Bitter Choco Liqueur
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ビターチョコリキュール
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「お姫様四重奏」
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戴冠式から、さらに数カ月が過ぎた。春が過ぎ去り、空気は熱さを増し、木々の葉は緑を濃くしていく。央都に、初夏が訪れようとしていた。
西方で新しく切り拓かれた農地への作付けが一段落したとの報せを受けてから、慌ただしい日々はようやく落ち着きを取り戻しつつあった。
僕の目の前を穏やかに蝶が舞い、せわしなく蜂が飛び交う。梢の上では小鳥のさえずりが聞こえる。来るべき夏に向けて生命の高揚を感じさせる。
木陰に腰を下ろす僕の頬を、心地よい風が撫でていく。
僕は、央城の真上にいた。城の屋上のバルコニーが、樹木や草花の茂る空中庭園となっている。つい先週に落成したばかりの庭園だ。マリ=ルイスの著名な庭園師が、僕の即位を記念して造園した。
庭園の端からは城下に広がる央都の町並みを一望できるが、外からは庭園の中を伺うことはできない。豊かな森の静寂をそのまま央城に移したような平穏も手伝って、この庭園にくれば日々の喧騒から逃れることができる。
僕はもちろんのこと、四人の王妃たちもこの庭園を気に入っていた。落成の式典を終えてから、暇を見つけては庭園の中での一時を過ごしている。
エミリエの元に送られた南方の果実や、コレットが自ら作った焼き菓子、セレスが茶葉を吟味した茶を目の前に広げ、皆、思い思いにくつろぐ。ティルダは、茶に蒸留酒を混ぜようとして、セレスにこっぴどく怒られていた。
子を身ごもった女は、酒を飲んではいけない、と。
そう。僕の四人の妻は、全員とも僕の子供を身に宿している。ゆったりとしたドレスに身を包んだ四人のお腹は、傍目にもはっきりとわかるほどに膨らんでいた。
世継ぎに悩まされた僕の父上の代とは打って変わって、あっけないほどに央国王の子を王妃たちが身ごもり、臣下たちは驚きながらも喜んでいる。
僕としても嬉しくはあるが、あれだけ毎夜のように妻たちとお互いを求め合えば当然の結果であるような気もしていた。
西方に展開した工兵団は任務を終え、一部を除いてはレイグラント武候国へと帰還している。レイグラント兵団の統括者でもあるエミリエの主な仕事は、南方諸部族との衝突の対処に移っている。軍議に際しては、エミリエの顔は凛々しい武人のそれへと変わる。
セレスには、ベルナディラ郷の伝承に関する調査を任せた。ロメスディクス建国王が、郷主一族に教えたという言い伝えをまとめ直させている。数百年の周期で移り変わるという西方の気象。未来の民が次の季節の変わり目に戸惑わぬよう、資料として残すことが目的だ。元々、史学に強い興味を持っていたセレスは、いつも嬉々として経過を報告してくれる。
コレットは復興の途上にある西方への政策に関して、僕の補佐をしてもらっている。コレットは、貴族や郷主よりも庶民や貧民の代弁者として僕に助言をくれる。コレットが何故テオフィラの王妃候補として等ばれたのか、僕はあらためて理解する。
そして、ティルダはロメスディクス央国の正妃の一人として正式に政に参加するようになった。僕が任命した穏健派の央国人と、ティルダが選出した北方人を部下として、北方オルストレムの統治に当たっている。
北方統治に加わったティルダは、まず先王亡き後オルストレム族王国を取り仕切っていた有力貴族の一派を、驚くべき手際で排除した。この貴族たちは、ティルダに淫蟲をつけて、僕を暗殺させようとした一派らしい。
その後、権力から遠い場所にいた下級貴族や、平民からも優秀な人材を登用し、北方の治世に当たらせている。ティルダ自身もコレットを通して西方と交渉し、正規貿易の段取りを整えているようだ。
北方反乱の気運は急速にしぼみ、央国の北方に対する緊張も緩みつつある。央国内でティルダを疎んじる意見も少なくなった。妊娠が分かってからは、他の王妃たち同様、央国に小宝をもたらしてくれた存在としてティルダを歓迎する向きも強くなっている。
「……暑いわ」
ティルダが、木陰の下でぼそりとつぶやいた。ティルダは額に手を当てながら、青い空を仰いで立ち上がる。
「なにを言ってるんだ、ティルダ。これくらい、南方に比べたら涼しいものだぞ?」
「北方人は繊細なのよ。鈍感な南方人と一緒にしないで欲しいわ……」
エミリエはからかうように笑い、ティルダは不機嫌そうに頬を膨らせながら僕らに背を向ける。
「本当に、暑い……」
ティルダは黒い薄絹のドレスに手をかける。ためらうことなく、肩から自らの身をまとう装束を脱ぎ捨てる。黒のドレスがするりと芝生の上に落ち、ティルダの裸体が目前にさらされる。
「お、おい! ティルダ!? なにをやっているんだ、はしたないぞ!!」
「だって、暑いんだもの」
エミリエが目を丸くして、声を上げた。ティルダは意に介する様子もなく、僕らの方を振り返る。両腕にも余るほどのたわわな二つの乳房と、新しい命を宿して膨らんだ腹が美しい曲線を描いている。
「どうせ、この庭園は外からは見えないんでしょう。それに……」
ティルダは自らの肢体を見せつけるように、僕の前を横切る。
「……エミリエは暑くないのだから、脱ぐ必要はないわよね?」
ティルダがにやっと笑い、僕の背後に回る。ひざをついた彼女は、膨らんだ腹と乳房を僕の背に押しつける。
「な、な……っ!」
エミリエは顔を真っ赤にして、唖然として口を広げていた。突然、エミリエは神妙な顔になり、目を閉じる。
「気が変わった……私も、脱ぐ!」
言うや否や、エミリエはスカートの裾をつかみ、豪快にまくり上げるようにドレスを脱ぎ捨てる。歪みのない球形を形作るエミリエの乳房がぶるんと揺れる。
エミリエは表情に敵愾心を浮かべて、僕の眼前にひざをつく。僕の身体を挟んで、エミリエとティルダはにらみ合う。
「大体、暑い暑いと言いながら、ヴァレリオの身体に張り付くなんてどういうつもりだ。暑苦しいだろう?」
「あら? 以外と心地よいわよ。それに、私の猿真似をしているあなたには言われたくないわね」
エミリエは競い合うように、乳房と子を宿した腹を僕に押しつけてくる。二人の体温と、鼓動と、じんわりと浮かんだ汗が伝わってくる。
子供のように維持を張り合うエミリエとティルダを見て、コレットは目を見開いて呆然とし、セレスはあごに指を当ててため息をつく。
「……たまには日光浴をするのも、健康に良いかもしれませんね」
セレスは独り言のようにつぶやくと、自分もドレスを脱ぎ始める。
「それじゃ、私も仲間に入れてください!」
セレスの様子を見たコレットはぱっと表情を明るくし、手早く衣装を脱ぎ捨てる。
裸体となって肌と膨らんだ腹部をさらけ出したセレスとコレットも、僕のすぐそばに歩み寄ってくる。
「ちょ、ちょっと……四人とも……?」
気がつくと、左にセレス、右にコレット、前にエミリエ、後にティルダといった格好で、僕は四人に取り囲まれていた。四人の鼓動は、母胎の子供たちの分とも合わさって、八人分になって響いてくる。
「折角ですので、陛下も服をお脱ぎになってください」
「そうですよ、ヴァレリオ様。一緒に日光浴しましょう」
「こうなったら、ヴァレリオだけ服を着ているのも変だろう?」
「うふふ、なんだったら私が脱ぐのを手伝って上げるわ」
八本の手が伸びて、あれよあれよと言う間に僕の服が脱がされて、裸にさせられる。下着まではぎ取られると、艶やかな女体を見せつけられていきり立った男根が飛び出してくる。
熱を帯びた四人の肉体に取り囲まれて、暑い。肌にじんわりと汗が浮かび、王妃たちの汗と混じり合う。美妃の色香が濃いほどに匂い立ち、僕の脳髄をくらくらと揺らす。肉棒はますます体積を増していく。
「あらあら、こんなに大きくしてしまって。私たちの王様は、ずいぶんと色事がお好きなようね。それとも、あなたの王妃が魅力的に過ぎるのかしら?」
ティルダが僕の耳元に口を寄せ、挑発するような声音でささやく。ティルダの右手が股の下をくぐって、僕の陰嚢を柔らかくつかむ。しなやかな指が、まるで牛の乳を搾り出すように玉袋を揉みし抱く。
「ふふっ。良いことじゃないか。おかげで世継ぎには困らずに済みそうなんだ。これからもヴァレリオには頑張ってもらわなきゃ、な?」
エミリエが優しい笑みを浮かべて、僕に口づけをせがむ
。唇同士を触れ合わせる傍ら、下半身では肉付きの良いむっちりとした太ももを使って、僕の陰茎を挟み込む。エミリエがもじもじと太ももをすり合わせると、男根の亀頭部がこすれ、快楽の波が背筋を走る。
「強精剤が良く効いているようで何よりです、ヴァレリオ陛下。足りないようでしたら、いつでも申しつけてくださいね。あなたのために、もっと強い薬を調合しますから」
「えへへ……私たちのこと、平等に可愛がってくださいるヴァレリオ様が大好きです……ヴァレリオ様にも気持ちよくなっていただけるように、頑張りますね!」
セレスとコレットが左右の耳に、甘いささやきを流し込んでくる。セレスとコレットの舌が、ねっとりとした唾液を乗せて僕の頬や首筋を這い回り、時折、耳たぶを甘噛みする。二人の指先は僕の胸板をくすぐるようになでさすり、男であるにも関わらず敏感になってしまった乳首を摘みながら刺激する。
「あうっ! あ、あぁ。みんな……だめだ、イクよ……っ!?」
美妃による四人掛かりの責めに気圧されて、僕の官能神経はたまらず絶頂の高みへと駆け登る。体内で大量に生産される精が後ろから押し出されるように爆発する。どぷっと耳に聞こえるほどの音を立て、僕の獣欲が射精孔から解放される。
「あ、はぁ……」
僕は身をぶるぶると震わせて絶頂の甘味な余韻に脱力し、四人の妃に支えられるまま身を預ける。
「エミリエ、まさかとは思うけど……あなた、挿れてはいないでしょうね?」
背後からティルダの不服そうに詰問する声が聞こえてくる。
「そうしても良かったんだがな。抜け駆けは、止めておいてやったぞ」
僕の目の前で、エミリエがにやりと笑う。返事代わりのティルダのため息が、僕の耳元をくすぐる。
「ヴァレリオ様の、まだ大きいままですよ……ねえ、次は私たちのことを、気持ちよくしていただけませんか?」
コレットが萎えることを忘れた僕の剛直を指の腹で撫でながら、どこか期待した声音で言う。コレットは央都に帰還して以来、積極的に物事を主張するようになった。
「でも、皆は大丈夫? 身重の身体に障らない……?」
僕は少しばかり心配になって尋ね返す。
「多少でしたら、ご心配いりません。すでに安定期に入っておりますので」
間髪入れずにセレスが返答した。
「それならば、話は早いわね」
僕の応えも待たずに、ティルダが立ち上がる。続くように、他の三人も僕の側から離れる。一糸まとわぬ四人の王妃は、僕に妊娠して肉付きの増した尻を突き出すように四つん這いとなる。妻たちの秘唇は一様に快楽への期待に震え、濃厚な愛蜜をしたたらせていた。
「さ、どうぞ? 夫を満足させるのも、妻の務めだものね」
「ふふっ。可愛がってくれよ、ヴァレリオ?」
「陛下。ご遠慮なさらず、お楽しみください」
「えへへ。ヴァレリオ様、いつもありがとうございます!」
四人は、僕を誘うように腰を振る。身ごもった腹が重そうに揺れる。
次の冬が来る前、実りの季節には僕の子供たちが産まれるだろう。やがて、春が訪れ、夏が過ぎ、子供たちは成長していく。
麗しき四人の王妃に、僕は立ち上がり手を伸ばす。愛しい彼女たちの向こう、透き通った青い空と輝ける太陽の下、元気に庭園を駆け回るであろう子供たちの姿が見えた。
第二十七話へ
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