこんなことにはならないんだもの。
 僧侶でありながら、味方を一番殺しているっていうのは正直どうよ?
 でもまあ、レフレさんには役に立ってもらっていることもある。
 このパーティの人達は誰一人もレフレさんの回復魔法を受けることを拒否する。
 回復は専ら回復薬に頼る。
 そこで、薬師見習い代理心得の若葉マーク、カツキ君の大活躍ですよ。
 ちょっとした回復薬を作って、少しはパーティに貢献しております。
 役に立たないことが役に立つなんてこれまた皮肉だが、まあ、別方面で頑張ってらっしゃるからいいだろう。
 なんてったって、レフレさんのベホイミは、何故かザキよりも威力がありそうだしね!
 あはは! 何故か俺、レフレさんのベホイミを受けたような気がするよ!
 でも、そのときの記憶はないし、生々しい感覚あるけどみんな知らないっていうから違うね!


607 :へたれエロ勇者 幕間劇! 27/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/12(月) 11:58:35 ID:wGp5yk31

「あの……」

 アルさんの後ろからおずおずとお姫様が顔を見せた。

「あ、大丈夫でしたか、よかったよかった」

 俺は持ち前のスキル「女の子には優しく」(エロモードのときには発動せず)を発揮させ、
 にこやかに言った。
 少しすすけているが、白いドレスを着た彼女には、やはり気品というものが溢れている。
 よく考えたら、姫様は旅の途中ずっと馬車から降りず、顔を合わせたのは今日が初めてだった。
 彼女が顔を見せてから、どことなく花の香りがするような感じがした。

「あなたは大丈夫なのですか?」
「え? ええまあ、なんとか大丈夫でしたよ」

 お姫様はほっと息を吐いた。
 そして疲れが見える顔に、微笑み浮かばせた。
 ぱああと背景に花が広がるような気がする。
 可憐な人だ。

「良かった……またわたくしのために人が命を落としてしまうようなことがなくて……」

 ……それはギャグで言っているのか?
 ちなみにAAは略。

 確かに、お姫様のために命を落としたかどうか聞かれたら自信がなくて、答えられないが、
 少なくとも命は落としている。
 一瞬この部屋になんとも言えない空気が流れた。
 他の人達は、全員黙りこくり、俺と姫様から目を反らしている。
 あまり頭の詰まっていなさそうな、獣人のナツメすら口元をひくつかせて、そっぽを向いているのだ。

 それに気付いていないまま、お姫様は可憐な微笑みを浮かべながら、
 俺が生きていてくれたことを神様にお祈りまでしてくれた。

 ど、どうしよう?
 俺を殺したのは、その神様の聖職者なんですけど……。

「ごめんなさい〜」

 そしてその当事者も戻ってきて、更に空気が重くなった。

「カツキ君、本当にごめんね〜。うっかりザラキの射線上にいるのを忘れててぇ〜」

 この人も全く成長していない……。

 再びルーちゃんがレフレさんの口を塞ぎ、レフレさんの言葉にお姫様が驚き、
 他の人達もなんだかんだ言い合っているのを見つつ、俺はもう考えるのを放棄して、ベッドの上で目をつぶったのでした。


50 :へたれエロ勇者 幕間劇! エロ編 1/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 01:58:21 ID:Yxz0UXmi

 夜。
 まだ俺の旅が始まってから一週間も経っていない。
 ここがこの世界に来てから初めてやってきたコミュニティだ。
 それまでは森の中をずっと歩き続け、夜はもちろん野宿。
 固い地面に寝馴れていない俺にとって、ベッドはなによりも恋しいものの一つになっていた。
 ようやく人のいる場所につき、宿屋でベッドに眠れることに密かに胸を躍らせていたのだが……。

 正直、この扱いってどうよ?
 確かにさ、宿屋の部屋の数が足りなかったっていうのはわかる。
 男の俺が、女性と同室に泊まることはできないってのもわかる。
 だけど、これは流石にやりすぎなんじゃないでしょうか?

 今、俺は村の木に縛り付けられています。
 おまけに猿ぐつわも噛まされています。
 いくらなんでも酷いんじゃないでしょうか?
 そりゃま、俺なんてクソの役にも立ってない上、素性もわからず挙動も不審な怪しい男ですよ。

 川でみんなが水浴びしているところを、知らないとはいえ近づいたりしました。
 ええ、不覚にも、そこいらに転がっているようなシチュエーションですが、うっかりみんなの裸を見てしまいました。
 だけど、正直、これはないんじゃないかと。
 社会的に人生終わるようなことではあれど、物理的に人生終わらすほどの大罪じゃないと思うんですけど?
 俺だってそのとき、十二分に報いを受けたじゃないですか。
 ただ俺は不運で不注意だっただけなのに、みんなして「俺が死なないように、できるだけ苦しむように」殴って。

 うう……かくも厳しい道を経なければ、栄光にたどりつけないというのかッ!

 なんとか、この村に野党やら危ない野生動物が寄りつかないことを全力で祈りつつ、俺は必死に眠ろうとしていた。
 眠らないと明日に響く。
 例え、体を縛る縄がきつく食い込んでいても、眠らねばならない。
 さもなければ、またレフレさんのザオリクに頼ることになってしまう。

「……ううううう」

 しかし、残念ながら俺の祈りは通じなかった!
 くそう、神様。
 今回という今回だけは本気で呪い殺してやるぞ!

 目の前に突如現れた灰色の獣。
 口から涎を垂らし、威嚇するようにうなり声をあげている。

 お、狼だッ。
 い、いや、ちょっと待て!
 狼は人を食べないって犬神さんちの明さんが言ってた!
 ほ、ほ乳類の頂点に立つ人間に敬意を払ってるって言ってた!
 人間てクソマズイからほとんどの生き物が人間なんて食わないって言ってた!

 しまった、ここはファンタジーの世界だ。
 あらゆる論理はここでは通じないと疑ってかからないと痛い目に遭うんだった!
 第一ウルフガイの人の言うことを全部信じる俺も少しどうかしてた!

 落ち着け、落ち着け、俺。
 落ち着いたら、何かいい策を思いつくかもしれない。


51 :へたれエロ勇者 幕間劇! 走れ編 2/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 01:58:59 ID:Yxz0UXmi

 はっ、そうだ! センヴィーだ。
 今は夜で誰も見ていない!
 センヴィーを魔法の小瓶から出して、この狼を倒して貰おう!

 ……あっ、しまった!
 俺、木に縛られているんだった!
 腕が動かな……。

 蝶、ピンチ。

「う、むぅ! むぅぅぅ!!」

 狼に〜食われたら〜、ザオリクが〜、効きません〜……。

 狼は一際大きく咆哮し、涎を辺りに撒き散らして、俺に飛びかかってきた。
 大声を上げて助けを呼ぼうとしても、猿ぐつわをつけられていてくぐもった声しか出ない。

 こ、こうなったら……る、るーるるー、るるーるるー。
 歌だ! 歌を歌えばきっと世界は救われる!
 なんでか俺もわからないけど、マクロスの人も歌を歌って救われた!
 だからきっと、歌を歌えばいいんだ。
 うふ、うふふ!
 そうだ、歌だ、あはははは!
 見える、見えるぞ、何かが見える!
 海だ、海が見える!
 変な白い巨体が横たわってる、赤い海が!
 あーはっはっはっは!

「危ないッ!」

 俺が現実逃避しているときに、またもや助けが入った。
 ああ、お袋さま、今日もまた生き延びることができそうです。
 決して無事平穏とは言い難いですが、何とか。
 一瞬、精神が異次元にワープしたけど!

 ルーちゃんが狼に向かって飛びかかり、手に持っていた小刀で狼の首に穴を開けた。
 ぶしゅ、ぶしゅと血が飛び散り、狼は悲痛な声を漏らしながら、絶命した。

 本当、ルーちゃんには助けられっぱなしだな。
 もうルーちゃんには足を向けて寝ることなんてできねぇ。

 た、助かった……。
 何度も死ぬような目に遭い、何度か実際に死んでいるが、この恐怖感だけはぬぐえない。

「大丈夫だった!?」

 ルーちゃんはそう言って俺を縛っていた縄を、血まみれのナイフで切った。
 束縛から逃れて、どっと体が前のめりになる。

 倒れそうになったところを、ルーちゃんに支えられる。
 う……かっこ悪い……。
 ルーちゃんは無言で、俺の頭の後ろに手を伸ばして、猿ぐつわを外してくれた。


52 :へたれエロ勇者 幕間劇! エロス編 3/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:00:00 ID:Yxz0UXmi

「……はぁはぁ……」

 苦しかった……ストレートに肺に入る空気が心地よい。

「大丈夫だった?」

 何度目かの科白を聞く。
 俺は、恐怖によって少し虚脱状態になりながらも、小さな声で「大丈夫」と答えた。

「まさかこの村にまでモンスターが出てくるなんて……」

 村にモンスターなんて普通でないらしい。

 よくよく考えてみれば、あんな狼のモンスターが夜に出てきているのならば、
 この村の人達は、勇者率いるパーティに討伐を依頼していただろう。
 昼間の、あのモンスターの群れにしろ、本格的に狙われているようだ。

「ごめんね。事態を甘く見てた……」

 それ以前に、水浴びしているところを覗いていた(本当は覗いてないけど)とはいえ木にくくりつけるのはどうかと思う。
 ルーちゃんは、俺がここに縛られるときに最後まで反対してくれていたけど……。

 はぁ……ダメダメだぁな。
 結局、不運が原因だとはいえ、己の身からでた錆びみたいなモンだ。
 何度も昇天しているがゆえ、自分の命を軽く見てしまう節がでてきてる。
 このまま、死に対する恐怖を感じなくなってしまったら、もうお終いだろう。
 これからは、本気で命を守ろう。具体的にはレフレさん辺りから。

「ありがと。助かったよ」

 いつまでもルーちゃんにもたれかかったままだとカッコワルイ。
 ちゃんと二本の足で立ち、精一杯の虚勢として髪をサッとかきあげた。

 まあ、こんなことをしたところで男の威厳なんて何もないだろうけど、一応、念のため。

「……」

 月が明るく辺りを照らしている。
 現代日本の都会とは違い、満月の夜は結構明かりが無くても見える。

 ん?

「ど、どしたの?」

 ルーちゃんの目元に、月の光を強く反射するものがあった。
 ルーちゃんがまた泣いている。

「う、うん……また、守れなかったなあって……」
「は?」
「今日も……ボクが君を守るって言ったのに、結局、守りきれなかった」

 ああ、村につく前の話か。
 そういえば、モンスターに襲われたとき、守ると言われたけど、
 結局、俺は死んじゃった。
 いつも通り、レフレさんに殺られて。


53 :へたれエロ勇者 幕間劇! ジュゲム編 4/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:04:17 ID:Yxz0UXmi

 やれやれ、ルーちゃんは泣き虫だな。
 まあ、人が死んだときってのはこういうのが通常の反応なのかもしれないが。
 むむ……俺自身、俺の死に無頓着になっているから、正常な反応を異常と感じてしまう。
 だけど、一々気にしていたら、それこそ俺の精神がおかしくなってしまうし。
 いい加減な性格であるから救われていることもあるわけで。
 まあ、どうでもいいや。

 嗚咽を漏らしながら、泣き始めたルーちゃんの頭をぽんぽんと触った。

「気にしてないよ」

 そういう問題じゃないことはわかっているが、
 俺としてはルーちゃんが約束を果たせなかったことを責める気はないし、
 第一責めるような立場でもない。
 けれど、うまい慰めの言葉が思い浮かばず、とりあえずここらへんで勘弁してもらいたい。

「でも……」

 やれやれ、面倒くさい子だ。

 ルーちゃんの体を引き寄せ、そっと抱きしめた。
 狼の血のにおいがツンと鼻を刺激する。

「俺は、感謝してるよ。
 実際、どうやっても現世に復帰できない死に方をしているところを、何度も救ってもらったし」
「で、でも……生き返れる、って知ってても、死ぬのって、怖いでしょ?」

 ……うん怖い。

「正直なことを言うと、何も覚えてないんだよ。
 怖かった、なんて思っていたのかどうかさえもあんまり覚えてない」

 前置きに反して、嘘をついた。
 死ぬ寸前は、超怖い。
 ザキとかザラキとかかけられると、時折見てはいけないものを垣間見てしまう。
 あ、だめだ、考えるな、俺。
 そ、そのことは封印すべき記憶だった。

 ……ふう、忘れた。
 今、何を考えていたんだっけ?

「だから、さ。あんまり気にしないで欲しいんだよ」

 俺の精神衛生上において、気にされると、ちょっと重荷に感じてしまう。
 なんだかんだ言って、レフレさんが殺るにしろ死ぬのは俺の責任であるからだ。

 やっぱり、体を鍛えよう。
 ザキを喰らっても死なない体になるように。
 ……それは無理か。

「……」


54 :へたれエロ勇者 幕間劇! コバルト編 5/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:05:06 ID:Yxz0UXmi

 しばし無言のまま、二人は抱き合った。
 月夜に、返り血を浴びた男女二人が密着している光景は、さぞ猟奇的だっただろう。
 村の人達が夜になったら誰も起きていないことは僥倖だった。

「……あの、ね」
「ん?」
「ちょっと、今、いいこと考えちゃったんだ」

 ルーちゃんが俺の胸に顔を埋めながら言った。
 やや鼻にかかった声を出していたが、もう泣いてはいないようだ。

「何?」
「ボクが、勇者だっていうことはもう言ったよね?」
「ああ、聞いたよ」

 ルーちゃんは勇者だそうだ。
 ピアトーユ王国というところの、代々勇者の名を馳せてきた家の一人娘。
 娘であり、若くもあったが、才覚溢れ、剣術、槍術、斧術、その他格闘技能全般、
 戦術学問、魔法学問、その他色々な学問においても秀逸な成績を残し、
 勇者の家系、ドラコノ家の中でさえ希代の勇者と呼ばれているらしい。
 変なババアが「お主が勇者じゃ」とか言って、任命された俺と何もかも正反対だね。

 この話を聞いたとき、とんでもない人に手を出してしまったとビビったが、
 当のルーちゃんは、ニコニコ笑いながら、俺のことを慕ってくれているので、
 あまり深く考えて、ルーちゃんを不安がらせるのはやめた。

「実はね、みんなには知られていないことなんだけど。魔王が復活したんだって」

 俺は、少し戸惑いながらも相づちを打った。
 ババアに言われて知っていたことではあったが、
 俺は一応記憶喪失状態ってことになっているので、悟られるわけにはいかなかった。

「……どうしたの? 驚かないの? 魔王が復活したんだよ?」
「い、いや、ビックリ……あ、そうだ。お、俺記憶がないからいまいち実感がわかないんだけど……」

 実感がわいたとしても、俺、何度も死んでいるから、そんなにびっくりしないな。

「そう?」

 するとルーちゃんは何故かトーンダウン。
 なんで?
 怖がってた方が良かった、なんてこたないだろうけど。

「ま、いいや。あのね、それでね。ボク、すっごいこと考えちゃったんだ」
「うん、何?」

 ルーちゃんが俺の体から顔を離した。
 見上げるように見ているルーちゃんの顔。
 少し赤くなっているように見える目に浮かぶ瞳には、月と俺の顔があった。

 なんとなく、ぞくりとした。
 ルーちゃんが考えた、すごいこと、が何なのか。
 それは推測できなかったが、
 ルーちゃんはただ、何とかして俺を喜ばせようとそれだけしか考えていないように見えた。



55 :へたれエロ勇者 幕間劇! 幻魔編 6/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:06:04 ID:Yxz0UXmi

「あのね、ボクね」
「お……おお」
「君のために世界を救うよ」

 ニパッと笑い、そう言った。

 え? ……はい?
 頭がちょっと思考能力低下させちゃった。

「誰でもなく、何でもない。ただ君のために、世界を救うよ」

 ……まいったな。
 なるほど、それで。
 ちくしょう、かわいいじゃないか、ちくしょう。

 ババアに勇者として召喚された俺に、そのことを言うのはちょっとした皮肉だけどね!

「あ、あれ? どしたの? 驚かないの? 君のために世界を救うんだよ?」
「え? 驚いてるけど?」
「むー……」

 なんだか納得のいかない様子。
 これでも心臓がバクバクしているんだけど。

 恋人が勇者だったら言われてみたい台詞のナンバー1に輝くであろう言葉を言われ、
 興奮しない男なんていない。

「むー……飛び跳ねて、ありがとうって言ってキスしてくれるかと思ったのにー」

 ……誰やねん、俺。
 そんなアホ丸出しの人じゃないわい。

「キスして欲しかったの?」
「え? う、うん……まぁ……ね。恋人にだったら、キス、してもらいたいと思うのが普通だよ」

 一瞬、ルーちゃんは苦い顔をした。
 何かに怯えるような、そんな目をしてこっちを見上げてくる。

「え、っと……ボクと君との関係って……恋人、でいいのかな?」
「じゃないの?」
「……いいの?」

 何を言っているんだろう?
 一応、ルーちゃんは俺のこと好きだし、俺も好きだ。
 彼氏彼女の関係を一歩先行く関係かと思っていたんだけど、何か問題が?

「俺としては、そういう関係の方がいいなあ、なんて思っていたけど。何か問題でも?」
「え……えぇっと……その……センヴィーさんのこと……」
「……あ」


56 :へたれエロ勇者 幕間劇! 恋闘編 7/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:06:46 ID:Yxz0UXmi

 しまった、忘れてた!
 このパーティでハーレムを作ることが俺の目的だった!
 確かにとっても魅力的だが、ハーレムを作らねばならないとババアが言っている以上、
 それに従わなければならないだろう。
 うん、ババアが言っていたから。
 だから、俺が個人的にハーレムを作りたいとか、そういう風に思っているわけじゃないぞ。
 ナツメとにゃんにゃんプレイしたり、バカエルフを組み伏せて従わせてみたり、
 寡黙なティーに羞恥プレイしたり、レフレさんの巨乳で俺の巨根を挟んでもらったり、
 クーヤたんとアクロバティックプレイしてみたり、アルさんのデレを堪能したり、
 姫様と禁断の恋プレイしてみたり、姐さんに「あぁっ、主殿……」と艶やかな声で言って貰ったり
 してほしいわけじゃないよ? 本当だよ? 本当にだよ?

 ……ごめん、また嘘ついた。

「せ、センヴィーも恋人だよ。うん、ルーちゃんも恋人。二人恋人。もっと増えるかもなあ……」

 遠い目にして、言った。

「そ、そういうの……ボク、あんまり、いいものだとは……その、思わないんだけど」

 ルーちゃんは恐る恐る、上目遣いで言ってきた。
 まあ、普通は、そうなんだろうなぁ。
 ルーちゃんの気持ちもよくわかる。けど……。

「……それは、「ボクのことはいいからセンヴィーさんを幸せにしてあげて」って言っているの?」
「そ、そうじゃないよ! そんなんじゃないよ!
 な、なんで、そんな意地悪を言うの!? 分かっているくせに」
「じゃあ、センヴィーに「悪いけど諦めてくれ」って俺が言わなきゃならないのか?
 ああ、かわいそうなセンヴィー。俺も愛していて、あいつも俺のことを愛してくれているのに、
 状況が二人を許さず、捨てられていく……」
「やめてよ!」

 うわ、罪悪感がじわじわ押し寄せてくる。
 ルーちゃんの方が確かに言っていることが正しくて、俺の方が間違っているのだから。
 それを無理矢理説得させようなんて、ねえ。
 例えお天道様が許しても、俺の良心が許さねぇ。

「……逆の立場になったら、ルーちゃんだって嫌だろう?」
「で、でも……」
「なあ、俺に一つ任せてくれないか?
 見た目通り、情けなくて、取り柄もなくて、よく死んでる俺だけどさ。
 なんつーか……その、二人を幸せにする自信はあるんだ」

 また嘘ついた。自信なんてこれっぽっちもない。
 だけど、自信があるかないかじゃなくて、こういうのって、やるかやらないかだと思うのよね。
 大口叩いて、逃げ道塞いで、もう前にしか進めないようにしてやろう。
 そして、進退窮まって、投下予告出したのに、夜、眠くて寝ちゃうんだ。
 ……何をわけのわからんこと考えているんだ、俺。

「だっ、だからさ。お、俺に任せとけ!」


57 :へたれエロ勇者 幕間劇! 経済編 8/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:07:37 ID:Yxz0UXmi

 もう何がなんだかわからなくなって、ビシィと言った。
 ふはは、そうだ、俺は勇者だったんだ!
 な、何一つ怖いことなんてないさ!
 あはは! あははははー!
 お、俺に任せとけ! よっ、俺、おっとこまぇ〜!

「……」

 俺の啖呵を聞いたルーちゃんは、ぽかーんと口を開けて俺を見ていた。
 何言ってるの、このバカ、とでも言いそうだ。
 言われたらごめん、俺、手首切って自殺する。

「よ、よっ、カツキ君、おっとこまぇ〜」

 ……勇者同士、俺とルーちゃん、テレパスみたいなものがあるのか?
 俺の背中をばんばんと遠慮無く叩き、憎いね憎いね、と続けて言う。
 オヤジですか、アンタは。

「いやあ、流石にボクの惚れた男だねっ! 人間とは思えない甲斐性持ちだなんて!
 でも、言葉違えたら、殺すよ」

 ひっ! る、ルーちゃん、目がマジなんですけど……。

「あ、ああ、し、死ぬ気で頑張るから、そこんとこヨロシク」
「ん、頑張ってくれたまえ。応援してるよっ。でも、いまいち信用ならないなぁ〜」
「……どうしたら信用してくれるのかね? 俺の勇者様は」
「キスして」
「誉れ高き勇者様の信用を勝ち取るのにキスだけなんて、随分安いね」
「まあそりゃあ、誉れ高き勇者様の信用はキスだけで手にいられるもんじゃないよ。
 でもね、恋する乙女の相手なら、愛する人のキスだけで、信用だけじゃなくて心まで奪えちゃうんだよ」

 くそう、なんだその恋する乙女思考は。
 なんだかとてつもなく負けたような気がするぞ。
 く、くやしい……ビクビクッ

「んっ……」

 ロマンチックに言うならば、虫の鳴き声に包まれて、月の光に浮き彫りになった二人の影が一つになった、
 っていうんだろう。
 でも実際には、辺りにいる虫の鳴き声はお世辞にも上品なものじゃなかったし、
 片方は狼の血にまみれている状態での、接吻だった。
 まあ、現実はこんなもんさ。

 それでも、気分は高まるのだから不思議なもんだ。
 頭の中にあった自制心とか理性とか、そういうものが、一気に吹き飛んだ。
 狼の血のにおいに混じって、ルーちゃんの汗の匂いを感じると、とてつもなく彼女のことを欲してしまう。
 それはルーちゃんも同じようで、激しく吸い付いてくる。
 あまりにも激しすぎて、男の俺が押し倒されるところだった。

「……んっ」

 ようやくルーちゃんが首を離してくれた。
 だらんと銀色の糸が二人の口に繋がっているのが、とても淫靡に見える。
 ルーちゃんは、んふふ、と笑って、その糸を舌で巻き取るように動かした。


58 :へたれエロ勇者 幕間劇! 培養編 9/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:08:13 ID:Yxz0UXmi

「惚れ直しちゃったぞ、この、この」

 肘でつんつんと胸を突かれる。
 調子に乗っているように見えるけど、顔を真っ赤にさせて言っている。
 照れ隠しがむしろ返って裏目に出ていた。

「ね、もう一回、いい?」
「With pleasure」
「……え?」

 無意味に横文字なんて使ってみる。
 意味が分からなかったのか、きょとんとしているルーちゃんの唇を、今度はこっちから奪った。
 驚いて、ルーちゃんの目が大きく開かれたが、じきにとろんと垂れて、瞼が閉じた。
 そのタイミングを見計らって、ばっと離れ、そのまま後ろにダッシュ。

「へっへーん、勇者様から大事な大事なキス奪ったぞ〜」

 思いっきりおどけて走り出す。
 さっきまでずっとやりこまれていたから、せめてもの反撃だ。
 ものすごい子どもっぽい。
 だが、それがいい。

「こ、こらー! 返せー!」

 きょとんとしていたルーちゃんも、ジョークに気が付いたのか、ノリノリで追いかけてくる。
 民家がすぐ近くにあるので、二人とも小声だ。
 ルーちゃんはすぐさまおどけて逃げる俺を追いかけてきて……って、速!

 割と本気で走っていたので、20メートルくらいの距離があったのに、
 0.5秒とかけず、その距離を縮めた。
 びょ、秒速40メートル……に、人間じゃねぇ……。
 100メートルを走って、記録は2.5秒。
 カール・ルイスもがっくしだ。
 しかもどうみてもおちゃらけていて、本気で走っていません。
 今更だけど、ここはやっぱり俺の世界の物理法則が色々通じないみてーだ、アハハハハ!

「捕まえたっ!」

 全力で逃走したのも虚しく、ルーちゃんに捕まってしまった。
 しかも、腕を捻り上げられて。
 海岸線で「あはは〜ボクを捕まえて〜」「よし、捕まえて食べちゃうぞ」というシチュエーションの場合、
 ルーちゃんを捕まえられるのは、ルーちゃんが地球を一周してきた瞬間だと思う。
 げに恐ろしき、異次元の世界!

「勇者様の大事なキスを返せ! この小悪党!」

 ズゴアーン……。小、小悪党……。
 ちょ、ちょっと目の前がクラッと……。
 おふざけとはいえ、魔王って言われたかった。

「んふふ……食べちゃうよ」

 んで、結局押し倒されて、唇を蹂躙されまくった。
 近くの木に寄りかからされて、俺の頭が押しつぶされそうなくらいルーちゃんは
 頑張って俺の口の中に舌を入れてくる。


59 :へたれエロ勇者 幕間劇! 疲労編 10/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:08:53 ID:Yxz0UXmi

 え? お、俺が受けなの?
 い、いやまぁ、俺が受けでもかまわないけどさ。
 むしろカモーン、だけど。
 ……ルーちゃんが謝って、俺を殺さない限り。
 前例があるだけにちょっとトラウマ。

「んっ……」

 引き抜かれたルーちゃんの舌が、そのまま俺の顎へと伝う。
 カミソリが荷物の中に入っていたので、ちゃんと毎日ヒゲを剃ってある、つるつるの顎に舌が這っていく。
 なめくじが這ったかのようなぬめりが顎中に広がると、次は首の下へと移る。

「気持ち……いい?」

 ルーちゃんが聞いてくる。
 うっ、その上目遣いは反則だよ。
 首を縦にふるしかないじゃないかい。

 俺は情けないながら、その通りだ、と首を振った。

「んふふ」

 ルーちゃんは相変わらず、とろけそうな笑みを浮かべて、そろそろと膝立ちで下がった。

「ね? せっくすしよっ。ボク、もう限界なんだ……」

 ルーちゃんはそういって、ズボンに手をかけ、一瞬前のめりになった。
 膝元まで下ろされたズボン、パンツには銀色の糸がゆっくりと垂れ、
 秘部を隠さないようにと、ルーちゃんは上着の裾を手で持っていた。

 黒い陰毛に粘性のある水滴が付着し、その奥には……。

 うっ……チンコ勃ってきた。

「あ、ちょっと待って」

 俺は咄嗟にとあることを思い出して、首に手をかけた。
 首には、さっきルーちゃんが舐めた感触と残滓が残っており、ぬるりとしていた。
 俺の指先が鉄の鎖を見つけ、そのままそれをたぐり寄せようとしたとき、その手をルーちゃんに奪われた。

「え?」

 俺はセンヴィーを呼ぼうとしていたのだ。
 首にかけたネックレスについているのは魔法の小瓶。
 フタを外せば、なんとかの猟犬よろしく、虹色ならぬ銀色の煙が噴出し、
 いまかいまかとビンの中で出番を待ちわびているセンヴィーが現れる。
 ビンをコルク栓を軽く外すはずだった手が、今、ルーちゃんが主導権を握っている。

 おおよそ信じられないことではあるが、俺の手首を掴んだルーちゃんは、
 それをそのまま自分の股間へと導いていた。
 俺はその奇態にびっくりして手を引っ込めようなどという、「愚かな」の一言に尽きるようなことをしようとしたが、
 そこはルーちゃん、流石にしっかりしている。
 というか、がっちりしている。
 俺の腕は、比較的強い力で引っ張ったはずなのに、ぴくりとも動かなかった。
 ただ、俺の肘関節が軋んだだけだった。


60 :へたれエロ勇者 幕間劇! 地獄変 11/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:09:27 ID:Yxz0UXmi

 どういうことかと説明すると、赤ん坊が大人の手を引っ張っても大人の手はびくともしないだろう、
 と、そういうことだ。
 つくづく、男のプライドとかをいともたやすく粉砕してくれる世界だな、ここは。
 などというどうでもいい不満は、一瞬にして吹き飛んだ。
 指先に感じるざらざらとした感触。
 後に、何か柔らかいものにとって代わられ、繊細な神経が幾多にも走る箇所に熱さを感じた。
 今度こそ本当に情けないことに、びっくりして手を引っ込めようとした。
 全身全霊を持って、だ。
 しかし、それもルーちゃんの、快楽混じりで、本調子でない手の力によって阻止された。

 ち、ちくしょう……お、俺は腰抜けで貧弱かよぅ……。

『 その通り 』

 黙れ、ウィンドウ!
 貴様はこんなことをする役割はないだろう。
 戦闘時さえ、どうでもいいことと俺が死んだことしか表示しないくせに、こんなところに出張ってくるな、ボケが!

「あっ……自分の指とはっ、ぜんぜんっ、違うよぉ……」

 さっきまで、お馬鹿思考が、官能の波によって吹き飛んだというのに、
 また再び変なことを考えていた。
 いや、今のはウィンドウがいけないんだが、それで気をそらされた俺にも原因はあるだろう。
 とまれ、またもう一度、俺の指で悶えるルーちゃんの方へと意識が向いた。
 気が付かなかったが、俺の人差し指は第二関節まで、熱のある粘液に包まれていた。

「いいっ、いいよぉ……」

 ルーちゃんは目を閉じ、震える手で俺の手首を掴んでいる。
 吐息が俺の顔にかかり、それがとてつもなく熱を持っていることを知った。
 俺の指で歓喜に震え、息を吸ったり吐いたりするまにまに断片的な言葉を紡いでいた。

 俺は、この状況でするべきことをした。
 多分、ただ指を突き込まれた……あ、いや、突き込んだだけで身もだえているルーちゃんの頭には、
 その当然の行為も頭の中になかったはずだろう。
 例えあったとしても、正常な判断力を失くしている状態であって、
 それをまさか俺がすることはしないだろう、と勝手に考えていたであろうことは、想像に難くない。
 でなければ、俺がそれをしたことによって、彼女がこうまで過剰な反応を見せることはないはずだからだ。
 で、結局何をしたかって?
 指を入れて、しかしまだ中の感触を完全には味わっていないんだ、やることと言ったら一つだろう。
 そう、動かしたのだ。

「あっ! ひっ、あああああっっっ!! そ、そんっ、なっ!!」

 みしみしと音を立てる、俺の手首。
 超痛い。
 そして蘇るトラウマ。

 俺の首に腕を回し、そのまま折ってしまった。
 俺の首を絞め、そののち腹にパンチをお見舞いして……。
 あーお。


61 :へたれエロ勇者 幕間劇! ここと編 12/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:11:21 ID:Yxz0UXmi

 や、やらなきゃ……やられる……。

 気が付いたら、俺の人差し指がルーちゃんの中にすっぽり入り込んでいた。
 まだルーちゃんは処女でなくなってから、一度も陰茎を挿入していない秘部に、だ。
 俺の手首を掴み、握り『千切ろう』としていたルーちゃんの手から、力がふっと抜けた。

「いぃぃぃぃぃぃっ!!」

 ルーちゃんはなんとも形容しがたい声を上げ、ゆっくり膝を折り、俺の上に乗った。
 その動きは、きわめて重力に即しており、彼女の意図する動きは外部から見ただけでは皆無であると推測できた。
 まあ、簡単に言えば、力が抜けて倒れただけなんだけど。

 ルーちゃんはひゅーひゅーと奇妙な呼吸音を上げ、俺の上にいた。
 俺の上着を掴んで、俺のちょうど胸板に頭を預けている。
 力が抜けているのかと思いきや、ルーちゃんはぽつりぽつりと言葉を漏らし始めた。

「ぜん、ぜん、気持ち、よかったよ……」

 「全然」は「全然〜ない」として用いるのであって、「全然気持ちよかった」というのは誤用だ。
 でも、一々それを指摘するほど、俺はトンマじゃない。少しは空気を読めるのだ。
 ただ、俺がそういう言葉について何の教養もないと思われるのは釈なので、念のため注釈をつけておく。
 彼女が、何故そういう風な謝った言葉を使ったのか、などそういう類の追求は是非遠慮していただきたい。

「あの、ね……カツキ君……」
「ん?」
「好き……だよ」

 どうしてこう何度も何度も、この子は俺のことを好きと言うのだろう。
 なんで飽きないんだろう? とても不思議だ。
 ちなみに二度目の疑問は、言外に「俺が好きと言われること」が飽きない、という意味もある。
 飽きないだけじゃなく、ちょっと照れくさい気持ちに馴れない、という文句も追加してもいい。

「気持ち、よかった……うん、すっごく、気持ちよかった。
 一人でやったときなんて比べものにならないくらいに」
「一人で?」

 俺が言うと、ルーちゃんは顔を下げた。
 かわいらしいおでこが見えなくなって、非常に残念だったが、
 そのかわりに、ルーちゃんの黒い髪の中からぴょこんと出ている耳が、
 月のぼんやりとした明かりでもわかるくらいに真っ赤になっていることに、
 俺はルーちゃんをかわいらしく思えた。

「したんだ、一人で」

 途端俺はなんだか意地悪くなっていた。
 ルーちゃんは、思わぬ追撃に更に身を縮こませ、耳を赤くしている。
 快楽によって、思考能力が鈍り、とっさに思っていることが口から漏れてしまって、
 他人には、あまり知られたくない自分のプライバシーをしられてしまったのだから無理もない。
 思春期の女の子だったら、明日自殺してたっておかしくない。
 ルーちゃんにとって幸いだったのは、彼女が思春期から逸している年齢だったのと、
 聞かれた相手が、まあ、俺以外誰もいなかったこと、かな。
 もっとも、その二つのうち後者は、俺にとっても幸いなことでもあったけど。


62 :へたれエロ勇者 幕間劇! 本編は編 13/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:11:56 ID:Yxz0UXmi

「で、誰のことを考えながらしたの?」

 ルーちゃんいじめは、それからしばらく続いた。
 先の質問をルーちゃんに投げかけても、当然そう簡単には答えてくれない。
 ただ頭を下げて、俺の抱擁から逃げようとするだけだ。
 が、俺も粘った。
 頑張って、しつこく耳元で囁き続けた。
 何が俺を熱狂的にまで突き動かしたのか、それは
 イギリスの有名な登山家が言った「そこに山があるからだ」という名言に一種通ずるところがあるだろう。
 ただ、「山」が「ルーちゃん」という限定的な個人に代わっているだけで。
 ルーちゃんがついに「カツキ君を思ってしたのぉ」と言ったのは、俺にひょいと持ち上げられ、
 木によりかかって座る俺に、ルーちゃんが覆い被さるようにして座らせてからしばらくたってからだった。
 中々、説明するのが難しいが、俺の膝にルーちゃんの膝の裏が来、俺の腰辺りにはルーちゃんの太ももが乗っている。
 少しずれて、腹の上にはルーちゃんのその引き締まった尻が乗っかかって、ルーちゃんの背中は俺の胸あたりに寄りかかっている。
 言うなれば、俺が人間椅子になってそれにルーちゃんが座っている状態だ。
 ただ、その人間椅子には、とても長くて太くて固いのが自慢の突起物がつけられていて、
 突起物はルーちゃんの膝より上、腰下より少し下、二本のふとももの間に鎮座ましましていた。
 その突起物は、ルーちゃんの敏感な箇所に触れ、小刻みに人間椅子が動くたびに、そこを擦っている。

「ん……あぁ……もう我慢、できないよぉ……」

 素股とは元来男が気持ちよくなるための行為だが、女の方は全く感じないというわけでもない。
 でも、イくのには相当苦労するだろう。
 現に、結構な時間を費やして擦っていて、「いれてほしかったら、誰のこと考えて一人でしたのか教えて」
 という脅しが、功を制したほどだ。
 ルーちゃんのクリトリスをそっと指で撫で、摘むようなことはせずに、もどかしさを募らせてやった。

「まだ一回しかしてないのに、ルーちゃんはエッチだなぁ」

 そう、俺とルーちゃんはあのババアの屋敷以来一回もシていないのだ。
 パーティに参加したときから、どこへ行っても人目がつくし、
 仮に人目のつかないところに行くと怪しまれる。
 みんなが寝静まってからヤるといっても、火番と辺りの見張りのために常時誰かが起きていて、
 返って夜の方が危なかった。

 だから、一週間近く経った今、村について二人っきりになった機会で二回目をシようとしたのだ。
 え? よく我慢できたな、って?
 HAHAHA! セックスとかそれどころじゃねぇよ。
 毎日なんべんも死に、ただでさえ馴れない旅に重い荷物背負って長距離を歩くとなれば、
 自然と体に負荷がかかり、疲れ勃ちすらしませんでしたYO。
 まあ、それでも一回ヤったら、体力と気力が回復して尚かつレベルも上がるから問題はないんだけどね。
 日常ではヨワヨワな俺だが、夜は腎虚も腹上死にもならない上に体液が媚薬である疲れ知らずで不死身の無敵超人なのだ。

 逆にルーちゃんは毎日隠れてオナヌーしてたって言ってた。
 それで、夜俺のことを見て、俺がオナヌーしていないことにとても腹が立った、とか滅茶苦茶なことをさっき言われました。
 もう何がなんだかわからないくらい激しく抱いてあげる、ということで許してもらえることになったけど、なんだかなあ。

「ん。ボク、えっちなの……でも、でもぉ……カツキ君だからだよ。
 相手が……カツキ君だから、えっちになっちゃうの……責任、取って」

 責任を取る前に、俺はいい加減首の鎖をたぐり寄せ、魔法の小瓶を取り出すと、勢いよくコルク栓を抜いた。
 おっと、コルク栓はちゃんとポケットにいれておかな。
 小さいから無くしたら大変だ。


63 :へたれエロ勇者 幕間劇! 全く編 14/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:13:03 ID:Yxz0UXmi

「あっ、あぁん、ご主人様ぁ! 切ないですぅぅぅぅぅ!!」

 こっちもこっちでビックリだ。
 コルク栓のフタを取ったら、ハクション大魔王までとはいわないが、
 何かしら決め台詞を言って、センヴィーが飛び出てくるかと思いきや、
 センヴィーはこれまたセクシーな声を上げ、地面に座り、
 足をM字に開いて、一人でお盛んになっていたのだ。
 思わず目が点になる俺。多分、ルーちゃんもびっくりしていただろう。
 魔法の小瓶を開けてビックリ、出てきたのは一人オナニーする魔族、なんて、どこの洒落ですか、それは。

「なんで、なんで、一週間も放置プレイをぉぉぉぉ!」

 外に出ているのにも気付いていないのか、レオタードとビキニの合いの子のようなセクシーな衣装の中に手を突っ込み、
 ぐちょぐちょとここまで聞こえてくる卑猥な水音をならしまくり、未だオナニー励み中。
 一日四回やらなかったら、多分俺を襲っていたと当時を語る、某ボク女勇者様だって顔負けだ。

 声をかけるにもかけられず、そのままにしておいたら、
 センヴィーがまな板の上にいる鯉を包丁でトドメをさしたときの最後のぴくぴくみたいな動きをして、
 ようやく止まった。
 惚けた目で辺りを見回し、ようやく今の状況が分かってきたようだ。
 顔色が赤くなり、次に黄色く、最後には青くなっていった。信号機みたいだ。

 こちらがずっと黙っていると、センヴィーはおずおずと手をパンツの中から引き抜き、
 濡れた手をふとももに擦って液体をなすりつけ、ゆっくり立ち上がり、頭を垂れた。
 まるで何もなかったかのようなそぶりで言った。

「お呼びでしょうか、ご主人様」

 ちょっと無理がありすぎた。

「ね……ねぇ、今のって……」

 ルーちゃん、いけない、それは禁句だ!
 見て見ぬふりをしてあげるのが、大人ってもんだ!

「……い、今の、とはなんのことでしょうか?」

 センヴィーは汗だくで答えた。
 口を開いている今も、額から新たな汗が噴出し、流れ落ちている。
 二人とも、よくやるなぁ。

「カツキ君の名前を言って、オナニーしていたことだよ」

 ぐっさり言うなよ、ルーちゃん。
 センヴィーが石になっちゃってるよ。
 ルーちゃんに何の意図があるにしろ少々センヴィーがかわいそうになってきた。
 少し助け船を出してやろうと、ルーちゃんの柔らかいお尻を撫でた。
 ルーちゃんはびくりと体を震わせて、撫でられたことに反応をしてくれる。
 そのまま軽くぺしぺしとはたいて、ゆっくりと持ち上げる。
 ずずず、と俺のペニスに粘膜がこすれる感触がある。


64 :へたれエロ勇者 幕間劇! 関係編 15/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:13:39 ID:Yxz0UXmi

「ふぁっ……そ、そんな急に動かされたら……」

 持ち上がったルーちゃんの尻から、手を離す。
 ルーちゃんはそのまますとんと落ち、また粘膜が擦られた。

「はぁぅ、だ、だめだよぉ……」

 ダメだ、と言う割には抵抗しないのは何故か。
 そして、手も自由なのに俺を抑えたりしないのは何故なのか。
 答えはCMの後。

「ほれ、センヴィーも加われよ。お前が嫌なら構わないけど」
「え、あ、はい……」

 石になっていたセンヴィーが、ようやくレジストした。
 まだ少し動きがぎこちなくて、ダメージの名残を残しているが、
 俺の出してやった助け船にはなんとか乗れたようだ。
 センヴィーはそろそろと近寄ってくる。

「あっ……む、胸は弱いんだって……」
「て、言う割には、さらしをつけてきてないじゃん」
「そっ、それは……やっ、やっぱりこういうときにはそういうのがない方がいいかなと思って……」

 ごにょごにょ言ってごまかそうとしている。
 かわいいなあルーちゃんは。
 服の裾から手を入れていじっていただけだったが、上着を大きくまくりあげさせた。
 視覚効果が相まって、感度アップが見込めるだろう。多分。
 と、そこへ、不意打ちが襲ってきた。
 ルーちゃんの股から覗く、俺の亀頭を何かが柔らかく包んだ。
 センヴィーか……。

 俺の一物は故あって、超巨大砲身なのである。
 もちろん、その先端にある発射口も常人よりも遙かに大きいスケールだ。
 それでいて感度はそのまま、とゆー夢の様なモノだ。メンズドリームだ。
 ぬるりとした感触が、くるくると右回りに俺の亀頭を撫で擦る。
 流石元レズ。
 何人のおんにゃのこをその毒牙にかけたのか、俺はご存知ないが、テクニックは確かだぜ。

「は、ひゃああ! そ、そこはだめ、弱いの……」

 センヴィーは俺のモノだけでは飽きたらず、ルーちゃんにも襲いかかった。
 俺のモノとルーちゃんのアソコの間に舌を滑り込ませ、ルーちゃんの突起を露出させていた。
 ここからではかろうじてしか見えないことが非常にもどかしい。

「はぅあっ……ず、ずるいよぉ……二人でなんてぇ……あんっ、あっ、ダメなのぉ」
「んなこといって、本当は嬉しいんだろ? ゲヒャヒャ、初めてじゃあるまいし」

 などとゲスなことを下品な笑いを添えて言ってみる。
 うん、俺、馬鹿だ。


65 :へたれエロ勇者 幕間劇! アリマセン編 16/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:14:28 ID:Yxz0UXmi

「……う、うん、好きなのぉ……」

 ……そこであっさり認めますか、あなたは。
 まぁ、正直でとてもよろしいのだが、シチュエーション的には台無しだ。
 今度みっちりねっちょり教えてあげないと。

「んじゃ、ま、スキモノのルーちゃんにご褒美あげちゃおっかな」
「ん……あぁ……」

 脇の下に手を入れ、ふにゃふにゃになったルーちゃんを持ち上げる。
 センヴィーも俺のしたいことがわかったのか、俺の手からルーちゃんを受け取ると、
 持ち上げて、くるりと反対を向かせた。

「ほら、入りますわよ」

 センヴィーは、ルーちゃんを抱きしめるように支え、そのまま俺のマグナムの位置を固定すると、
 ゆっくりと手を下ろしていった。

「はぁぐぅうう」

 俺の一物は、何度も言うようだがビッグだ。
 ビックリなほどビッグだ。
 ルーちゃんの入り口にはどう見ても入りそうもないサイズなのに、これが人体の秘密なのか、
 抵抗はあるものの、裂けたりせずにルーちゃんの中にずぶずぶと埋まっていく。

 ルーちゃんの中は、焼きたてのパイの中のように熱くて柔らかかった。
 まるで何かの生き物であるかのように蠕動し、すれるたびに粘液の心地よさを感じる。

「ふ、ぁ……ふぃ、いい、よぉ……おっき、く、て、熱ぃ……」

 そのまま重力に負けてルーちゃんが俺の方に倒れてこようとする。
 が、その直前でセンヴィーが間に入った。

「な、んで……」
「いくらご主人様の寵愛をうけてらっしゃるルーミさんとは言え、わたくし、そこまで譲歩する気はありませんの」

 俺の上に倒れたかったんだろうルーちゃんに、センヴィーは言った。
 センヴィーはここぞとばかりに俺に擦り寄ってくる。
 その仕草が可愛くて、センヴィーの頭を撫でてやる。
 羊のような固くねじ曲がった角の感触が心地よい。

「まあ、俺としてはセンヴィーもルーちゃんも同じくらい愛してるよ」

 センヴィーの角に軽くキスしてやる。
 うん、ルーちゃんにはルーちゃんの良さが、センヴィーにはセンヴィーの良さがあるのだ。
 例えば、膣の締め付け具合とか、胸のサイズとか。

 ……俺ってひょっとして最低?

「んんっ、ご主人様……お世辞とはいえ、センヴィーは嬉しいですわ」
「お世辞? そんなつもりで言ったんじゃないけど」
「ふふ、別にわたくしのことはお気になさらないのでもいいのですよ。
 あなたは人間、わたくしは魔族。
 魔族であるわたくしが、ご主人様に愛されるわけがありませんもの」


66 :へたれエロ勇者 幕間劇! たぬき編 17/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:16:16 ID:Yxz0UXmi

 は、はあ?
 なんでそうなるかな……倫理観とか道徳観の違い?
 ぶっちゃけ俺は異世界の住人だから、そーゆーのはわからんなぁ。
 そういや、センヴィーが俺のことを人間だと知ったときにすごく驚いていたけど、
 こーゆーことだったのか。
 異世界からきた俺には、歴史的人種の対立なんて知らないしなぁ。

「馬鹿だなあ。そんなこたぁないさ。
 センヴィーは美人だし、俺のことを好いてくれてるんだろ?
 んだったら、種族の違いなんて小さいもんだ」
「……ですが」
「んにゃ、お前も自分が魔族とか俺が人間だとかどうとか気にするな。
 今度気にしたら、耳を噛みちぎっちまうぞ」

 そういって、センヴィーの耳たぶをはむはむした。
 ん、美味なり。

「しかし……いっ、痛ッ」

 センヴィーが顔をしかめる。
 俺が耳を強く噛んだからだ。
 気にするなちゅーてんのに……と思いつつも、耳を噛めたことにちょっとラッキーとか思ってたりして。

「ほれ、気にしたから耳を噛み千切るとこだった。
 そんなに俺のことが信頼ならんの?」

 まあ、俺のことが信頼ならないと一番思っているのは、何を隠そう俺自身だけどな!
 でも、せめてかわゆい女の子には信頼されたいと思ってしまう、男の不思議。
 強く噛んで、後が残っている耳の後を、ぺろぺろ舐めた。
 センヴィーは、その深い食い込みに舌が触れるたびに切ない声を漏らす。

「……まだ信じられない?」

 舌を表面から段々と穴の方へと移動させていく。
 俺も大概の耳フェチの変態である。

「んんっ……」

 耳もおいしいが、センヴィーの頭をもっとこちらに寄せ、今度は頭の角を舐めた。
 角は固く、ごつごつしていて、味も特になかったが、なんかいい。

 なんかいいんだ。
 言葉に表せないが、角を舐めるとなんだか興奮する。
 うまく説明できないけど……なんというか、角フェチになってしまいそうだわさ。

「ん、あっ……おやめください、ご主人様」
「やだっ、センヴィーが信用してくれるまで舐めまくる」
「し、信頼しますからぁ……つ、つのを舐めるのはやめてください……」

 ちっ! もっと舐めたかったのに……。
 渋々舌を引っ込め、代わりにセンヴィーの口を吸った。
 センヴィーは、突然キスされたことに驚いて目を剥いていたが、
 媚薬効果のある唾液を流し込んでいくと、次第にとろんとした目に変化してきた。
 毎度ながら、反則的効能だ。



67 :へたれエロ勇者 幕間劇! スリランカ編 18/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:17:03 ID:Yxz0UXmi

「はぁ、ご主人様ぁ〜……」

 唇を離すと、センヴィーの熱い吐息が顔にかかった。
 センヴィーはすっかり熱に浮かされ、キスを中断されたことに不満を抱いていた。
 気持ちはやまやまだが、センヴィーの後ろからにゅっと出てきた二本の手が俺のほっぺたをつねってきたのだからしょうがない。

「ぶーっ! なんでボクを放っておいて、二人でラブラブな空気作ってるの!」
「ひょ、ひょーがなひらろ!」
「ちょっと、ルーミさん! 邪魔なさらないでくださる!?」
「ボク抜きでラブラブするなんて許せないよ!」
「では、わたくしも返して聞きますが、わたくしがビンの中にいる間、
 ルーミさんは一度たりとも、ご主人様とラビュラビュなことをなさらなかったんですこと?」
「……うっ」
「うっ」
「ほれ見たことですか。あなたはいいですわよ。常時ご主人様と一緒にいられるのですから。
 わたくしはあの狭いビンの中でずっとご主人様が出してくださるまで一人だったんですのよ!?
 ご主人様の立場とご事情も大変わかりますので、特に異論を申すことはしませんでした。
 ですが、せめて外に出ている間にはご主人様のぬくもりをあなたより受けてもよろしいんじゃなくて?」
「ぼ、ボクだって、いちゃいちゃしたかったけど、人の目もあったし、カツキ君素っ気なかったし!
 だ、抱いてもらうのだって、今日が二回目なんだから!」
「ええ、そこらへんはわかりますわ。ですから1番手をお譲りしたのです。
 あなたはその上何を望みますか、いくらルーミさんとは言え、ご主人様を全面的に譲り渡すことはしませんことよ」
「えっと……あの……」
「折角一番に抱いて貰っても、カツキ君がこっち向かずに他の女とイチャイチャしてたら意味がないじゃん!」
「わたくしだって、御主人様といちゃついてもらっても、中に頂けないことに大変な不満を持ってますわ」
「ねえ……喧嘩はやめよぅよ……」
「う、ううう、このー、理屈じゃないんだー、ボクとカツキ君との愛はー!」
「それはわたくしも同じ事ですわ!」
「な、仲良くしよぅよぅ……」
「うるさいよ!」
「お黙りになって!」
「……」

 頼むよ、頼むから、俺の上で喧嘩しないで。
 いつトドメ刺されるのかドキドキなんだから。
 かといって、これ以上下手に口出ししたら、それはそれで殺されそうな予感がばりばりだ。

「根性もその角みたいにねじ曲がってるんじゃないの?」
「んまっ! この角はクルスノール家でも秀逸で、非常に美しいラインの角だと評判がありましたのよ!?
 ご主人様だってこの角にご執心で、さきほど丹念にお舐めなさったのですよ!」
「げろげろー」
「なんですかその態度は! 貧乳のくせに」
「そ、そ、それを言ったなーッ! よ、よくもよくも、このオナニー大魔族めっ!」

 や、やややや、やめてよぅ。
 本当に怖いよう!
 なんか、ちっこい火の玉が、もうすでに密着した二人の間で交差してるよぅ!

 こ、こうなったらっ。

「謝ったって許してあげないよ!」
「こちらこそ、もう容赦しませんことよ!」
「俺は一抜けたっ」


68 :へたれエロ勇者 幕間劇! 学生編 19/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:17:52 ID:Yxz0UXmi

 上に乗った二人をはねとばし、その場から立ち上がる。トホホだ。
 久しぶりに楽しい夜が迎えられそうだったのに、こんなんだったら、いつも通りじゃないか。
 しかも、火の玉とか殺人パンチが何かの拍子で俺の方に向く可能性がとても高いし。

「喧嘩したいのなら、勝手にやってね。俺はもう関わらないから」

 すちゃっと手をあげ、一秒でも早くこの第一種戦闘区域から脱出しようとした。
 うん、今後は、一人一人呼ぶことにしよう。
 今この状況で俺が死んだら、ちょっとマズイことになる。
 レフレさんに言及されること間違いなしだ。
 あの人は何をさせても、もしくは俺が何をしても、俺を殺す人だからなぁ。
 連鎖的に死亡回数が増えていくよ。

 まあ、裏技がないわけじゃないんだけど。

「じゃ、そゆことで」

 俺は川に向かおうとした。
 理由は二つある。
 一つは局所的に濡れてしまったところを水浴びして落とすため。
 あと、もう一つの理由は、この集落が燃えさかったとき、川の中にいれば安全だということかな。

「え? ちょ、ちょっ……」
「お、お待ちになって!」

 えーっ、まだなんかあるのぅ。
 もう本当に勘弁してくれよ。
 こんなんだったら、普通に木に縛られてた方がマシだったよぅ。

「ぼ、ボクを捨てる気なのっ!?」
「ご、ご主人様、どうか御慈悲を……」
「は? 何言ってるの?」
「そ、そんな、嘘だよねぇ? う、嘘って言ってよ!」

 え、何? 何?

「嘘」

 とりあえず、言えって言われたから言ってみた。

「じょ、冗談はよしてよ! も、もう喧嘩しないからぁ」
「は、はぁ……」
「せ、センヴィーが悪かったですの。ですから、ご主人様、お気をお鎮めになってくださいませ」

 喧嘩をしていた二人は、突然俺の方を向き、にじりよってきた。
 手には、火の玉がめらめらと燃えさかったままで。
 やばい、やばいヨー。
 あれに触ったら、やけどどころじゃナイヨー。

「お、おわぁ! よ、寄るな!」
「そ、そんなカツキ君! 本気なのっ!」
「ま、待て! その手の火を消してからだな! 落ち着いて話を!」
「ご主人様ぁ! し、信用しろっておっしゃってくださったのに……」
「と、止まれ、センヴィー! お願いだ、止まってくれ!」


69 :へたれエロ勇者 幕間劇! 東海道線 20/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:18:43 ID:Yxz0UXmi

 懐から、HPが500回復する回復薬を数粒取り出した。
 ドラムロール式HP表示だ。
 上半身と下半身が離れちゃった♪ とか
 左半身と右半身が離れちゃった♪ とか
 足なんて飾りです(以下略)  とか メインカメラがやられ(以下略) とか
 流石はターンX、ターンAのお兄(以下略) とか
 ミンチよりひで(以下略)、とかそういう風な方向性の即死条件が揃わなければ、
 咄嗟に薬を飲んで蘇生することができる。

 でも、できればこんなものを使いたくない。

「カツキ君!」
「ご主人様ッ!」
「ぎゃぼーーーーーーーーっ!」

 ……無理でした♪


70 :へたれエロ勇者 幕間劇! リンパ腺 21/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:19:29 ID:Yxz0UXmi

「……ったく、捨てられたかと思ったって?
 それで、手に火がついているのを忘れて抱きついて、
 うっかりで俺を殺したってわけか」
「は、はぃ……」
「申し訳ありません……」

 二人は俺の前に正座している。
 正座って何? とか聞いてきたので、わざわざ教えてまで、だ。
 流石に俺とて、無意味とかうっかりで殺されて気分はよくならない。
 例え、レフレさんに「無意味で」「うっかりで」「悪意が時折見える方法で」殺されていても、だ。
 喧嘩をおっぱじめたことしかりで、少し教育が必要のようだ。
 俺のことを取り合って喧嘩するのは、ちょっと優越感が刺激されるけど、
 この二人は取り合っている最中に、俺を半分に千切っちゃいそうだから、そうも言ってられない。

 炭化した俺の体の一部が地面に落ちている。
 非常にえぐい。チンコ萎える。
 今は、その体の一部は薬の効能によって……かどうかは知らないけど、再生して、
 真新しいピンク色の肌になっているが……どうもやるせない。

「いいか、まず最初にこれだけ言っておこう。
 俺は、まかり間違ってもお前らのどっちか片方でも捨てるようなことはせん!
 命賭けて誓ってもいいよ」

 俺の命は5円くらいの価値しかないけど。
 ルーちゃんとセンヴィーはキラキラした目で俺を見てくる。
 ふっ、俺とて男だ。好いた女を捨てるような真似はしねぇのさ。

「だが、だがな。喧嘩は頼むからやめてくれ。
 俺の命がジ・エンドしたらどーしょーもないだろ」

 ついでに世界まで滅びるのだ。私的にも公的にもとっても不利益。

「俺だって人間だから、至らぬところはたくさんあるだろう。というか、至らぬところだらけだろう。
 でもな、お前らが仲良くそしてラブラブハッピーになるよう尽力するから、
 頼むから、喧嘩するのはやめてくれ。あと、俺をもうちょっと大事にしてくれ」

 悲痛な頼みだった。もう、本当に、マズイです。
 肉体的な面より、精神的な面がヤバイです。SAN値下がりまくりで、幻覚が見えるんよ。
 お、お前らに夜うなされて飛び起きるつらさがわかるきゃーっ!
 自分の記憶から何故か抹消されてる、俺の死亡シーンが唐突に脳に浮かんでくる怖さがわかるきゃー!
 なんだかトラウマを貰いすぎて、どれがどれだか全く整理ついていない状態だ。

 ルーちゃんとセンヴィーは二人同時に視線を合わせ、
 罰悪そうにしつつも俺に「喧嘩はしない」と言ってくれた。
 これがどの程度の効力を持つ約束なのか、現時点ではなんとも言い難いが、
 まあ、間を取り持つのもハーレム主の仕事の一つだろう。
 ただ、本格的なバトルに発展した場合は、速攻で逃げなきゃ確実に死ぬから難しいところだ。
 誰かもう一人くらい良識のある人を引き入れれば、俺よりもずっと効率よく統制してくれるだろうが、
 ……そういう人に心当たりがない、あってもハーレムに引き入れるのは非常に困難なのが現状だ。
 でもまぁ、まだ二人、という俺一人で全力を尽くせば、ひょっとしたらひょっとするかもしれない人数であるからして……。
 やばい、考えたら胃が痛くなってきた。考えるのはもうやめよう。誰だって最初は初めてなんだ。
 これから徐々に経験を積んで、結果的に俺の能力がうまくつけばいい。
 そう、多くの問題に悩みながらも、俺と他の人と力を合わせて乗り越えてこそ、より強い結束が生まれるのだろう。
 と、綺麗に閉めておこう。


71 :へたれエロ勇者 幕間劇! パンツ編 22/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:21:13 ID:Yxz0UXmi

 実際のところ、俺には人心把握術の心得もあるわけじゃないし、
 今みたいに紅茶を飲むのに必要な程度の挙動で俺を殺せる女性二人が、俺を奪い合うバトルを仲裁した経験だってない。
 まったくのぺーぺー状態なのだ。
 性欲なんかで彼女達の心を手に入れたけど、
 はっきり言って、もし俺の血の効果がなかったら、一生縁のない女性達なわけでして。

「ごめんね、カツキ君」
「ん、あぁ、別にいいよ……」
「だ、大丈夫? すごく顔色が悪いけど」

 顔色も悪くならぁな。

「あー、二人とも、今日はもうお開きにしよう。
 センヴィーはしばらく外にいてもいいけど、人に見られるなよ。
 ルーちゃんはもう自分の部屋に行って寝なさい」
「え?」
「ダメですわ!」
「だ、ダメですわ、って言われても……俺の胃もそろそろ限界で……」

 意外と噛みついてきたのはセンヴィーだった。
 頼む、と言ってもしぶとく食い下がってくる。

「ですから、わたくしは一週間我慢したんですよ?
 暗くて狭くて、非常に自由の制限された場所で一週間!
 ようやく日の目を見ることができたと思ったら、
 ご主人様の精も受けられずまたあそこに戻るなんて納得できません!」
「い、いや、その意見は全くごもっともなわけですが……」

 しどろもどろしている俺に、センヴィーがしなだれかかってきた。

「お願いです、ご主人様。
 センヴィーの子宮が疼くんです……この浅ましい女にお情けをくださいませ」

 と、耳元で囁いた。
 これを引き受けなければ男じゃなかろう。
 だが、男がさっき言った言葉をすぐに撤回していいんだろうか?

「う……そうしたいのもやまやまだがな。
 明日も早くにここを出て、ピアユート王国とゆーところに行軍しなきゃならなくて、な。
 疲労を残すと地獄になるわけで……」
「ご主人様の精を頂けないのでしたら、センヴィーは舌を噛んで死にます」
「……」

 あちゃー、なんでこう言うことを聞いてくれないもんか。
 センヴィーは少し舌を出し、それを歯で軽く挟んでいる。

「……わあったよ! わかったから、脅すのはよせ。
 まったくもう……主人を脅迫するとは悪い奴隷だな」

 センヴィーは舌を引っ込め、微笑んだ。
 その横でルーちゃんも、さきほどのセンヴィーと同じく舌を口に挟んでいるのが恨めしい。
 これじゃ、どっちが主人でどっちが奴隷なんだかわからねーよ……トホホ。



72 :へたれエロ勇者 幕間劇! カツキ編 23/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:22:15 ID:Yxz0UXmi

「しょうがない奴らだな。でもいいか、喧嘩したら俺は即行で逃げるぞ!
 例えそれが口喧嘩でも、だ。
 というか、多分、口喧嘩より先まで事態が進行してたら俺の命がもう手遅れっぽいしな!」

 すげー気苦労だ。
 死なないためにはHPがたくさんあればいい。
 HPを増やすためにはレベルを上げなければならない。
 レベルを上げるためには、セックスするかモンスターを倒すかだ。
 どちらが楽なのは言うまでもないだろう。
 だが、死ぬ確率がどっちもどっちという状況ははっきり言ってどうよ?
 まあ、要するにそれもレベルを上げれば解決することはそうなんだけどさ。

 ……でも、さっきの小さな炎の魔法……一番弱い火球魔法らしいけど

『ルーミ と センヴィーヴァ の 合体攻撃!
 カツキ は 100029354のダメージを受けた!
 カツキ は 致命的なダメージを受けた!     』

 と、表示されたんだけど……俺はあと一体いくつレベルを上げればいいのかな……。
 誰か、誰か教えてよ!
 FFですら見ないよ! こんなばかでかい桁のダメージ!
 一体俺の最大HPの何百万倍だよっ!
 オーバーキルにも程が過ぎるッ!

 まあ、単純なHP量だけの問題じゃなくて、俺の防御力と魔法防御力が、
 何故か『マイナス』のせいなのかもしれないけどな!

 ……。
 い、いぢわるだ……ここの世界の神様はとてつもなくいぢわるだっ!

「わ、わかったよ!」
「右に同じく、ですわ」

 ルーちゃんとセンヴィーはお互いを見合わせ、渋い顔をしながらも言った。
 元が対立している相手同士だったので、俺というかすがいがあったとしても、
 まだ仲良くすることは難しいのだろう。
 なるべく、そういうのは改善していきたいところだが、にんともかんとも。

「……んじゃあ、まず、二人とも服を脱いで。
 あ、そういやセンヴィー、音消しの結界が張れるっつってたな、それを頼む。
「もうしてますわ」
「用意周到だな……ルーちゃんを下、センヴィーを上にして寝てくれないか?」

 ま、それはそれとして、お楽しみ、お楽しみっと。
 二人ともいまいち何をするのかわかっていないようだったが、
 無言で服を脱ぎ、俺の指示通りにしてくれた。

「ほら、足開いて」
「あっ! は、恥ずかしいよぉ」
「開かないと入れないよ? ていうか、入れられないよ?」
「う、うぅ……カツキ君はいぢわるだよぉ」
「それはこの世界の神様だって」
「?」
「あ、いやなんでもない、ただの独り言」


73 :へたれエロ勇者 幕間劇! パワー編 24/27 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:23:22 ID:Yxz0UXmi

 少し段になったところで二人を寝かせる。
 少し小柄だけど頑丈なルーちゃんが下、そして少し大きめで胸がぷるっぷるしているセンヴィーが上。
 一般的に貝合わせと呼ばれるやつだ。

「ルーちゃん、お手を拝借……」
「ひ、ひあっ! ご、ご主人様、一体どこを……」
「うあっ、ぬるぬるするよぉ、気持ち悪い〜」
「な、なんですってぇ!」

 や、やばい、逃げろッ!

「あ、いや違うっ! な、なんだかぬるぬるしてて気持ちいいな〜、あははは」
「お、おほほほ、ルーミさんったら」

 なんか少し危なかったが、なんとかギリギリセーフなところだったろう。
 口喧嘩したら俺がすぐに逃げるということを学習したのか、すんでのところで喧嘩は回避。
 ま、まあ、俺も少し悪かった。
 ルーちゃんの手を無理矢理センヴィーのあそこにもっていって、その手で開かせたんだから。
 一瞬たじろいだものの、なんとか気を取り直した。
 はぁ、怖い。
 情事ですら命がけだ。

 指を一本立てて、センヴィーの開かれた秘部にそっと差し入れる。

「ひゃぐっ!?」

 ぬちという音がして、指がセンヴィーの中へと埋まっていく。
 センヴィーは俺の指が入っていくにつれ、背筋を反らす。
 愛液が指の間からとろとろと溢れ、下のルーちゃんの秘部に垂れていく。

「ご、ごしゅじん……さまぁ……いいです……」

 センヴィーの膣はとてもよくほぐれていた。
 流石は大オナニー魔族だ。
 ほとんど前戯は必要なさそうだ。まあ、ルーちゃんもどっこいどっこいだけど。

 指を一番奥まで差し込み、膣のしめつけの調子を見る。

「ふぅっぐ……ご、ご主人様……すごく、いいです。
 ゆびだけで……こんな……ぜんぶいれられたら……せんう゛ぃー、どうなっちゃうのか……」
「じゃあ、もうやめる?」
「ら、らめぇ! そ、そんな、またおあずけされたら、きがくるっちゃいますぅ」

 ふむ、もうできあがっているな。誠に早くて手間いらずだ。
 指を引き抜くと、軽く湯気があがった。

「いくぞ」

 月明かりのあまりよく見えないところで、肉棒の狙いを定めた。
 ん、中々、難し……こんなもんか。

「はやく、はやくくださぃ〜」

 あいよ。 そんな尻を振ったら狙いが外れるぞ。


74 :へたれエロ勇者 幕間劇! エッチ編 25/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:23:57 ID:Yxz0UXmi

「はぁあああああ! いいっ、はいってきますっ! うっくぅぅぅ! 中にっ、ぐぐぐって!
 なかっ、中はどうですかっ!? センヴィーの中、気持ちいいですかぁ、御主人さまぁ〜」
「ああっ、いいぞ、センヴィー! 最高だっ!」

 が、しかし、それほどセンヴィーにかまっていると、下の御仁が怒り狂います。
 絡みついてくる膣壁に後ろ髪をひっぱられる思いだったが、一旦腰を引いて、一物を抜いた。

「んにゃあああ! だ、だめです、抜いたら、だめで……っすぅ」

 センヴィーが俺を逃がすまいと膣を締めてきたが、それでも強引に引き抜いた。
 膣を締めすぎたのが悪かったのか、抜いた瞬間、雁首が大きく膣を抉って、センヴィーはのけぞった。
 そんな自業自得なセンヴィーを気にかけず、今度は下の方にねらいを定めた。

 センヴィーから垂れに垂れた愛液が、べたべただ。
 もとよりべたべただったそこが、いい感じに混じり合って淫靡さを醸し出している。
 更にべたべたになった一物を当て、腰を前に動かすと、ぬるりと中に入っていった。

「あっ……い、いいよ、入ってきたよ」

 少々ルーちゃんの方が余裕があるみたいだ。
 軟らかい肉の中へと、ずぶずぶと入り込む俺の熱いブツ。
 センヴィーとはまた違う膣の感触が楽しめた。

 ほどなく奥まで到達すると、その瞬間、膣は突如牙をむいた!
 それまではねっとり絡みつくようだった感触が、一気にペニスを圧殺するかのような締め付けに変わる。

「ぐあっ……」

 や、やられたぜ、ルーちゃん。
 さっきからやけに静かだと思っていたが、こんな策を練っていたとは……。
 ギチギチに締められた膣では、ちょっとやそっとの力で動こうとするのは不可能だ。
 というか、もはや痛い領域に突入している。
 流石は勇者、しっぺで俺の腕を粉砕できそうな筋肉の持ち主だ。
 括約筋も半端じゃないぜ……。

「ぬ、抜けないんだけど」
「えー、何がぁ〜?」

 しらじらしく答えるところが、ちょっとなんか腹が立っちゃうぜ。
 第一、こんなんじゃルーちゃんだって楽しめないだろうに。
 そこまでして俺を独占したいのか。さっきの俺のこっ恥ずかしい宣言を返せ!

「ご、ご主人様ぁ。いつまでもセンヴィーのことを放置しないでください」

 む、むぅ……。

「そう言われても、ぬ、抜けなくて、痛くて……」

 だがしかし、センヴィーを喜ばすのは何も俺の一物だけではない。
 チンパンジーがアウストラロピテクスになったとき、得たものは何だ!?
 四足歩行から二足歩行に移行し、絶望的なほど移動力を失って、尚かつ得た物は何だ!?

 それは手だ! 英語で言えばhand。とりたてて英語で言う必要はないけどな!
 職人レベルに達すれば米に写経ができるほどの器用さを持ちうる人間の第二の武器だ!


75 :へたれエロ勇者 幕間劇! 編 26/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:24:48 ID:Yxz0UXmi

「ふぁっ!」

 目をつぶったままでも、十円玉を認識できるという指先で、センヴィーの豊満なお胸をいじくり倒す。
 乳首、乳輪、果てはスペンスの乳腺尾部(胸のふくらみの外側、乳首から斜め45度下から脇の下までの裾野にある性感帯)まで、
 縦横無尽に指でこねくりまわした。

「あっ……そ、そんな強くされたらっ……」
「ん? 強くしない方がお好みか?」

 では今度は、性感帯すれすれのところを指でそっとなぞってやろう。

「あ……」

 乳首の先端をかすめるようにいじり、乳輪の色の変わる部分のところのやや外側をなぞる。
 触れて貰えない悲しさか、センヴィーの吐く息は切なさがこもっているようだ。

「ふぅっ……あっ……」

 センヴィーは突っ張った腕をぷるぷる振るわせ、微妙な振動で俺の指に胸を押しつけようという真似をしてきたが、
 おっとそうはいかねぇ、とばかりに腕を引っ込める。

「危ない危ない、センヴィーは触って欲しくないんだよな、うっかり触るところだった」

 誰もそんなこと言ってないが、そこらへんは事実改変。

「そ、そんなこと……言って……」

 指で勃起した乳首をぴしっと弾いた。
 焦らされていた状態から、一気に瞬間的な強い刺激を受けたことにより、センヴィーは言いかけた言葉を喉に引っ込めた。

「やっぱり強くされるのが好きなんだ」

 このまま勢いで押し切ってしまおう。
 更に耳をハムハムや、角を舐め始めて、更にセンヴィーを追いつめていく。
 何か言おうとしたら、こっちを向かせ、口を塞ぐ。

「ん……あぁ……うんっ……」

 センヴィーが上にいたことが幸いか、アクロバティックな体勢をとらなくとも、
 ルーちゃんの上から動くことができたため、密着感をキープしたままキスなどの行為が行えた。
 センヴィーも満足していて、激しく舌を絡めてくる。

 もちろん問題が解決しているわけじゃない。
 腰を引いても、ルーちゃんが一緒についてくるという状況は未だ変わらず。
 膣痙攣を起こしたかのように食いついて離れないルーちゃんの膣は、スッポンのように俺を離してくれない。
 そのくせ、上でセンヴィーと戯れているととても機嫌を悪くするのだ。

「不公平だよっ! センヴィーさんばっかり構って!」

 不公平はどっちやねん、と。
 これじゃ、さっきの構図と全く同じじゃないか。


76 :へたれエロ勇者 幕間劇! 解決編 27/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:26:26 ID:Yxz0UXmi

「んっ……って言われてもルーちゃんは食いついて離してくれないじゃんか。
 動こうにも動けないし、いつまでもルーちゃんに構っていたら今度はセンヴィーが……」
「むーっ、人のせいにするの?」
「え? いや、人のせいも何も……俺としてはルーちゃんをかわいがってあげようと思うのだけど、
 ルーちゃんが強く締め付けて拒否してくるからして……」

 途端、膣の締め付けがひっこんだ。

「ボクがいつ締め付けたっていうのさ!」

 え? いや……まあ、いいか。
 この程度の理不尽なら、むしろかわいいの調味料。
 真の理不尽は、出会い頭にザキの詠唱だからな!
 まあザキだから回避できたけど、ザキとは黒い煙の広がり方が違うザラキだったら回避しきれずにアウトだった。

「じゃ、動くよ、勇者様」

 色々とつっかかる部分はあったけれど、ゆっくり腰を動かした。
 動けなくなるほどの締め付けはないけれど、それでもキツイ。
 粘液にまみれた膣の摩擦は、俺の一物に確かに大きな快楽を与えてくれる。

「ご主人様ぁ……」

 センヴィーが体を起こし、俺の口に吸い付いてきた。
 生き物のように蠢く舌が、俺の口腔を舐めまわす。
 俺としてもなめ回されてばっかりではなく、自分から舌を絡ませる。

「ふ……あっ……やっぱりいいよぉ。ん、んっ、んんっ……カツキ君の……すごい、感じるっ」

 腰を動かす段階になってしまえば、調子のいいことにルーちゃんは不満を消し飛ばしてしまったようだ。
 センヴィーもルーちゃんも俺を奪い合おうとしているものの、やはりセンヴィーの方が一歩下がった立ち位置にいるのか、
 快楽に悶えるルーちゃんをうらやましそうな目で見ているものの、それだけで何も言わなかった。
 ただちうちう口を吸う力は、段々と強くなっていく。

 そっと腰を引き、ルーちゃんの子宮口をつついていた一物を抜いた。
 同時にセンヴィーの舌と絡み合っていた舌をほどき、再びルーちゃんの上に寝かせる。

「ら、らめらよぉ……」

 回らない舌でルーちゃんは言う。

「ぬいちゃ……切ないよぉ……」
「ごめんな。でもセンヴィーにもしてあげなきゃ不公平だろ?」
「だ、だったら、キス……してよ。いま、してたでしょ……」

 こりゃまた、よく見ているこって……。
 そのご要望に応えるために、身を大きく乗り出し、センヴィーの顔の横を抜けルーちゃんとキスした。

「んっ……ふっ……」

 ルーちゃんの唾液の味が口の中に広がっていく。
 センヴィーとはまた違った趣のある味だ。
 キスもそこそこに、再び体を元の位置に戻す。


77 :へたれエロ勇者 幕間劇! 戦闘編 28/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:26:59 ID:Yxz0UXmi

「む、むぐぅぅ!」

 ……なんだかセンヴィーがルーちゃんにキスをしだしたが、これは無視だ、無視。
 いい加減放出したいと猛っている一物をセンヴィーの秘部に添える。
 さっき一度いれたときの型がまだ残っているのか、さっきよりもよりすんなりと中に埋まっていく。

「くぅぅ!」

 センヴィーの背中が反る。
 すすす、と指先で背中のスジを撫でると、今度は反対方向に折れた。
 膣もその動きに対応して、締め付けが微妙に変わってくる。

「うっ……」

 ここ何日か射精していなかったせいもあり、更に今まで耐えきった我が肉棒は今この瞬間に果てた。
 まだ半分も入っていない状態で、精液がセンヴィーの中に放出される。
 やはり濃さと量が半端じゃなく、実際に目にしていなくともペニスの感覚だけで尋常ではないことが感じられた。
 そして、情緒もへったくれもない、やたら明るいSEの後に、ウィンドウが表示される。

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV19 HP 38/38 MP 15/15
 特殊技能:異世界の勇者の血 エロ妄想LV9
 精神:自爆 自爆 自爆 自爆 脱力 感応
 魔法:チンカラホイ −MP2                         」

 ……なんかやたらこぎれいになったな。
 やるところまでやったから、もう満足したんだろうか。
 わけのわからない特殊技能は、この世界の作りというか、そういうものに根本的なつながりを持っているような感じがしたが……。

 ふと、脳裏に、晩年の歯の抜けたろくに発音できないババアの気味悪い笑い顔が蘇る。
 ああ、これも記憶の奥底に沈めておいた方がいいだろう。

「ふっ……ふんっ……」

 同時に絶頂を迎えたセンヴィーは、ルーちゃんの上でくたりと倒れた。
 未だ亀頭をぐいぐい締め付けてくる膣から、一物を抜くと、勢いよく陰部から精液が吹き出てくる。

「す、すごい……」

 我ながらすごい量を出したものだ。
 それでいて猛烈に濃い。まるでゼリーのようだった。

 俺の自慢の一物は、それでいて無敵。
 あれだけの精液を放っても未だ萎えることを知らない。
 レベルが上がったことにより体に活力がみなぎり、疲れが吹き飛んだ。
 状況が許せば、いつまでもセックスしていられるだろう。
 男としてこれ以上素晴らしい体はない。
 例え、一日に死亡回数が二桁突入していたとしても、だ。

 間髪いれず、もう一度センヴィーの中に一物を突き入れた。
 自分の精液で満たされたセンヴィーの膣は、ぬるぬるでぐちょぐちょだった。
 しかし、ぬるぬるでぐちょぐちょでありながらも、強く締め付けてきて、その感触がまた絶品だ。


78 :へたれエロ勇者 幕間劇! 30/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:29:46 ID:Yxz0UXmi

「ふぁぁ! そ、そんな……」

 またもやセンヴィーの膣に放ちたい欲求が沸いてくる。
 が、それを理性の力で押しとどめて、引き抜いた。
 亀頭がセンヴィーの膣の中にあった精液をかきだし、白濁液が下のルーちゃんを汚す。

 上に反りすぎて、下を向かない肉棒を指先で下に動かし、ねらいを定め、再びルーちゃんの中へとレッツゴー。
 自分の白濁液で汚れた一物が、同じく俺の白濁液で汚れたルーちゃんの秘部に当たる。

「いいよ、来て! 来て! ボクにも、カツキ君の子種、いっぱいちょうだいっ!」

 俺の白濁液を、ルーちゃんの膣壁になすりつけるように腰を動かす。
 ルーちゃんが、一週間前までは処女だったルーちゃんが、こんなに乱れるだなんて……。
 いや、一週間前もこれぐらい乱れていたわけだけど。

「きゃふっ! あっ、だ、だめぇっ、そんっ、な……激しくっ、しちゃ、だめぇっ!」

 一回奥に差し込むたびに、上に乗っているセンヴィー……
 気が付いたら失神してるセンヴィーが跳ねるほど、体を反らしている。
 ずりゅ、ずりゅ、と音を立てて、ルーちゃんのアソコにグロテスクなブツが埋まっていると思うと。

「ぐっ……」

 割と一回したら我慢できなくなるたちなのか、限界を感じた俺は、
 腰をより深く打ち付け、ルーちゃんの最奥にまで到達した。

「いっ、い……」

 いく、と言いたいのだろうが、うまく言葉にならないまま、ルーちゃんはがくがく震えた。
 子宮口に強い圧迫を与え、細波がうつように膣壁が動き、絡みついて、締め付けた。

「ぐ、ぐふぅ……」

 ルーちゃんの子宮を目掛け、全く量も質も衰えない第二射を勢いよく発射した。
 まるでペニスの先端に目があるかのように――実際あったとしても暗くて何も見えないだろうが――
 俺の精液がルーちゃんの子宮の中に入っていくのがわかった。

 センヴィーの意識のない体が、度重なるルーちゃんの飛び跳ねに屈し、
 ほんの少しルーちゃんの体からずり落ちた。
 ルーちゃんの顔が月明かりの元にさらされ、少し顔を離している状態でも、細部にわたってルーちゃんの顔が見ることができた。

 ルーちゃんの顔は、惚けていた。
 いつも、屈託のない笑みを浮かべているときも、ときには驚きうろたえているときも、怯えているときも……
 いや、俺が襲ったときの表情ね、一番最初の……あるいは、俺もまた見たことがない悲しんでいるときも、
 その表情には凛々しさが含まれているだろう。
 勇者として育てられているがゆえに、おそらくはボーイッシュな存在になっているルーちゃんが、
 その顔を完全に崩していた。
 勇者という肩書きも、力持ちで武術の達人というそういった日常的な面も消え去り、
 そこにはただ男に抱かれ、精液を子宮に満たされた女の顔があった。
 それは至福にまみれ、恍惚とし、見るものを吸い寄せる不思議な魅力に溢れていた。

「……」


79 :へたれエロ勇者 幕間劇 手違い編→31/30 ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:30:43 ID:Yxz0UXmi

 結局、二人は俺をおいてけぼりに失神してしまった。
 俺はそうっと二人を寝かし、髪の毛を撫でた。
 汗にまみれていたものの、二人の髪の毛はさらさらで、触っていて心地よい。
 青白い月を夜空に仰ぎながら、俺はその夜を過ごしていった。

 ……まあ、ルーちゃんじゃないけど、俺もこの子らのためだけに世界を救おっかな。
 ただ俺が死にたくないだとか、世界は救わなきゃならないから救うとか、
 世界を救ったあと、俺は勇者で女が入れ食いになるからとか、
 そういった理由は二の次、三の次として、まず俺が好きになって、俺のことを好きになってくれた女の子のためだけに、
 この世界を救ってやってもいいかなあ、とそんな気持ちが心の中にありまして。


 ……姐さんに頼んで、剣術を教えて貰おう。無理のない範囲で。



 段々暗くなってきた。
 夜明け前が一番暗い。
 もうそろそろしたら夜が明けるんだろう。
 髪の毛を撫でて結構な時間が経ってしまった。
 そろそろ二人を起こさないとな。






 ……あと二発だけ、やっていいよね?
 俺も一物が精液無限弾のディーンレヴでインフィニティ・シリンガーになったっていうのに、
 たった二発で済ませるのはちと辛いのですよ。



 続く。


80 :キュンキュン ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:31:24 ID:Yxz0UXmi

 BONUS STAGE 集計!

 戦闘成績!
 四戦 四勝 0敗

 16回死亡!
・レフレシーギにザキを唱えられ 死亡
・レフレシーギがカツキ蘇生のため、ザオリクを唱えるが失敗、
 半分だけ生き返ったが、術が不完全のため 後に死亡
・レフレシーギがカツキ蘇生のため、ザオリクを唱えるが失敗、
 一旦生き返ったが、魔力の過剰注入により 死亡
・レフレシーギがカツキ蘇生のため、ザオリクを唱えるが失敗、
 カツキではない何かの魂が肉体に宿る、厳密に言えばカツキではないが、
 後にレフレシーギのザキにより 死亡
 (上三つの死亡事実は、カツキ本人は認知していない
  尚、記憶を抹消する魔法を魔女『ソルチスティーノ』が提供
  彼女の配慮ある行動が、ザオリクを唱える過程に伴うであろうカツキの発狂を防いだ)
・荷物が重すぎて 死亡
・荷物が重すぎて 死亡
・荷物が重すぎて 死亡
・ナツメのパンチを受け 死亡
・ナツメのキックを受け 死亡
・ナツメのドラゴンスープレックスを受け 死亡
・レフレシーギがカツキ蘇生のため、ザオリクを唱え、一回で成功、
 しかし、レフレシーギがその事実を気に入らず、ザキを唱え 死亡
・レフレシーギにザキを唱えられ 死亡
・レフレシーギはザオラルの詠唱に失敗 死亡
・レフレシーギにザラキを唱えられ、巻き込まれ 死亡
・レフレシーギに背後からベホイミを唱えられ 死亡
・火に焼かれて 死亡

 カツキ殺害ランキング
 一位 レフレシーギ・ヴィヴォプレーナ(僧侶) 九回
 二位 ナツメ(ワーキャット) 三回
     荷物(荷物) 三回
     ルーミ・ドラコノ(勇者) 三回
 三位 センヴィーヴァ・クルスノール(魔族) 二回

 ヤマモトカツキステータス 詳細版

「 ヤマモト カツキ : 勇者 LV21 HP 42/42 MP 19/19 状態:やる気十分
 特殊技能:異世界の勇者の血 いのる エロ妄想LV9 きんだんのちから
 精神:自爆 自爆 自爆 自爆 脱力 感応
 魔法:チンカラホイ −MP2
 能力補正:運 −500000000000
        物理防御力 −5000
        魔法防御力 −6500
        知能 +250
        素早さ −5
        甲斐性 (台詞により変化)                              」

 獲得アイテム!
 なまぐさいキノコ
 にんにくじょうゆ おろしだれ
 もずく
 なまけもの
 しじみの化石


81 :キュンキュン ◆4hcHBs40RQ :2006/06/22(木) 02:33:55 ID:Yxz0UXmi
 次回予告!

 ルーミやセンヴィーヴァのために強くなる、と一念発起した異世界の勇者「ヤマモト カツキ」
 早速次の日から、糸目女侍に修行をつけてもらうことになった!
 しかし、そこへクール格闘家が目をつける!
 逃げろ! カツキ! モビルスーツと素手で戦える人がお前を狙っているぞ!
 捕まったら、お前の死亡回数の上昇率は指数関数だ!

 ニャンニャンプレイもあるでよ!



 さて、幕間もこれにて終了。
 いつものごとくエロが薄くてすいません。
 次回より、腹黒猫戦に入ります。
 主人公死にまくっていますが、私も死にそうです。
 連載四回目にしてピュアテキストで確実に150KBを越えてるんですから。
 ちなみに、前回のアンケートの結果と、私の独断と偏見と愛と正義により攻略順番が決まりました。

 レズ女魔族 → ボク女勇者 → 腹黒猫娘 → バカエルフ → 巨乳僧侶
 → 変身竜娘 → クール格闘家 →  無口魔女 → ツン騎士(前編) →
 糸目女侍 → 夢見る姫様 → ツン騎士(後編) → ラスボス

 この順番はまだ開発途中の画像であり、予告なく変更される場合もあります。
 その点はご了承ください。

 GJレスをいつも授けてくれている方に感謝。
 そして、この作品を保管してくれていらっしゃるとくめー氏に感謝。

 次回は少し時間を置いてから投稿します。
 実は八割方書き終えてたりするんですけど、推敲やらコンピーターの中にぱちぱち打たなきゃならないやら色々ありますので。

 い、いや、他のスレで他の作品投下したいからじゃありませんよ?



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